今日
逃げ道の第8段です。 8段目なので、この話だけでは、わかりにくい所もあると思いますが どうか最後までお付き合いください。
「光来 起きろ」
「んー‥‥あれ?沖田さん‥‥」
「あれ?じゃねぇ起きろ」
「俺 今日は、昼まで非番ですよ」
「んなこたぁ分かってんだよ 検診だ」
検診・・・あぁ・・・・
「俺 もう大丈夫ですよ」
「それも分かってんだよ
一応だ」
一応・・・・ね
「着替えたら、さっさと来い」
「あーい」
検診なんてもう必要ねーのになぁ・・・・
「失礼しまぁす」
「おぉ 光来久しぶり」
「久しぶり 一雅くん」
東夢 一雅[どうむ いちが]25歳 沖田さんのダチ・・・たぶん で、医者をしている。
「じゃ そこ座って」
一雅くんの前に用意された イスに座る。
「ちょっとやけ 前 上げとってね」
一雅くんに言われた通り、団服のシャツを上にあげる。
ピクッ
「あっ 言うの忘れとった 聴診器 冷たいけ」
「遅いよ」
「ゴメンね」
沖田さんとは、大違いだ。
見た目からして、怖そうな沖田さんと 優しそうな一雅くん。
実際そうなんだけど・・・
「よし もういいよ 大丈夫」
「だろぉ なんで、沖田さん毎月毎月 検診させんのかな‥‥‥」
「やっぱ 心配なんだよ 11、12才ぐらいまでは、体 弱かったからな光来」
「まぁね‥‥」
「それにしても光来」
「なぁに?」
「お前 エロくなったな」
「はっ?」
一雅くんの発言に目を見開く。
「体 キスマークついとったよ」
「え‥‥」
絶対 沖田さんだ。
この間の・・・・・
「誰とヤったん?」
ニヤニヤしながら、こっちを見てくる。
「俺とヤった」
タバコを吹かしながら 検診用の部屋に入って来る沖田さん。
「びっくりしたあ‥‥でもやっぱり? 夕と光来 できてると思ってたんだ」
「うぇ!? 分かってたの?」
「分かるって、光来 カワイイもんな」
俺の頭をなでる。
「おい 一雅、光来は、やらねーぞ」
「分かってるって、それに俺は、ココの副長ねらい」
「「副長!ヤベっ」」
ドアの方で突然の声
「恭二と時? こっちおいで」
ニコッと笑って、手招きをする一雅くん。
「すいません 一雅さんが久しぶりに 来てるって聞いたんで」
「久しぶりって、毎月 来てるよ俺は」
「いや でも俺ら先月 会ってないんで」
「ああ そっか」
「つーか 一雅くん 副長ねらいって本当?」
「本当」
「入るぞ」
「おお 副長」
一悟 司季[いちご しき]23歳 団の副長
「何だ お前らココにいたのか」
「いました あっ!副長 一雅くんが‥‥」
「時ぃ!?」
「ヤベっ‥‥何もないです」
「どーでもいいが お前ら 集会場に集まれ」
「俺もですか?」
「悪いな 昼まで非番なのに」
「いやいいですよ 沖田さん 行きましょう」
「ああ テメェらも行くぞ」
「「はぁ〜い」」
「一雅 テメェは、まだいるなり、帰るなり 好きにしろ」
沖田さん なんか今日 優しい・・・
いつもなら、帰れって言うのになぁ
でも よかったやん一雅くん
「後は‥‥」
司季が、持っているボードを見る。
「もう全員だ‥‥じゃあ東夢さん 俺もこれで」
「あっ 司季くん」
「はい?」
「今日の夜 空いてる?」
「夜‥‥ちょっと待ってください」
手帳を取り出し、ページをめくっていく」
「今日なら 大丈夫ですよ」
「そう それなら、今日―――――」
「時 知ってる?」
「何が?」
がやがやと騒がしい集会場。いきなりの呼び出しだから、何かあったのだろう・・・・
1番前には、タバコを吸いながら面倒臭そうに報告書のような物を見ている沖田さん。
あの顔は、たぶん将軍が街に来るから 俺ら団が護衛しろとかだな。
「矢吹も聞くか?」
「何をですか?」
「副長な 俺に一雅くんが、今度いつ来る?とか 毎月 来てるんだよな?とか 結構聞いてきてたんだよなぁ」
「「マジで!?」」
「マジ マジ」
「じゃあ よかったですね 一雅さん」
「よかったよな〜」
「並べぇ」
「おっ 来た」
「なんか 嬉しそうじゃない?副長」
俺と矢吹と時が顔を見合わせてニヤっと笑う。
よかったねぇ 副長、一雅くん。
終劇
最後まで読んでいただきありがとうございます。