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第4話〜部活と双子と無口な子

事の起こりは今日の朝のHRの時だった。

入学してから約一週間が経った今日、担任である面倒男こと黒城がいきなりこんな事を言い出してきたのだ。


「あぁ、そういえば明日で部活の勧誘は打ち切りだからな。」


最初から部活に入る気のない俺には関係のない話だと軽く聞き流そうとしたが…


「まだ部活入ってないやつは早く決めろよ。なにせこの学校では生徒は全員部活に入らないといけないからな。」


この黒城の発言に俺はショックを受けた。

前にも言ったが俺みたいなやる気のないやつが部活に入っても決して有意義ではないからだ。


「ちなみに部活に入らなかったやつは一年間学校の雑用をやる『雑用部』に強制入部されるからな。とにかく何でもいいから部活に入ることをお勧めするぞ。」


何だそれ!?…とツッコミをいれる気力すらなくした俺はただ机の上で呆然としていた。

だってせっかく部活に入らずにのんびりと高校生活を送ろうとしていた時にそんなこと言われたんだぞ?

少なくとも俺はショックを受けるわ。



…そして昼休みになった今、ようやく気力を取り戻した俺は『雑用部』入部を免れようとどこか良さそうな部活を探している。

…と言ってもまだ部活勧誘のある放課後にはなってないのでクラスの連中にどんな部活に入っているかを聞いてるだけだ。

 

クラスメイトA

「ん〜、俺は剣道部に入ってるけどな。」


クラスメイトB

「私は調理部よ。」


クラスメイトC

「俺は女子が多いというバレー部へ入部予定だ!!え?バレー部って男女別なの?」


クラスメイトD

「僕は漫研に入ろうと思ってるんだ。」


クラスメイトE

「……ごめん。私もまだ決めてないの。」



クラスメイトC(ってか大地)は敢えて無視しておくとして…その他大勢に聞きまくったのだがみんながみんなそれぞれ違う部活に入部、もしくは入ろうかなと考えているらしい。


……今思ったんだがこの学校って部活何個あるんだ?


「せっかくだから恭也も陸上部に入れば?」


悠希が肩にイグを乗せながら話を聞いている俺のところへと歩いてくる。

言うまでもなくみんなイグを恐れて悠希から遠ざかっていく。


「…とりあえず運動系の部に入る気はないからパス。」


「つまんないの〜」


いや、そんな頬をふくらませて言われてもお前の性格知ってる俺としては全然かわいいとか思わないから。


…そうだ!

こいつ意外と色々知ってるからこいつに聞けばいいんだ。


「悠希、この学校って部活何種類くらいあるんだ?」


「え〜と…確か軽く三百は越えてたはずだけど?」


多すぎだろ!!


「…文化系の部活は?」 


「大体半分くらいかな?」


「その中で比較的楽な部活は?」


「…あんたもしかしてあたしを利用してない?」


ぐっ!!バレたか!

こいつの情報はどこから仕入れてくるか知らんがかなり信憑性はあるからな…


「とにかく後は自分で探しなさい。」


そう言って悠希はイグと一緒にどこかへ行ってしまった。う〜ん…

やっぱり放課後に部活を探すしかないか…

クラスのやつに聞いてまわっても俺に向いてそうな部活は無かったしな…


「…なぁ恭也……」


「ん?どうした?クラスメイトC?」


「誰がクラスメイトCだ!?」


「わかったわかった。どうした?大地?」


「最近なんか俺の扱いがひどいと思わないか?」 


……仕方ないじゃん。

コメディなんだから。


「…気のせいだよ。」


「そうか?それならいいが…」


バカは単純だからこういう時は助かるな。 

さて、とりあえず頑張って黒城の授業を乗り切って放課後に部活探しでもするか。




[放課後]


「さて、それじゃ俺に合う部活でも探すか。」


「そうだな。」


「…ところで何でお前は俺について来てるんだ?大地?」


「俺も部活探し、それも可愛い女の子がいる部にな♪」


うざいから俺に近づかないでくれないかなコイツ?


「じゃ効率上げるためにバラバラに部活を探すか。いいか?俺に合いそうな部活も探すんだぞ?」


「わかった。楽できそうな部活だな?」


…さすが友人だけあってよくわかってらっしゃること。


「じゃ俺はあっちから探すから、ちゃんと俺に合いそうな部活も探しとけよ?恭也?」 


「おう。」


よし、引き離し成功!!

さっぱりしたところで早速部活探しでもしようかな?




「男ならサッカーで全国を狙ってみないか!?」


「今、茶道部に見学に来るとお茶と和菓子が待ってますよ〜。」


「スポーツでいい汗を流しませんか?陸上部はこちらで〜す。」


どこの部活も新入部員を確保しようと必死だな…ま、俺には関係ないけどな。

…それにしても楽できそうな部活ってなかなか無いものだな。

大地が入りそうなのは何個かあったけど… 


〈ドンッ!〉


「きゃっ!!」


やべっ!

よそ見しながら歩いてたらぶつかっちまった!


「悪い、大丈夫か?」


俺はその女の子に手を伸ばして起きあがるのを助けた。


「あ、はい。大丈夫です。すいません、よそ見していたもので…」


その女の子は赤色の髪をツインテールにしていてかわいらしい顔をしていた。

リボンの色からして同じ学年だとは思う。

間違いなく大地なら告ってたな。


「大丈夫ならいいが…とりあえず俺は急いでるんで…」 


早く部活探さないと雑用部に入れられちまうからな。


「…あの、もしかしてまだ部活が決まってないんですか?」


「…?まぁまだ決まってないけど…」


「よかった〜!まだ入ってない人いたんだ〜。」 


…?

何がよかったんだ?


「あの…よかったら『発明部』に入りませんか?」 

「発明部?」 


そんな部活あったか?


「私達が新しく作ろうとしている部なんですけど作るためには部員が最低5人は必要なんですよ。」


なるほどね。

だから聞いたことなかったのか。


「でも発明って言うからには面倒くさい部なんじゃないのか?」


そうだとしたら俺は入部しないからな。


「いや、部になりさえすれば後は自由ですから。部活の時間に寝てても本を読んでいてもいいですから。」


 

…なかなか条件はよさそうだな。


「…よし、わかった。そこに入部するよ。」


「え?本当ですか?ありがとうございます!」


いや、そんな礼を言われる程じゃ…


「…ところで部にするには後2人必要なんですが誰か心あたりありませんか?」


そうだ。

例え条件が良くても人数が揃わなければ意味がないんだ。

…まぁこの子がいるなら大地は入るだろうな。


「1人なら心あたりあるぞ。」


「本当ですか!?」 


「とりあえずそいつを探すか。それじゃ行くか、…えっと……」


「あ、私C組の《緋乃 ヒカリ》って言います。ヒカリって呼んでください。あなたは?」 


「俺は神堂恭也。B組だ。恭也でいいよ。」


「わかりました、恭也さん♪」


そう彼女は笑顔で答えた。


…いかん!!

普通に可愛い!!

駄目だ俺!!

これはコメディだ!!


「どうしたんですか、恭也さん?顔が赤いですよ?風邪ですか?」 


ぬおぉぉぉ!!

下から上目づかいで覗きこまないでくれ!

あまりにかわいすぎてギュッてしたくなるから!! 

「な…何でもないよ!さ、早く探しに行こ?」


「…?あ、待ってくださいよ!恭也さん!」


くそっ!!

落ち着け俺!!

とりあえず大地を探そう!!

あいつにツッコミを入れているうちに何とかなるだろ!!




[10分後]


「あ、いたいた!恭也!」 


声のする方を見ると向こうの廊下から大地が手を振ってやってきた。

恥ずかしいから手を振るな!!


「お前の条件に合いつつ女の子もいる部活見つけたぞ!!」


「そのことなんだが実は俺この子の部に…」


「この人がその部の人でな…」


聞けよ!!人の話!! 


「あなたがキョーヤって人?初めまして。」


「あ、初めま…し…て?」 

あれ、つい最近どこかで見たような…

えーと、赤色のツインテールにかわいらしい顔なんだが…

そんなこと考えつつふと後ろを振り返るとそこにも同じ顔をした人がいる。

…え?


「あれ、ヒカリじゃん?」 

「あ、カゲリちゃんだ。部員見つけた?」


「まぁね。」


「そっか。私の方も1人見つけたよ。」


「なら、後1人だね。」 

「そうだね♪」 


いやいやいや、ちょっと待て!


「大地、これはどういうことだ?」 


「さぁ?俺にわかることはかわいこちゃんが2人に増えたってことだけだ。」


この2人似すぎにも程があるだろ!!

もう似てるとかそういう次元じゃなくて『同じ』だね。


「…あの、ヒカリさん?」


「いや、さんは付けなくていいですよ?」


「とりあえずこの人は?」 

「あ、紹介してなかったですね。この子は私の双子の妹の《緋乃 カゲリ》って言います。ちなみにカゲリちゃんもC組です。」 


予想通り双子ですか…


「私のことは普通にカゲリって呼んでいいからね、キョーヤさん♪」


「あぁ、じゃ俺も別にさん付けしなくてもいいから。」


「わかったよ♪キョーヤ♪」


うぉっ!!

さすが双子!!

ヒカリと同じですごくかわいい!!

やばい、ドキッとする!! 

「…あれ〜?何顔赤くしてるの?もしかしてあたしに惚れた〜?」 


「っ!!い、いや!そんなわけでは!!」 


いかん!!

冷静になれ、俺!!


「私は別にキョーヤとなら付き合ってもいいけどな♪」


ちょっ!!何言ってるの!?そして顔近いって!!


「ちょっと、カゲリちゃん!?」


「冗談だよ♪どう?ドキッとしたでしょ?」


かなりな!!


「もし付き合ったりしたらコメディから恋愛にジャンル変わっちゃうかもしれないしね♪」 


その通りだ。だがそれをここで言っちゃダメだろ。 


「じゃ代わりにこの大地さんと付き合うってのは?」


どさくさ紛れに何言ってんだテメェ!!


「却下。」


「なぜ!?」


「うざいから。」


「ぐはっ!!」


…どっかで似たようなやり取りがあったが気にしないでおくか。


「ちょっとカゲリちゃん!例えその通りでも言っていいことと悪いことがあるでしょ!!」 


わざとか!?

大地がかなり落ち込んでるだろ!!


「とりあえずこのウザ男は放っといて残り1人探しに行こっか?」 


「ちょっと!!カゲリちゃん!!」


…短時間だが大体この2人の性格は掴めてきたな。

ヒカリはしっかりしているが少し天然入ってる感じで、カゲリは明るくて他人に遠慮が無いって感じかな?



「あと1人誰か心あたりある人いる?」 


カゲリが俺達に問うがヒカリと俺は首を横に振った。

ほとんどのやつが雑用部入りを逃れようとすでに他の部に入っちゃってるしな。


「俺心あたりあるよ。」


さっきまで落ち込んでたはずの大地が復活した。こいつが復活したってことは…


「その心あたりってのは女子か?」


「その通りだ。」


やっぱりか…


「何でお前は女のことになると元気になるんだ?」 

すると大地は親指を立ててこう言った。 



「それはだな、俺が愛の戦士だからだよ!!」


「「「うわ、キモ!!」」」


「3人で同時に言わなくてもいいじゃないか!?」 

別に狙ったわけじゃないし。

ま、3人の呼吸が合うくらいキモかったってことだ。


「わぁ、キョーヤって私たちと息ぴったりだね♪この際だからやっぱり付き合う?」


冗談でもそういうのはやめてくれ!!

心臓に悪い!! 


「と、とりあえずお前の心あたりのあるやつを探すか。どんなやつなんだ?」


「あんなやつ。」


そう言って大地が指差している方を見るとメガネをかけていて、長い水色の髪をなびかせながら他の部活を見ている人がいた。


「…ってクラスメイトEさん?」


「誰それ?」


おっと間違えちまった。え〜と、確か名前は…


「あの人は《小織 澪》って言う俺達と同じクラスのやつなんだ。」


そうだ。小織さんだ。

あまり存在感無い人だったからつい名前忘れちまったよ。


「へ〜、やっぱりウザ男は女の子のこと詳しいんだ。」


大地の名前はウザ男で定着しちゃったのか!?


「カゲリちゃん!!せめて変態さんって呼びなさいよ!!」


それも十分ひどいと思うけどな。

ほら、また落ち込んじゃった。 


「ほら、大地。ここで小織さんを部員にすることができたら汚名を返上できるかもしれないぞ?」


実際そんなことはないけどね。


「…そうか?よっしゃぁぁぁ!!やってやろうじゃねぇか!!!汚名挽回じゃぁぁ!!」


うわっ!!

単純すぎるだろ。

やっぱりバカだコイツ。ちなみに汚名は挽回じゃなくて返上しないとダメだからな。

ベタすぎるボケしてんじゃねぇよ!!


「それじゃ行ってくるぜ!!」


その喋り方めちゃくちゃウザいんだけど。


「…キョーヤ〜?何であんなのと友達なの?」


「……あんなのだとわかっていたら友達にはならなかっただろうな。」 


「…恭也さんも大変ですね……」


「おい!!聞こえてるぞ!!!」


「「やかましい!!早く行け!!!」」


「…だそうですよ。大地さん。」


「…うわぁぁぁん!!!!」


大地は泣きながら(実際は涙を流さずに声だけ)小織さんの方へとかけていった。

…ウザっ


「…それにしても恭也さんって何気に私たちと息ぴったりですね。」


「まぁ、息が合うんじゃなくてあいつに対するツッコミの種類が少ないからじゃないか?多分他のやつらだったらここまで一致はしないだろ。」


「それでもタイミングまで同じなのはすごいよ。もしかしてキョーヤと私たちって相性ぴったりなのかもね♪」


何回もしつこいわ!!

もうドキッとはしないぞ!!


「…ところで大地が誘いに行ったのはいいがアイツこの部についてどこまで知ってるの?」


「「…え?」」


「内容知らないまま誘っても誰も入らないと思うが?」


「「…あ……」」


「そもそもアイツこの部が何部か知ってるの?」


「……カゲリちゃん…?」 

「…私が誘ったら何も聞かずに入るって言ったから…多分知らないと思う。」 


…やっぱりな。

このままアイツに任せてたら部のイメージが悪くなってしまう。


「…仕方ない。全員で行くか。」


「「…そうだね。」」 


そういうことで結局俺達も小織さんを誘いに行くことになった。


「もう、アイツったら本当に使えないんだから!!」


いや、本来ならお前らが行かなきゃいけないだろうが!! 


「…ところでこの部については俺もよく知らないんだけど?」


「えっ!?キョーヤも知らないで入ったの!?キョーヤもあのウザ男と同レベルだったってこと!?」


「…言っとくが俺がこの部に入ったのは楽ができそうだからであり俺はそう聞いたから入ったんだ。大地とは目的が違うからな。」


あんなのと一緒にされるなんて心外もいいとこだ。


「それならいいけど…とりあえずこの発明部はね名前の通りいろんな物を発明したりする部なんだよ♪」


「……それだけ?」


「うん♪」


…聞いた意味ねぇぇ!!

それくらいなら名前から推測できるって!

何か他にやること無いのかよ!? 


「あっ、それといろんな実験や検証もしたりする予定だよ♪」


もうそれ科学部と同じじゃねぇか!? 


「ただ、これだけだと科学部と同じになっちゃうから他にもやることはあるけどね♪」


「…他のことって何やる気だ?」


「それはヒミツだよ♪」



…そこは素直に考えてないって言えよ… 




「…恭也さん、カゲリちゃん…あれ見てください。」 


ん?

あれって何だ?


俺がヒカリの指差す方を見ると…

何とそこには…!!




 

…とまぁ、次回の伏線もひいたところで今回はここまで!

次回もお楽しみに〜♪



…って何だこの終わり方!?

読んでくださってありがとうございます。   今さらですがこの小説は携帯で書いているのでパソコンの方は少々読みにくいかもしれません。 …ただでさえ作者が文章構成能力が低いのにホントすみません!!    ……どうでもいい話なんですが、元々この小説はラブコメをテーマに作ったものなので登場人物は女性の割合が多いです。多少はボツにしたキャラもいるので少なくはなってるんですが…    まぁ、気にしないでください(笑)       それでは今回はこれくらいで。

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