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第63話〜賛成派vs反対派その1【覚えていてもムダな問題】

 




……え〜、本日は日曜日。


天気は快晴、風もそこそこ、過ごしやすい天気だ。


場所は学校の校庭。


休みのはずなのにそこには俺も含めて7人の人がいる。




「…え〜、それじゃこれから『?ちゃん』を再登場させるかどうか、賛成派と反対派の対決を始めたいと思います。」


『オーーーーー!!!!』




…ってなわけだ。


今回、俺は審判。


珍しく巻き込まれなかったな。




…休みの日に無理やり連れてこられた時点で巻き込まれてるか。




とりあえず、まずはメンバーを紹介しよう。




・賛成派⇒悠希&カゲリ&大地


・反対派⇒澪&ヒカリ&スイレン






…何?

このチーム編成?




(おい!大地ってまだ正体を知らないんじゃ…!)


(知らなくても賛成派に変わりないわよ。本人もやる気だし。)


「うぉーっ!この勝負に勝って今度こそ『?ちゃん』に会ってみせるぜ!」




……いいや、無視しよう。




「…ってか本人が出てきていいのか?」


「ボクの問題なんだからボクが出るのは当然でしょ!!」




…はい、非常に正しい意見です。




「…で、緋乃姉妹は別チームか?」


「だって本人が嫌がってる事を強制するなんてヒドいと思いませんか?そういうわけで私は反対派です。」




…俺に対しては?


そういう意見があるなら俺も助けてくれない?




「…カゲリは?何で賛成派?」


「面白そうだから♪」




……正直予想してました。






…結局は自己中チームと正論チームか?


あ、澪も自己中な理由だっけ?




「ちょっと!早く始めなさいよ!」




わかってるって。


もうそろそろ俺もやめようとしてた所だし。






おっと、ここで種目決めについて説明しよう。


対決する種目は公平になるようにくじ引きで決定する。


くじにはみんなそれぞれ一つだけ種目を書いている。


これで不公平じゃなくなるはず。


…多分…




「それじゃくじを引くぞ?みんなちゃんと種目を書いた紙をこの箱に入れたな?」


「こっちのチームは大丈夫よ。」


「……こっちも…」




…不正はないよな?


こいつらならやりかねない…




ま、今回は俺には関係ないから深く考えないけどね♪






「まず一つ目の種目は……」


『…………。』×全員







「…『クイズ』!」


「反対!」




何で!?

別にいいんじゃね!?




「今反対したのは悠希か?反対する理由は?」


「あっちのチームには頭のいい澪とヒカリがいるのよ?さらにスイレンは情報収集してるくらいだから豆知識もあるじゃない?」




そういうチーム編成なんだから仕方ないだろ?


逆にスポーツ対決になったらそっちのチームが有利になるんだし。




「女の子に関する問題なら俺に任せろ!」


「…大地さん?」


「いや、何でもありません!」




…大地はヒカリの前だと弱いな。


こんなんで勝負になるのか?




「とりあえずくじで決まったんだから文句言うな。」


「…は〜い。」




…ところでこの問題ってもしかして俺が考えるのか?



………。




…誰もわからないような問題出してやる♪ 







「第1問!この学校の教頭先生の名前は?」




「…知らない。カゲリ知ってる?」


「私も知らな〜い。」


「女の先生ならわかるのになぁ…」




賛成派は全滅か…


反対派は…




「……自分の学校の教頭先生の名前くらい知っとかなきゃ…」


「え?私はわからないんですけど…」


「大丈夫。ボクも分からない♪」




…………。



知ってるの澪だけ!?




「スイレン!?お前も分からないのか!?」


「情報としてはあるんだけど、全部暗記してるわけじゃないから。メモとか見ていいなら答えれるよ?」




…それは不正行為だから認められないな。




「…それじゃ澪、正解は?」


「……『白秋 玄冬』先生…」


「正解!」




まさか答えを知ってるのが1人だけなんて…


…次の問題とか大丈夫かなぁ?






「第2問!ジョームズ先生が持ってるのは英検の何級?」



「わかるわけないでしょ!?」


「問題がマニアックすぎないか!?」


「…その前にジョームズってどんな先生だっけ?」




はい、賛成派はまた全滅っと。


反対派は?




「……いくら何でもこれは…」


「メモ見ていい?」




だからダメだって!



…ま、こんな問題わかるヤツはいるはずな……




「…確か4級って言ってませんでした?」




何で知ってんの!?


いや、俺も人のことは言えないけど!




「せ…正解…!」


「何でそんなの知ってんのよ!?アンタたちバカじゃないの!?」




…お前に言われたくないな。




「必要ない事でもたまに役立つんですよ?」


「……多分もう二度と役に立つことは無いと思うけど…」




…同感。






「じゃあ、第3問………!」


「…もういいわよ。ギブアップ。」




…やっぱり?




「私たちじゃ勝てそうにないもんね。」


「……確かに…」


「…敵に言われるとムカつく。」




でも正しいだろ?




「ふん!残りの勝負で勝てばいいんだもん!」


「そうよ!次は私たちが勝つんだから!」


「もしボクたちが次も勝っても『最後の勝負は3ポイント!』とか言わないでよ?」


「い…言うわけないじゃない!?」




いや、言うつもりだっただろ?


明らかに挙動不審だもん。


わかりやすいヤツ…




「い、いいから早くくじを引きなさいよ!」


「俺に八つ当たりすんなって…」 




…ま、確かにさっさとくじを引いた方がよさそうだな。


いつまでもこのままってわけにもいかないし、コイツらの口論を聞いてるのも飽きてくる。




「それじゃあ、引くぞ?」


『………!』




…みんな沈黙するほど熱い勝負だとは思わないんだけどなぁ…







「…え〜と……おっ!今度は賛成派に有利な競技だな?」


「もったいぶってないで早く言いなさいよ!」


「……同感…」




…少しくらいいいじゃん。


普通に言っても面白くないんだから。




「次の種目は…『リレー』!」


「リレーって…3対3でやるんですか!?」


「ってか場所は?今ボクたちが使ってる所じゃ狭いし、他の場所は別の部活が使ってるんじゃないの?」




俺に聞かれても…




「これ書いたの誰だ?ルールの説明を頼む。」


「私よ!」




やっぱり悠希か…




「本当は最後の勝負にしてほしかったんだけど…」


「…なぜ俺を見る?俺のくじ運が悪いと?」




お前らに有利な競技になっただけありがたく思え。




「さっきヒカリが言った通り、3対3で勝負!一人一周よ!」


「……長い…」


「疲れます…」


「そこの頭脳派!文句言わない!」




…お前もクイズの時に文句言わなかったっけ?




「場所は…陸上部が使っていた場所を使うわよ!」


「そういえば今日って陸上部は休みなんですか?」


「『天気予報では明日雨らしいから休みにしよう!』って顧問の先生が言って休みになったのよ。」




天気予報!?


そんな理由で!?


しかも思いっきり外れてるし…!




「でもそこは他の部活が使ってるみたいだよ?どうするの?」


「奪いとるわよ!」




おい!?


一生懸命部活をやってるヤツからこんな事の為に場所取るの!?


ヒドくないか!?




「いくら何でもそれはヒドくないですか…?」


「もともとは別の場所でやってたんだから取っても問題ないでしょ?」


「そうかもしれませんけど…」


「スイレン!さっさと場所を空けるように言ってきて!脅迫してもいいから!」


「了解!」




…スイレン、いつものノリで行ったのはいいが、この競技をやって不利になるのはお前らのチームだぞ?



…あれ?

引き返してきた…?




「…ゴメン、やっぱりムリだよ。」


「何でよ!?」




お?

途中で自分たちに不利だということに気がついたか?




「あの場所を使ってる部活、加賀先生が顧問だもん。」


「あ、それならムリね。」




あっさり!?


いや、当然か!




「それじゃあ、『あそこ』を使うしか無いわね…」




…もうどこでもいいから早くしてくれないかなぁ。


場所決めに時間かけすぎだから。


クイズよりも長いんじゃないか?







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…というわけで近くの小学校のグラウンドを貸し切っちゃった♪」


「どういうわけ!?勝手に使っていいの!?」




そこまでするか…!?


ここまでしなくても、種目を変えればいいだけなのに…




「大丈夫よ。ちゃんと許可は取っておいたから。」




…本当かよ?




「……それならいいけど…」


「それじゃあバレない内に早くやっちゃいましょ。」




バレない内に!?


やっぱり許可取ってないじゃねぇか!




「さて、走る順番を決めなくちゃ。」




…………。






…俺今回関係ないんだから、さっさと逃げてようかなぁ?

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