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第15話〜ニセモノに伝わった記憶

 

【図書室】


〈恭也視点〉



「…というわけだ。」


「……ふーん…そういうことだったんだ…。」


「それじゃ澪さんの誤解も解けたことですし、ニセ恭也さんについて話し合いましょう。」


あれから少し小織さんに現在の状況を説明し、誤解を解き、そしてカゲリが泣き止むのを待ってから、俺たちはこれからどうするかを話し合うことにした。


「みんなニセ恭也さんには会ったと思いますが、あのニセ恭也さんは今の恭也さんとは全然別の考え方をしています。」


「……そうね…本物の神堂君なら、人にケガをさせようとしたり、ましてや殺そうとまではしないでしょうからね…」


「ってことはアイツは完全に故障してあんな考えを持つようになったってこと?でも私とヒカリの発明品にそんなミスがあるとは思えないけどなぁ…」


故障の線は薄いってことか?

…だとしたら心当たりは1つしかないな。


「…なぁ、ヒカリ。」


「どうしたんですか、恭也さん?」


「…アイツ……俺の『記憶全部』は引き継いでないだろ?」


「えっ!?何でわかったんですか!?」


やっぱりか…

だとしたらアイツの行動全てに合点がいく… 

…まさか、また『あの時』のことを思い出さなきゃいけない時が来るなんてな……


「確かに恭也さんの言うとおりです。さすがに記憶を全部コピーするのは無理だったんで中学生になったくらいまでの記憶と私たちに関する記憶しかニセ恭也さんにはありません。」


「……でも、たった3年じゃそんなに性格は変わんないんじゃないの…?」


「大体、中学生前くらいだったらそんなに危ない思想も無いんじゃない?アイツはけっこう頭もいいみたいだし、窓から飛び降りるなんてすごいことしちゃってるんだしさ。やっぱりただの故障じゃないの?…あまりそう思いたくないけど。」


「…いや、あの時の俺は……うっ!?」


う…急に吐き気が…

頭も痛くなってきやがった…


「恭也さん!?」

「神堂君…!?」

「キョーヤ!?」


三人とも俯いている俺の顔を覗き込んで心配そうに見ている。

心配させるわけにはいかないな…


「…大丈夫だ。ちょっと睡眠不足がたたったかな…?」


「…本当ですか?」

「……あまり無理はしない方がいいよ…」

「休んだ方がいいんじゃない?」


「いや、本当に大丈夫だから安心しろ。」


『あの時』のことを思い出すだけで吐き気や頭痛か… 

…まだ引きずってるんだな、俺……


「とにかく…アイツは昔の俺の記憶を持っている。だからアイツの思想は今の俺とはだいぶ違う。今はまだ俺たちと遊んでるつもりだろうが…恐らくこれに飽きたら何の躊躇(ちゅうちょ)もなく俺たちを殺そうとするだろうな…」


「…昔のキョーヤってそんなに危ないヤツだったの…!?」

「一体過去に何があったんですか…?」


「…悪い、それはまだ言えない。なるべくならまだ昔のことは思い出したくないんだ。」


「「…………。」」


…そうだ!

悠希に早くこの事を伝えないと!!

俺は早速無線を使って悠希と連絡を取ろうとした。


「悠希!!聞こえるか!?おい!?」


『………………。』


しかし、いくらこっちから連絡を出しても一向に返事は無かった。


「…もしかして悠希の身に何か!?」


俺は急いで廊下へ駆け出した。


「恭也さん!落ち着いて下さい!!ただの電池切れかもしれません!!」

「キョーヤ!!」


後ろから何か言ってる声が聞こえたが、今の俺には全く聞こえていなかった。


…俺はあの時悠希にはもう二度とあんな思いはさせないと、そう誓ったんだ…


だから…






あのクソロボット野郎、悠希に何かしやがったらぶっ壊してやる!!! 










《ヒカリ視点》 


「…行っちゃったね。」


「私たちこれからどうする?」


「……とりあえず追いかけた方がいいんじゃないかしら…」


確かに恭也さんを一人で行動させるわけにはいかない。

一番狙われてるんだからなおさらだ。


…でも、


「追いかけようにも発信機が…」


私たちのはもう両方とも電池切れ、そして澪さんのも壊れてしまっている。(多分本棚が倒れてきたときに壊れたと思う。)


「この変態のやつ使えばいいんじゃない?」


「あ。」


…ということで、その問題は大地さんの発信機を借りることですぐに解決した。


「…そういえばコレどうする?このまま寝かしといてもいいの?」


大地さんならこのまま放置しておいても問題は無さそうだけど…


「……こんなのでもいないよりはいいんじゃない…?」


「そうだね。それじゃ起こそっか。」


「でも…誰が……?」


「……………。」

「……………。」

「……………。」




 

「「「……ジャーンケーン…!!」」」




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〔結果〕

ヒカリ:グー

カゲリ:チョキ

 澪 :グー

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「え〜!?私〜!?」 


「負けたんだからちゃんとやってね、カゲリちゃん♪」


「……がんばって…」


ちょっとかわいそうな気もするけど…

っていうか、ここまで拒絶されている大地さんもかわいそうかな…?

でも大地さんにはなぜか同情できないんだよなぁ…。


「よ、よし!!こうなったらやるしかない!!」


そう言ってカゲリちゃんはそーっと大地さんの所に近づいていった。


「だ、大地〜…?早く起き…」

「ふっかーーーつ!!!」

「キャーーーッ!!?」


こ、こっちまでビックリしちゃった!!

澪さんもいつもより目を少し大きく開けて驚いてるみたいだし、カゲリちゃんなんかもう図書室の入り口まで逃げちゃってる!



…やっぱり起こさない方がよかったかなぁ…

このメンバーで恭也さんを探しに行くって…すごく不安……

今回は大して内容は進んでませんが、このまま書き続けると中途半端な所で終わるか、長くなってしまいそうなのでとりあえず更新しておきました。  あと少しでこのシリーズも終わる予定です。やっぱり私はマジメな文章を書くのが苦手なので、このようなシリアス的(?)な内容は早く終わらせたいです。  まぁ、こんなところでそんな事言ってても全く意味はないですけど(笑)  …それでは今回はこの辺で

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