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第2話〜入学式と俺のクラス

面倒だとは思いますが評価等していただくとありがたいです。

「………というわけで……しかし………なので……」


今俺達は体育館の中、偉そうな人の長ったらしい話を聞いている。

言うまでもないが今は入学式の真っ最中である。

学校に着くなり何で荷物持ったまま体育館に集合なんだよってつっこみたい気持ちもあるがその前にもう一つつっこんでおきたいことがある。


…何で入学式なのにこんなに騒がしいんだ?


壇上にはいかにもカツラをかぶってそうなやつが熱心に話を続けている。

しかし生徒の方は誰も話を聞かず、むしろ普通に周りのやつと喋っていて、整列なんてこともなくみんな自由に動き回っている。


…いくら自由な学校だからって入学式がこんなんでいいのか?


「…それにしてもずいぶん話長いわね。」


俺の隣にきた悠希が話しかけてきた。


「まぁ、どうせ誰も聞いてないんだし別にいいんじゃないか?」


むしろこの騒がしさの中で話を聞き取る方が難しいし


「…ところで大地はどこ行った?」


「あっちでナンパしてるけど?」


悠希が指差す方を見ると大地が二人の女の子を同時に口説き、左右の頬にビンタをもらっていた。


…やっぱりバカだあいつ。



「……………簡単にでしたがこれで話を終わります。」


おっ、ようやく話が終わったみたいだな。

それにしても本当に長かったな。


「ようやく終わったわね。あのハゲ教頭、本当に話が長いんだから…」


それは言い過ぎじゃないか?

…ってあれ?


「……教頭?校長じゃなくて?」


「うん、教頭だよ。さっき自分から教頭って言ってたし」


…ええぇぇぇっ!!!

普通こういう時って校長が話をするんじゃないか!?


「何で教頭が話してるんだよ!?」


「そこまでは知らないわよ。でも噂じゃこの学校の誰も校長の姿を見たことがないんだって。」


どんな校長だよ!?

よくそんなんでこの学校成り立ってたな!


「なんでも、たまに教頭のところに手紙で指示するだけで姿はおろか声すら聞いたことがないとか…だから今校長室は開かずの間みたいな状態になってるんだって。」


「……そんな情報どこから仕入れた?」


「ひ・み・つ♪」


うぜぇ!!



「………以上で入学式を終わります。生徒は各教室へと戻って下さい。」


おっと、もう終わりか。

教頭の話以外はけっこう短かったな。


「恭也、戻ろ♪」


「あぁ、その前に大地はどこだ?」


「さぁ?」


ま、あいつの場合はほっといても大丈夫か。

むしろあんなのとは進んで関わりたくはないし


「それじゃ行くか。」


「うん♪」


そして俺達は教室へと戻った。



【教室】


俺達が教室に着いてから5分後、ようやく大地がボロボロになって戻ってきた。恐らくナンパに失敗した女にやられたのだろう。傷だらけの顔で微妙に笑っているのがかなり怖い。


「……大地、お前何人ナンパした?」


「……………二十人…」


初日で…しかもこの短時間でその人数かよ…

このペースなら3日以内に校内の女子全員ナンパできるかもな…


「まぁ、とにかく座れ。お前の席は確保しておいてやったから。」


大地に俺の前の席が空いてることを教える。

ちなみに俺の席は窓際の一番後ろで悠希は俺の隣だ。


…え?

普通出席番号順じゃないかって?

俺も最初はそう思ったさ。

でも黒板に『席は自分の好きな所にしろ。しばらく席替えはないから慎重に選べよ。』って書いてあるんだから俺はその言葉通りにしただけだぞ?


そして心優しい俺はわざわざ他のやつを脅してまで大地の席を確保しておいたってわけだ。

あぁ、俺はなんて友達思いなやつなんだ。


…まぁぶっちゃけこのバカ二人を俺の遠くの席にすると誰も奴らの暴走を止められないだろうと判断しただけなんだけどね。

結局俺は高校に入っても中学のときと同じ苦労をしなければならないのか…



「そういえば恭也、このクラスの担任ってどんな先生だと思う?」


……そう言われると少し気になるな。黒板のメッセージからしてまともではなさそうなイメージはあるが…


「俺としては美人ならなんの文句もないんだがな。」


まぁこいつはスルーしておくか。


「俺は多分男だと思うな。それもかなりめんどくさがりなやつ。」


「私はねぇ、美形な男の先生だと思うよ。」


…それはお前の願望じゃないのか?

それ以前にお前も大地と同レベルか?


「お、かわいい子発見!俺ちょっと行ってくるわ。」


そう言って大地は教室の前の方にいる女子のところに行った。

…やっぱりあいつの方がやばいわ。

それ以前に復活するの速くないか!?


「恭也、大地にはあまり関わらない方がいいよ。恭也も変人扱いされるよ?」


「それもそうだな……ってそういうお前は何をしている?」


いつの間にか悠希の机の上に『あるモノ』がいた。

悠希の隣の席のやつはそれを見た瞬間、顔を蒼白にして席ごと距離をとった。

…まぁそれが普通の反応だろうな。


「…いい加減そいつを学校に連れて来るな。みんなビビるだろ。」


俺も多少は見慣れているとは言え、まだ少し恐いんだから…


「え〜、そんなことないよ。かわいいじゃん♪」


…俺としては悠希の机の上にいるその生き物は決してかわいいとは言えないと思う。

ゴツゴツした緑色の体、背中にはトゲのような突起がたてがみのように並んでいる。

机を占領しているそれは俺の記憶が正しければイグアナという名前だった気がする。

このバカは中学の時もこっそり学校にこいつを連れてきては周りにバレて大騒ぎを起こしていた。

そして今もこいつに気づいた連中が思いっきりひいている。

当然と言えば当然なんだが…


…やっぱりこのバカ二人とは今からでも他人のふりした方がいいかな?


「おわっ!!悠希、またそいつを連れてきたのか!?絶対そいつを俺に近づけるなよ!」


ここでようやく大地が頬に新しい手形をつけて戻ってきた。


こいつは爬虫類がかなり苦手で初めてこいつを初めて見た時は気絶までしたからな…

大地が悠希にしつこく求愛しない理由はこのイグアナがいるからだ。


…まぁ俺も爬虫類は苦手なんだが悠希の前ではそんなそぶりは見せられない。

こいつに弱点を見つけられるとしばらくそれをネタに苛められるからな。


「あ、そうか。大地はイグちゃん苦手だったんだっけ?」


あ、ちなみに今悠希が言った《イグちゃん》ってのはわかってると思うがこのイグアナの名前な。(悠希命名)


ふと悠希の方を見ると悠希が悪魔のような笑顔を大地に向けている。

そして机の上で昼寝しているそいつを掴んで席を立った。

それと同時に大地も席を立つ。

顔は血の気が失せているのがよく分かるくらい蒼白だ。


…何をするか察しがつくな……


「それ!イグちゃんアターック♪」


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!」


悠希は自分のペットであるイグアナを大地に向かって投げた。

宙を舞ったイグアナは躱しきれなかった大地の左腕にしがみつき、大地は叫び声をあげて気絶した。


※ペットは大事にしましょう。


「……いくらなんでもこれはやりすぎじゃないか?」


「静かになったんだからいいんじゃない?」


まぁそれはそうだが…


イグアナは依然として大地の腕にしがみついたままで、周りのやつらもその様子をただ見ている。


〈ガラッ〉


俺が倒れている大地の様子を見ていると突然教室の前のドアが開いた。


「ほらほら、そこら辺で突っ立ってる連中さっさと席につきな。」


そこにいたのは長い黒髪を後ろで結びだらしなく服を着た男の教師で、少しずり落ちた眼鏡の奥に見える目はまるで死んだ魚のようだ。


…簡単に言うとやる気がまったく感じられないようなやつだ。

こんなのが教師で大丈夫なのか…?


「ほらそこ!!さっさと座れっつってんだろ!!」


…前言撤回!

怖ぇよこの先生!!

いやぁ〜人は見かけによらないって本当なんだな。


「よし、全員席に着いたな?…ん?そこででかいトカゲと一緒に寝てるやつは何だ?」


ここでようやく先生が大地に気づいた。

大地は未だに白目をむいて気絶している。


「ま、起こすのも面倒だからそのまま進めるか。」


そこは普通にスルーですか!?


「俺の名前は《黒城 仁》で受け持っている教科は数学だ。面倒だから自己紹介はこのくらいでいいかな?」


面倒ってなんだよ!

やっぱり見た目通りのやつなのか?


「あ、そうだ。特技は『チョーク投げ』な。俺の授業中に寝てるやつには容赦なく投げつけるからな。ちなみに俺のチョークをくらって病院行きになったやつもいるから気をつけろよ。」


どんな威力なんだよ!!

…少なくとも数学の時間は絶対に寝れないな。


「それじゃ後は特に話すことも連絡等も多分ないから、解散!!」


いやいやいや!!

普通もっと連絡事項とかあるだろ!?

多分ってなんだよ多分って!!


…あれ?

本当に解散?

気づいたら皆帰る準備してるし、先生ももういなくなっちゃってるし、大地は結局そのままだし…

登校初日がこんなぐだぐだでいいのか?




 

何なんだこの学校!?

これが普通なのか!?

俺が間違ってるのか!?


……今からでもどこか違う高校に転校できない?

次回更新はかなり遅くなると思います。気長に待っていて下さい。あと、前書きでも書きましたが何でもいいんで評価等していただくとありがたいです。

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