表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/147

第81話〜甘い1日♪

 




「ボクと部活、どっちが大事?」


「…は?」




いきなりそんな事言われても、意味がわかんないんだが…




「…その質問の意図は?」


「部活サボって一緒に買い物に行こうと思って。」


「…もしかして、今日の夕飯は…?」


「もちろんキミの家で♪」




またかよ……


最近多くないか?


まぁ、食費は払ってくれるから嬉しいけど。




「でも、それって部活終わった後でもいいんじゃないか?」


「わかってないなぁ…。時間は多い方がいいでしょ?寄り道できる時間も多くなるしね。近くにおいしいクレープを売ってるお店があるんだ♪」




それが目的か!?


その為だけに部活をサボれと言うのか!?


怒られるにきまってるだろ!!




「お前なぁ…」


「おっと!キミの言いたい事はわかるよ。」 




わかってるんなら諦めろよ…




「もちろんクレープはボクのおごりだから安心してね♪」


「違ぇ!!誰もそんな心配してねぇよ!」


「だったら部活の事?どうせ何もしてないんだから出なくてもいいんじゃない?」




…否定できない。


でも、サボったら怒るだろうし…


前回みたいな事になるのはゴメンだぞ?






「…それに、すでにカゲリから許可はもらってるよ?」


「それを早く言えよ。…って、何の許可!?」


「ん?キミを買い物に連れて行ってもいいって許可だけど?」 




何でアイツが勝手に決めてんの!?




「これで何の問題も無いでしょ?それとも、まだ問題ある?」


「…わかったよ。行けばいいんだろ?」


「うん♪じゃ、待ち合わせ場所は校門前で。」




カゲリから許可が出てるんなら、一度くらい部活サボってもいいか…









============


【その頃…C組教室】



「そういえばヒカリ、今日の部活にキョーヤ来ないから♪」


「え!?何でですか!?」


「スイレンが用事あるんだって♪」


「そうなんですか…。でも、何でそんなに嬉しそうなんですか?てっきり悲しむと思ったんですが…」


「スイレンが代わりにキョーヤの隠し撮り写真集くれたの♪」


「…そういう事ですか……」



============




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【放課後:校門前】



「遅いよ!」


「悪い悪い。これでも急いだんだけど…」




…あれ?

別に時間まで指定されてないんだから早く来る必要なくね?




「何秒待ったと思ってるのさ!」


「秒単位なら別によくない!?」


「言ってみたかっただけ♪」




…殴っていい?




「ほら、よくデートの待ち合わせとかでこういうシーンが……」


「よし、さっさと行くか。」


「スルー!?」




そんなバカな話に付き合ってられるか!




「全く、せっかちなんだから…。別に、急がないとクレープが売り切れるってわけじゃないんだから。」


「いや、そういうんじゃなくて…。単純にツッコミが面倒なだけ。」


「キミの唯一の個性なのに?」




俺ってそれ以外の個性無いの!?


ちょっと悲しいよ!?




「キミもボクみたいに個性を発揮しないと!」


「…でも、最近情報屋としての活躍は無いし、寝てばっかりってのは目立たないよな?」


「い、いいじゃん!それにボクの個性はそれだけじゃないよ!」


「あ、最近ではカレンってのも…」


「…さて、じゃあ情報屋らしくキミの恥ずかしい情報を流出しちゃおうかな?」


「スミマセン!調子に乗りすぎました!」




…てか、それは情報屋の活動か!?


単なる嫌がらせじゃない!?




「わかればいいよ。ほら、いつまでもここにいてもしょうがないし、早く行こうよ♪」


「…そうだな。」




…お前が変な事言わなければ、とっくに歩き始めてたんだけどな。










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



…………。




「いらっしゃいませ。どれにします?」


「う〜ん…。悩むなぁ…。アレもいいし、コレもいいかも……ねぇ、キミはどれにするの?」


「ゴメン、展開が早すぎて全く考えてなかった。」




だって…着くの早すぎない?


確かに『近くに』とは言ってたけど、まさかこんなに早く着くとは…



ちなみに、スイレンが言ってたクレープ屋ってのは移動式の店で、つい最近ここで営業を開始したらしい。


店員は茶髪の若い男性が一人だけ。


年は…20代前半かな?


さっきから俺たちをニコニコ笑いながら眺めている。


…無愛想な人よりはいいが、そんなに見られてもなぁ…




「もう!ボクが言ったのは昼休みなんだから、考える時間くらいあったでしょ?」




いや、授業中に何を食べようか考える程クレープに飢えてないから。




「そうだなぁ…お前のオススメは?」


「ボク?わかんないなぁ…。ボクも初めてこの店に来るから。」


「ん?何を言ってるんだい?僕がここで売り始めた日から毎日来てるじゃないか?」


「あ!ダメだよ!そんな事言っちゃ!」




常連じゃねぇか!?


てか、何で隠す!?




「おっと、言っちゃいけなかったのかい?」


「ダメだよ!すでに全種類食べた事あるってバレたら『お前…食いすぎだろ…』って思われちゃうじゃん!」




いや、今自分でバラしたよな?


全種類って…1日に何個食べてるの?






「…それにしても、少しショックだなぁ。」


「え?何で?」


「君みたいなかわいい女の子が毎日買いに来てくれてたから、僕にも春が来たかなって思ってたんだけど…まさか今日は彼氏を連れてくるなんてね。」




…は?


思いっきり勘違いしてませんか?




「違うよ!ボクたちはそういう関係じゃ…!」


「そうなのかい?カップルだったら特別にタダにしてあげようかと…」


「…ほ、本当は付き合ってるんだ♪」




すぐにバレるようなウソをつくな!




「まぁ、俺たちはただの友達ですから安心してください。」


「そうか…。いいカップルだと思うんだけどなぁ…」


「だってさ♪」




…だから?




「…とりあえず、俺はバナナで。」


「おっと、注文か。もう少し話を聞きたかったけど…また今度にしよう。君は何にする?」


「じゃあ…ボクはストロベリーで。」


「了解。すぐに出来るから待っててね。」


「「は〜い。」」




…………。




「…キミって空気読める?」


「…あの流れはイヤな予感がしたから、早めに終わらせる事を優先させただけだ。」




どうせ、『じゃあ付き合っちゃおうよ♪』とか言う流れだろ?


いつものパターンだ。


当然、阻止するに決まってるだろ。







「…はい、お待ちどう。こっちがバナナで、こっちがストロベリー。」


「どうも♪」


「えっと…いくらですか?」


「え!?キミはいいよ!今日はボクがおごるって言ったじゃん!」




そういうわけにはいかないだろ。


ここはやっぱり俺が払わなきゃ。




「…いや、お金はいらないよ。今日は特別サービスさ。」


「え!?いいの!?」


「毎日来てくれてるからね。その代わり、この店の事をみんなに宣伝してね♪」


「わ〜い♪ありがとう♪」


「いいんですか…?」


「いいよ。君もよかったら買いに来てくれ。…君には普通より大きめのクレープを作ってあげるからさ♪」


「…はい!」




…いい人だ!


超いい人だ!!


もしよかったら望壮高校の教師になってみませんか?


そして、頼むから黒城の代わりに担任やってくれ!




「どうもありがとうございました!…それじゃ、俺たちはこれから買い物に行くんで。」


「そうか。またいつでもおいで。」


「はい!」 


「明日も来るからね〜♪」




お前は1日くらい控えろ!










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…いやぁ、それにしてもいい人だったな。」


「優しい店員がいて、さらにクレープもおいしい!まさに最高の店でしょ?」




…確かにおいしいな。


スイレンが気に入るのもわかる気がする。



…全種類制覇はやりすぎだと思うけど。 




「う〜ん…。ストロベリーもおいしいけど、バナナもおいしいんだよなぁ…」


「ん?よかったら一口食べるか?」


「え?いいの?」




…ただし、一口で全部食べた場合はお前のクレープを没収するからな?




《パクッ♪》


《モグモグ…♪》



「…うん♪やっぱりおいしいね♪」




…そんなに幸せそうな顔して食べられたら、あの人も嬉しいだろうな。




「キミも一口食べてみる?」


「お?いいのか?」


「いいよ♪」




じゃ、お言葉に甘えて……




《パクッ》


《モグモグ…》



「…お!こっちもなかなかうまいな!」


「でしょ?…ところで、今思ったんだけどさぁ……」




…ん?

何だ…?






「これって…間接キスじゃ…?」


「…………!!!!」




い…いや!

友達同士で食べ物を分け合うのは普通の行為だろ!?


だからそんなに気にしなくてもいいよな!?


よし!

気にするな俺!!


気にしたら、またスイレンにからかわれるネタになるぞ!




「な、何バカな事を言って…!」


「あ!ちょっと動かないで!」




…え?







《ペロッ♪》



な…!?

なぁぁぁぁぁぁぁ!!!?




「ちょっ…!?い、今何を…!?」


「いや、キミのほっぺにクリームがついてたから…もらっちゃった♪」


「な…何で口で…!?」


「恋人のお約束♪」




お…お前なぁ…!




「ははは♪顔が真っ赤だよ?」


「う、うるせぇ!!」




あんな事されて赤くならないわけがないだろ!!




「本当にキミは面白い反応するね?もう一回やってあげようか?」




この野郎…!


………。


そうか!

たまには逆襲したらいいのか!






「…逆に俺がやってやろうか?」


「え…!?」




ははは!!

まさか俺がこんな事を言うとは思わなかっただろ!


さぁ、どんな反応をするかな?






「そ、それは…」


「ん?どうした?」


「キ、キミがどうしてもって言うなら…」




…へ?




「は、恥ずかしいから早く終わらせてね!」




…あの?


何その反応?


何で照れてるの?


何で目を瞑ってるの?



…え?

まさか…このパターンは…!?


…キ…キ……キス…?




「ス、スイレン…!?」


「……………。」




待ってるよ!?


うそ!?マジで!?


じ、冗談…だよな!?



…………。



…やらなきゃ…ダメ?



…………。



…そ、そうか!

気にしなければいいのか!


コイツ、俺の事は異性として見てないもんな!?


あいさつみたいなモノだと思えば…!!




…ってムリに決まってるだろぉぉぉぉぉ!!!!


そんな事できるわけがない!!



ならばどうする…!?




「…恭也?」


「…………!!」




え…えぇい!!


こうなったらなるようになれだ!!






「…スイレン…」


「………!」




俺が肩を掴むと、スイレンの体はビクッと震えた…


さすがにキスはした事は無いんだろう…


やっぱりスイレンも女の子だ…


少し不安そうなその反応を見ると、かわいいと思ってしまう…




「…………。」


「…………。」




少しの間、無言でその状態が続く…


…だが、いつまでもこのままでいるわけにはいかない…


覚悟を決めるしかない…!




「…………。」




だんだん…スイレンの顔が近くなっていく…


鼓動が早まるのが自分でもよくわかる…




…そして……













「…って、そんな事するわけねぇだろ!!!!」



《ビシッ!》



「いたっ!?」 




俺がお前にキスするわけないだろ!


どういう流れだ!?




「痛いなぁ…!何するのさ!」


「お前が変な流れに持っていったからだろうが!!」


「いや、たまにはこういうシーンがあってもいいんじゃないの?」


「よくねぇよ!」




…まぁ、多少俺も乗ったけどさ…




「…とりあえず、バカな事やってないでさっさと買い物行くぞ。」


「バカな事じゃないよ!ここから2人の愛が始まるんだから!」




勝手に言ってろ!!













〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【スーパー】



「…さて、夕飯は何が食べたい?」


「カレーがいいな♪」




それは前に食っただろうが!


却下だ!却下!!




「そうだな…卵が安いし…お?鶏肉も意外と……」


「…そのチラシはどこから?」


「ん?学校で悠希からもらった。」




チラシは毎回悠希に頼んで持ってきてもらっている。


安売りのチラシは一人暮らしの必需品とも言える物だからな。


…言わない?




《ポンッ》



「ん?」


「…キミならいいお嫁さんになれるよ。」




…イヤミか?


おばさん臭いとでも言うのか?


お前は今、一人暮らしの高校生の大半を敵に回したぞ?




「…とりあえず、卵と鶏肉で…親子丼はどうだ?」


「いいね♪おいしく作ってよ♪」




「…あれ?スイレンちゃんじゃない?」




…ん?


誰…?



三十代後半くらいの…失礼な言い方だけど、おばさんが笑顔でこっちに歩いてきた。




「あ!隣のおばちゃん!」




…なんとわかりやすい呼び名。


てか、本人の目の前でおばちゃんは失礼じゃないか?




「元気にしてた?最近、留守ばっかりだから心配したのよ?」


「大丈夫だよ。ボクはちゃんと元気だから♪」




…何でお前の周りはみんないい人ばかりなの?


ズルくない?




「…あら?そっちの男の子は…?」


「ボクの友だち♪」


「あ、どうも。はじめまして。」


「へぇ…彼氏?」




またそのパターン!?


いい加減、しつこくないか!?




「あの、俺たちは…」


「見たところ、夕飯の買い出しでしょ?ちゃんと料理できる人が彼氏になってくれてよかったわね。」


「いや、あの……」


「スイレンちゃんっていい子でしょ?性格もいいし、かわいいし…私の娘に欲しいくらいだもん。ちゃんと幸せにしてあげてね?」




人の話を聞けぇ!!


違うって言ってんだろうが!


ついでに言っとくが、コイツは性格よくないからな!?




「ところで…キスはしたの?」


「いや、まだ。さっきいい感じだったんだけどね…」




おいコラ!?

何の話をしている!?


夕飯抜きにするぞ!?




「ダメよ。夕陽が沈む頃の方がムードがあるんだから。」


「なるほど!その時間帯ならば…!」


「絶対しねぇから安心しろ。」


「あらあら?恥ずかしがり屋さんなのね?」




恥ずかしがり屋とか、そういう話じゃない!


俺たちはあくまで友だちであって…




「いい?こういう子にはこっちからアプローチしていかなくちゃダメよ?今晩辺り、無理やりにでも……♪」


「え…い、いや…それは…」




前言撤回!


この人はいい人じゃねぇ!!


悪いことしか教えてないもん!




「…すいません、俺たち急いでるんで!」


「え…あ!ま、待ってよ!」


「あら?もう行くの?また今度、ゆっくり話しましょうね?」


「あ、うん。じゃあね。」




あのままだったら間違いなく、スイレンに余計な事を言いそうだ…!


人の話を聞かないから、逃げるしか選択肢がない…!


おばちゃん…恐るべし…!


だが、もうこれで大丈夫なはず……







「…なるほど、無理やりねぇ…」




…手遅れだったかも?













〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【恭也の家】



「…さて、帰ってきたのはいいが……」


「まだ夕飯の時間じゃないよね?」




そうなんだよな…


スーパーの前に、別な店にでも行ってた方がよかったかな…?






「それじゃ、夕飯の時間になったら起こしてね♪」


「待てコラ!!」




寝るな!!


お前は一度寝たら起こすのが大変なんだから!




「とりあえずベッドから降りろ!」


「ヤダ!ここはボクの特等席なの!」




勝手にお前の場所にするな!




「どうしてもと言うなら、無理やり降ろすがいい!キミにそんな事ができるかな!?」




…………。




「…じゃ、いいや。」


「えぇぇぇぇぇ!!?」




こういう時は無視するのが一番。


どうせ、無理やり降ろそうとしてもムダだろうしな。




「そんなのつまんないよ!」


「悪いが、遊んでるヒマは…」


「とうっ!!」


「…なっ!?あぶ…!?」



《びたーんッ!》



「ぎゃっ!?」




こ…このバカ…!






「いたたた…」


「…大丈夫か?」


「…ちょっと!何で避けるのさ!?受け止めてくれなきゃ痛いじゃん!?」


「受け止めたら俺が痛いだろうが。」


「男なんだからそれくらいガマンしてよ!」


「お前が飛びついてこなきゃいいだけだろ!」




毎回同じパターンでピンチになんかなりたくないからな…


いつでも逃げれるように準備しておいてよかった…


ある意味カゲリのおかげかな…?




「…ムカついた。」


「ん…?」


「絶対に転ばせてやる!!覚悟しろぉ!!」


「何それ!?転ばせるのが目的!?っていうか、近所迷惑…!」


「うるさい!うるさい!うるさーい!!八つ当たりだぁーっ!!」




自分で言った!?


自覚があるならやめろよ!


迷惑以外の何でもないから!




「とりゃあ!」


「あぶな…!?」


「そりゃあ!!」


「ちょ…!ストップ…!!」


「てりゃぁぁ!!!」


「…………。」




「うりゃ…!!」


「いい加減にしろ!!」



《ゴンッ!!》



「…に゛ゃ!!?」




しつこいんだよ!


とっとと諦めろ!!






「うきゅ〜…!」



《バタンッ…!》




…え?


気絶…?


俺そんなに強く叩いてないだろ…?




「お、おい…?スイレン…?」


「…………。」




…………。



返事が無い…

ただの…………



…いやいやいや!!?


そのパターンは現実的にはマズい! 




「お、おい!?しっかりしろ!」


「…………。」




え、演技…だよな…?


息は……してる。


と、とりあえずベッドに寝かせておけば…




「…よいしょ!」



ボソッ

(……よいしょとは失礼な…!)






…………。


…あれ?


今喋らなかった…?




「スイレン…?」


「…………。」




……………。




「…フ〜。」


「ひゃあ!?」




やっぱり意識あるんじゃねぇか!!




「み、耳は…ダメだよぉ…!」


「うるせぇ!冗談が悪質なんだよ!」


「…だってキミがヒドい事するから…」




お前が転ばせようとしてくるからだろうが!




「…でも、心配してくれて嬉しかったよ♪」


「…!!そ、そりゃ…あれで本当に気絶してたら俺が悪いからな。」


「ついでに…お姫様だっこしてくれてる事も嬉しいよ♪」




………あ。


そういえば、ベッドに運ぼうとしてた所なんだっけ…




「このままベッドまで運んでくれるの?」




このまま床に落としてもいいなら落とすけど?




「…寝ないなら運んでやる。」


「その前に記念写真を…」


「…よし、手を離すぞ?」


「ダ、ダメ!わかったよ!大人しくしてる!」




…もし次にふざけた事を言ったら本当に落とすからな?






「…ゆっくり降ろしてよ?」


「わかってるよ。」



《トサッ…》




…ふぅ、頼むから後は大人しくしててくれ…




…ってあれ?







「…なぁ?もう手を離してくれないか?」


「…………。」




ベッドの上に降ろしても、俺の首に回された手が離れようとしない…



…もしかしなくてもマズいパターン?




「…つかまえた♪」




すぐ近くにあるスイレンの笑顔が悪魔の笑みに見える…


これは逃げた方がいいよな…?




「コラ!離せ!!」


「ヤダ!ボクの安眠マクラ!!」




誰が安眠マクラだ!!


てか、寝るなって言っただろうが!




「お前の夕飯抜きにするぞ!?」


「え!?そ、それは困るよ!」


「だったら手を…うわっ!」


「…えっ!?」




し、しまっ…!?


足が滑っ…!?




《ドサッ!》















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「いただきま〜す♪」


「…いただきます。」




夕飯の準備を終え、テーブルの上には2人分の親子丼が乗っている。


今回の出来は、80点ってところかな?



…まぁ、そんな事はどうでもいい。


恐らく、みんなが知りたいのはあの後に何があったかだろう…


実は何にも無く、しばらくムダな会話をした後に料理を作って今に至っている。







「いやぁ♪それにしても、まさかキミがボクに『キス』してくれるなんてね♪」




…ってわけだったらよかったんだが、真実はスイレンの言った通りだ。




「だからあれは事故だって言ってんだろ!?」


「でも、唇と唇が重なったという事実に変わりはないでしょ?」


「いや、まぁ…そうかもしれないけど…」


「それが事実なんだから認めなくちゃダメだよ。」


「…っていうか、何でお前はそんなにヘラヘラしてるんだよ!?」


「…ふぇ?」




だって…お前…






「お前、さっき…初めてって言ってなかったか!?」


「うん。唇同士は初めてだよ?」




それなのに悲しくないのか!?


そういうのは普通、大切な人に……







「相手がキミだもん♪嬉しいに決まってるでしょ?」


「……!!?」




え…!?

ちょっ…!?

それってどういう…!?






「それより…早く食べないと親子丼から玉子丼になっちゃうよ?」


「…は?ってあれ!?俺の鶏肉はどこに!?」


「はっはっは!手遅れだったね!」


「…テメェ!!」


「わっ!?ぼ、暴力反対〜!」


「やかましい!!」









…スイレンには言っていないが、俺もこれが初めてのキスだった…


でも、俺もそんなに悲しいとは思わない…



それはやっぱり、今回の事は事故だったからだろうか…?



それとも……






…相手がスイレンだったから…?




…まさかな……


そんな事あるわけないだろ…



とりあえず、今回の事は忘れよう…


それが一番だ……










「これで今度から普通にキスしても問題ないね♪」




…緋乃姉妹って記憶消す道具は造ってないのかなぁ?

今回の話は、『恭也とスイレンのラブコメ的展開』というリクエストだったんですが…         …ラブコメの定義ってどんなのなんでしょうか?  私のイメージは、『ラブラブ(?)なんだけど、コメディ的な展開になる』って感じなんですけど…   それとも、『コメディの中に恋愛ハプニングが…』って感じなんでしょうか? もし望んでいた内容と違ったなら、また言ってください。                      …リクエストしてくれた方へのメッセージみたいになってしまいましたが、とりあえず今回はこの辺で。             感想・評価・意見・要望・質問・助言など、お待ちしています!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ