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第29話〜佐村の頼み

 

「さぁ、今日も張り切って部活を始めましょうか。」


「よーし、今日も遊びまくるぞ〜♪」


『…ただし、俺で遊ぶなよ?』


「え〜!?別にいいじゃん。減るもんじゃないしさぁ…」


『よくねぇよ!確かに何も減らないが、俺のプライドが崩れるわ!』


…KYO-YAよ、抵抗しても無駄だと思うぞ?

所詮お前はパソコンの中から出れないんだから最終的には…


「よし、これでOK♪今日は何して遊ぼうかなぁ♪」


『あ!何勝手に機能をロックして……ヤメローーーーッ!!!』


やっぱり昨日と同じようになったな。

せっかく朝の内に直してもらったのに、意味ねぇなコレ。


「……恭也君…」


「ん?どうした?」


他の三人がKYO-YAで遊んでる中、澪はそっちに参加せずに俺の所へやって来た。


…なぜか大きめの紙袋を持って……


嫌な予感がするんだけどなぁ…(苦笑)


「……ちょっとコレ…付けてみない…?」


やっぱりかよ!!

昨日言ってたもんな!


澪が紙袋から取り出したのは、多分昨日の店で買ったと思われるネコミミだった。

…昨日KYO-YAにも付けてなかったっけ?


「……多分似合うと思うんだけど…やっぱりダメ…?」


いや、そんなもん似合う訳ないだろ!…と言って断りたいんだが、上目遣いで頼まれると断りきれなくなる。 

これはやはり付けないといけないのか!?

何か…何か言い訳を考えないと…!


ガラッ


ん?

誰か来たのか?

当然みんなの視線もドアに向けられる。


「部活中にすまぬが、神堂という者は居らぬか?ここにいると聞いてきたのだが…」


そこにいたのはチョンマゲ頭の時代を間違えまくっている教師、佐村だった。

っていうか俺に用?

何の用だろ?

まさか、この前のテストの点数が悪すぎるから追試とか!?

…それはないか。

一応赤点は免れてたはずだし。


「俺が神堂ですけど…どうかしました?」


「お主が神堂殿か?すまぬが拙者と共に来てはくれぬか?用件は歩きながら話す。」


………。

逃げる口実GET!!


「いいですよ。早く行きましょう。」


「……あ…せっかく買ってきたのに…」


澪の言葉はなるべく聞かないようにしてさっさと教室を出て行った。

何気に良心に傷がついちゃうからな。


「…で、俺に用って何なんですか?」


俺たちは歩き…というより早歩きのスピードで廊下を歩きながら話し始めた。


「実は拙者、こう見えても剣道部の顧問であってな。」


いや、見た目から察しがつきますけど?


「恥ずかしい話ではあるのだが、部員の一人を改心させてやって欲しいのだ。」


へぇ〜…それで俺を呼んだんだ。


…………。


わかんねぇよ!!

何をどうしたらそんな話になるんだよ!?


「もっと具体的に話してくれませんか?」


「ふむ。実は今年、非常に腕のいい部員が入部したのだが…その者は不真面目者でな。部活を真面目に受けてくれないのだ。」


…そんなヤツがなんで普通の部活に入部したんだろ?

俺たちの部みたいなのもあるだろうに…

知らなかったのかな?


「いくら注意しても『こんなクズ共とやったって練習になんねぇよ。』と言っててな。他の部員からは反感を買っているのだ。」


ひでぇヤツだな…


「そこでお主にその者を懲らしめてやって欲しい…ということだ。」


だからそこがわからないんだよ!!

何でそこで俺が出てくるんだよ!?

剣道部の問題なんだからそっちで解決しろよ!


「他の部員がやったらいいんじゃないですか?何で俺が…」


「拙者も最初は剣道部の中だけで何とかしようとしていたのだが…ヤツは強すぎた。部員は誰もヤツには勝てず、ヤツの暴言に耐えきれずに辞めてしまう者も多数…拙者も挑んでみたのだが、勝てなかった…」


先生を倒した!?

佐村先生が弱いのか、そいつが強すぎるのか…

どっちにしろ俺みたいなのが適うはずないじゃねぇか!?


「この話を加賀殿に話した所、お主が適任だと仰られてな。それで今回、このように頼みに来たということだ。」


黒幕は加賀先生か!?

俺なんかを推薦するんじゃねぇよ!

しかも、頼みに来たって言いながらも今強制的に剣道部の所に連れて行こうとしてませんか?

だからさっきから早歩きだったんだな?


「そうそう、ヤツの名前は《赤樹 剣》。ではよろしく頼んだぞ。」


そうこうしている内にもう到着!? 早っ!? 


ガラッ


「赤樹!赤樹はいるか!お主を倒す者を連れて来たぞ!」


いきなりですか!?

人の意見聞く気無いじゃねぇか!


部室の中には防具を付けている人が何人か、頭の部分だけ外して休んでるのが2、3人。

そして…制服姿のままでこちらを睨んでいるのが1人。

多分コイツが赤樹とかいうヤツだろう。

俺と同じ銀髪で、よく雑誌とかに載っているモデルみたいな顔をしていた。


「…うぜぇ」


そう言うとそいつはこっちの方へと歩み寄ってきた。

部員たちはみんな赤樹のに注目している。


「おい、佐村。もう俺に関わるなと言っただろうが。またぶちのめしてやろうか?」


俺たちの目の前に来た途端、佐村を思いっきり睨みつけながらそんな事を言い出した。

普通に怖ぇよ!


「し…神堂殿!後は任せた!」


えっ?あっ!

佐村の野郎!

逃げやがった!


「…ふぅ。千秋…。」


「はいッス!」


赤樹の声と同時に何かが俺の横を通り抜けた気がした。

それから後ろから佐村の声も聞こえてきた。

振り向いてみると、佐村は誰かに押さえつけられていた。


「こんな感じでいいッスか?赤樹さん。」


「あぁ、後で半殺しにしておくから縛って置いとけ。」


赤樹の指示通りに佐村を縛っているのは、帽子を深く被っているヤツだった。

顔の半分近くが帽子に隠れているからどんな顔かはよくわからない。

背は…低いな。


「…今失礼な事考え無かったッスか?」


「い…いや!何も考えてないけど?」


「………。まぁ、いいッス。」


…背低いの気にしてんのかな?


「…で?テメェが俺を倒すってのか?」


「え…?そんなわけないじゃないか。じゃ、俺はこの辺で!」


誰がこんなヤツと戦うか!

さっさと自分の部室に戻って…


「……じゃ、まずはネコミミね…」


うぉっ!?澪!?

何でここに…ってかまだネコミミ!?


「KYO-YAで遊ぶのも飽きてしまったので、」

「キョーヤの様子を見に来たよ〜♪」


「何?この、お前と銀髪が被ってるヤツと戦うのか?頑張れよ。お前なら出来るさ。」


全員来たのかよ!?

っていうか大地、挑発するような発言はやめろって!


「ちょっとそこのかっこつけ男!あんたなんかキョーヤがコテンパンにしちゃうんだから!」


カゲリーーっ!?

頼むからヤメロ!


「……いくらかっこつけてても…部活サボる人って最低だよね…それともそれがかっこいいとか思ってるのかな…うわ…ひいちゃう…」


澪も!?

最近あまりヒドいこと言わなくなってきたのに、何で今になって毒舌が復活してんの!?


「アニキ、あいつらの言うことなんか気にしない方がいいッスよ!」 


いいぞ!

千秋…だっけ? 

とにかく赤樹を落ち着かせるんだ!

キレられたらたまったもんじゃない!


「…ふん、どうやら周りから慕われるヤツらしいな。」


よし、どうやら怒ってないみたいだ。

後は穏便に事を進めて逃げれば…


「いいだろう。みんなの前でテメェの無様な姿を晒してやろうじゃねぇか。」


何でそうなるの(泣)

ようやく今回『赤樹』を出すことが出来ました。このキャラは私の好きなキャラでもあります。 それだけに私の力じゃ上手く表現出来ないのが残念です…       ところで、佐村の事を覚えていましたか?   私はよく前に出てきたキャラを再利用しますので今後もあまり出番の無いキャラを使うと思います。          覚えてなくてもなんとなく話はわかりますので適当に読み進めても問題ありません…多分(オイ!?)           今年の更新はこれが最後の予定です。     この一年応援してくださった方々、ありがとうございました。     来年も頑張りますので今後も応援お願いします。それでは皆さん、よいお年を。

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