第67話〜もしもゲームを作るなら
「…『ゲームを作る』?」
「うん♪面白そうでしょ?」
「今日の放課後、部活の時間にそれの話し合いをする予定なんです。」
まぁ、変なモノ造られるよりはこっちの方が面白そうだよな。
「わかった。協力してやるよ。」
「やった♪」
「それでは部活の時間に。」
…部活の時間……
それってつまり悠希とスイレンはいないって事だよな?
やったね!
アイツらが関わったらとんでもないゲームになりそうだからな。
部活なら俺と緋乃姉妹と澪と大地だけだから、変なゲームにはならないだろう。
放課後が楽しみだ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【放課後:部室】
「…何でお前らがいるの?」
俺の考えは甘かった…
いや、途中から天気悪くなったから薄々思ってたけどさ…
「雨で部活が中止になったから来たのよ。」
「ボクはサボリ♪」
サボリって…
いや、でもそれはまだいい。
問題は………
「あ?いたら悪いのかよ?」
「悪いッスか?」
「一応俺はこの部の顧問だからな。」
「暇つぶしに来ちゃった♪」
…え〜、上から、赤樹、千秋、黒城、加賀のセリフです。
…………。
何でいるの!?
誰か呼んだのか!?
「おい、ヒカリ!?お前ら、アイツらにも声かけたのか!?」
「あぁ、赤樹と千秋を呼んだのはボクだよ♪」
お前か!!
余計な事しやがって!
コイツらもなんで来るんだよ!?
お前らはそんなヤツらじゃないはずだろ!?
「最近、部活に行くと佐村のヤツが『勝負しろ』ってうるさくてな。あんなヤツの相手をするよりはこっちの方がまだマシだ。」
…それよりは帰った方がマシなんじゃない?
「…で、先生方はなんでここに?」
「さっきも言ったが、俺は顧問だからな。久しぶりに見にきたら面白そうな事をやってたから参加したわけだ。」
「私は偶然よ♪双子ちゃんを追跡してたら…あら、いけない♪」
まだ緋乃姉妹を狙ってんのかよ!?
「…神堂、ちょっといいッスか?」
「…ん?」
千秋から俺に話しかけるなんて珍しいな…
…面倒な事言うなよ?
「実は…兄貴は黒城の事を恨んでいるんスよ。ほら、今も殺気立って……」
うわ…マジだよ…
何があったんだ…?
「…というわけで、いつ闘いが起こるかわからないッスから、注意してくれッス。」
注意しても意味ないんじゃね?
それよりは今すぐ2人を追い出した方がいいと思う。
「それではそろそろ会議を始めたいと思います。」
…俺はもう帰りたい…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
キャラが多いので、わかりやすいように名前付きにしました。
会話重視でお楽しみください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒカリ:
「まずは…それぞれの配役でも決めましょうか。」
大地:
「勇者はこの俺しかいないだろ!」
悠希:
「大地、アンタは村人すら荷が重いんじゃない?」
大地:
「え!?村人すら!?」
澪:
「……この際出番なしでいいんじゃ…?」
大地:
「…泣くよ?」
うざいから泣くな。
多分泣いたら黒城か赤樹か加賀に追い出されるぞ?
スイレン:
「そもそもパーティーって何人くらいなの?」
ヒカリ:
「そうですね…多すぎても困りますので4人くらいですかね?」
カゲリ:
「その他の人はモンスターか、村人だよ。」
恭也:
「モンスターか…」
加賀:
「…あら?なにかしら?」
恭也:
「いや、なんでもありません!」
モンスターにピッタリだなんて言えるわけないだろ!?
言ったら殺されかねない!
加賀:
「私は魔王がいいわね♪」
自分から言った!?
しかも魔王!?
黒城:
「待てよ。女よりも男の方が魔王っぽいだろ?俺がやってやるよ。」
…あれ?
加賀:
「何言ってるのよ?強い人が魔王をやるのが当然でしょ?」
黒城:
「だったらなおさら俺じゃねぇか。」
千秋:
「強さなら兄貴だって!」
おいおい…
澪:
「……魔王の取り合い…?」
恭也:
「暴動が起きなきゃいいけどな…」
大地:
「俺も魔王に立候補したいんだけど…」
加賀:
「バカじゃないの?」
黒城:
「お前みたいなのがなれるわけないだろ。」
赤樹:
「身の程をわきまえろ。カスが。」
大地:
「…すみませんでした。」
スイレン:
「魔王たちの攻撃!大地に9999のダメージ!」
カゲリ:
「ダイチは死んでしまった♪」
大地:
「嬉しそうに言わないで!?」
澪:
「……死人はしゃべらない…」
大地:
「いや、別にゲームの世界じゃ…」
澪:
「……しゃべらないの…」
大地:
「………。」
…ノリノリだな。
…大地以外…
悠希:
「今のいいんじゃないの?」
カゲリ:
「え?ダイチは死んだ方がいいってこと?」
悠希:
「それもだけど、魔王が複数いた方が面白いんじゃない?」
スイレン:
「いいねそれ!その方が面白いゲームになりそうだよ!」
…何気に大地を死なせたよな。
いや、きっと出てくるだろうけど…
悠希:
「それじゃ、魔王は4人ってことで。」
千秋:
「いやぁ、千秋なんかが兄貴と同じ階級だなんて嬉しいッスね。」
悠希:
「何言ってるのよ?魔王は赤樹と先生方と私よ。」
千秋:
「えぇっ!?」
確かに性格的には魔王に近いな…
スイレン:
「千秋は赤樹の部下でいいんじゃない?」
千秋:
「まぁ、それでいいッスけど…」
カゲリ:
「スイレンはどうするの?」
スイレン:
「ボク?そうだなぁ…時々現れて、情報を与えて去っていく謎の味方とか?」
恭也:
「めんどくさい設定だな…」
澪:
「……でも合ってるかも…」
ヒカリ:
「ならパーティーは残りの皆さんでいいですね?」
大地:
「あれ?結局俺は?」
悠希:
「出たいの?」
大地:
「出たいよ!」
カゲリ:
「村人と雑魚モンスター、どっちがいい?」
大地:
「もっとマシな選択肢ないの!?」
カゲリ:
「安心してよ。他の先生とかも勝手に村人か雑魚モンスターにしちゃうから♪」
スイレン:
「よかったね。1人じゃなくて。」
大地:
「あの人たちと一緒!?俺、一応レギュラーなんだけど!」
澪:
「……一緒にしないで…」
大地:
「えぇっ!!!?」
スイレン:
「澪の攻撃!大地に1000のダメージ!」
…それはもういいよ。
千秋:
「これじゃ雑魚ばっかりですぐに魔王まで辿り着かれちゃうんじゃないッスか?」
ヒカリ:
「そうですね…中ボスくらいは欲しいですよね。」
大地:
「だから俺が…!」
黒城:
「佐村のバカなら体力はあるぞ?」
加賀:
「体力だけはあるわよね。」
大地:
「体力なら俺も…」
悠希:
「見た目ならイグやミョージンもありじゃない?」
澪:
「……いいかも…」
大地:
「あの…」
大地、諦めろ…
お前はこの話し合いに参加できないから。
おとなしく雑魚モンスターになってろ。
???:
『…面白い話をしてるな。俺も参加してやろうか?』
カゲリ:
「…あれ?」
悠希:
「聞き覚えのある声が…」
スイレン:
「キミの声じゃないの?」
恭也:
「いや、俺じゃない。…けど、心当たりはあるな…」
忘れてた…
そういえばいたんだっけ…
ヒカリ:
「もしかして…KYO-YAですか?」
KYO-YA:
『お、さすがヒカリ!覚えていてくれたか?』
澪:
「……まだ消えてなかったんだ…?」
KYO-YA:
『…なんでみんな俺を消したがる?俺は存在しない方がいいのか?』
恭也:
「ああ、お前は存在しない方がいい。」
KYO-YA:
『ハッキリ言うな!俺はこの先もずっと存在し続けるからな!』
…お前がそれを望んでも、決定を下すのは俺たちだということを忘れるなよ?
悠希:
「…で?アンタもゲームに出たいわけ?」
澪:
「……自分がプログラムのくせに…?」
KYO-YA:
『プログラムって言うな!人間として扱え!』
スイレン:
「パソコンが喋ってる時点で人間扱いできないね。」
千秋:
「…てか何スかコレは?」
赤樹:
「神堂…?パソコンにか?」
加賀:
「もしかして人工知能かしら?」
黒城:
「何でもありだな…」
知らないヤツは知らないままでいいよ。
説明するのもめんどうだから。
KYO-YA:
『俺、かなり強いぞ?魔王でもいいくらいだ。ただ俺は優しいからな。魔王は譲ってやるよ。』
黒城:
「おい、この機械ぶっ壊してもいいか?」
ヒカリ:
「壊すのはダメですけど、ここをこうすれば黙らせることができますよ。」
KYO-YA:
『や、やめろ!勝手に…ギャァァァァ!!俺の髪がぁぁぁぁぁ!!!!』
赤樹:
「逆にうるさくなってんじゃねぇか。」
加賀:
「でも面白いわね♪」
KYO-YA:
『やめろぉぉぉぉ!!』
…こんなヤツだったっけ?
最初に比べてかなり変わったな…
俺以上にいじめられてる……
ヒカリ:
「話が脱線しましたね。とりあえずKYO-YAは敵キャラで。次にパーティーの職業を決めましょうか。やりたい職業はありますか?」
カゲリ:
「私、勇者がいい!」
恭也:
「俺は何でもいいけど。」
澪:
「……普通は恭也君が勇者じゃ…」
スイレン:
「彼なんかが勇者のわけないじゃん。」
恭也:
「うるせぇ!!」
悠希:
「何でもいいなら盾なんかいいんじゃない?」
恭也:
「それは職業じゃねぇだろ!!」
スイレン:
「それなら剣士は?前線で戦うから盾みたいなモノだし。」
恭也:
「…言い方は気に入らんが、それでいいよ。」
ヒカリ:
「私は白魔導士がいいんですけど。」
悠希:
「いいんじゃない?イメージ的には合ってるし。」
スイレン:
「頭いいし、運動苦手だからね。イメージで言えばいかにも魔法を使いそうだもん。」
澪:
「……それなら私も白魔導士…?」
全員:
『………。』
澪:
「………?」
スイレン:
(…彼女、白ってイメージじゃないよね?)
悠希:
(ヒカリと共通点は多いんだけど…)
恭也:
(言っちゃ悪いが…どっちかと言うと黒いような…)
カゲリ:
(でもそんな事言ったら怒るんじゃ…?)
赤樹:
「…お前が白?なに言ってるんだか…自分で気づけ。合ってねぇんだよ。」
赤樹が言った!?
一番マズいパターンじゃないのか!?
恭也:
(待て赤樹!そんな事言ったら…!)
澪:
「……なに?…見た目で判断してんの?…人を見た目で判断するなんて最低の人間のする事だよ?……仕方ないか…中身が腐ってるもんね…」
赤樹:
「…テメェ!」
やっぱり…!
恭也:
「赤樹、落ち着け!」
千秋:
「兄貴!相手は女ッスよ!?」
赤樹:
「知ったことか!」
澪:
「……女子に暴力を振るおうとするなんて…これだから中身の腐った人は……かわいそう…」
赤樹:
「…ぶっ殺す!」
恭也:
「ヒカリ!澪の口をふさげ!他のヤツは赤樹を押さえろ!」
ヒカリ:
「は、はい!」
結局は暴動が起こるのか…
次から赤樹は呼ぶな!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヒカリ:
「…話し合い続行しますか?」
恭也:
「…いや、もういいだろ。」
あの後、赤樹は加賀の麻酔(?)によっておとなしくなった。
…というより、気絶した。
本当に麻酔かどうかは危ういが、千秋が保健室に運んでいったから大丈夫だろう。
スイレン:
「赤樹の気絶シーンなんて…珍しいモノが見れたね。」
恭也:
「確かにな…」
多分もう二度と見れないんじゃないか?
恭也:
「…ところで、このゲームって本気で作るのか?」
カゲリ:
「う〜ん…ビミョーかな?」
ヒカリ:
「魔王の人たち、倒されたら怒ると思いますし…」
多分、怒るどころか暴れるな…
KYO-YA:
『作らなかったら俺の出番がなくなるじゃねぇか!』
どのみちお前の出番はねぇよ!
大地同様、すぐに倒されて終わりだ!
ヒカリ:
「…まぁ、機会があったら作ってみますね。」
作らなくてもいいよ。
俺は絶対にやりたくないから。
…でも少しは興味あるかも……
しばらく書いてないキャラは性格をわすれちゃいますね… 今回は久しぶりにKYO-YAが出ましたからね。 多少イメージと変わってるかもしれませんが、勘弁してください。 とりあえず今回はこの辺で。 感想・評価・質問・助言・要望など、お待ちしています!