モーリーが再会するまで(2)
閲覧注意です(..)
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モーリーが進んでいる道の先では欠損して走れなくなった荷台を運ぶ馬車とそれを囲む様に十人ほどの盗賊がいた、荷台の中に3人の兵士と1人の厳格そうな風貌の男性が現れて間もなく戦闘になる。揉みくちゃになりながらも戦いながら数の暴力を牽制するが盗賊の後方から荷台にいた彼らを狙う攻撃魔法が飛んでくる。
厳格そうな風貌の男性はマントで払う様に攻撃魔法を防ぐがダメージを喰らう、その一瞬の隙を逃がさない素早い盗賊の攻撃には統率されとても慣れた手段の様で何とか男性は攻撃を交わすと驚愕の声を上げる。
「何でこんな強い盗賊がこの街道にっ!!?」
彼ら達はある程度自分の身を守る術を持っていたようだが囲まれてなすすべもない状態に、相手は連携して彼らをじわじわ追い詰めていく。
「……ったく!うっせぇな!下手な勘繰りしてんじゃねぇよ!!」
「あっ!お前何喋ってんだ!!」「おい!早く殺して終わらそうぜ」
ゲハゲハと汚ならしい盗賊の笑い声、盗賊達は余裕のようだ。
その戦闘の最中、馬車の荷台沿って這うように親子と思われる女性と小さな女の子が現れた。荷台で背中を守りながら、馬の方へと向かい馬で逃げようとしているのか馬を繋ぐ金具を取ろうと子を庇いながら外そうとしていた。
ザッ!!ズシャァッッ!!
「おとうさまっ!!!」「「「旦那様っ!!!」」」「ぐわぁっ!!」
女の子の悲鳴の様な叫びと共に兵士と男性が倒れる。
「へっへっへっ『死人に口無し』ってヤツだよ、要はっ!殺せばっ!何もっ!言えねぇよな!わざわざこの道まで来た甲斐があったぜぇ!!」
盗賊は喋りながら倒れた男性を無惨にも滅多刺しする。兵士も喉に剣を刺されて激しい血潮が流れる。
この数では勝てる訳も無く、残りの兵士も自身を守る事に精一杯となり最早虫の息だ。
女性は素早く馬に女の子を乗せ必死に金具を外そうとガシャガシャしながら叫ぶ!
「大変っ!貴女だけでもお逃げなさいっ!あぁっ!!」
「おかあさまっ!!」「うああっ!!!」「がはっ!!」
虫の息だった残りの兵士もとうとう事切れ、女性は背中を切られ
、それでも必死に我が子を守ろうと小剣を取り出し盗賊と戦おうとするが簡単に小剣は弾かれて直ぐに複数の男の手が女性を拘束し押し倒され盗賊達が女性に覆い被さる。
「イヤアアァアッ!!!」「ボス、こいつぁいい女ですぜ」「あぁ好きにしろ。飽きたら殺せ、お偉いさんのご依頼だからな」
女性は服を切り裂かれ、悲痛な叫びを上げるがブツで口を塞がれる。女性は涙を流し段々と女性の叫び声はしなくなり、そんな姿を見た女の子は恐怖で震え動けなくなった。盗賊達はそんな女の子にもう逃走する意思も気力もないだろうとほっといてある者は女性を複数でもて遊び、ある者はボスと呼ばれている者と話しその場を離れ、ある者はニヤニヤとした表情で女の子を見つめた。そしてその一人の盗賊はボスに話しかける。
「ボス、娘はどうするんですかぁ?」「お偉いさんがおもちゃとして欲しいらしい、薬付けにして男を覚えさせろとさ」「じゃあ俺たちが使ってもいいんですよね?」「あぁ、絶対殺すなよ」「へへへ、わかってますよ」
ズボンを脱ぎ下半身を丸出しにした一人の盗賊がゆっくりとその女の子にニヤニヤとした笑みを浮かべて向かってくる。
「さあぁ~、お嬢ちゃんも俺と一緒に遊びましょうねぇ~」
女の子は目をギュッと強く閉じた。
もうダメだと思われたが盗賊の手は女の子には届かなかった。
女の子は優しそうな老人に抱き抱えられて黄金色の丸い結界に包まれて守られていた。
盗賊達は何か叫びながら次々と攻撃を仕掛けるが、結界は魔法も武器も通さない。
老人は片手で馬の身体を軽く手で叩いてどうどうと言って落ち着せながら空いたもう1つの腕でそっと女の子を抱き寄せて馬に乗せ直して自身も素早く馬に乗り女の子の頭を撫でた。
「お嬢さん、大丈夫だったかぁ?」
少し気の抜けた老人の声に女の子は安心し、その老人が助けてくれたのだと理解し涙を流した。そして女の子は震える手で老人の身体を手でギュッして抱きしめた。
老人はそんな女の子を抱きしめ返し、落ち着いた動作で馬を繋いでいた金具を外して盗賊を全く気にすることはせず女の子と共に馬を使って颯爽とその場を後にした。




