第44話〜勝利記念の焼き肉パーティー
【焼肉店前】
「…あ〜、学年レクお疲れさん。お前らの努力のおかげで俺は臨時収入を得る事ができた。……ってわけでお前らに焼き肉おごってやる!感謝しろ!」
『ワーッ!』×全員
「半信半疑だったが、まさか本当におごってくれるとはな…」
「……あの二人も参加を許されたし…一体いくら儲けたんだろ…」
「まぁまぁ、細かい事は気にしない!食べれりゃいいじゃない♪」
悠希らしいな…
ま、確かに考えてもどうしようもないけど。
…だが、コレだけはつっこませてくれ!!
「何でお前らがココにいる!?」
「「…え?」」
さりげなくB組のメンバーに混ざっていたのは双子の姉妹、ヒカリとカゲリだ。
お前らC組だろうが!!
「ちゃんと黒城先生に許可もらってますから大丈夫ですよ。」
「私たちの発明品が先生を失格にしたからそのご褒美だってさ♪」
黒城、太っ腹すぎるだろ!!
マジでいくら儲けたんだ!?
「キョーヤ、そんなことより早く行かないともうみんな店に入っちゃったよ?」
…周りを見てみると確かにみんないなくなっていた。
悠希も澪も大地も…
置いていくなよ!
声くらいかけろ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さて、それじゃまずはB組の勝利を祝って……」
『カンパ〜イ!』×B組全員
「…ボクらも祝った方がいいのかな?」
「その方がいいんじゃないッスか?」
「じゃもう一回やろうよ!私が言うね?B組の勝利を呪って…」
「カゲリちゃん!字が違うよ!?」
…何やってんだアイツら?
《30分後……》
「…さて、確か最後まで残ってたのは4人だったな?そしてちょうどゲストも4人…ここはこの8人にちょっとしたゲームをやってもらおうかな?」
突然何を言い出す!?
まさかそのゲームの人数合わせの為に緋乃姉妹を呼んだのか!?
「それじゃ恒例の焼き肉大食い勝負でもやってもらおうか?」
…それってもっと早い内に言ってくんない?
もうすでに結構食ってるんだけど…
「時間は30分!それまでに一枚でも多く食った方の勝ちだ!」
【B組チーム】
「…結局やるのか。」
「やるからには絶対に勝つわよ!」
「……私、ゆっくり食べたいんだけどな…」
「よし!俺が澪ちゃんの分も頑張って食ってやるよ!」
【A・C混合チーム】
「大食い得意な人っていますか?私は苦手なんですけど…」
「ボクは明日休みだから食い溜めのためにたくさん食べれるよ。そしたら明日ゆっくり寝る事が出来る。」
「冬眠前のクマッスか!?…千秋はあんまり大食いは得意じゃないッスね。」
「私、たくさん食べれるよ〜♪キョーヤたちのチームになんか負けないんだから!」
…はぁ、見てる方は面白いかもしれないけどやる方はキツいだろ。
あまりやる気はしないんだけどなぁ…
「恭也!もし本気でやらなかったら…!」
「わかってるよ…」
…やるしかないんだよなぁ。
俺も澪の意見に同意するよ。
メシくらいゆっくり食わせろ。
「それじゃスタートだ!さっさと食え!」
…まずは肉を焼かないと食えないだろうが。
少しは考えて……
「うおぉぉぉ!」
「ちょっ…!大地!?何やってるの!?」
「……まだ肉焼いてない…」
開始と同時に食ってるヤツいた!?
ってかそれ生だろ!?
「やめろって!腹壊すぞ!?」
「大丈夫だ!昔はみんな肉を生で食ってたんだから!」
何時代の話!?
生の肉食って大丈夫なら焼肉店なんて必要無いだろ!?
生肉店でいいだろ!
「うっ……!」
「…おい?まさか…」
「…悪いが俺はここまでのようだ!後は任せたぞ!」
そう言い残して大地はトイレの方へと走っていった…
こっち早くも一人脱落かよ!?
あのバカ!!
「…あっちのチーム、もう一人脱落したみたいだね?」
「早っ!?ってまだ肉焼けてないんじゃないの!?まさか生肉食べて…?」
「そうみたいですね…こんなに早く大地さんが脱落するなんて…」
「とにかくチャンスみたいッスね!」
…まずいな。
何とかしないと…
…ん?
澪?
何でヒカリの所に…?
何か囁いてるみたいだけど………
「…!…スミマセンみなさん!私ちょっと急用ができたので…!」
『えぇ!?』×3
ヒカリはそのまま店から出て行った。
…ヒカリも脱落?
何で?
「……これで人数的には五分…」
「…澪、ヒカリに何を囁いた?」
「……胃腸薬持ってきた方がいいんじゃない…って…」
…それだけで帰ったのか?
まぁいい!
ここからが勝負だ!
「……じゃ後は頑張ってね…」
…………はい?
「…澪は食べないのか?」
「……もうお腹いっぱい…」
勝負始まってからまだ食ってないじゃん!?
「今度はレイが脱落みたいだね。…まだ食べてないのに。」
「でも枚数では向こうが勝ってるよ?生肉の分があるから。ボクたちも頑張らなきゃ!」
「…千秋も抜けていいッスか?」
「「はぁ!?」」
「いや、千秋もお腹いっぱいなんスよ。まさかこんな勝負やるって思わなかったッスから…さっき食べ過ぎちゃって………」
……何この流れ?
肉食う前にもう4人も脱落かよ?(一人は食ってたけど…)
「こうなったら私と恭也の二人で頑張るしかないわね!」
「…俺も抜けようかな?」
「が・ん・ば・ろ・う・ね♪」
「わかった!わかったからそのバットを置け!ってか何でバットがここにある!?」
「え…と、カゲリって言ったっけ?とりあえず頑張ろうか。ボクは満足するだけ食べれりゃそれでいいけどね。」
「OK!アンタが誰か知らないけど、私と組んでる以上負けは許さないからね!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…あと五分だぞ!おら、お前らもっと頑張りやがれ!」
見てるだけのヤツが好き勝手なこと言うな!
コッチは結構キツいんだよ!
「…ヤバいわね。だんだん追いつかれてきた……」
「あと少しで追いつくよ!ほら、アンタも頑張って!」
「…これでも結構たべてるんだけど?キミのペースが早過ぎるだけだよ。」
大地のおかげで広がっていた差が少しずつ縮まっていく…
…ってかマジでカゲリすげぇな!
あの体であんなに食えるなんて…
「こうなったら奥の手を使うしかないようね…!」
奥の手…?
「頑張れ!イグ!」
『待てぃ!?』×3
それは無しだろ!?
「…何よ?」
怒り気味に言うな!
どう考えてもわかるだろうが!
「ちょっと!それって反則でしょ!?」
「この勝負にルールは無いでしょ?」
「いや、常識で考えようよ?」
「…恭也、アンタは私の味方よね?」
「…俺もそれは反則だと思う。」
「裏切り者ぉ!!」
「おい、そこのイグアナ女。」
「先生…もしかして私の味方に…?」
「お前、失格。」
「えぇ!?」
変な事するからだ!
そのせいで俺一人になっちまったじゃねぇか!
「よし!相手がキョーヤ一人だけなら勝てる!この勝負もらったぁ!」
「はい、そこまで。」
「うそっ!?もう時間切れ!?」
…あっぶね〜…
ギリギリ勝ったみたいだな…
「両チームともなかなか頑張ってたな。お疲れさん。」
…………。
…ん?
それだけ?
「んじゃ、そろそろ解散するか。」
待てぃ!
俺たち何のために頑張ったんだよ!
もう少し称えろ!
…ってもう俺たち以外のやつら帰ってるんじゃねぇか!!
…心の中で怒っていても仕方ない。
俺も帰るか…
…あれ?
みんな大地の事忘れてない?