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第85話〜悪夢の調理実習(前編)

 




…さて、みんなは覚えているだろうか?


体育の時、俺たちはA組の連中と一緒だったということを…


実は、体育以外にもA組と一緒にやらなくてはいけない授業があったりする…



それは……










「は〜い♪今日はみなさんお待ちかねの調理実習ですよ〜♪」


『オー!!』




…何で調理実習をA・B組合同でやるんだよ?


人数多すぎない?


ってか、お前らテンション高すぎだろ…


毎日作ってる側としては、調理実習なんかやりたくないんだけど…




「しゃあ!女の子たちに俺が料理もできるって事をアピールしてやるぜ!」




…アイツとは絶対に一緒の班になりたくない。










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…はい、というわけで早速調理を開始してもらいます♪」




…先生から、何を作るのかと簡単な作り方、そして班分けについての説明を聞くと、みんなは一斉に動き始めた。



…やっぱり、この学校の授業は相当おかしい。


今さらながら、そう思えるような説明だった…




まず、班は8人1グループでメンバーは自由。

(男女及びA・B組の比率も自由)


作るモノは…自由。



…うん、自由ってだけならまだいいんだよ。


問題はここから。






…条件として、2人で一品作ること。

(計4品)


作ったモノは班のみんなで仲良く食べること。

(例えそれがどんなにマズくても……)




…これで何でみんなが先生の説明が終わった瞬間に動きだしたかがわかっただろう。


つまり、料理が上手いヤツと組まないとおいしい料理にはありつけないし、逆に料理が下手なヤツと組むとヤバい事になるからだ。


俺も料理が上手いヤツと組まないとな……







《ガシッ!》



…ん?




「まずは1人確保ね。後は…澪も料理できるって言ってたわよね?」


「げっ!?悠希!?」


「…何、その反応?」


「い、いや!何でもない!」




厄介なヤツに捕まっちまった〜!?


コイツって料理できたっけ!?


スイレンの家に泊まった時はできるって言ってたけど、実際はどうなんだ!?



…いや、でもコイツだっておいしい料理を食べたいはず!


それなら、料理できるヤツばかり集めてくれるよな!?


例え悠希が下手でも、他のヤツが上手ければ何とかなる!


だとしたら、悠希はご飯担当か…






《…ガシッ!》



…え?




「ちょっと待ったぁ〜!彼はボクのグループがもらったぁ〜!」


「…ってスイレン!?」




いや、お前は却下だから!


お前は以前、料理したらキッチンが爆発するって言ってただろ!?


そんなヤツと一緒のグループになんか誰が入るか!




「何よ!恭也は私が先に捕まえたんだから私のモノよ!」




…『モノ』?




「無理やり捕まえたくせに!恭也はボクと一緒のグループがいいもんね?」




いや、お前とは絶対に組みたくない。




「後から来たくせに!アンタはそこら辺で余ってる人と組めばいいじゃない!」


「ボクだっておいしいモノ食べたいもん!キミが他の人と組めばいいじゃん!」




…勝手に言い争っててくれ。


どうせ俺に拒否権なんて無いんだから……







《…ガシッ!》



…ってまたかよ!?


今度は誰だ!?






「…へぇ、お前も料理上手いのか?だったらお前もこっちだな。」


「よろしくッス!」




えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?


赤樹と千秋!?


一番予想外のグループが来た!?




「え!?な、何でお前らが俺を!?」


「…俺らと組むようなヤツに料理上手いヤツがいると思うか?」




あ、妥協ってやつ?


仕方なく俺をってことか?



…却下に決まってるだろ!




「悪いが、他を当たってくれ。」


「いいんスか?そこで言い争っている2人は料理が得意そうには見えないんスけど?」




う……!


た、確かにそうだが…




「その点、千秋は料理得意ッスよ!自信ありッス!」


「…まぁ、俺は上手いとは言えないが、人並みにはできる。お前にとっては俺らと組むのが一番いいと思うが?」




確かに…!



……でもさ…………






「…何で今回はそんなに必死なんだ?」


「…クソマズイ飯を食いたくはないからな。」


「それに、組んでくれる人も少な…」



《ゴンッ!!》



「っ〜〜〜〜!!?」


「…余計な事は言うな。」


「す、すいませんッス!!」




…そういうことか。


まぁ、俺としてはラッキーだけど♪






「……私もそのグループに入っていい…?」


「れ、澪!?」




相変わらず神出鬼没だな…


心臓に悪いからやめてくれない?


目立たないキャラなのはわかってるからさ。




「…あぁ?何ふざけた事言ってんだ?テメェ、前に俺をバカにしたヤツだろ?」




まだゲーム作りの時の事引きずってんのか!?


…まぁ、気持ちはわかるけど。




「あ、兄貴!そろそろ許してあげても…!」


「うるせぇ!!黙ってろ!!」


「…!!」




恐っ!?


完全に怒ってる!?


そこまで怒らなくてもいいじゃん!?




「ち、ちょっと落ち着け!お前は料理できるヤツ集めてるんだろ!?澪は料理できるはずだ!」


「……少なくともそこで偉そうにしている男よりはできる…」


「テメェ…!!」




ちょっと待てぇぇ!!?


何で澪もケンカ売るような発言するの!?


お前、本当にこのグループに入る気ある!?




ヒソヒソ…

(澪!アイツをあんまり怒らせるなって!)


(……私、あの人の事キライなんだもん…)


(だからって…!)


(……だって、あの人…恭也君にヒドい事するんだもん…)


(…………。)




…そうか、澪は俺の事を想って……






(……それに、ストレス解消にちょうどいいし…)




そっちが本音だろ!?


ちょっと感動した俺がバカだった… 




「と、とりあえず!澪は赤樹にケンカ売るような発言はするな!赤樹も澪を挑発するような発言は控えてくれ!」


「……恭也君がそう言うなら…」


「…ちっ、仕方ねぇな。」




…ふぅ、班作りの段階で何でこんなに疲れなくちゃいけないんだよ…


何とか料理できるヤツばかり集まってくれたけど、相性的には最悪な班かもな…






「…さて、後は4人か。料理上手いヤツの心当たりはあるか?」


「いや、千秋たちは心当たり無いッスね…」


「……この際、多少下手でも最低限の料理をできるような人でいいんじゃない…?」




まぁ、全く料理できないヤツをメンバーに入れるよりはマシだけど…




「…ちょっと待て、まだ余ってるヤツっているのか?」


「え…?」




赤樹に言われて気づいたが、よく見ると周りの人たちはだいたいグループができてるような…



…って事はもしかして俺たち余り!?




「澪、俺たちのクラスって欠席いなかったよな…?」


「……いないはず…」


「千秋たちのクラスもいないッスよ。」




…ってことは、俺たちだけ4人グループになるって事は無いはず…



……でも、他に余ってる人って…






「…おい、まさかあそこで言い争ってるヤツらも余りか?」


「…そうかもな…」


「最悪ッス…」




未だに言い争ってる悠希とスイレン…


最大の爆弾が俺たちの班に入るのかよ…




「ま、まぁ…2人で一品作るんだから、上手いヤツと組ませれば…」


「そ、そうッスよね!きっと何とかなるッスよ!」


「……ところで、残りの2人は…?」




…あれ?


そういえば、あと2人いるはずだよな……



…何となく心当たりあるけど…






「…恭也〜!俺、余っちまったからお前らの班に……!」


「「うるせぇ!!」」



《バキッ!!》



「ガハッ!!?」




いきなり現れた大地の顔面に俺と赤樹のストレートが炸裂!!


…恐らく、最初で最後のコンビネーションだろうな。


とりあえずナイス!




「…おい、あのクズも入れなくちゃいけないのか?」


「余りなんだからしょうがないだろ…」




これでもし料理下手だったら加賀に実験体として献上してやる!






「…なぁ、俺も余ったんだけど…いい?」


「…誰ッスか?」


「…予想はしてたが、まさかクラスメートAまで余ってたなんてな…」


「だからいい加減にその呼び方やめろって!」




名前があったら出番無くなるぞ?


『クラスメートA』っていうのは、お前の唯一の個性なんだから。




「いいのか?お前、体育の時みたいにヒドい目にあうかもよ?」


「か、覚悟はしてるさ!」




…一緒の班になるだけなのに覚悟を決めなくちゃいけないとは…


やっぱり悠希と一緒の班ってのは怖いよな… 













…赤樹、千秋、澪、悠希、スイレン、大地、クラスメートAと一緒の班か……




…まさか料理で死ぬ事は無いよな……?

調理実習にしては人数が多いと思いますが、せっかくだからA組と合同にしてみました。        一体誰と誰がペアを組んで、どんな料理を作るんでしょうか…                    …短いですが、今回はこの辺で。         感想・評価・意見・リクエスト・質問・アドバイスなど、お待ちしています!!

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