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俺の相棒はいつも艶々している  作者: せりざわなる
セットアップの章
4/6

4.質問を承ります

説明回ですね。

展開が遅くてスイマセン

もちろん、そんな驚きの声を上げた奴は居ない。逆に、一気に静まった。

サイラスはそんな俺達の反応を見て戸惑っている。

なんせ、皆が彼を見つめているのだから、無理はない。


甘いぜ。

まず、集団では皆の事を考えて動きましょうと習う俺たちは、こちらから何かアクションをする事が不得手だ。

それに「ご協力を願う」のは構わないが、まだまだ説明が足りなすぎる。だから、その説明を待っているんだ。


残念ながら、サイラスはそういった俺たちの雰囲気を読めていない。話のオチが見えないうちは、待つ姿勢を解かないという人への特性があまりないのだろう。


可哀想だろ。誰か、何かしてやれよ。


「ーあの。よろしいですか」


新城がすっと手を挙げた。

おお。やっぱり、こういう時は新城だよな。


「この国の状況をお話下さって有難うございます。まずは簡潔にという事でしょうが、とても分かりやすかったです。でも。いくつか質問をしてもよろしいですか」


想定外でもリアクションはリアクションだ。

サイラスは安堵した様子で表情を和らげ、頷いた。


「色々疑問を持つのは当然の事でしたね。失礼致しました。どうぞ、ご遠慮なく。…ああ、あなただけでなく、皆さまも」


新城も頷いて立ち上がった。


「では、僕から。まずは、どうして僕たちが召喚されてまで、魔物の討伐に協力しなければならないのですか」

「く…それについては再度お詫び申し上げなければならないですが、理由としては主に2つございます。1つは、異世界からお越しの皆様には我々の神より加護がつくから。これは、ご協力頂く場合に大変助かるのです」


ざわざわっ!

お座りくださいとサイラスが促し、新城は席に戻る。


「2つ目は、人が足りないからでございます。貴方の先程のご質問には、皆様にお願いする前に、我々は何をしているのかということも含まれておいででしょう」


何人かはその言葉に頷く。


「先程も申しましたが、現在この大陸全土は荒れ始めております。さりとて、予測がつく未来に、これまで我々が何もしなかったというわけではありません。常に事態に備え、日々鍛練を積み重ねおりました。簡単ではございませんが、魔王とて我々で対応ができるでしょう。しかしそれは、大陸全土が協力しあえば、という前提でございます」

「つまり、この事態に乗じて、良からぬ事をしようとしている国があるというのですか」


新城の問いに、サイラスは頷く。


「悲しい事ではございますが。…それは和平協定を結んだ四つの国でございます。彼らは、現在、このシャリハール王国に侵攻せんと軍を動かしております。我が国の戦力は現在、王族自ら軍を率いて、これらからの防衛と治安に当たっておりまして、魔物討伐は冒険者ギルドに頼らざる得ないところなのでございます」

「和平を結んでいるのですよね?協定違反にならないのですか?」

「それは、其々が他の三国を敵と見なして争う事で、周辺国に多大な影響を与える事を懸念した上での協定です。我が国を侵攻するというのは、協定事項外なのです」

「それらの国は何が狙いなのですか?」

「協定を結ぶ際に、契約の石というものに神への誓いを刻みます。これらは調停役を務めた我が国が預り、神樹の元に保管されております。それの奪取と破壊がまずの目的かと。ただ、奪取だけが目的ならば、軍を動かすような目立った動きをせずとも、やりようはございましょう。その所を調査中でございまして、真の狙いは何かとは、今申し上げる事はかないません」


新城は、腕を組んで少しの間考えていたようだった。


「…わかりました。では次に、僕達があなた方に協力したとして、今後どのような待遇や保証をしてくれるのか。討伐へはどのように向かわせるつもりなのか、教えて欲しいです」


サイラスは頷いた。


「皆さまには、一つの屋敷をご用意しております。暫くはそこで滞在して頂きたい。もちろん、寝食不自由なきよう、精一杯務める所存です。そして、武術、魔術、この世界の知識を学んだ後、皆さまそれぞれの特性を活かせる方同士で組んで頂き、討伐に向かっていただきたいと思います」

「僕達を屋敷にとの事ですが、行動は制限されるのですか」

「…皆さまの安全の為にも、ある程度はご了承下さい。ですが、私は皆さまのお世話を王より仰せつかりました。皆さまが屋敷にお住まいになられた後も、お任せ下さい。ご不満もご要望も承ります」

「そうですか……僕からもう、特にはないですね。他に聞きたい奴、いる?」


ふあああっ

あ、質問タイムは終わった?

テンプレ展開でちょっと飽きてきちゃったし、屋敷を用意してくれたなら、とっととそっちに移動したいよ。


「なあ!さっきの神様のご加護って、スキルのことだろ!どうやったら、わかるんだよ!」


新城が最初に質問してくれたお陰で、ハードルが下がって、あちこちで手が挙がり始めた。


「それでは、これから皆さまが授かったご加護と適性についてご説明いたしましょう」




テンプレ展開はまだ続くらしい。

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