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第62話〜自己中闘争勃発!

 




「突然だけど、スイレンから面白い情報を手に入れちゃった♪」




…本当に突然だな。


悠希がテンション高いのは相変わらずだが、今日はいつにも増してテンションが高い。


まだ朝なのに…俺は眠い…



…ってか今日スイレン来てるの?


昨日あんな事があったから今日は休むかと思ってたんだけどな。




「……どんな情報なの…?」


「澪も興味ある?えっとね……」




…おい?


何でこそこそ話してるの?


俺に聞かせる気なし?




「……ホントに…?」


「私も本当かどうかわからないけど…本人が言ってるから本当なんじゃないかな?」




だから何が?


軽いイジメですか?




「おい悠希、一体何………」

「恭也!俺すごいモノ手に入れたぜ!」




…………。






「…大地?少し空気読もうな?」


「わかった!わかったからイスを下ろして!それで殴られたら今回はもう出番がなくなる!」




どうせお前なんかいてもいなくても関係ないんだから。




「…で、悠希。一体何の話を……」


「……悠希さんならイグちゃんのトイレに行ったよ…」




…………。






「ちょっと待て恭也!今のは俺と関係ないと思う!八つ当たりはやめて!」




お前のせいで聞けなかったんだろ!



…だけど正論…




「…じゃあ澪、悠希は何の話を……」


「澪ちゃんなら自分の席で本読み始めたぞ?そしてこれも俺には関係ないからな?」




……………。


これが大地の気持ちなのかなぁ。


無視されるってすごく悲しいね…






「…はぁ、そういえばお前は何を手に入れたって?」


「よくぞ聞いてくれた!実は…」


「話し方がウザい。無視するぞ?」


「やめて!ちゃんと話すから!」




どうせくだらない話なんだから手短に話せよ。




「昨日、俺はなぜか部分的に記憶がない時間帯があった…」




それはA組を覗いていたら加賀にぶっ飛ばされたからだろ?


お前だけじゃなくてほとんどのヤツはその時の記憶を無くしてるよ。




「その時に!美少女が現れてたらしい!」




スイレンのことか?


だからどうした?






「俺が手に入れたすごいモノっていうのはその子のファンクラブの会員証だぁぁぁぁ!!」




へぇ……


そんな力説するほどでも……………







…えぇぇぇぇぇぇ!!!?




「ファンクラブって…マジで!?」


「お?恭也も興味あるのか?」




興味あるっていうか…信じられねぇよ!


確かにあの時のスイレンはかわいかったけど…



…ってかコイツはスイレンだって事に気づいてないわけ?




「残念ながら後ろ姿や横顔、またはブレた写真しかないけど、あの子は非常にかわいい!まさか俺があんなかわいい子を見逃してたなんて…!せめて正面からの写真があれば正体もわかるのに…!」




…あ、さすがにそういう写真じゃわからないんだ?


まぁ、後ろ姿で女子を全員判別できたらすごいけど。




「あの子に会ってみたいんだけど…どこにいるかわからないしな…」




…これはやっぱり教えない方がいいよな。


ファンクラブが出来たって事は大地以外にも多くの人がいるって事だろうし。




「…ちなみにそのファンクラブ、名前は?」


「『?ちゃんファンクラブ』。」




?ちゃんって……


名前知らないんだから仕方ないか。






「…恭也、ちょっと来て。」




ん?


廊下の方を見ると悠希が俺を呼んでいた。



…さっき無視してどこかに行ったから俺も無視してやろうかな?



そんな事したら骨を折られるよな…




「何の用だ?」


「大地の持ってるカードって…スイレンの?」


「そうみたいだな。」




知ってるってことはさっきコイツが澪と話してたのもこの話だな。


まさか大地から聞けるなんて…




「って事は恭也も知っちゃったんだ?じゃあ、コレあげる。」




…何コレ?


商品券?


何でこんなものを…?




「スイレンからの口封じ代よ。」




あ、そういうことか。


そこまで手を回してるとは…






「…それにしても、写真なんていつ誰が撮ったんだろうな。」




あの日スイレンは授業中以外、写真を撮られないように逃げ回ってたのに…






「私が撮ったの♪」




へぇ、悠希が……


ってちょっと待てぇ!?




「正確にはイグが撮ってたんだけどね。残念ながらキレイに撮れてるのは無かったけどね。」




そういえば昨日はイグを見なかったけど…


まさかそんな事をさせられてたなんて…




「いやぁ、スイレン…いや、?ちゃんのおかげで私お金持ちになっちゃった♪」




ファンクラブに写真売りまくったんだろうな…


…最低だ…… 




「言っとくけど、スイレンに『正体をバラされたくなかったら…』って脅すのはやめろよ?」


「分かってるわよ。そこまでするわけないじゃない。」




いや、お前ならやりかねない。




「でもさぁ、たまに登場させるのも面白いと思わない?」


「本人は全く面白くないだろうけどな。」


「そんなの関係ないわよ。」




自分が面白いと思ったら友達すら売るというのか!?



…あ、それはわかりきってたことか。


俺けっこう体験してるもんな。




「とりあえず来週くらいに再登場させたらファンクラブの会員が増える…そして写真の売上も増える!完璧な計画!」


「…スイレンに報告するぞ?」


「今のスイレンに私は止められないわよ!」




完全に悪役のセリフだよ…




「……それじゃあ私が止める…」


「え!?何で澪が!?」




ってかいつの間に来たんだよ…


そして、どこから話を聞いてたんだ?




「……かわいいモノは大事にしなくちゃいけない…男の人に見せたらけがれる…」




見せる事すら拒否!?


そこまで!?




「どうせいつかはかわいくなくなるんだから別にいいじゃない?」


「……だからこそかわいい時に大事にしなくちゃ…」




口論するような内容じゃないんだけどな…


二人とも自己中な事しか言ってないだろ。


少しは本人の事も考えてあげようよ。




「…どうしてもスイレンを守るってわけね?」


「……守るのはスイレンさんじゃなくて?ちゃんの方だけど…」




いや、同一人物だろ。


結局はスイレンを守るってことでいいじゃん。




「いいわ!こうなったらアナタを倒して?ちゃんを再び登場させてみせるわ!」


「……させない…!」




…え?


何このバトル的な空気は?


こんなくだらないことで?


少なくとも澪はそういうキャラじゃないだろ?




「今度の日曜日に勝負よ!勝った方が?ちゃんを好きにできる!」




本人の了承はなし!?




「……それじゃ不公平…私の体力じゃ悠希さんに勝てない…」




確かにそうだな…


かと言って頭脳対決は悠希に不利だし…



…あれ?


この二人が公平に対決できるモノなんてジャンケン以外に無いんじゃないか?




「……?ちゃんの登場について、賛成派と反対派に分かれて勝負…」


「チーム戦ってことね?受けて立つわ!」




え!?


関係ないヤツまで巻き込むつもり!?




「……メンバーは三人まで…勝負内容はくじ引きで…三本勝負…」


「OK!日曜日に校庭に集合よ!」




…それだけ言って二人は教室に帰っていった…




…え?


マジで決定しちゃったの?



…スイレンがかわいそうだな…







…ま、いっか。


その分俺が平和になるもん。

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