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第83話〜いつもの放課後

 




【放課後:部室】



『よっ、久しぶりだな。ついに復活したぜ!!』




…誰かと思ったらKYO-YAかよ…


いきなりうるせぇな…


お前は復活しなくてもいいって。


っていうか、むしろ消されろ。




「……そういえば最近見なかったけど…」


「あ、しばらく私たちの家に連れて行ってたんですよ。」


「メンテナンスのためにね♪」


『おかげで前より周りがよく見えるようになったぜ!』




でも、見える範囲は部室内だけなんだから意味なくね?




「ついでに、ボイスやグラフィックのパターンも増やしたからイタズラし放題♪」


「……それは期待…」


『ちょっと待て!?いつの間にそんな事を!?』


「気にしない気にしない♪まずはね…」


『ちょっ…!ちょっと待った!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!』




…相変わらずオモチャ扱いか。


だが、同情はしない。






「…あの、ちょっといいですか?」


「ん?どうした?」


「大地さんがまだ来てないみたいなんですけど…?」


「…あれ?そういえばいないな?」




今日は保健室にも病院にも、あの世にも送られてないはずだけど……




「まさか…どこかの女子について行ったんじゃ…?」


「…アイツの場合は否定できないよな。」




いっそのこと、アイツは普段から目隠ししてた方がいいんじゃないか?


…いや、アイツなら視覚に頼らなくても本能でわかるか。




「全く…大地さんには困りますね。」


「本当にな。もしアイツに彼女が出来たら少しはマシになるかもしれないけどな。」


「え…!?」




…ん?

何その反応?




「そ、そう思いますか…?」


「いや、あくまで俺の予想だけど。…っていうか、アイツに彼女なんか出来るわけないと思わないか?もし万が一出来たとしたら、彼女の方も変人だろうな。」


「あ…そ、そうですよね!ハハハ…!」




…???


どうしたんだ?


お前、明らかに挙動不審だぞ?




「キョーヤ〜、ちょっといい?」


「ああ、今行くよ。…それじゃ、カゲリが呼んでるから。」


「あ、はい!それでは、私は大地さんを探して来ますね!」




ヒカリはフラフラとした足取りで部室から出て行……


…あ、ドアに頭ぶつけた。


…大丈夫なのか?




「キョーヤ〜?」


「わかったって。今行くから。」




ヒカリはぶつけた所をさすりながら、今度はちゃんと部室から出て行った。


…廊下から転んだような音が聞こえたけど、気づかなかった事にしようっと。







「…で、何の用だ?」


「ていっ!!」



《バッ!》



「甘い!」



《サッ!》



「ウソ!?避けられ…うきゅ!?」




俺に飛びついてきたカゲリは、そのまま床に倒れ込んだ。


そのパターン何回目だと思ってんだよ!?


何回も同じ手にひっかかると思うな!




「ぅ〜…!!せっかくキョーヤもKYO-YAみたいにイジメてやろうとしたのに〜!」


「…そうかそうか。そんな事を考える悪ガキにはお仕置きをしなくちゃな。」



《ガシッ!》



「え…?キョーヤ…?冗談…だよね?」




いつもなら冗談で済ましてもいいんだが、お前は懲りないからな。


とりあえず今回は顔に落書き程度で許してやるよ。




「カゲリ…覚悟!」


「イヤァァァァァァァァァ!!!?」










「…なんちゃって♪」




…え?




「これな〜んだ?」




カゲリがポケットから取り出したのは…香水のビンみたいなモノ。


…明らかに薬物関係の発明品だな?




「これは強力な薬なんだから!これを嗅ぐとしばらくは起きないんだから!」




あ、催眠薬?


…毒薬じゃないだけマシか。




「くらえ!『催眠ガス』!」



《プシュ!》



「………!!」


「そのまま眠っちゃえ〜!」




コイツ……!




…やっぱりバカだな。


催眠ガスだとわかってるなら息を止めて遠ざかればいいだけだろ。


それに……




「ハッハッハッ!どうだ!だんだん…眠…く…………」



《パタン》



「………すぅ〜♪」 




…やっぱりかよ。


少しは自分がどうなるかも考えて使えよな。


まぁ、とりあえず早くここから離れるか。




「……恭也君は寝なかったの…?」


「あぁ、あと少し息を止めるのが遅かったら危なかったけどな。」




とりあえず、窓を開けて換気しておくか。




「……2人とも寝てくれたらイタズラし放題だったのに…」




余計な事を考えるな!




「全く、大人しくKYO-YAで遊んでろよ。」


「……イタズラは実際にやった方が面白い…」




やられる方は面白くねぇんだよ!




「……まぁいいや…カゲリさんにイタズラしちゃおう…」


「…仕返しされるんじゃないのか?」 


「……仕返しを恐れていたらイタズラなんかできない…」




いや、そこまでしてイタズラする必要なくね?




「……リクエストある…?」




…………。




「…いや、自分でやる。」


「……恭也君もやるの…?」


「少しはお仕置きしないとな。」




まぁ、多分懲りないと思うけど…




「……マジック貸す…?」


「お、サンキュー。」 




とりあえず、まぶたに目を書いて…




「……あ、ちょっと待って…」


「ん?どうした?」


「……このかわいい寝顔はちゃんと撮っておかないと…」




…いや、確かにかわいいけど……


勝手に写真撮ったら怒られるぞ?


…落書きも怒られると思うけど。




「………。」


「…?どうしたんだ?写真を撮るんじゃなかったのか?」


「……着替えさせてからにする…」




はぁ!?

またコスプレさせる気か!?




「……今回は…チャイナ服かな…?」


「お前…誰にでもコスプレさせるんだな?」


「……かわいい子はもっとかわいくしてあげなきゃ…」




…本人の意志に関係なくですか?




「……というわけで、着替えを手伝って…」


「!?…い、いや!ちょっと待て!?それはダメだろ!」


「……何で…?」


「普通に分かるだろうが!!」


「……だって、私1人じゃ無理なんだもん…」




だったら諦めろよ…




「……どうしてもダメ…?」


「ダメ!」


「……ケチ…」






「…ダメダメ、ここは女の武器を使わないと。ちゃんと瞳をウルウルさせながら上目遣いで見なくちゃ♪」


「…お前はいつからそこにいた?」




いつからいたかわからんが、窓際にはスイレンが座っていた…


…もしかして窓から入ってきたのか?




「ボクは今来たばかりだよ。大丈夫、キミたちのラブラブな雰囲気を壊したりしないから♪」




この状況じゃ、どう考えてもそういう雰囲気にならないだろ。




《…クイッ》



…ん?




「……ダメ…?」


「!?」


「うんうん。そんな感じ♪」




もう習得してやがる!?


スイレンめ!

余計な事を教えやがって!!




「だ、だからダメだって!」


「……反応は上々…次からはこの手でいこうかな…?」




頼むからやめてくれ!


そういう悪い事は覚えるな!






「…ところで、今日はキミたちだけなの?」


「いや、ヒカリもいたんだけど…大地を探しに行った。」


「ああ、彼ならテニスコートの近くで見たよ。多分女子テニス部の見学でもしてるんじゃないの?」




…やっぱり女の子の所にいたか…




「……スイレンさんは何の用でここに…?」


「ん〜…。あ、キミたちをラブラブな雰囲気にさせないために来た♪」




…今考えただろ?


てか、そんな雰囲気になんかならないって。




「どうせ暇つぶしだろ?」


「あ、バレた?」


「……ヒマな人…」


「まぁまぁ、ボクもコスプレ手伝ってあげるからさ♪」


「……カレンちゃんになってくれるの…?」


「違うよ!?着替えさせる側だよ!?」


「……カレンちゃんもかわいいのに…つまんないの…」






…さて、後はスイレンに任せて帰るかな?


どうせ俺はもう関係ないだろ?


な?


頼むからそう言ってくれない?




「……恭也君は少しの間廊下で待ってて…」




いや、俺が聞きたいのは『待ってて』じゃなくて『帰ってもいいよ』の方なんだけど…




「……勝手にいなくなったら………いや、やっぱり何でもない…」




…無言の部分がかなり怖いんですけど?


勝手にいなくなったら絶対何かする気だよね?


間違いなくそういうパターンだよね?



…………。



…たまにはさぁ、こういう最悪な流れを断ち切ってもいいんじゃない?


どうせ、また俺がヒドい目にあうんだろ?


例えば…急に誰かが来てこの2人を止めるとかさぁ…


そういう流れになってもいいんじゃないか?










《…ガラッ》



『!?』×3




え!?

本当に誰か来た!?






「ふぅ…やっと大地さんを見つけて来ましたよ。」




…何だ、ヒカリか。


さすがにヒカリはこの流れを変えてくれないよな…


少し期待したんだけどな…




「…何だ、誰かと思えばキミか。とりあえずお疲れ。」


「あ、スイレンさんもいたんですか?」


「……ところで、その死体は…?」


「…あ、えっと…!…よくわかりませんが、倒れていたので…!わ、私がやったわけじゃありませんからね!?」




…いや、明らかに犯人はお前だろ。


だけど、大地に対してはそれくらいやらないとダメだからな。


誰も責めたりはしないよ。




「ところで、皆さんは何をし…て……」




…ん?

どうしたんだ?


急に動きが止まったような…?







「カゲリ…ちゃん……?」


『…あ!』×3




ヒカリの視線の先には、床に倒れているカゲリが…


…実際は寝ているだけなんだけど、ヒカリの位置からは倒れているようにしか見えないよな…




「…みなさん?…カゲリちゃんに何をしたんですか…?」


「え!?ボ、ボクは知らないよ!?今来たばかりだもん!」


「お、俺も知らん!!」


「……わ、私も…!」




怖ぇ!?

これは上手く誤魔化さないとマズいぞ!?




「…スイレンさん?あなたは私より先にここに来ていたのに、カゲリちゃんに気がつかなかったって言うんですか?」


「う…!?」


「それに…そこのお二人はずっとここにいたんですよね?それなのに知らないと言うんですか…?」


「あ…そ、それは…」


「…………。」




意外と冷静!?


ヤバい!


誤魔化しきれる自信が全く無い!!



…あれ?


そういえば、カゲリは自滅して寝てるだけなんだから誤魔化す必要ないんじゃ…?


そうだ、正直に話せばきっとわかってくれるはず!




「ヒカリ、よく聞いてくれ!」


「…?何ですか?」


「実は……」










「「犯人は恭也(君)です!」」




ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?


お前ら、グルになって罪をなすりつけんな!!


そこまでして助かりたいのか!?


俺、そこまで恨まれるような事してないだろ!?




「……私は止めたんだけど、恭也君が無理やり…」


「ちょっと待てコラ!!ウソつくんじゃねぇ!」


「……ちょうどこんな感じで…」


「ボクが来た時にはもう手遅れで…」




お前ら…!!




《ガシッ!!》



ひぃ!!?




「恭也さん…?ちょっと別室で詳しい話を聞かせてもらいましょうか…?」


「ちょ…!?待…!?誤解だって!本当は…!」


「わざわざウソを話す必要はありませんよ…。カゲリちゃんをイジメた理由は体に直接聞きますから…!」




あ…コレは死ぬわ。


生きて帰れる気がしないもん。




「誰か…助け…!!」


「ほら、逝きますよ…?」




いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!












============


【スイレン視点】



暴れる恭也を片手で引きずっていくなんて…


ヒカリって怒らせたら一番怖いんじゃ…!?



…それにしても、彼にはちょっと(?)かわいそうな事しちゃったかな…?


でも、ヒカリのあの状態だと多分説明しても信じてくれないだろうし…


これがベストな選択だったんだから仕方ないか……



恭也…


キミの死は無駄にはしないよ…










「……よかったね…次回からKYO-YAが恭也君の代わりになれるよ…」


『マジで!?やった!』




いや、ダメでしょ!?

…スランプですね。   一応、この話を書く前に4、5話はボツにしてるんですが…         それなのに内容はいまいち…           次回からはもう少し頑張ります。         …ところで、みなさんは『C☆S』の中で誰が好きなんでしょうか?     私の認識としては、スイレンが一番人気あるように思っているんですが…   もしよかったら教えてください。         答えてくれる方が多い場合は結果発表も考えていますので。                     とりあえず今回はこの辺で。           感想・評価・意見・リクエスト・質問・アドバイスなど、お待ちしています!

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