第84話〜澪とスイレン
【スイレン視点】
…あ〜、今日もいい天気だね〜…
やっぱり、天気がいいと眠くなるよね?
…悪くても、眠い時は眠いけど。
とりあえず、そういうわけだから……
…おやすみ〜♪
《…ジー……》
……見られてる?
なんかすぐ近くから視線を感じるんだけど…
…寝たふりするべき?
いや、いっそのことこのまま寝るべき?
「……寝てる…?」
この声は…澪?
澪がボクの所に来るなんて珍しいね…
…まぁ、今のボクにはどうでもいいけど。
澪は悠希と違って無理やり起こすなんて事はしないはず!
ボクが寝たふりをしていればその内諦めるに決まっている!
悪いけど、今は寝させてもらうよ。
それじゃあ、おやすみ〜♪
「……おーい…?」
「………ぐぅ…♪」
「…………。」
「……さて、スイレンさんが寝てる間にコスプレを…」
「ストーップ!!起きてる!起きてるから!」
「……残念…」
全く!
人が寝ている間に何をするつもりなのさ!
寝ている人にイタズラするなんて最低だよ!
…あ、ボクは例外ね♪
「…で、ボクに何の用?」
まさか、この前の2人みたいな事は聞かないよね?
「……ちょっと相談があるの…」
「相談…?」
「……うん…」
うーん…
ボクに相談しても意味ないと思うんだけど…
一応、話だけでも聞いてあげようかな。
「相談って何?」
「……えっとね…」
「……カレンちゃんに会いたいなぁって…」
「却下&帰れぇぇ!!」
いきなり何言ってんのさ!?
思わず恭也みたいなツッコミになっちゃったじゃん!
…『&』はオリジナルだけどね♪
「……ヒドい…」
「ヒドいのはそっちだよ!ボクはもうあんな格好するのイヤなの!忘れたいの!それなのに毎回毎回……」
「……だって、かわいいんだもん…」
「そういう問題じゃないよ!」
かわいいって言われるのは悪い気はしないけど、あんな格好するのは恥ずかしいんだよ!?
出来る事ならもう二度とあんなの格好するのはヤダ!
「……カレンちゃんは人気あるのに…ファンクラブだってあるんだよ…?」
…カレンちゃんが人気ある?
…………。
「ふっ…。甘いよ!」
「…?」
「この調査書を見てみるがいい!」
ボクはカバンの中に入れてあった紙を澪に手渡した。
裏面には『極秘』と書いてある、いかにも怪しい紙…
「……何コレ…?」
「これは…『人気調査書』だよ!!人知れず調査を行った結果をまとめたのがその調査書!」
…と言っても、まだ未完成なんだけどね。
途中経過みたいなものかな?
「……これがどうしたの…?」
「調査の結果、カレンちゃんはボクより人気が無い!つまり、ボクはこのままの方がいいってこと!」
「……あ…」
いくら男子に人気があっても、女子からの票は無いからね。
その点、ボクはどっちからも票入ってるもん♪
「……へぇ、私もけっこう上位……あ、悠希さんに勝ってる…」
「はい、没収〜。」
「……あ…まだ全部見てないのに…」
「これは極秘資料なんだから、あまり見せるわけにはいかないの。…とりあえず、これでわかったでしょ?ボクはこのままが一番……」
「……だからこそ人気上昇のために出番を増やしてあげなきゃ…」
逆効果!?
「……それ、まだ未完成なんでしょ…?」
「う、うん。」
「……まだ投票はやってるんでしょ…?」
「まぁ…しばらくの間は続けるけど…」
「……それならまだカレンちゃんにも可能性はある…」
そんな可能性は必要ないよ!
0%でいいよ!
「だいたい、なんでボクにそういう事させるのさ!?カゲリやヒカリでもいいじゃん!」
「……だって、みんな嫌がるし…」
ボクは!?
ボクも嫌がってるんだけど!?
「……それに、スイレンさんが一番コスプレさせがいがある…」
「何で!?」
「……恥ずかしそうな仕草がかわいい…」
あ、それなら恥ずかしがらなければその内飽きるってこと?
それなら……
…って無理だから!
いくらボクでも、あの格好は恥ずかしいよ!!
「……というわけで、さっそく着替えに…」
「行くわけないじゃん!?」
「……あまり説得に時間かけたくないんだけど…」
どんなに説得してもムダだから諦めてよ…
ボクはもう眠いんだから…
「…とりあえず、用がそれだけなら帰ってよ。ボクはそろそろ睡魔に白旗を振らなくちゃいけないんだから。」
「……寝るの…?…それなら今日は寝顔でガマンする…」
いや、見られてたら気になって寝れないんだけど…?
「…ねぇ、キミって一体何が好きなの?」
「……かわいいモノ全般…」
「ボクの寝顔もかわいいモノ…?」
「……うん……特にこの時が一番かわいかった…」
そう言って澪はケータイを取り出した。
…そういえば、澪ってかわいいモノはケータイで撮ってるんだっけ?
話の流れ的に、いつの間にか寝顔を撮られてたみたいだけど…
まぁ、寝顔くらいならいいか。
「……これ…」
「どれどれ…?…って何コレ!?」
ケータイの画面には、机の上に寝ているボク…
…そして、ボクの頭の上に寝ているネズミが…
「ちょっと!?これっていつ撮ったの!?何でボクの頭の上にネズミ!?」
「……加賀先生のマウスが脱走した時…」
そういえば、そんな事もあったような…
まさかボクの頭の上で寝ていたなんて…
「……かわいいでしょ…?」
「…コメントしづらい。」
一応、自分の写真だからね…
ここでかわいいなんて言ったら『……それなら、もっとかわいくしよう…』とか言ってコスプレさせてきそうだし…
…まぁ、ボクはもとからかわいいけどね♪
「……ちなみに、恭也君もかわいいって言ってたよ…」
「…え!?彼が!?」
うそ…!?
彼にかわいいって言われるなんて…
…………。
…少し…嬉しいかな?
「……まぁ、冗談だけど…」
って冗談!?
本気にしちゃったじゃん!
「ちょっと!悪質な冗談はやめてよ!」
「……悪質…?…スイレンさんって恭也君の事好きだったの…?」
「い、いや…別にそんなわけじゃ…」
「……それなら悪質じゃないと思う…」
「う…!…い、異性にかわいいって言われたら誰だってドキッてしちゃうじゃん!」
「……したの…?」
「え…あ……うん。」
「……異性とか気にしないんじゃ…?」
「う、うるさいなぁ!ボクの勝手じゃん!」
「……やっぱり恭也君の事が…」
「だ、だから違うって!」
「……くす…照れちゃって……やっぱりかわいい…」
…は!?
遊ばれてる!?
「……大丈夫…恭也君には秘密にしておいてあげるから…」
「別に秘密にする必要はないよ!」
「……それは自分の気持ちを恭也君に知ってほしいって事…?」
「ちがーーーう!!!」
…くぅ!
やっぱり澪は苦手…
いつもからかわれちゃう…
カゲリや悠希ならボクがからかう立場なのに…
「…もういい!これ以上ボクをからかうなら帰ってよ!」
「……怒った…?」
怒るに決まってるじゃん!
ボクはからかうのは好きだけど、からかわれるのは好きじゃないんだから!
ヒドい人とか言わないでね♪
「……ごめんね…」
…え?
「……私…あまり人と話す事が無いから…知らない内に人を傷つけたりするの……」
「澪…?」
「……口下手って言うのかな……ごめんね……こんな私でも…嫌いにならないで……これからも…ずっと友達でいて…」
………澪……
「……って言ったら許してくれる…?」
「やっぱり帰れ!!」
同情したボクがバカだった!
澪が謝るわけないじゃん!
もう二度と澪の事なんか信じるもんか!
「……怒られちゃった…仕方ない…今日はこれくらいで帰る…」
「…『今日は』?」
「……また明日来るね…」
いや、来なくていいから!?
ボクの睡眠時間が減るじゃん!
「……じゃあね…」
「あ…!待っ…!」
…行っちゃった。
全く…
悠希といい、澪といい、B組の女の子は強引だね。
彼に同情するよ。
…あ〜……
…何か、澪のせいで眠くなくなっちゃった……
仕方ない…ちょうど昼だし、お弁当でも食べようかな?
確かこの辺に……
《ゴソゴソ……》
…………。
…あったあった♪
『また盗まれた?』って予想した人は甘いよ!
ボクが同じ失敗を何度も繰り返すわけないじゃん!!
今日はちゃんとお弁当食べれるもん!
(相変わらずコンビニ弁当だけど…)
それじゃ、いただきま〜す♪
…あ、箸忘れた……
澪とスイレンがメインの話を見たいってリクエストだったんですが、この2人は息が合いませんね… いつかリベンジするかもしれません。 …さて、今回も誰が人気あるのかを聞いてみたいと思います。 感想・評価の所で答えてくれてもいいんですが、それだと評価が上がってしまうので、メッセージの所に送ってくださっても結構です。 ただ、返事の出し方がわからないので返事はできませんが… …さて、告知も終わったので、今回はこの辺で。 感想・評価・意見・リクエスト・質問・アドバイスなど、お待ちしています!!