第145話~部活対抗戦!!【第三回戦】(7)
【西側ルート:4F】
《スイレン視点》
スイレン:
「…ふぅ、ようやくここまで来れたね」
カゲリ:
「あと少しでゴール…長かったぁ~…」
大地:
「…ナツキさん、大丈夫なのかな?」
彼女ならたぶん大丈夫でしょ
忍者部の人が相手だから卑怯なことはされるかもしれないけど
あの人が負けるところなんか想像できないし…
…ホント、あの人と対峙してよくここまで来れたと思うよ
あのままだったら絶対負けてたからね
スイレン:
「とりあえずさっさと屋上にいっちゃおうか
まだどの部も全員揃ってないみたいだけど
油断もしてられないからね」
そして恭也より速くゴールして彼のことをバカにしてあげないとね♪
彼の不幸体質ならきっとまた何か面倒事に巻き込まれて
まだゴールできてないだろうし…
…まてよ?
助けに行って貸しを作るっていうのもありかな?
そうしたらまた彼の家に押しかけても文句言われないだろうし…
う~ん……
どっちの選択肢がいいんだろうか……
カゲリ:
「…スイレン、すごく悩んでるね」
大地:
「きっとこれから先の道のことを考えてるんだろうな…
最後だからきっとすごい罠があるだろうし……」
…よし、決めた!
先にゴールして彼のことをバカにして、
その上で無理やり貸しを作って家に押しかければいいんだ♪
さすがボク!
完璧な流れだね♪
スイレン:
「よし♪
このまま一気に屋上まで行っちゃおう♪」
カゲリ:
「え!?
もしかしたら罠があるかもしれないのに
慎重にいかなくていいの!?」
スイレン:
「大丈夫、大丈夫
罠とかあっても彼が全部盾になってくれるから」
大地:
「よっしゃ!
まかせとけ!」
…自分でいっといてなんだけど
キミは本当にそれでいいんだね…
う~ん…恭也みたいなツッコミがないのが少しさみしい…
大地:
「さぁ、みんな!
俺を信用してついてこい!
はっはっは!
槍だろうがなんだろうがなんでもかかって……がふっ!!?」
スイレン:
「…本当になんか飛んできたね」
カゲリ:
「…チョーシにのるから」
笑いながら前を歩く大地の顔面に
正面から飛んできた棒状のものがめりこむ
…変なこと言うから本当に槍でも飛んできたのかな…?
スイレン:
「…お~い?
大丈夫かい?」
大地:
「う、うぅ…
な、なんとか……」
スイレン:
「それはよかった♪
じゃあ引き続き盾役お願いね~♪」
大地:
「…あれ?
そっちの心配…?」
だってキミ、それ以外あまり役に立ってくれないもん…
相手が女の子だと特に
カゲリ:
「スイレ~ン?
さっき飛んできたこれってもしかして…」
カゲリが持ってきた大地の顔面にめり込んだ棒状のもの…
木でできた刀状のもの…
うん、そのまま、木刀だね
大地:
「木刀…?
こんなのいきなり飛んできたら危ないだろうが!」
カゲリ:
「意外と怖い罠あるんだね…」
スイレン:
「罠…ねぇ……」
あの校長先生の性格上、ひどい罠はあるかもしれないけど
こうして直接危害を加える罠なんか作るのかな…?
そしてさっきから前の方で聞こえる騒ぎ声……
……これはもしかして……
???:
「…ぬ?
お、ついに少年たちもここまで来たか」
カゲリ:
「ひゃあっ!!?」
大地:
「うぉっ!?」
スイレン:
「…カゲリの声にびっくりした……」
いつの間にかうしろには今回の元凶とも言える人物…
恭也の家に居ついたノラネコさんこと、校長先生がいた
…たぶん屋上で待ってるのがヒマだったから様子を見に来たんだろうなぁ…
ノラネコ:
「むぅ…そんなに驚かなくてもいいではないか」
カゲリ:
「い、いきなり後ろから声かけられたら
びっくりするもん!」
大地:
「というかいつの間にうしろに……」
ノラネコ:
「そこの教室でくつろいでたら聞き覚えのある声が聞こえたので
こっそりうしろから近づいてみたのだ」
うん、完全に驚かす気だねそれ
ノラネコ:
「…さて、少年たちよ
せっかくここまで来てもらっても
そう簡単に屋上までいけるとは思うなよ?
さぁ! あれを見るがいい!!」
みんな:
『!!』
ノラネコさんが指さした方向…
そこにはなんと……!
…ダンボールでつくられた看板と
ダンボールでつくられた招き猫がいた……
大地:
「…なんだあれ?」
ノラネコ:
「ヒマだったから作ってみたのだ」
わぁ~
意外と器用~
カゲリ:
「えっと……
…『この先猛獣注意』…?」
ノラネコ:
「うむ、この先には今回のラスボスともいえる存在がいるのだ
だから注意していってほしくてな」
ラスボス…?
黒城先生や加賀先生かな…?
ノラネコ:
「…まぁ、この先というかもう目の前なのだがな」
カゲリ:
「…へ?」
ふと前を見てみると前の方で誰かがたっているのが見えた…
…複数……?
となると今他の人と対戦中なのかな…?
大地:
「…ん?
………!?
な、なぁ! あれってまさか…!?」
スイレン:
「…そのまさかだね……」
ちょうどこっちに背を向けているのは2人
その両方とも、ボクたちのよく知っている人物だった…
赤樹:
「…ちっ! 油断したか…っ!」
悠希:
「ちょっと! 何やってんのよ!?
アンタから武器取り上げたら
ただの役立たずじゃない!」
赤樹:
「…あ? まずはてめぇから潰してやろうか…?」
悠希:
「やれるもんならやってみなさいよ」
…うわぁ、最初から仲間意識0だよ……
大方途中でたまたま会ったから一緒に行動してただけなんだろうけど…
最強にして最悪の組み合わせかもね、これ……
カゲリ:
「お~い♪ ユーキ~♪」
悠希:
「…あれ? カゲリじゃない…
それに大地にスイレンまで……」
スイレン:
「やぁ…だいぶ苦戦してるみたいだね?」
赤樹:
「…ちっ 厄介なやつが増えたか……」
…一応味方だよ?
なんでぼくたちが厄介なやつ扱いされるんだろうね
…まぁ、心当たりはたくさんあるけども
大地:
「さっき飛んできた木刀は赤樹のだったのか」
赤樹:
「…いいからさっさと返せ」
大地:
「『返してください』って言ったら返してや……ごふっ!?」
調子に乗るから…
ま、自業自得だね
スイレン:
「それにしても意外だね?
キミならとっくにゴールしてるもんだと思ってたけど…」
赤樹:
「…うるせぇな
探し物をしてたんだよ」
スイレン:
「探し物…?
…ははぁ~ん、さては千秋でも探してたのかな?」
赤樹:
「…いいから手伝え
まずはこの面倒なやつを片付けるぞ」
そういって赤樹が木刀を構えなおす先には
おそらくさっきからこの2人を相手に立ちふさがっているであろう人物…
青白い顔の白衣の教師がそこに立っていた
カゲリ:
「えっと……この人がここでとおせんぼしてる人…?」
大地:
「ていうか誰だ? 見おぼえない人だけど…」
悠希:
「知らないわよっ! 本人は保健室の先生とかいってるけど……」
保健室の先生……!?
ってことはもしかして…!
スイレン:
「も、もしかして……し、白虎先生……!?」
白虎:
「ごほごほっ……ん?
あれ? 僕のこと知ってる生徒いたんだ…
てっきりもう知ってる人誰もいないかと…」
カゲリ:
「スイレン…? 知ってるの?」
スイレン:
「…《白虎 龍》先生… 一応保健室の先生なんだけど…
ここ数年は病欠のためほとんど学校にいなかった人だね…」
大地:
「見るからに体調悪そうだもんな…
でもそれならすぐにでも突破できそうだな!」
悠希:
「…それが無理だからわたしたちが
未だにここにいるわけなんだけど?」
…まぁ、彼がうわさ通りの人なら、この2人じゃ倒すのは無理だね…
というか、この校内にまともに立ち向かって勝てる人なんかいるんだろうか…
ノラネコ:
「ふっふっふっ…
どうだ? わが校の秘密兵器、白虎の実力は?
この日のために寝込んでいたところを無理やり連れてきたのだ」
カゲリ:
「かわいそう!?」
白虎:
「…いや、まぁ……
校長から頼まれたら断れないし…
僕はまぁいいんだけどね…
大丈夫……ごほごほっ」
大地:
「…なにこの人
実はすごくいい人なんじゃね?」
白虎:
「…大人しく引き下がってくれるなら
僕としても見逃してあげてもいいんだ…
暴力は嫌いだし、疲れないしね……」
事実、赤樹と悠希の2人はケガなんかしていない
一応保健室の先生だけあって、そういうところには気を使っているんだろうね……
白虎:
「前もっていっておくよ…
僕は自分から君たちに危害を加えたりなんかしない…
でも君たちから何かしてきた場合、僕は遠慮なく反撃にうつらせてもらう…」
カゲリ:
「へ…? じゃあ無視して通り過ぎてもいいってこと?」
ノラネコ:
「いやいやいや、それではゲームにならんだろう
白虎よ、もっとラスボスらしく堂々としていろと言ったではないか」
白虎:
「…僕のキャラじゃないし、無茶ぶりですってば……」
ノラネコ:
「というわけで屋上への扉には鍵をかけさせてもらった
屋上に行きたくばこの男を倒すのだな」
…よっぽど難易度あげたいんだろうなぁ…
こうなっちゃうと彼をよけて進むっていう手が使えないね……
結局は彼を倒さないとカギが手に入んないもんね……
悠希:
「…本人も言ってたけど、
あいつは基本的に自分からは動かないで
こっちの攻撃をカウンターしてくるだけよ…
…腹が立つくらいに完璧すぎるけどね」
カゲリ:
「飛び道具とか同時攻撃はダメなの?」
悠希:
「どっかのバカが隙を見て木刀投げつけたけど…
結果はご存じのとおりよ
同時に攻撃っていっても、こんなやつと息なんかあうわけないし」
赤樹:
「…やっぱりまずはお前から黙らせるか?」
だからケンカはやめてってば!
ただでさえ厄介な状況なのに…!
大地:
「それでもこの人数で攻めたらなんとかなるんじゃないのか?」
ノラネコ:
「ちなみにこの白虎は
黒城と加賀のケンカを無傷で止めた男ということで教師間では有名なのだ
あの時はすごかったぞ?
数多ものチョークや薬品をうまいこと受け流してだな……」
大地:
「……無理だな」
悠希:
「…なによその化け物的な伝説…」
カウンターに関しては無敵らしいからね…
本当なら避けて通るのが正解なんだけど、今回はそういうわけにもいかないし…
…どうしたもんだろうね……
ノラネコ:
「…ふむ、なかなかに悩んでるようだな
そんな諸君にニュースだ」
…ニュース?
なんだろう…?
いくらなんでも無茶すぎるから
ハンデでもつけてくれるのかな……
ノラネコ:
「なんと今ならわたしもセットでお相手してやろうではないか」
全員:
『…はぁ!!?』
ラスボスが増えたっ!?
いや、それ一番やっちゃいけないことでしょ!?
白虎:
「校長!?
一体何を考えて…!?
もしかして僕じゃ役不足…!?」
ノラネコ:
「いやいや、そうではない
理由はいたってシンプル……
わたしがヒマだからだ!」
そんな理由で難易度増やしちゃダメでしょ!?
クリア不可じゃん!?
悠希:
「…ちょっと
なによこのムリゲー」
スイレン:
「これもう突破させる気ないよね~…
ははは……」
…もう笑うしかないよね、この状況……
……ホント、どうしたらいいんだろ………
スイレン:
「…まぁ、ここまで来たからには突破するしかないよね」
大地:
「だな
よっしゃ! やってやるぜ!」
悠希:
「…アンタははりきりすぎて
逆に足引っ張らないように気をつけなさいよ?」
カゲリ:
「こうなったら全力で行くよ~!!」
赤樹:
「…こんなやつらと組むのは屈辱だが…
とりあえずお前はぶっつぶす!」
白虎:
「…あぁ……
また患者が増えるのか……」
ノラネコ:
「うむうむ、
やっぱり最後はこのくらい盛り上がらなくてはな
…では、はじめようではないか」
これが最後の関門!
もうだいぶつかれて眠気もあるけど
もうひと頑張り、頑張らないとね!
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【現在の状況】
スイレングループ:最終決戦《現在地:4階屋上手前》
(スイレン・大地・カゲリ・悠希・赤樹)
恭也グループ:伊賀さんと戦闘中《現在地:4階東側》
(恭也・九條・コノミ・ネオン)
《つづく…》
どうも、お久しぶりです
そして更新遅くなってしまって大変申し訳ありませんでした…
わたし自身、キャラや内容を忘れてしまい
何かとおかしい部分はあるかと思いますがどうかお許しください…
では、とりあえずキャラ紹介の方を…
【白虎 龍】(しらとら りゅう)
保健室の先生です
ここ数年は病気でほとんど姿を見せていないため
上級生の中でもうわさ程度にしか知られていない先生です
本人は争いを好まないためあまり目立ちませんが
実は相手の攻撃を受け流すのがとてもうまく、
防御に関しては右にでる者はいないという
これまた先生らしくない方です
…あいかわらず変な人が多い学校ですね
とりあえず今回はこの辺で
次回、いつになるかはわかりませんがまた会える日を楽しみにしています
ではでは