バッジを手に入れるまで
「ガッハッハッハッ!!!」
アーヴィンの満足した声が聞こえる。
リアはなくなく火の適正があることを認めて拗ねて何処かへ行ってしまった。
「んじゃ、お前に火属性のバッジやらなかんな!まぁ、3日後にでも出来ると思うから出来たら渡すからな」
どうやら、火属性のバッジも作るようだ。
何やら、それも身分証同じく一人につき一つの特別な物らしい。
「おっと、そうだ。それまで暇だろ?国を観光するなら今の内だな。あんまり長いしたらここにはギルドが無いからろくな仕事が無いからな。それから魔法の腕が鈍るって言うならここで魔法の練習しろ!何なら俺が相手してやるからな」
アーヴィンのニカッと笑う笑顔が何処と無く怖い…それはまた今度でとうやむやに返答し、暫くは観光することにすると話をして今日のところはMPも切れたので帰る旨を伝える。
「おう!また今度なー」
…アーヴィンは戦うことを諦めて無いように見える。
はっきし言って戦いたくはない。そそくさと魔法庁をあとにした。
魔法庁を出た俺は商店街へと向かう。
アーヴィンが言っていたギルドというのが気になり旅に出ようと思ったからだ。だが、今の装備はとても心許ない。
装備……短剣、旅人の服、旅人のブーツ
………なんとも貧相だった。これでは一端の冒険者にも魔法使いにも見えないし、ろくな冒険もしてそうにも見えないな。
商店街の通りにある、武器防具屋に向かう。
何かいいものがあればいいのだが…
実質、ゴブリン討伐でもらった銀貨約100枚しかない。
せいぜい使っても50枚といったところか、内心いい装備は揃えられないだろうと思っていたので完全に半分は観光がてらである。
「いらっしゃい」
店の中は広々していて、店の隅にカウンターがあり堅物そうなおじさんがカウンターで顎に手を当てて此方を見てくる。
カウンターの正面のエリアは壁に綺麗に飾られた剣や盾、台に置かれた装飾品や兜。防具立てにはフル装備で飾られている。
立派な槍も一つ一つ分かるように槍の台に立て掛けてある。
正面のエリア以外のスペースは壁まで届いている大きな棚に乱雑に武器や防具が並べられていた。
「ん?おめえまだ若えな新米か?何がほしいんだ?金はいくらある?」
「防具と、出来れば武器も。予算は銀貨50枚ぐらいですが大丈夫でしょうか?」
「なんでぇおめえ武器も持ってないのか?」
「いえ、一応武器はあるんですが」
そういって俺は短剣を出した。
おじさんはほうと言ってマジマジ見ている。
「中々いい短剣じゃねぇか、安いなまくらなんかで装備整えるよか、50枚使ってそこそこいい防具を買いな。銀貨50枚ならコイツがオススメだな」
そういってカウンター横の壁にある棚から防具を取り出す。
胸当てのようだ、主な素材は金属で出来ていて表面には何かの皮でコーティングしてある。
「コイツはな金属は大したことないんだが、この革が魔獣の皮で出来てるんだ。中々いいもんだが売れ残りでな価格は安いんだ」
どうだ?と言って勧めてくる。
勧められるがまま購入するのはどうかとは思うが、なまくらで装備を整えるなとアドバイスも持っていたので、おじさんを信じてそのまま購入する。
「そうかそうか。じゃコレも付けて銀貨50枚でどうだ?」
と気を良くしたのかまた棚から取り出してきた。
マントのようだ。
「旅するならマントがねぇと、寒かったり風で砂が舞ったり大変だからな!コレも魔獣の皮なんだ、長持ちするだろうから使っとけ」
おじさんが言うことも一理ある。完全に言われるがまま購入した。
これで少しはマシに旅が出来るだろう。
俺は満足して店を出た。
明日また観光することにしようと早めに宿に行きベッドに倒れ込んだ。
今日も色々あったなと何気なしにステータス画面を開こうとする………と左上にメールアイコンが出てメールの中身が開かれる。
『一定期間が過ぎました。ステータス画面の表示がOFFになります、今後ステータス画面の使用は禁止されます』
…と表記された後ブツンッという音を立ててステータス画面が出なくなった。
出そうとしても出ない。どうやら本当に使えなくなったようだ。
これではスキルなどの確認が出来ない…どうしたものか…
ハッ…そうだ!魔法袋……
と手が届く位置に時空の歪みが発生する。
中に手を入れて何かを取り出してみる。
………よかった、使えるようだ。
思えば、女神にこの世界のこと何も説明してもらってないな…
そんな事を思いながら今日という1日を終えた。




