第59話〜テスト=勝負!?
…前回、もうテストの時期が近いことを知ったけど……
1人で勉強してもわからないモノはわからないよな?
「…ってなわけで勉強教えてくれない?」
「……私が…?」
実際、澪が一番教えてもらうのに適しているからな。
ヒカリに教われば、まず間違いなくカゲリもセットになるし、大地なんかには絶対に教わりたくない!
「……私なんかでよければ…」
「助かるよ。それじゃ場所は………」
「「ちょっと待ったぁ〜!!」」
…やっぱりきたか。
予想通りだな。
「私も勉強教えてほしい!」
「ボクも!ボクの家使ってもいいから!」
…あれ?
今回はカゲリじゃなくてスイレンなんだ?
「……私一人じゃ三人は…」
「恭也!アンタ男なんだから私たちに譲りなさいよ!」
性別は関係なくね!?
「……それに、確かスイレンさんって成績良かったんじゃ…?」
…はい?
コイツが?
そんなわけ………
「あ、バレた?」
「「マジ!?」」
…あ、悠希も知らなかったんだ?
意外すぎるからなぁ…
「アンタ頭よかったの!?」
「前回のテストでベスト10には入ってたね。」
「何で!?アンタ、私やカゲリと同類でしょ!?つまりバカなはずよ!」
…自分で言うなよ。
俺もそう思ってたけどさ…
「だって事前にテスト問題がわかったら解けるでしょ?」
…え?
どういうこと?
「よく考えたらわかるでしょ?ボクの特技を思い出せばさぁ。」
スイレンの特技……
………情報収集…?
「…アンタ、まさか…!」
「………てへ♪」
「「ちょっと待てぃ!!!!」」
思いっきり不正行為じゃねぇか!!
「アンタ最低よ!」
「入試で不正行為する人よりはいいんじゃない?一応ボクはマジメに入試受けて入学したんだから。」
……そういえば入試で不正行為したヤツいたよな。
「それに今回はマジメに勉強するために教わりに来たんだから。」
「うぅ〜!恭也!言い返してやってよ!」
…ゴメン、俺もコイツには勝てないと思う。
「……スイレンさんは教えればすぐに理解できそうだね…」
「うん。だからこの二人を優先していいよ。」
「「うわ、ムカつく。」」
…最近、悠希と息ピッタリな気がする。
悠希と同じ思考になってきたってこと…?
最悪だ!!
「……でも悠希さんが自分から勉強教わりに来るって思わなかったなぁ…」
そういえば…
いつもならギリギリまで遊び続けるのに…
「あれ?カゲリから話聞いてない?」
何の?
またお前ら変なこと考えだしたの?
「今回のテスト、チーム対抗で勝負しない?って話。」
テストは勝負するためのものじゃねぇ!
いや、それで勉強するんならいいことだけど…
「……どんなルール…?」
あれ!?
意外と乗り気!?
「私たちと仲いい人って全部で9人いるでしょ?それで3人ずつに分かれて合計点の高いチームが勝ち♪あ、勝ったチームは最下位のチームに命令できるから。」
知らないところでそんなこと決めてたの!?
…もしかしてカゲリはわざと教えなかったんじゃないか?
自分たちのチームが勝つために……
…そういえば仲いいのって9人もいたっけ?
えぇと…俺、悠希、大地、澪、ヒカリ、カゲリ、スイレン……
……7人…
…他にいたっけ?
「……9人ってもしかして…千秋君や赤樹君も参加するの…?」
「そうだよ。」
あの2人も!?
仲がいいかどうかは別として、アイツらが参加するわけないだろ!
…強制参加?
やりかねない…
「ちなみにチームは不公平にならないようにつくっておいたから。」
もうチームも作っちゃったの!?
マジで強制参加じゃねぇか!
「はいコレ。この紙に書いてるチームでやるから。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Aチーム:ヒカリ&恭也&スイレン
Bチーム:澪&悠希&千秋
Cチーム:大地&カゲリ&赤樹
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…バランスがいいのかどうかもわからない…
A組の3人はどのくらい頭いいのか知らないからな…
不正行為がありならスイレンは心強い味方なんだけどなぁ…
「ちょっと待った!これって本当に公平!?」
「何言ってんのよ?ちゃんと公平にアミダで決めたわよ。」
アミダかよ!?
全然公平じゃねぇ!
…それでもヒカリと澪と大地がバラバラになったのはすごいけど。
「ボクは不正行為しなきゃキミたちと同レベルなんだよ!?」
やっぱりそうなんだ?
だとしたら……
…Aチームやばくね!?
「メンバー変更しようよ!」
「スイレンに賛成!」
「却下!そんなこと言ってたら永遠にチーム決まらないでしょ!」
確かにそうだけど…
「……とりあえずこれで私たちのチームはビリにならないね…千秋君と赤樹君はどっちが頭いいの?」
「千秋は平均よりちょっと下くらいだけど…赤樹は不良のくせに前回のテストで7位になってるんだよね。」
何ぃ!?
アイツ、運動神経だけじゃなくて頭もいいの!?
文武両道じゃん!?
天才じゃん!?
ざけんな!
「……順位決定したね…」
「そうみたい。」
「だからメンバー変更してってば!」
「せめてクラス対抗にしない?」
「全部却下!私だってカゲリと交代してほしいけどガマンしてるんだから!」
それはこのままでもビリにならないからだろ!
俺たちは確実にビリなんだよ!
「……そういえば、そこの2人は別のチームだから敵なんだよね…?」
敵っていうレベルに達してないけど、一応そうなるな。
「……それじゃ勉強教えない方がいいね…」
「「ちょっと待ったぁ!?」」
万に一つも勝ち目がなくなるじゃねぇか!
一か八かムダな抵抗くらいさせて!
「ヒカリに教えてもらえば?」
「…余計なものがついてこない?」
「カゲリのこと?99%ついてくると思う。」
「効率悪くなるから!それにヒカリ1人で3人に教えるのってキツいだろ!」
「だったら大地は?」
「アイツには教わりたくない!」
「わがままじゃん!?」
どうせアイツも敵だからって理由で教えてくれないって。
…スイレンには教えるかもしれないけど。
「……それじゃもう行かなきゃ…」
「そこの2人、せいぜい頑張ってねぇ〜♪」
待って!!
見捨てないで!
…行っちゃった…
「…スイレン…俺たちどうしたらいいんだろう……?」
「…とりあえず頑張るしかないんじゃない?」
…ビリ確定だろ…