表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集2 (51話~100話)

ポイント

作者: 蹴沢缶九郎

街を行き交う人々の頭上に、何やら数字が表示されている。


スーツ姿の中年サラリーマンは『65620』、犬を散歩させている老婦人は『91200』、子連れの親子は母親が『47319』で、その子供が『204』と、人によってその数字はまちまちだが、どうやら若ければ低く、逆に高齢になれば高くなる傾向にあるようだった。


そんな中、突然一人の老人が胸を抑え、苦しみながらその場に倒れた。どうやら心臓の病だったらしい。


「大変だ!! 人が倒れた!! 私が救急車を呼ぶ!!」


「いや、私が…。」


周りの人々はこぞって老人を助けようとする。だが、そんな騒ぎをよそに、倒れていた当の老人は、まるで何事もなかったかの様にムクリと起き上がった。


一人の男が老人に近づき聞いた。


「ひょっとして、10万ポイントを越えていたのですか?」


「ええ、つい先日ね。1UPしていたおかげで、この通り命拾いしました。」


老人はニコリと笑った。


人々の頭上に表示されている数字は『親切ポイント』と呼ばれており、人に親切にする事で加算されていく。

そして、ポイントが10万を越えると1UP、つまり自分の新しい生命が与えられるのだ。


助かった老人、その老人を助けようとした人々の理由は全て親切ポイントにあった。


場所は変わり、ある病院で親切ポイントが10万に満たなかった男が亡くなった。頭上の数値が消え、変わりに文字が表示された。


『GAME OVER』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ