表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/147

第27話〜遊園地と邪魔するヤツら

 

今日は日曜日。

そして今の時刻は9時40分。

現在地は駅の近くの公園。

…いつもならこの時間はまだ布団の中にいるんだけどな…

なんで今日に限って外出してるかって?

知りたかったら一つ前の話を読んでくれ。

ぶっちゃけ説明が面倒くさいし。


さて、ここで待ち合わせに定番の問題が発生している。

そう!カゲリが遅刻してきてるのだ!

待ち合わせ時間は9時ジャスト。

つまり俺は40分も待たされている。


…遅すぎない?

俺が短気なだけ?

いや、40分も待てば気は長い方だよな?


「キョーヤ〜♪」


そんなことを考えてるうちにようやくカゲリが来た。

っていうか遅れて来てんのに何でノンビリ歩いて来てんだよ!?

普通走って来ない!?

俺が文句を言おうとした瞬間、カゲリの口からとんでもない事が聞こえた。


「いや〜、待ちきれなくてかなり早めに来たのにまさかキョーヤがもう来てるなんてな〜。まだ20分前でしょ?キョーヤはいつ頃から来てたの?」


…はい?20分前?

つまりアレか?

もともと待ち合わせ時間は10時だったってことか?

単純に俺が聞き間違えたってだけ?


うわっ!恥ずかしっ!

自分のミスなのに思いっきり人のせいにしてたよ!


「い、いや、俺も今来たばっかりだよ。」


当然『間違えました』なんて言えないから適当に話を合わせておく。

…次から待ち合わせの時は気をつけよう。


「へぇ〜♪やっぱり考える事は同じなのかな〜?キョーヤも嬉しいんでしょ?こんなカワイイ子とデートできて♪」


「な、何言って…!」


「あ〜、顔赤くなってるよ(笑)?」


くっ…思いっきりからかわれてる。


「バカな事言ってないでさっさと行くぞ。」


「リョーカイ!!」


…ノリのいいヤツ。

わざわざ敬礼までやっちゃったよ。


まぁ、とにかく俺たちは駅の中へと入っていった。









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【悠希視点】


「……行ったね…」


「それより何さっきのあのやりとり!?このままじゃヤバいじゃん!」


やっぱり今のところ一番のライバルはあの子になりそうね!


「……何がヤバいの…?」


澪はまだ甘いわね。


「いい?ああいう相手をドキドキさせるような事を何回も繰り返されるとだんだんその人の事が気になっていくものなのよ。」


「……そうなの…?」


やっぱりこれはもうあの二人の邪魔をするしかないみたいね!

フフフフ…!


「……そういうのはわかっていて、今まで付き合いも長いのに……チャンスが無かったみたいね……かわいそうに……頑張ってね……」


「…何その慰め?今必要?」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



《遊園地》


「とうちゃ〜く♪」 


…恥ずかしいからはしゃぐなって。

俺ら高校生だろ?


「ねぇ、キョーヤ!アレ乗ろう♪」


カゲリが指差しているのは……


……観覧車?


…早すぎない?

普通ああいうのは最後くらいじゃないか?


「早く早く♪」


そう言いながら俺の手をひっぱりながら観覧車へと向かっていく。

…以外と力あるなコイツ。






【カゲリ視点】


普通なら最初は遊園地の定番であるジェットコースターとかから乗るんだろうけど、今回はそんなのに関係なくいきなり観覧車から乗ることにした。

ここで一気にキョーヤと急接近して…♪

そして残りはラブラブ状態のまま他のアトラクションに乗るっていう作戦だ。

うーん、我ながら最高の作戦♪

これでキョーヤは…♪






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



【悠希視点】


遊園地に入るなり二人は観覧車へと向かっていった。

あの子は順番ってものがわかってないのかな?


「……どうやら一気に攻めるみたいね…」


…!

そうきたか!

あの子もまたとんでもない事考えたわね!


…っていうか澪もだいぶ知ってんじゃない!?

さっきは恋愛なんか全然わかりません的な感じだったのに!


「……問題はどうやって邪魔をするかね…悠希さん…?…どうかした…?」


「い、いや別に!」 


そうよ!

余計な事を考えるのは後でいい!

まずはあの二人をどう邪魔するかだ!


「観覧車に乗られちゃったら手出し出来ないし…何かするとしたら今のうちね。」


「……こういうのはどう…?」


澪が私の耳に小声で囁く…けど…聞こえない。

もともと声が小さい澪が小声でしゃべっちゃったら本当に聞き取れないから。

何回か聞いてようやく聞き取れたが…


「…それってイグに行けってこと?でもあの二人はイグの事知ってるからイグに行かせちゃったら私たちの事がバレちゃうよ?」


澪が言ったのは観覧車の中に何か驚くようなモノを入れて、いい雰囲気を作らせないようにすることだ。

そんな事をするためには当然小型の動物を入れるのが一番いい。

普通の物だったら何らかの対策は出来るだろうから。

でもイグに行かせたら私がさっき言った通り私たちのことがバレてしまう。

それはそれでデートをぶち壊しに出来るけど…


「……大丈夫…」


そう言いながら澪は背中に背負っていたリュックを下ろした。

…今気づいたけどなんかガサガサしてない?

なんかイグも警戒してるし…


「……私もペット飼ってるから…」


「こ…これは…!」


リュックの中から出てきたのは…




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「…思った以上に人がいないな。」 


普通ならもう少しいてもいいのに。


「なんか最近新しいアトラクションが増えたみたいだから多分みんなそっちに行ってるんじゃない?」


なるほどね。

それで人がほとんどいないのか。

まぁ、この時間に乗るよりは夕方くらいに乗った方が景色もいいしな。


「さ、早く乗ろ♪」


「わっ!ちょっ…押すなって!」


俺はカゲリに押されて観覧車へと乗った。

…ん?

今何かが足下を通ったような…

気のせいかな…?


「…ってちょっと待てカゲリ!」


「ん?どうかした?」


どうかした?じゃないだろ!


「何で俺の隣に座る!?普通向かい合うように座るだろ!?」


「気にしない気にしない♪」


気になるわ!

係員の人がこっちを睨んで舌打ちしてただろ!?


「おぉ〜♪だんだん高くなる〜♪」


高くなんなかったらこれは何の乗り物だ?


カゲリは徐々に高く、遠くまで見えるようになっていく景色をずっと眺めていた。

そして俺も…




「…ねぇ、キョーヤ?聞きたい事があるんだけど…いい?」


ちょうど一番上に来た頃にさっきまで外を楽しそうに眺めていたカゲリがいきなり話しかけてきた。

視線はさっきまでと違い、下を向いている。

気のせいだろうか、少し震えている気がする。


「聞きたい事?何だ?…ってうわっ!?」


いきなりカゲリが俺に抱きついてきた。

いきなりのことに俺も慌ててしまう。


「カ…カゲリ!?」


「…んで……が…るの…?…」


カゲリが小さな声で何かを呟いているが聞き取れない。

カゲリの体はまだ震えているままだ。




 

…でも次のカゲリのセリフに俺も震えだしそうになった。


「…何でヘビがいるの〜!?」


…はい!?ヘビ!?


慌てて足下を見てみると確かにヘビがいた。

白くて大きくも小さくもないヘビだ。

…と言っても本物はほとんど見た事がないからよくわからんが。

そのヘビが蜷局(とぐろ)を巻いてこっちを見ていた。


「な…何で観覧車の中にヘビが!?」


もしかしてさっき俺が見たのはコイツか!?

あれは気のせいなんかじゃなかったんだ!


「キョーヤ、何とかして〜!私ヘビはダメなの〜!」


そんな事言われても…

どうしろと?

今観覧車はちょうど一番上の辺り、そしてこの中は密室状態。

…つまりあとしばらくはこのヘビと一緒に閉じ込められたまま?


「キョーヤ〜!!」


え?ちょっ…だんだん力強くなってきてない?

いてててて!

骨折れるって!


「助けて〜!」


「その前に俺を助けてくれっ!!」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「おぉ!効果バツグンね!」


私たちは双眼鏡で観覧車の中を覗いている。

恭也に抱きついてるのはちょっとムカつくけど、少なくともラブラブな雰囲気にはなりそうもないようね。


「……そこまで嫌かなぁ…?」


澪はショックを受けてるみたい。

まぁ、気持ちはわかるよ。

イグもあまり好かれてないみたいだし。


「……多少の反応ならまだしも…あそこまで拒絶するなんて…」


く…暗い!

こういう時ってどう言ってあげればいいんだろう!?


「……次からはあまり連れ歩かない方がいいかな…」


あぁ、ついにいじけだしちゃった!

空気が重いよぉ!

今すぐここから逃げ出したいよぉ!


…あ!

二人が戻ってきた!


「澪!早くあの二人を追いかけなきゃ!」


「……わかった…」


うーん…いつも通りなのかまだ落ち込んでるのかわかんない。

そんな事よりまずはあの二人を早く追いかけないと!

観覧車から降りるなりすぐにダッシュでどこかに行っちゃうんだもん。

見失わないようにしなくちゃ!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「はぁ…はぁ…怖かったぁ…」


「まさかヘビが入り込んできたとはな…おかげで死にそうになっちまった。」


「死にそうに…って、もしかしてキョーヤ咬まれたの!?」


違うわ!

お前の締め付けだよ!

気づいてないのか!?


「…咬まれてないから安心しろ。それより次はどうする?」


「うーん…とりあえず休憩しよ?」


そうだな。

まさか観覧車に行って疲れるとは思わなかったからな。

さすがにこの体力で絶叫系に乗ったらヤバい事になりそうだ。

俺はカゲリの意見に賛成すると近くのベンチに二人で座った。 






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「…さて、次はどんな邪魔をしようか?」


「……さすがに同じ手は使う訳にいかないしね…」


出来ることならあの二人が早く帰りたくなるようなとっておきの邪魔をしたいけどなぁ…

そんなのはそうそう出来ないしなぁ…


…ん?

ふと澪の方を見てみると視線が恭也たちとは違う方に向いていた。

…何を見ているんだろう?


「……悠希さん…あの人…使えるんじゃない…?」


あ…あの人は!

加賀先生!?

何で遊園地に!?

でもあの人は確か恭也を狙っていたはず。

邪魔をさせるのにはもってこいの相手ね。


「加賀先生〜!」


そうと決まったら即行動!

これ以上あの二人を一緒にさせない!


「あら♪確かこの前の授業で一緒に銀髪少年を追いかけた娘よね?私に何か用?」


よく覚えてるなぁ…


「……一人で遊園地に来て何してるんですか…?」


澪!?

確かに気になるけど今はそれどころじゃ…っていうかその言い方失礼じゃない!?

遠回しに『友達いないんですか?』って言ってるようなもんじゃん!


「遊園地って若い子が多いでしょ?その若々しい肉体を見にきたのよ♪ほら、あそこの少年の肉体なんか…あぁ!ぜひ実験したい!」


…この先生ヤバすぎない?

将来何か犯罪を犯すんじゃない?

ま…まぁ、いいや。

早く本題に入ろう。


「加賀先生って確か恭也の事狙ってましたよね?」


「恭也って銀髪少年のこと?もちろん狙ってるわよ♪あの子を捕まえるためにいつもいろんな薬品を持ち歩いてるんだから♪」


すごい執着心…

だからこそあの二人の邪魔をさせるのには最適ね…!


「恭也ならあっちのベンチに…」

「それを早く言いなさい!早速捕獲してくるわ!」


早っ!?

まだ全部言ってないのにもういなくなっちゃったよ。


「……作戦成功ね…」


「そうね。まさかこんな簡単にいくとは…」


後は高みの見物といきますか♪


「……でも…もし恭也君が捕まったらどうなるんだろう…?」


…あ!

そこまで考えてなかった!


「……多分運が良くて精神崩壊…悪かったら体の半分近くが機械になって…」


「いや〜〜〜〜!!!」


そんなのダメ!!

それじゃ恭也じゃ無くなっちゃう!


「澪!早く止めに行こう!!」


「……わかった…」


私たちは急いで恭也たちの所に向かった。

待っててね、恭也!


…ってもともと私たちのせいだけどね。




 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「どうだ?疲れはとれたか?」


「うん♪もう元気いっぱいだよ♪」


さて、それじゃそろそろ次のアトラクションに向かうか。


「カゲリ、次はどこに行きたい?」


そう話しかけたところで異変に気づいた。

カゲリの視線が俺の後方に向いている。

さっきの観覧車の時と同じだ。

また何かヤバいモノを見つけたか…

後ろを見てみると…誰かがこっちに向かって走って来ていた。

まだ距離はあるから顔は見えないが何となくイヤな予感がする。

俺はカゲリの手を握りしめた。


「え!?キョーヤ!?」


「カゲリ…」


間違いない!

あれは…加賀先生だ!

…となると狙いは俺!?


「逃げるぞ!!」


「えぇ!?何で!?」


説明をしている暇はない!

捕まったら終わりだ!


「今日こそ捕まえてあげるわ!銀髪少年!」


後方から加賀先生の声が聞こえてきた。

何であの先生がこんな所にいるんだよ!?

イメージ的には化学室で実験してそうなんだけど…って今はそんなの考えてる暇はない!


「喰らえぇ!!」


まさか…

いや、こんな人がたくさんいる所でやる訳が…


《ドォーーン!!》


やっちゃったよ!!

加賀先生の十八番、『ニトロ投げ』!


「キャーーッ!?何あの人!?」


そういえばあの人はカゲリのクラスは受けもってないんだった。

それじゃカゲリはアイツの事知らないのか。


「化学教師の加賀だ!危険思想の持ち主で俺を狙っている!」


「あ、あれが教師!?」


当然信じられないだろうな。

普通にどこかの犯罪者だからな、アレは。 


「一般人を傷つけたくないんだから早く大人しく捕まりなさいよ!」


「捕まってたまるか!っていうか傷つけたくないならニトロ投げるんじゃねぇ!!」


くそっ!

振り切れねぇ!

何で化学教師のくせにあんなに体力があるんだよ!?

それとも実際の化学教師ってイメージとは全く違うのか!?


「キョーヤ!こうなったら闘うしか…」

「ヒーロー番組じゃ無いんだから!どうやったら丸腰の人間が爆薬使いまくるヤツに勝てるんだよ!?」


そういえばこの遊園地に警備員はいないのか!?

この騒ぎに何で駆けつけてこないんだ!?


「助けを期待してもムダよ!この遊園地の関係者はみんな私の睡眠薬で夢の世界へと旅立っているから♪」


計画犯罪!?


「…確かにそれなら今は捕まらない。だが、一般人の目撃証言があれば後で捕まるんじゃないか!?止めるなら今の内だぞ!?」


「心配無用!今もその薬品をばらまきながら追いかけているから私の顔見た者はみんな夢の世界よ!しかもその時の記憶は無くなるという便利な効果付きで♪」


…もしかしてこの先生過去にも何か犯罪を起こしてるんじゃないのか?

その薬があれば何でも出来るじゃないか!?


「…キョーヤ、ライターか何か…とにかく火のつく物持ってない?」


…そうか!

常に薬品を撒き散らしてるんなら何か火を投げつけてやれば引火して…

でも…


「いや、俺は持ってない。カゲリは?」


「私も持ってない。」


くそっ!万事休すか!?


「トドメよ!!」


え!?

トドメって…殺す気?

生け捕りじゃないの?

後ろを向くと加賀先生が爆薬の入ったビンを五個も投げているのが見えた。

マジで殺す気じゃん!


「いやーっ!!」


「くそっ!」



《ドドォーーン!!》




……………



う…体が痛ぇ…

でも…何とか生きてるみたいだな…


「おい、カゲリ、大丈夫か!?」


「うん…大丈夫。キョーヤが盾になってくれたから。」


よかった…

こんなバカげた事でケガさせるわけにはいかないしな。

ケガっつうかむしろ死ぬかと思ったけどな。

でも…

普通あんな爆薬が直撃したら死んじゃうはずなんだが…


「大丈夫かお前ら?…ったく休日までめんどくさい事に巻き込むんじゃねぇよ。」


気がつくと俺たちのそばに誰かが立っていた。

この声は…


「あ、黒城先生じゃないですか?何でこんな所に?」


黒城!

まさかコイツが俺たちを助けてくれたのか!?

この全てにおいてめんどくさがりの男が!?


「そういうお前も何をやってんだよ?俺があのビンを空中で爆破させたからいいものの、直撃したら病院行きじゃ済まないぞ?」


空中でって…もしかしてチョーク投げ?

いつもチョーク持ち歩いてんの?


「いや〜♪つい♪」


『つい♪』で人を殺す気か!? 


「これ以上暴れるならお前を病院送りにしてやるが…どうする?」


「へぇ…アナタにそんなことができるのかしら?」


あれ?

何この雰囲気?

これってもしかして…


「カゲリ、急いでここから逃げるぞ!」


「わかった!」


俺たちが走り出したのと同時に後ろから爆音が響き渡った。

危ねぇ…

あの二人って仲悪いのかな…?


「くたばれ!!」


「ふふふ、喰らいなさい!」


後ろからそんな声が聞こえてくる。

間違いなくどちらかが戦闘不能になるまで続くな…

この遊園地…潰れるかもな…かわいそうに。







「はぁ…はぁ…」


「あ〜、疲れた〜…」


俺たちは今、遊園地の近くにあった公園のベンチに座って休んでいる。

…結局遊園地に行って、乗ったのが観覧車だけだなんて…

何しに来たんだか…


「悪いな、カゲリ。」


「気にしなくていいよ。キョーヤのせいじゃないから。それに楽しかったし♪」


あの状況が楽しい!?

死にかけたんだぞ!?


「さ、遊園地は行けなくなったし、次はどこに行く?」


…楽観的だな。

まぁ、これがカゲリのいいところだけどな。


「とりあえず何か食べに行こうか?もうすぐ昼だし、あれだけ走ったら腹が減ったろ?」


「賛成〜♪もうお腹ペコペコなんだ♪今日待ち合わせに遅刻しちゃったから朝も何も食べてないし…」


ん?遅刻?

それってもしかして…


「カゲリ、もしかして今日の待ち合わせ時間って本当は9時なんじゃないか?」


「あ!バレちゃった…!てへっ♪」


『てへっ♪』じゃねぇだろ!!


「それより早く来ないと置いてくよ〜♪」


早っ!

もう公園の出口に行ってやがる!


「この…待て!」


「ハハハ♪追いつけるかな♪」







〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「見失っちゃった…」


「……多分もうここにはいないでしょうね…今日はもうこれ以上邪魔は出来ないわね…」


加賀先生を止めようとしたら、爆風でイグが飛ばされちゃって…イグを探している内にいつの間にか恭也たちがいなくなってて、代わりに黒城先生が加賀先生と闘っていた…って流れだ。

確かにあの二人の行き先がわからない以上もう追いかけようがない。


「……とりあえず私はもう帰るわね…読みたい本もあるし…」


諦め早っ!

あ!本当に帰り出しちゃった…


…私ももう帰ろうか。

これ以上ここにいてもしょうがないし…


でも次はこうはいかないわよ!

何としても邪魔し続けてやるんだから!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


[翌日(学校)]


うっ…!

昨日あれだけ走ったせいか、体中が痛い。

久しぶりに全力疾走したからな。 


「おはよう、恭也。…昨日はどうだった?」


いきなりそれかい。

別に…あの後は普通に買い物とかに行っただけだしな…


「疲れた。」


「いや、そうじゃなくて、その…カゲリに対する印象とかは?」


何だその質問は?


「印象も何も…カゲリはカゲリだろ?」


「あぁ、うん。ならいいんだ。ゴメン、変なこと聞いちゃって。」


…何だったんだ一体?


「はい、皆さん席についてください。」


あれ?黒城じゃない?

あれは確か…教頭先生だったかな…?


「黒城先生と加賀先生は二人ともケガをしたそうで自宅療養中です。だから今日は私が黒城先生の代わりにこのクラスの担任を務めさせてもらいます。」


…あの闘いでケガだけで済んだの?

やっぱりあの二人はすごいかも…




 

そうそう、これは余談なんだが…あの遊園地はまだ営業を行っているそうだ。

あの騒ぎも加賀先生の薬の効果のおかげで目撃者もなく、アトラクションも被害が無かったかららしい。

現場には何かが爆発した跡と白い粉(チョークの破片)しか残っていなかったため、警察も何があったかわかってないみたいだ。

…わかったらすごいけどな。

新聞にも小さく記事が載っていた。

『謎の爆発の痕跡、今度は遊園地で!』という見出しで。


…つまり前にも同じような事件があったってことか?

いつかあの先生を警察に引き渡してやろうかな?

さて、再び登場!加賀先生!         教師の中では一番のお気に入りのキャラです。 …ネタにしやすいし。 それはそうと、今回は遊園地がメインなのに乗り物が観覧車しか出ていませんね(苦笑)     他の乗り物のネタも考えたんですが、長くなりそうだったんでカットしました。        …いいですよね?   いいってことにしておきましょう。      とりあえず今回はこの辺で。         また次回会いましょう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ