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ライラ戦のち


宿に戻り心身ともに疲れた身体をベッドに預ける。何かを考える事もなくただぼ~っとしているとふと俺の手が震えていることに気がついた。ライラと、人と戦ったのだ。手合わせとはいえ真剣での戦い、その恐怖が今さらになって現れた。


……ライラ……彼女はとてつもなく強いのだろう。俺は時間を止め、何とも卑怯な手でライラに勝った。『リアと弟子として旅をしている』という嘘に現実味を持たせる為に。


負けても良かったのだろうが、上手く負ける能力の無い俺はリアとの作戦会議でどうしても戦う事になったら一瞬で勝負を決めることにしたのだ。弱い姿を見せるより強い姿を見せたほうがライラは納得するとリアは言っていた。


リアの考えた通り、ライラは自身に勝った俺を認めたみたいだった。


……だがそれで本当に良かったのだろうか……。


もやもやする気持ちは晴れなかった。それでも身体は疲労しており気付けば眠りに付いていた。



ーーーーーー



翌朝、昨日の出来事と打って変わって日常に戻りマンドラゴラの収穫作業を再開した。恐ろしい量の畑を収穫する作業をする魔法使いは何故かおらず、カーヤの家から近い畑から順番に収穫していくが……果たしてコレはいつ収穫終えるのだろうか。


時間を止めて収穫してはMPが回復するまで休む、明らかに止めれる時間が延びている。クエストを受ける前までは1分ほどがせいぜいだったのだが今は10分はいけるようになった。たかが10分だが1秒止めるだけでも火の矢(ファイアーアロー)の50倍ほどのMPを使用するので10分時間を止めれる程成長したことははっきり言って異常だった。一応俺の身体はしっかりチート使用なんだなと今さらながらに思う。


収穫作業を続けて昼頃、カーヤ特製マンドラゴラご飯が出来た事をリアが俺に知らせに来た。家に着きカーヤに礼を言って出されたマンドラゴラをぶつ切りにして煮ただけの煮物を食べ始める。


出された飯に文句を言いたくないので黙って食べているがこの仕事を受けて出された昼飯は全てこのマンドラゴラ煮である。

マンドラゴラ自体が美味しいし、食べた後身体の調子も良くなり収穫が捗るので食べる事は嫌ではないのだが、流石飽きていた。


流し込む様に食事を取ってる中、カーヤがふと思い出した様に話しかけてきた。



「そういえばなんだけどね、レジくん」



「ん?なんですか?」



俺は食事をしながらもカーヤにチラリと目をやる。



()()()()()()調()()()()()()()()()()()?」



カーヤのニコニコとした表情は変わらないが何か深い意味がある質問を言い放つ。

その言葉を聞いてリアはプルプルと身体を震わし、バンッと机を叩いたかと思うと怒鳴った。



()()()()()()()()()()()()()()



のほほんとした表情を変えずギャーギャー騒ぐリアの話を聞いているカーヤ。よく話を聞いているとこの依頼中に俺だけじゃなく、リアまでMPの基礎値が増え、ステータスが強化されたらしい。いいことじゃないか…と思われるがリアの場合はレベルという概念では上がりにくい状態、経験値が多く必要なのだ。にも拘らずレベルがあがったと…急激な変化が起きたということだった。


そんなきゃんきゃん喚くリアの話を喜んだ表情でカーヤは答えた。



「ふふふ………これはいい結果ですねぇ!! 大したことじゃないですよリアちゃん! このマンドラゴラのお陰なんですぅ!!」



両手で掴んだ生きたまま(?)のマンドラゴラを見せ付ける。マンドラゴラはビックリした表情をしたが目があったことで照れた表情を浮かべた。カーヤの話では基礎数値を上げる事ができる食材となったそうだ、といっても魔法を組み込んで料理した場合だけだそうだが誰でも動くマンドラゴラを食べれば強化されるらしい。



「……本来このような効果は通常のマンドラゴラには無くこの動くマンドラゴラは魔法使いにとっては最高の食材になったと言えるでしょう! 今後更なる調査と研究を経て国の機関に報告をしたいと思います。そもそも通常のマンドラゴラと違い動いていることから……」



カーヤは何か火についたようで長々と話を始めているが大体の事もわかったからご飯を食べ終わったので収穫を再開することにした。


日が落ち始め今日の区切りを終えてカーヤに挨拶し宿に戻った。





ーーー


収穫をし、宿に戻り剣術の稽古をし続けて2ヶ月……

ようやく収穫が終わったのだった。

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