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第25話〜テスト当日

本文内の(第7話参照)を(第21話参照)に変更。

 

…さて、ついにこの日が来てしまった。

何の日かって?

それは…


「おはようございます、恭也さん。いよいよ今日からテストが始まりますね。」


そう、今ヒカリが言った通り今日からテストが始まる。

ちなみにテスト期間は三日間ある。

悪夢のような時間が…

『三日と言わずに一日で終わればいいのに』と悠希が嘆いていたのを思い出す。

確かにつらい時間は短い方がいい。

だが、一日中テストばかりってのもそれはそれできつくないか?


「ところで恭也さん?ちゃんと約束覚えてますか?」 


あぁ、学年で一位を取ったら言うことを聞くってやつか?(悠希とカゲリは全教科赤点を免れたら)ちゃんと覚えてるって。


「それより罰ゲームの事も覚えてるんだろうな?」


「ちゃんと覚えてますよ。今回は久しぶりに本気出しちゃいますからね。他の二人には悪いけど私が一位になりますから!」


おぉ!

ヒカリが燃えている!

…それに比べてコイツらは…


「…おい?大丈夫か、お前ら?」


「…うん大丈夫。今睡魔と闘ってるから…」


「…私も…」


「あ〜、花畑に美人のお姉さんが手招きして呼んでる〜♪」


大地!?それあの世か!?

それとも夢か!?


…全く、寝ないで勉強するからこんな事になるんだ。

普段から勉強してたらそうはならないんだよ。

だからヒカリや澪は平気だろ? 


「……ところで恭也君は勉強したの…?…ずいぶん余裕だけど…」


うっ!?


「そういえば恭也さんだけテストの成績に関するルールがありませんでしたけど…まさか自分は勉強もせずに呑気に生活してきたとか言いませんよね?」


ぎくっ!!


「えーっ!?そうなの!?それってキョーヤだけズルくない!?」


「そうよ!私なんかイグの散歩すら控えて勉強してたのに!イグに謝れ!」


いや、イグ関係なくない!?


「いや、ちょっと落ち着けお前ら!」


「それじゃハッキリしてくださいよ。恭也さんはちゃんと勉強をしたんですか?」


もしここで『してない』なんて答えたら殺されかねない…!

ここは『してる』と答えるしかない!


「あぁ、もちろ…」


「答える前にこれを握って下さい。」


そう言われて握らされたのは細長い棒状のモノだった。


「…何これ?」


「『ウソ発見器』ですよ。ウソをつくと高圧電流が流れますから♪」


え!?こんな棒が!?

ってか何気にお前らって危険物ばっかり造ってない?

これじゃどう答えようがピンチじゃない?

確かに『別にいい点取る必要もないから勉強しなくていいか』ってやらなかった俺も悪いけど… 

まさかこれが命に関わることになろうとは…!


「さぁ、どっちなの?キョーヤ!」


「そ、それは…」



《キーンコーンカーンコーン……》


「えっ!?もうそんな時間ですか!?」


「この続きは後でだね。キョーヤ、もし私たちに勉強させといて自分だけしてないんなら…覚えといてね♪」


そしてヒカリとカゲリは自分の教室へと戻っていった。

戻る時のカゲリの微笑みがメチャクチャ怖かった…


た、助かった…!


「……あれ…?…まだテストが始まる時間じゃないんじゃない…?」


「え?じゃ何でチャイムが……?…まさか!恭也、またアレ使ったわね!?」


げっ!?バレたか!

悠希は一度引っかかってるからな。 

すでに気づいているだろうがさっきのチャイムの音はニセモノだ。

以前緋乃姉妹からもらった『疑似チャイム音発生装置』を使ったのだ。(第7話参照)

あいつらも自分の発明品に引っかかってんじゃねぇよ…


「おっと、もう本当にチャイムが鳴りそうだぞ?早く席に戻らないとダメだな。」


「……そうね…それじゃ私はこれで…」


「ごまかしてんじゃないわよ!どっちみち私は恭也の隣なんだからたっぷり尋問させてもらうわよ!」


出来る訳ないだろ?


「お前はテストに向けてギリギリまで勉強していた方がいいんじゃないか?罰ゲームを受けたいなら別にいいけど。」


「あ!そうだ!勉強しなくちゃ!」


ふっ、チョロいな。


「なぁ、恭也。やっぱり俺って出番が少ないような…」


《キーンコーンカーンコーン……》


「あ、チャイムが鳴った。さて、どんなテストが出てくるかな?」


「え?何この最悪のタイミング?そしてお前は俺の事を無視?これってイジメとして解釈していいのか?」


…あ〜、うぜぇ。


「イジメじゃねぇよ。ちょっと距離を置きたいだけ。」


「何それ!?俺の何がいけなかった!?」 


いや、だって最近お前、俺の事恨んでるみたいだし。 

っていうかお前が俺の事を友人として見てないだろうが!


「最近の自分の行動をよく考えればすぐにわかる。」


「…?」


いいや、もう。

バカは無視しよう。


「はい、それじゃ今からテスト用紙を配りますよ。」


いつの間にか先生がいて、テスト用紙を配り始めた。

…さて、どんな問題が出るのやら………









【全テスト終了後】 


「あ〜!やっと解放された〜!これで今日から心置きなくイグと散歩できる〜!」


今まで勉強に明け暮れていたからな。

いつもより少し声のボリュームが大きいがそこは指摘しないでおいてやるか。

…それにしてもこのテスト、誰が作ったんだろう?

あの教師たちがこんなマトモなテストを作るとは思えないし…

別な先生が作ったのかな?


まぁいいや、とりあえず後は結果を待つだけか…









【数日後】 


《放課後》


俺たち、いつものメンバーは教室に残り、机の上にテスト用紙を並べている。

さすがに順位はまだ発表されていないので、まずはカゲリと悠希の結果から見てみようということだ。


「…さて、あれから数日が経ってテストが全て返却された訳だが…二人ともまだ点数を見てないんだろ?」


「「うん。」」 


そうこなくちゃ。

先に結果を知っていたならつまらないからな。


「じゃまずは悠希から見てみるか。」


「え!?私から!?緊張するな〜…」


悠希以外のみんなが悠希のテストを一枚一枚見ていく。

……………。

普通に比べたら確かに点数は低いが、悠希なりにかなり頑張ったように見える。

中には俺の点数に近いものまであった。

…危ねぇ!

悠希なんかに負けたら恥だぞ!?


「…それじゃ結果を発表するぞ。覚悟はいいな?」


「…う、うん!」


「悠希の赤点の数は…………」


教室内に沈黙が漂う。

…でも冷静に考えるとバカらしくなってきた。

周りから見たら『何このどこかのクイズ番組みたいな雰囲気?』って感じに見られてるんだろうな…

………恥ずかしいからさっさと言っちゃおう。


「赤点の数はなんとたった一個!!」


「えぇっ!?うそっ!?本当に!?」


…いや〜それにしてもこの結果には俺も驚いたな。

まさか悠希がここまで頑張れるとは思わなかったからなぁ。

本人もかなりビックリしているようだ。


「もしかしたら全部赤点免れたかと思って少しは期待してたのに…次こそは頑張ってやる!!」


えっ? 

いやあの点数はお前にしちゃ上出来だぞ?


「次こそは恭也にお願い聞いてもらうんだから!」


あ〜…そっちね。

っていうかお前はメリットが無いと頑張らないのか?


さて、約束だと罰ゲームは赤点が2教科以上だから悠希は損得無しか…


「それじゃ次はカゲリだな。」


「へへへ♪私ならきっと赤点が一つも無いはずだよ♪」


…何だその自信は?

この前まで掛け算も出来なかったのに…


「なぜなら全ての問題に答える事が出来たんだから!」


おぉっ!すげぇっ!

よくあの数日でそこまで…


「……でもそれが全部合ってるとは限らないんじゃない…?」


「ははは、問題はそこなんだよね(苦笑)」


ダメじゃん!!!

もしかしてめちゃくちゃいい点取ったんじゃねぇかって期待した俺がバカだったよ!!


「…とりあえず見させてもらうぞ。」


「うぅ〜…神様〜…」


今さら神頼みしても点数は変わんないぞ?


…あれ?

これってもしかして…

いや、そんなバカな…


「…?どうしたのキョーヤ?」


「い、いや!何でもない!」


「…めちゃくちゃ動揺してんだけど?」


「何でもないって!」


「…まぁいいけど。」 


だってこんなの他のヤツらに言えねぇよ!

数学の点数が俺より高いだなんて…

あの掛け算すら出来なかったカゲリがだぞ!?

こんなのが他のヤツらにバレたら俺のプライドが砕け散ってしまう!


「…さん………恭也さん!」


おっとついつい意識がどこかに行っていたようだ。


「ほら、早く結果発表しちゃって下さいよ。カゲリちゃんが待ちくたびれてますよ?」


「お、おう!わかった!…え〜、カゲリの赤点の個数は…」


「うぅ〜〜…!」


カゲリは必死に祈っている。

だから祈ったって結果は変わんないって。


ポンッ


俺はカゲリの頭の上に手を乗せた。


「…え?」


「よく頑張ったなカゲリ。おめでとう。」 


「えっ!?も、もしかして…!」


俺はカゲリにニコッと笑顔を向ける。


「何個か危ない教科もあったが赤点は一つも無かったよ。」 


いや〜、本当に信じられないよ。

あのカゲリが…


「やった〜♪」


「うぉっ!?」


いきなりカゲリが俺に抱きついてきた。

く…苦しいって。

俺はすぐにカゲリを引き離した。


「嬉しいのはわかるが、すぐに人に抱きつくな!」


「そんな事言って、本当は嬉しかったんじゃないの〜?こんなカワイイ女の子に抱きついてもらって♪ほら、キョーヤ顔赤くなってるよ?」 


こ、これはきつく抱き締められて息苦しかったから…!


「へぇ…抱きつかれて嬉しかったんだ?それなら私が背骨が折れるくらい抱き締めてあげようか?」


いや、悠希…さん?

めちゃくちゃ怖いんですけど?

何であなたはそんなに怒っているんですか?


「恭也さん…そんな人だったなんて…!」


いやちょっと待てヒカリ!

何その言い方!?

俺は抱きつかれただけで何もしてないよ!?


「…………(怒)」 


うっ!

澪もめちゃくちゃ睨んできてる!

俺が一体何をしたって言うんだ!? 


「と、とにかくカゲリは条件を満たしたんだから約束通り一つだけ言うこと聞いてやるよ。」


「ワーイ♪」


とりあえずこの場はさっさと話を終わらせてさっさと帰った方がよさそうだ。


「……今決めなくていいんじゃない…?」


…え?


「澪?それってどういう意味?」


「……私たち三人の中から一人、一位になった人が言うこと聞いてもらえるかもしれないなら…その時に同時に聞いてもらった方が公平だと思わない…?」


確かにその通りだな。


「じゃ言うこと聞くのは三人の結果が出た時にしよう。それまでに考えとけよ、カゲリ。」


「わかった♪」


これで結果が出るまでは(最悪の場合)俺の財布が空になるってことは無さそうだな。


はぁ…

変な事頼まれなければいいけどな… 

今さらだけどあんな事言わなきゃよかった…

今回からテスト開始! …と同時に終了!   他の三人の結果は次話に続くって事で。               …それにしても恭也は他の人たちには『頑張れよ』とか言っといて自分はやってないなんて…  でも居ますよね?こういう人。        私もどちらかと言うとこういうタイプかな?  …余計な話でしたね。 まぁ、とりあえず他に書く事が無いので今回はこの辺で。

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