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第88話〜妹♪

 




【放課後:部室】



「…ねぇ、キョーヤ〜?」


「ん…?どうした?」




いつも通り適当な場所でマンガを読んでいる俺の所に、カゲリが歩み寄ってくる。


…どうせ『ヒマだから遊ぼ♪』とか言ってくるんだろ?




「ヒマだから遊ぼ♪」


「…そのまんまだな、お前。」


「え?何が?」


「…いや、何でもない。」


「?」




わかりやすい性格なのはいいけど、少しは裏をかけよ…


…いや、わかりやすい方が被害にあわなくて済むのか?




「遊ぶって言ったって…何をして?」




今はあくまでも部活の時間。


当然、グラウンドや体育館は使えない。


部室で遊ぶにしても、この部室に遊べそうなモノなんて………KYO-YA以外にない。




「……何して遊ぶ?」


「考えて無かったのかよ!?」


「だって…私はキョーヤと遊べたらそれでいいんだもん♪」




いや、そんな笑顔で言われても…


せめて何をするかくらいは考えておけよ…






「…なんだか、こうして見ると恭也さんとカゲリちゃんって兄妹みたいですよね。」


「ヒカリ!?」




何言ってんの!?


…いや、否定はできないか。


カゲリは子供っぽいからな…






「兄妹かぁ…。それならさ、キョーヤのこと『お兄ちゃん』って呼んであげようか?」


「は…?」




…何考えてんの?


お前は妹系でも目指してんのか?




「あのなぁ…俺はそんな風に呼ばれたいとは思わな……」


「遠慮する事無いよ♪キョーヤお兄ちゃん♪」


「!?」




なっ…!?


何だ今の感覚は…!?


なぜだかわからんが、カゲリがかわいく見えるような…!!




「…あれ?どうしたの?」


「い、いや…!」




危ねぇ…


幸いにも気づかれてはいないみたいだ…


もしこの場に悠希やスイレンみたいなヤツがいたら、このネタでからかわれるな…






《…クイクイッ》



…ん?






「……恭也お兄ちゃんって妹系に弱いの…?」




いたぁ!!?


そういえば、澪もよく人をからかうタイプだった!




…でも……






「…いや、別に…」


「……あれ…?」




今度は別に何も感じなかったな…


もう慣れたのか…?


いや、それは早すぎるような…?




「もう!真似しないでよ!キョーヤお兄ちゃんは私のお兄ちゃんなんだから!」


「!?」




ま…また…!!?


…こ、これって…!?




「……なるほど、カゲリさんじゃないと効果が無いってこと…」


「ち、違う!?お前は勘違いして…!?」


「そうなの?お兄ちゃん?」


「その呼び方をやめろーーー!!!!」




なぜだ…!?


俺は別に妹系が好きってわけじゃなかったのに…!?


なぜカゲリに『お兄ちゃん』と呼ばれるとドキッとするんだ!?




「お前らまさか変な発明品作ってないだろうな!?」


「つ、作ってませんよ!」


「単純に私がかわいいだけだよ♪」




自分で言うな!!



…でもあまり否定できないよな…


初めて会った時、かわいい子だなって思ったし……



…………。



いや、かわいいって思っただけだからね?


別に惚れたとか、そういう話じゃないからね?


勘違いしないでね?




「……妹系キャラ誕生…」


「やった〜♪」


「喜ぶな!子供っぽいって言われてるようなものだぞ!?」


「でもキョーヤお兄ちゃんはこういうの好きなんでしょ?」


「だからその呼び方をヤメロ!!!!」




ヤバい…!


あの笑顔であんなセリフを言われると、なんだか頭を撫でたくなってくる…!


耐えろ!

俺の理性!!






「…てか、ヒカリも止めろよ!自分の妹がこんな事してていいのか!?」


「カゲリちゃんがそれでいいならいいんじゃないですか?」




よくねぇよ!


止めろ!


数少ない俺の味方になってくれ!!






「できれば…その…私も一度は『お姉ちゃん』って呼ばれたいんですけど…」




ちょっと待てぇ!?


何その願望!?




「そういえばずっと名前で呼び合ってたもんね…。今日だけだよ?ヒカリお姉ちゃん♪」


「…すいません。ちょっと泣いてきます。」


「ヒカリィィィィィ!!!?」




ヒカリだけはマトモなヤツだと思ったのに…




「……妹パワー恐るべし…」


「…確かに!」




あのヒカリを倒してしまうとは…!


俺がドキッとするのも当然の話だ…



…そういう事にしておいてね? 




「もしよかったらレイの事も『お姉ちゃん』って呼んであげようか?」


「……呼ばれたら多分本当に妹にしちゃうかも…」


「…言っとくけど、誘拐・拉致は犯罪だぞ?」


「……耐えられる自信が無い…」




澪はかわいいモノ好きだからな…


カゲリの破壊力に耐えられるわけないか…




「じゃ、大地にやってみたらどうだ?」


「お?ついに俺の出番が…」


「絶対ヤダ!」


「即答!?何故!?」




いや、理由はもう明らかだろ。


聞かない方がいいと思うが……




「ウザいから。」


「ぐはぁっ!!!」




…予想通りだな。


てか、その反応もウザいからやめろよ。




「……そういえば大地君っていつからいたの…?」


「いや、最初からいたんだけど…?」


「……ふーん…」


「会話終了!?」




…あいかわらずの扱いだな。


まぁ、出番があっただけいいだろ。


後は教室の隅でいじけてろ。



…ん?冷たすぎる?


アイツはああいう扱いだから仕方ないよ。






「…すいませんでした。ようやく落ち着きました。」


「お?やっと復活したか…」




まさか『お姉ちゃん』って呼ばれただけで嬉し泣きとは…


そんなに嬉しかったのか…?




「あ!お姉……むぐっ!?」


「待て待て待て!!またヒカリが…!」


「何で止めるんですか!!」


「えぇぇぇぇぇ!!?」




何なのお前!?


頼むからいつものヒカリに戻ってくれ!




「ヒカリ!正気に戻れ!」


「私は正気です!」




どこが!?


いつものお前と同じなのは話し方だけだぞ!?




「私だって『お姉ちゃん』って呼ばれたいんですよ!恭也さんだけズルいじゃないですか!」


「俺は別に呼ばれたいなんて思ってねぇ!!」




「…そうなの?」


「!?」




カ、カゲリ…!?


やめろ!!


そんな悲しそうな目で見るな!!




「そっか…。キョーヤはあんまり嬉しくなかったんだ…」


「い、いや…そういうわけじゃ…」




《…ガシッ!》




…うわぁ……嫌な予感……






「…カゲリちゃんを悲しませちゃダメじゃないですか。」


「あ、あの…こ、これは俺のせいじゃ…」




あ、ヤバい…


これは何を言っても無駄なパターンだ…



それじゃみんな、また次回……












「『お姉ちゃん』!やめて!」


「はい♪」


「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?」




いやいやいや!!?


弱すぎない!?


『お姉ちゃん』の一言であっさりやめちゃったよ!?




「……初めて助けられたね…」


「…相当かっこ悪いけどな。」 




嬉しいような情けないような…


まぁ、被害にあわないだけいいけど。




「キョー…お兄ちゃん、大丈夫だった?」




なぜ言い直した!?


普通にキョーヤって呼んでいいから!




「…いい加減いつもの呼び方に直してくれないか?」


「ヤダ♪今日はずっとこのまま♪」




…もう放課後なのが唯一の救いか?




「言っとくが、俺にはもうそんなのは通用しないぞ?いい加減慣れたから。」


「……なんだ…つまんないの…」




…なぜ後ろのヤツが残念そうにする?




「通用しないって…何が?」


「い、いや…だから…もうドキドキしないって事だよ。」


「え…?もしかして…本当にドキドキしてたの?」




…もしかして冗談だと思ってた?



…………。



…墓穴掘っちまった!?




「そうなんだ…。キョーヤが私に……」


「ま、待て!そういう深い意味じゃなくてだな…!」









「嬉しい〜♪」


「うわっ!?」




ちょっ…!?


だからいきなり飛びついてくるなって!!




「キョーヤもやっと私に好意を持ってくれた〜♪」


「こ、好意って…!?」




これは好意じゃないと思うぞ!?


どっちかというと小動物を保護したくなるような感覚の方が近いって!




「勘違いだって!俺は…!」


「……恭也君は萌えただけであって好意を持ったわけじゃない…」


「違う!!人聞きの悪い事を……!!」


「とりあえず、キョーヤが気に入ってくれたならいつでも『お兄ちゃん』って呼んであげる♪」




お前らに俺の言葉は届かないのか!?


殴らないとわからないならマジで殴るぞ!?






「いいか!この際ハッキリ言うが、俺のタイプはだな……!!」




………………あ。




「キョーヤのタイプ!?知りた〜い♪」




…しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?


つい言ってはいけない単語を言ってしまった!!




「……そこは黙ってないと…ほら、止まっちゃった…」


「あ!つい…。でもキョ…お兄ちゃんなら教えてくれるよね♪」




いやいやいや!?


言うわけ無いよ!?


今のは口が滑っただけで…!


てか言い直すなって!




「…ところで話を戻すが、俺は別に…」


「戻しちゃダメ!!」


「……この際白状して…」




大ピンチ…!?


何とか逃げる方法を考えなくては…!!










《…キーンコーンカーンコーン…》



「あ!?チャイム鳴っちゃった!?」


「ほ、ほら!チャイム鳴ったんだから早く帰らないと!だからこの話はここまで!」


「……残念…」




た…助かった……


このチャイムのおかげで何とか………










「…恭也さん、私は騙されませんよ?」


「!?」




しまった…!?


気づかれた…!?




「え?なに?どういうこと?」


「恭也さんは『アレ』を持ってるのを忘れたんですか?」


「『アレ』…?」


「…『疑似チャイム音発生装置』です!!」




…バレた……


覚えてない人のために説明すると、『疑似チャイム音発生装置』とは名前の通りチャイムと同じ音を出すためだけの機械で、ピンチから脱する時にいつも愛用している発明品だ。




「なんだっけそれ?」


「覚えてないんですか!?カゲリちゃんが勝手に作った発明品ですよ!?」


「あ〜!『ズル休みシリーズ』のやつ?」




ちょっと待てぇ!!?


何だその悠希が欲しがりそうなシリーズは!?




「……それって私たちを騙したってこと…?」


「いや…その…!騙したっていうか……」




…あれ?


これっていつものパターンじゃない? 




「……そんな悪い人にはお仕置き…」


「待て待て待て!?お仕置きされるような事じゃないだろ!?」


「……理由なんかどうでもいい…」




どうでもよくねぇよ!!


俺が納得するような理由を持って来い!!


…どんな理由だろうと納得なんかできないけどな!




「レイ、そこまでする程の事じゃないと思うよ?」


「そうですよ。カゲリちゃんの言うとおりです。」




まさかの味方が…!


ヤバい…感動…!!




「……好感度を上げる作戦…?」


「ち、違うもん!!」


「……たまには恭也君にもコスプレさせようと思ったんだけど…」


「え?どんなの着せるの?」




…おい?


何か話の流れがヤバい方に向かってないか?




「……執事の服とか…和服とか…警官の服なんてのも…」


「そんなのどこから持ってきた!!?」


「かっこよさそう〜♪お兄ちゃん、着てみてよ♪」


「誰が着るか!!」


「……妹の言う事くらい聞いてあげなくちゃダメだよ…」


「妹じゃねぇ!!」




ヤバいな…!


カゲリが澪側に引き込まれたってことは……




「…ヒカリ?お前は俺の味方だよな…?」


「今日の私はカゲリちゃんの味方です♪」




やっぱりか!!


一気に劣勢に…!




「……さて、それじゃ早速…」


「お兄ちゃん!覚悟〜!!」




…しまった!?


いつの間にか囲まれてる…!?


これじゃ逃げられ……………ギャァァァァァァァァァーーーーーー!!!?


やっぱりいつものパターンだったぁーーーーーーーーーー!!!?
















…あの後何があったかはみんなの想像に任せよう…


俺はもう思い出したくない…




最後に一言だけ言っておこう……









俺は決してカゲリに萌えてねぇ!!!

カゲリのキャラ、初期に比べるとだいぶ変わりましたね…          一応言っておきますが、カゲリは妹キャラにする事は(多分)無いと思うのでご安心ください。     また妹みたいなカゲリを見たいという場合は言ってください。        その時はまた出したいと思います。                    それでは、今回はこの辺で。           感想・評価・意見・リクエスト・質問・アドバイスなど、お待ちしてます!!

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