第46話〜たまには休みを…
ピピピピ…ピピピピ…
う…うぅ…
もう朝か…?
…あと五分……
……………。
…ってそんな事言ってる場合じゃねぇ!
その言葉は五分前に言ったばっかりだ!
ヤバい!
いつもより10分も遅く起きちまった!
いつもギリギリの時間に起きてるのに…!
このままじゃ遅刻…!
………あれ?
いつの間にか携帯にメールが……
え〜と…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『……今日遊びに行ってもいい…?』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…宛先見なくても誰かわかるな。
メールにも『…』使ってるのって澪だけだったよな。
…ってか遊びに来るって……
学校があるんじゃ…
…あ、今日は日曜だっけ?
うわ!俺バカだ!
休みなのに目覚まし設定してたよ!
…嘆くのはこの辺にして返事返さなきゃな。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ゴメン。パス。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…別にひどくないよ?
休みってのは休むためにあるんだからね?
スイレンにも聞いてみな?
多分同じ事言うと思うから。
…お、返事来た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『……じゃ来て…』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……………。
……だからさぁ〜…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『ゴメン。パス。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これで諦めてくれればいいけど…
《〜〜♪〜〜♪》
電話!?
らちがあかないと判断されたか!?
…メールの返事を返したからには居留守は使えないから出るしかないか……
《ピッ》
「…もしもし?」
『……私の事キライ…?』
単刀直入にスゴい質問するなぁ…
「いや、キライでは無いけど…」
『……じゃ好き…?』
…はい?
『……好きならデートしようよ…近くのデパートとかさぁ…』
…それって買い物に付き合えって事だろ?
「ゴメン。パス。」
『……冷たい人…』
何とでも言え。
普段、学校で酷い目に会ってばかりなんだから休みの日くらい休ませてくれ。
『……でも家にはいない方がいいよ…』
…何で?
『……昨日カゲリさんが恭也君の住所を悠希さんに聞いてたから…』
「よし!さっさと出かけるか!」
騒ぎを起こしそうなヤツが来ると知ってて、誰が黙って待つか!
さっさと出かけた方がいいに決まってる!
そして…
「忠告サンキュ!じゃ月曜に学校で会おう。」
『……え…?…ちょっ……』
《プツッ!ツー…ツー…ツー…》
荷物持ちに使おうとしているヤツと一緒に行動してたまるか!
けっこう疲れるんだぞ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【澪視点】
『ツー…ツー…』
……切られた…
そういう事しちゃうんだ…
ふーん……
え〜と…
あの人の電話番号は…
《プルルル…プルルル…》
『もしも〜し?どうしたの?レイから電話かけてくるって珍しいじゃん?』
「……カゲリさん、恭也君の家に行くんでしょ…?」
『な…何でそれを!?まさかジャマする気!?』
「……いや…ただ恭也君、出かけるみたいだから急いで行った方がいいよ…」
『ウソ!?それじゃ急がないと…!教えてくれてありがとうね!』
《プツッ!ツー…ツー…ツー…》
「……どういたしまして…」
……イタズラ完了…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…さて、どこに行こうかな?」
外に出るのはいいが、問題はどこに行くかだ。
ゆっくり休めそうな場所といったら…
…思い浮かばん。
休日はやっぱり家で寝てるのが一番だからな…
「見つけた〜!」
「!?」
この声は…!
「キョーヤ〜♪遊ぼ〜♪」
振り向くと遠くからカゲリが走ってきていた。
…お前は小学生か?
…ここは当然……
「パス…ってことで逃げさせてもらう!」
「えぇ〜!?」
そのまま後ろも見ずにダッシュ!
カゲリは確か足が早いはずだから本気で逃げなければ捕まってしまう!
そうなったら俺の休日が…!
…あれ?
もうすでに潰されてない?
「待て〜!」
「ヤダ!」
直線だとすぐに追いつかれてしまうから、出来るだけ曲がり角を曲がって逃げる!
スピードがある分曲がるのはキツいだろうし…
このペースだとその内逃げ切れるだろ!
「…あら?こんな所で銀髪君に会うなんて♪」
何回か目の曲がり角を曲がった所に、見覚えのある人物が歩いていた…
…偶然?
「な…何で加賀先生がここに!?」
「たまたま通りかかっただけよ?」
やっぱり俺ってトラブルメーカー体質…?
…だが、これはチャンスだ!
「追いついたよ!キョーヤ!」
「あら?アナタ…双子ちゃん?」
「…げっ!」
予想通り!
カゲリは加賀のターゲットにされてるから、ここからはこの二人の鬼ごっこになるだろう。
…そういえば俺っていつの間にかターゲットから外されたみたいだな。
よかった〜!
「逃げろ〜!」
「待って!私のモルモットちゃん!」
「私は実験体じゃない〜!」
「銀髪君!アナタはまた今度捕まえてあげるからね!」
…まだターゲットから外されないんだ……
いい加減諦めてくれよな。
…ふぅ。
とりあえずこれで自由だな。
後は家に帰って寝るだけ……
《〜〜♪〜〜♪》
…電話?
誰だよ…
………………。
…………大地か……
無視。
何の用か知らんが、どうせくだらない用事だろう。
《〜〜♪……》
おっ、切れた。
今回は諦めが早いな。
いい事だ。
電話じゃなくてメールだったら見るくらいはしてやるのに…
《〜♪〜♪〜♪》
マジでメール来た!?
ってかメール打つの早っ!?
さっき電話切れたばっかりじゃねぇか!?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お前ん家に行こうとしたら、玄関前に悠希がいるんだけど…
出かけてるのか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
…ある意味ナイスなメールだよ、大地。
とりあえず家に帰るという選択肢は消えたな…
さすがにずっといるわけはないから、しばらくしてから帰ればいいんだろうけど…
それまでどうしよう…
「…あれ?キミが休みの日の午前中に出かけるなんて珍しいね?」
「…そういうお前もな。てっきり休みの日は一日中寝てると思ってたんだけど。」
…今度はスイレンかよ……
何で休日に…しかも高確率で知り合いに会うんだろ?
「ボクは今から帰るんだよ。今まで徹夜で情報収集してたからね…もう眠くて眠くて……」
己の足で情報収集してたのか!?
…お前がいつも眠ってる理由がわかったな。
「確かキミも休みの日はまだ寝てる時間なんでしょ?何でここにいるの?」
それも自分の目で見て得た情報なら、お前はストーカーと呼ばせてもらうぞ?
「…説明がめんどうだ。とりあえずイロイロあって困ってる。」
「あぁ、いつもみたいなモノ?お疲れ。」
いつもって…
否定はしないよ。
「もし良かったらボクの家に来る?休む場所くらいは提供するよ?」
「…マジ?」
願ってもない話だ!
そこで時間を潰させてもらえば…
「お前がいいなら行かせてくれ。」
「いいよ。普段ヒドい目に会ってばかりのキミに、たまには休息を与えなくちゃね♪」
…スイレン……
お前、いいヤツだったんだな……
「…キミが元気な方が周りの人達もキミに対して面白い事をしてくれそうだしね(笑)」
前言撤回!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ここがボクの家だよ。」
案内されたのは俺の家から歩いて10分くらいの位置にある民家。
…予想以上に近い場所に住んでたんだな。
てっきり隣町に住んでるかと思ってた…
「久しぶりのお客さんだなぁ〜♪」
「客が来る事がそんなに嬉しいのか?」
「嬉しいよ♪ほら、ボクっていつも寝てるでしょ?だからなかなか友達が出来なくてさ…」
…なんか悪い事聞いちゃった?
「高校に入ってからはキミが初めてのお客さんだよ♪ゆっくりしていってね♪」
言われなくっても危険人物達が完全にいなくなるまでは避難させてもらいます。
「お邪魔しまーす。」
「…っていってもボク以外は誰もいないよ?両親はこことは違う場所に住んでるから。」
…はい?
すると、この家はお前だけのために買ったということか?
「…お前の親って何やってるの?」
「プライベートな話だから情報料は高いよ?」
「…やっぱりいいです。」
「そう?まぁ、とりあえずボクの部屋に行こうか?」
…この家の全部の部屋がお前の部屋だろ。
ガチャッ
「…意外だな。」
「割とキレイな部屋でしょ?」
…てっきりゴミだらけな部屋かと思ったが、実際はその逆でキチンと整理されたキレイな部屋だった。
…中身はしっかりしているんだな。
「今麦茶でも持ってくるからとりあえずベッドの上にでも座って待ってて。」
「あ…おい…!」
…行っちゃった。
そんなに張り切るなんて…
本当に嬉しいんだな…
…………。
…黙って立ってるのもなぁ……
かと言って勝手に人のベッドに座るのも抵抗があるし…
…とりあえず絨毯の上に座ってるか。
…お!
フカフカして気持ちいい!
…よく見るとこの部屋、クッションとかぬいぐるみとか多いなぁ…
しかもフカフカしてそうなのばっかり…
安眠グッズか…?
なんか見てるだけで眠くなってくるな……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【スイレン視点】
ガチャッ
「お待たせ〜♪…ってアレ?」
「………Zzz…」
…寝てる?
そんなに疲れてたのかなぁ…?
…無理もないか。
周りがあんな人達だったらね…
「…ねぇ、そんな所で寝ないでベッドに寝たら?」
「………Zzz…」
…熟睡だね。
かと言ってこのまま絨毯の上に寝かせててもなぁ…
…仕方ない。
ムリヤリ移動させちゃおっか。
「…んしょ!」
う…重い…!
肩を担いで起きあがらせたまではいいけど、どうやってベッドに乗せたら…
「……うわっ!?」
《ドサッ!》
…ぷぅ。
バランス崩して倒れちゃったや……
ま、幸いベッドの上に倒れたから痛くはなかったけどね。
…ってえぇ!?
こ…ここ…これって……!!?
何か…恭也君に押し倒されてるみたいな……!
仰向けに倒れたボクの上にはうつ伏せに倒れた恭也君が…!
しかも顔はボクの方を向いて………!
「ちょっ…ちょっと、恭也君…!」
「……Zzz…」
まだ寝てる…!
どうしよう…!
寝ている体勢じゃ力も入れにくいし…
…何より眠い……
まさかフカフカのベッドが災いすると…は……
…まぁ、別に恭也君がいても寝れればいいか。
それじゃおやすみ〜…
〜〜〜〜数時間後〜〜〜〜
【恭也視点】
「……う…うぅん………」
……まだ眠い…
俺って普段そんなに疲れてんのかな…?
…ん?
「……スゥ…」
…寝息?
しかも俺の近くで……
…………。
……!!!!?
な…!!!?
何この状況!!?
何でスイレンが…!
「…………ぅ……ん……?」
起きた!?
「…………。」
「…………。」
「…オハヨ〜♪」
「おはよう…って違うだろ!状況を説明してくれ!」
============
「…って事。つまりキミは何もしてないから気にしなくていいよ。」
「…スマン。」
「だから謝んなくていいって。」
スイレンから詳細を教えてもらったが、それでも謝らずにはいられなかった。
…ってか他に何て言えばいいかわからないし…
「謝るって事はちゃんとボクの事を異性として見てるって事だよね?…もし意識があったら危なかった…!?」
「そんなわけないだろ!!」
「そう思われたくなかったら謝んないでね。ボクの事は異性としてじゃなくて友達として見てもらいたいし。」
「…ぬぅ…」
コイツなりに気を使ってくれてるのか…?
「それにしても…キミも少しは異性の事を考えてあげれるんだ?」
「…それはどういう意味だ?」
「だってキミって周りの女の子の気持ちに気づいてないみたいだから、そういうの考えてないのかなぁって。」
…?
アイツらの気持ち?
そんなのわかりきってる事じゃないか?
「俺をイジメて楽しむ事だろ?」
「…あながち間違っちゃいないかもね。」
違うの…?
「もう少し相手の気持ちを考えてあげなよ。」
「そうは言ってもなぁ…アイツらからは悪意しか感じないんだよ。」
「…そういう気持ちには気づいてるんだね。」
アイツらの気持ちか…
「ま、とりあえずできるだけ考えるようにしてみるか。それじゃそろそろ…」
「え?もう帰るの?」
「あまり長居しても迷惑だしな。それに、お前も本当はまだ寝てたいんだろ?」
「……わかる?」
…だってお前だんだん目が閉じかけてきてるもん。
「部屋はたくさんあるんだから泊まっていってもいいんだよ?」
「いや、そこまで世話になるわけにはいかないよ。」
…泊まっていったら多分二度と家に帰りたくなくなると思う。
そのくらいコイツの家は寝心地がいい。
============
「じゃあな。今日は本当にありがとうな。」
「どういたしまして。また遊びに…いや、眠りに来てね〜。」
…休息所?
確かに寝心地は最高だったけどさ。
今までの疲れが取れた気がするよ。
これで月曜からも頑張れるかな……
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おかえり♪恭也♪」
悠希!?
まだいたの!?
…何だかまた疲れそうな予感……
…明日もスイレンの家にお邪魔させてもらうかな?
いつの間にか一周年突破!! 皆様の応援のおかげでここまで来れました! 本当にありがとうございます! これからも頑張っていきたいと思うので、今後もよろしくお願いします!