表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/147

第47話〜バカ決定戦!(数学)

 




【数学の授業中】




「なぁ、いつも通りの授業って飽きないか?」




…はぁ?


黒城のヤツいきなり何を言い出すんだ?




…まさかまた前みたいに小テストとか言わないよな?




「そこでだ。俺が出す問題を解けたヤツから自習してていいぞ。解けないヤツは…居残りor保健室行きな。」




…自習=自由、居残り=拷問、保健室行き=処刑?


あ、保健室行きはそのままの意味か。


どっちにしても教師が発するセリフじゃないよな…




「先生!そんなのより普通の授業の方ぐぁっ…!?」


「俺のやり方に口出しすんじゃねぇよ。」




…黒城のチョーク投げ、久しぶりに見た気がする……




そしてお前もな、クラスメートAよ…


お前の勇気ある行動は2、3日覚えていてやるよ…




「そうだな…今回はいきなりだから簡単な問題にしておいてやるか。」




…『今回は』?


もしかして今後もやろうとしてるのか!?


頼むから普通に授業してくれよ!




「……先生…」


「…あん?お前も俺のやり方に文句があるのか?」




澪!?


何を言う気!?


変な事言ったらお前も保健室行きに……!







「……早く解けて自習になったらヒマなので、もっと面白くしてほしいです…」


「それもそうだな。」




面白さを求めてんじゃねぇよ!!


そしてお前も納得すんな!!




「それじゃ、このクラスで一番バカなヤツには罰ゲームでも与えるか。これならみんなやる気だすし、解けたヤツらには罰ゲームの内容を考えてもらえばヒマにならないしな。」




これならさっきの方がまだいいわ!


周りをよく見てみろ!


クラスの約3分の2が固まってるだろ!




…特に悠希。




「それじゃ一人ずつ俺が出した問題を解け。解けなかったらパスしていいぞ?ただし、その分バカの頂点に近づくけどな。」




つまり、パスすればするほどバカって判断されるって事か…



…これって解けないヤツにとってはイジメだよね?


人前でバカさをさらけ出すなんて…




…黒城、そんな事するから生徒からの人気がないんだぞ?




「順番は…アイウエオ順で行くか。」




アイウエオ順か…


いつものメンバーで言ったら…


悠希⇒大地⇒澪⇒俺の順か…




…俺、最後かよ。









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【悠希の場合】



ど…どうしよう…!


私なんかが黒城先生が出す問題なんか解けるわけないでしょ!!


きっと何十回もパスして、みんなに恥をさらすことになるんだ…




…………。



…澪め〜!


恨んでやる〜!




「天野!お前の番だぞ!」




もう私!?


…そう言えば私の名字って天野だから最初の方なのか……


うわぁ、自分の名字を呪う日が来るなんて思わなかったなぁ…




「何だ?天野ってイグアナ女の事か?」


「…何ですか、その呼び名?」




その前に自分の教え子の顔と名前くらい一致させておきなさいよ!




「確かお前バカだったよな?」




失礼な!!


それは思ってても口に出したらダメな言葉でしょ!!




「あまり難しい問題出して時間かかっても困るから簡単な問題にしてやるよ。」




…日頃のバカさが幸福を呼んだ?



やったね!


黒城先生もたまにはいい事してくれるんだ♪







「52+31+6−43+5+10−38−16+82−13+22+40−29=?」




…前言撤回!!!!


そりゃあ確かに足し算と引き算だけなら私でも解けるかもしれないよ?



でも量が多すぎるじゃない!?


もう前半に何を言ったかすら覚えてないわよ!


せめて黒板に書いてよね!


っていうかアンタは自分でどんな式を言ったか覚えてるの!?




「どうした?解けないのか?」




無理に決まってるでしょ!!




「…パスで。」


「それじゃ第二問だな。」




くそぉ…!


次こそは解いてやる!






「23+59+32−62+10−26−13+47+12+38−56=?」




これってさっきと同レベルじゃないの!?


少しだけ量は減った気はするけど、それでも解けるわけないでしょ!!




「答えは?」


「…パス。」




うぅ…


こんなのイジメと変わらないよぉ…







==結果==


8問目に正解


現在のトップ(バカ)⇒悠希




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【大地の場合】



あらら…


悠希がトップになったか…


悠希じゃなくて他の女の子だったら俺が代わってやったのに…




・・・



「…次!大空!」




お?


もう俺の番か?




「…お前の名前って本当にマジメに考えられたのか?俺には冗談にしか思えないんだが…」




…俺も小学校の頃からそれを考えてました。




「…ま、どうでもいい話は置いといてさっさと問題を解いてもらおうか?」




じゃ言うなよ!


親が本当に俺の事を考えて名前をつけてくれたのか、スッゴく不安になっただろ!




…まぁいい、どんな問題でもかかってこい!


ここはバシッと答えて、女子の人気をGETだぜ!




「このクラスの男子全員の名前、フルネームで言え。」


「…へ?」




数学関係ねぇじゃん!?




「ほら、さっさと答えろ。」


「…え!?えっと………………パスで………」




男子のフルネームとかマジで無理だって!


恭也の名字だって覚えてないんだぞ!?



女子だったらこのクラスどころか一年生全員…いや、二・三年生も答えれたのに…




「第二問、このクラスの男子のフルネーム、半分以上言え。」




だから無理だって!?


わざとだろ!?






==結果==


13問目に正解


現在のトップ(バカ)⇒大地




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【澪の場合】



…数学以外の問題が出る場合もあるんだ…


気をつけなきゃ…



…それにしても、悠希さんがトップじゃなくなるなんて予想外だったなぁ…


大地君が予想以上にバカだったんだね…


他の人も何とか答えてるみたいだし…


このままトップは大地君のままかな…?




・・・



「…次!小織!」




…目立つのって好きじゃないからさっさと終わらそう…




「お前って普段『…』つけて喋るヤツだろ?」


「……そうですけど…それが何か…?」


「…もしかして怒った?」


「……いいえ…ただ不快です…」


「…あっそ。」




どうでもいいから早く問題出してほしいな…


話してても時間のムダだし…






「お前は『…』無しで喋ったらクリアな。」






………………。







「それって問題じゃないですよね?それに、そのくらい出来ますよ。バカにしてるんですか?」


「何!!?」




…普通に喋れなかったら面接とか圧倒的に不利になるからね。




「…これは予想外だったな…まぁいい、お前はクリアな。」




……あっけなさ過ぎ…






==結果==


1問目に正解(?)


現在のトップ(バカ)⇒大地




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【恭也の場合】



…澪って普通に喋れたんだな…


意外っちゃ意外…


今後聞ける事ってあるのかなぁ…?




・・・



「…次!神堂!」




…俺の番か。


ま、他のヤツらみたいな普通の問題を出されたらバカのトップになることはないだろ。







「…お前確か加賀のお気に入りだろ?」


「…気に入られたくないんですけどね。」




あの先生のお気に入りになって喜ぶヤツなんているわけないだろ?




「俺アイツの事嫌いだからお前の問題は特別に難しくしておいてやるよ。」




公私混同!?


ってか俺、関係ねぇじゃん!!


アイツが勝手に俺を狙ってるだけだろ!




「それじゃいくぞ?」




普通の問題を出してくれよ…?






「一年は何時間?」




…これって難しいか?


365日×24時間だろ?


そんなの簡単に計算できるに決まって…







「ただし、暗算で解くこと。」




難易度UP!?




…だが、出来なくはない問題だな。






「ほら、早く解けよ。他のヤツらに問題出す時間がなくなるだろ?」




早く解いてほしかったら話しかけるな!


集中させろ!




「…ヒマだからカウントダウンでもするか?あと30秒以内な。」




何で俺の時だけ制限時間があるんだよ!


これも加賀のせいか!?


でもあと少しで…!




「…29…28…27…26…」




計算中に数字を言うのヤメロ!


混乱してくるって!




…もしかしてさっきお前が言った難しくするってのは問題の難易度を上げるって事じゃなくて、妨害をするって事か?


そこまでする?






…だが、甘いな!


そんなのは耳をふさげば全く問題ない!




「…ちっ!ずる賢いヤツだな。」




何とでも言え!



…あれ?


普通に聞こえてちゃ意味なくね?


ちゃんと耳をふさがないと…






…ところであと何秒?



ちらっと悠希の方を見てみると、指で残り何秒かを教えてくれていた。




…って残り時間、半分以下じゃん!


急がないと…!




え〜と…………


…………


………


……




「……8,760時間!」



「……ちっ…!」




舌打ち!?


そんなに俺の事嫌い!?



…あ、嫌いなのは加賀だっけ?




「多分正解だろ。仕方ないな、今回は諦めるか…」




多分って何!?


お前、答え知らない問題を出したのか!?



そして今回は諦めるって何だよ!?


もしかして、最初から俺がターゲット!? 







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…ってわけで、今回のトップは大空に決定だ。」


「こんなトップ嬉しくねぇ!!」




…お前、女の子に注目されたがってたからいいんじゃない?


今、クラス全員に注目されてるぞ?




「よし、罰ゲームの内容決めるか。テメェら、何でもいいから意見どんどん出せ!」




…大地にふさわしい罰ゲームねぇ……






「……加賀先生の人体実験に協力とか…?」


「それは俺に死ねって言ってるの!?」



「教頭先生のヅラを取ってくるってのは?」


「下手したら停学になっちゃわない!?」



「今後女子に話しかけたらダメっていうのはどうだ?」


「そんな事したら俺の存在が消えちゃう!」




「…ってかお前ら俺の友達だよな?」


「……………。」×3


「…泣くよ?」




いや、友達だからこんな事も言えるんだよ?


赤の他人にこんな事言えないだろ?



…ただ、親友かと聞かれると少し悩むけどな。




「よし、今の三つの意見のどれがいい?」


「あの中から選ぶんですか!?他には!?」


「無い。」


「そんなぁ!」




…なんかかわいそうになってきた……


だけど、止められるわけないからなぁ…


運命だと思って諦めてくれ。




「どうしても嫌なら別な選択肢を与えるか?」




アリなの!?


じゃ最初から三択にするなよ!




「ぜひ!」 



「…本当にいいんだな?」


「…え?」




…もしかして……




「それじゃあ…保健室に逝ってこいや!」


「ぐはぁっ!?」




出たぁ!!


チョーク投げ!!




…ってかお前、それやりたかっただけだろ!?


だから大地に他の選択肢を与えなかったとしか思えねぇよ!







「よし!いいストレス解消になった!…そういえば最近潰し足りないな…」




…あなたは学校に何しに来ているんですか?




「…一度でいいから全員潰してみてぇ…」




ボソッと怖ぇ事言ってんじゃねぇ!


聞こえてんだよ!







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【休み時間】



…なんか黒城のせいで疲れた……


次の授業、やる気でねぇな…



…そういえば次の授業ってなんだっけ?




「ほら恭也、次は加賀先生の授業なんだから早く教室移動しないと。」




……………。









…帰りてぇ……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ