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第140話〜部活対抗戦!!【第三回戦】(2)

 




【校舎1F西側】


《スイレン視点》



スイレン:

「…いや〜、まさかいきなりあんな目にあうなんてね。眠気が一気に吹き飛んじゃったよ。」


カゲリ:

「ホント、危なかったよね〜。他のみんなは大丈夫なのかな…?」


大地:

「…まさかヒカリとはぐれるなんて…もっとしっかり見ておくべきだった…」




まぁ、はぐれちゃったのは仕方がないよ。


加賀先生の開始の合図のせいでみんなバラバラに逃げちゃうんだもん。


こうして三人が集まれただけでもラッキーだって。




大地:

「…俺、ちょっとヒカリ捜してくる!」


スイレン:

「ちょっと待ってよ!?これ以上バラバラになったらマズいって!!」


カゲリ:

「そうだよ!みんなで行動しなきゃダメ!」


大地:

「で、でも…!」




まったく、相変わらずラブラブなんだから…


これ、完全に隠す気ないよね?


前はもっとコソコソしてたはずなのに…




スイレン:

「そんなに心配しなくても大丈夫だって。さっきちらっとスタート地点付近の様子を見たけど、誰も倒れてなかったからさ。」


カゲリ:

「あ、じゃあみんな無事だったんだね♪」


大地:

「…それなら少しは安心できるけど。」




…まぁ、それはつまり敵になる人たちもみんな無事だってことなんだけどね。




スイレン:

「とにかく、はぐれた仲間を探すよりゴールにたどり着いた方が効率いいよ。もしかしたら途中で会えるかもしれないし。」


カゲリ:

「そうだね。ヒカリやレイも同じことを考えそうだし…仲間のことを信じないとね♪」


大地:

「…だよな。せっかくここまで来たんだ。俺たちのせいで負けたってことになったら悔しいもんな。」




もしそうなったらキミのせいにするけどね。


ボク、怒られたくないし。






スイレン:

「それで、どのルートで屋上に向かうかなんだけど…」




この学校、ムダに広すぎるんだよね…


だから屋上に向かうルートは東西南北にある階段の四種類。


普通に考えたら玄関に一番近い階段(北側)を使えばいいんだろうけど、そこは罠が仕掛けられてる可能性があるから除外するとして…




カゲリ:

「せっかく西側に逃げてきたんだからこのまま西側階段から行けばいいんじゃないの?」


スイレン:

「それでもいいんだけど、一番遠くのルートで行くのもアリかなぁ…って思ってさ。」


大地:

「確かにその方が罠も少なそうだし、ライバルも少なそうだな。」


スイレン:

「…と読むことを予想してたくさん罠がある可能性もあるんだよね。」


カゲリ:

「それは困るなぁ…」




相手がノラネコさんだと予想が立てにくい…


やっぱり西側階段から行くのが妥当なのかなぁ…?


う〜ん…迷う…


ボクは考えるの好きじゃないんだよね…


どうしようか…?




 




 




 



???:

「…そこでお悩みの諸君!道に迷っているのならば私が案内してあげようではないか!」


スイレン:

「!?」


カゲリ:

「だ、誰!?」


大地:

「敵か!?」


???:

「安心したまえ。私は敵ではない。」


スイレン:

「キミは……!」




 




 




 



成島:

「そう!君たちによって美しく散らされた男…美術部部長《成島 昴》!今再び君たちの前にカムバーック!!」


カゲリ:

「うわっ!?またこの人!?」


大地:

「いやいやいや!?あんたはもう失格してるだろ!?なんでここにいるんだよ!?」




ますますウザさに磨きがかかってるし…


とりあえずその意味不明なポーズはスルーしとくべき?




成島:

「確かに私は君たちに敗れた…。だが、そんな私に校長先生から指令が来たのだ!」


カゲリ:

「指令…?」


成島:

「そう…『この勝負に参加している人たちを妨害せよ』という指令をね!」




ノラネコさん、いつの間にそんな指令出してたの!?


それにまたこの人が敵になるの!?


もう二度と関わることはないって思ってたのに…!




大地:

「くっ!正直あんたみたいな人とは戦いたくないんだけど…邪魔をすると言うなら俺が相手になってやる!!」


成島:

「待ちたまえ。さっきも言ったが、私は敵ではない。」


カゲリ:

「え…?」


スイレン:

「敵じゃないって…どういうこと…?」


成島:

「勝負を通じてわかったが、君たちもまた美しい人物だ。…もちろん私ほどではないが。」




そういうどうでもいい話はいらないから。


スルーして行っちゃうよ?




成島:

「そこでだ!私としては美しい君たちには何としても勝ち上がってほしいのだ!従って、今回だけ私が君たちに協力してあげようではないか!」


大地:

「必要ないです。」


カゲリ:

「うん、いらない。」


スイレン:

「そういうわけで帰っていいよ?」


成島:

「なぬっ!!?」




キミが協力してくれても全然役に立たなそうだし、そもそも一緒に行動したくないもん。


とりあえず話してる時間がムダになるからさ、協力してくれるつもりならボクたちに関わらないでくれるかな?




成島:

「…ふっ、なるほど。私の手を借りなくても君たちの絆で勝ち上がれると言うんだね。おぉ…やっぱり君たちは美しい…!」


スイレン:

「…もう何でもいいからさ、とりあえず先に進んでもいいかな?」


成島:

「おっと、これ以上引き留めてはいけないな。ではせめて2つだけ言わせてもらおう。まず、2階に上がるルートはこの近くの西側階段が一番楽なはずだ。スタート地点から一番近い北側と一番遠い南側は罠だらけ、東側は…恐らく一番のハズレだろうな。私にとっては近づくことさえ恐ろしいよ…。」


カゲリ:

「お〜、こっちに来て正解だったんだね♪」




なんとなくカンで西側に来ただけなんだけど…これはついてるね。


不幸体質の彼がいないからかな?


それにしても…まさか本当に一番遠くのルートにも罠を仕掛けてるなんて…


やっぱりノラネコさんを敵に回すと厄介だね…




大地:

「3階に行くためのルートは?このまま西側を進んでもいいのか?」


成島:

「残念ながら私が知っているのは2階へのルートだけだ。私の担当はここ付近なのでな。後は君たちの絆で頑張ってくれ!」




…もう少し役に立ってくれたらほんのちょびっとくらいは見直してたんだけどなぁ。


まぁ、それでもいい情報をくれたからいっか。 




スイレン:

「じゃあ時間ももったいないし、さっさと行っちゃおうか。」


大地:

「そうだな。」


カゲリ:

「情報どうもね♪」


成島:

「待ちたまえ!もう一つだけ君たちに伝えておきたいことがある!」


スイレン:

「もう一つ…?」


成島:

「それはだな……」




 




 




 



成島:

「私からの激励の言葉だ!!さぁ!私の美しきポーズと美しき声による応援のメッセージを…!」


スイレン:

「よし、逃げよう!」


カゲリ&大地:

「賛成!!」



《ダッ!!》



成島:

「あぁっ!?待ちたまえ!?」




絶対待たないよ!!


それ、一番の妨害行為だから!!


そういうのは後からやってくる人に妨害の意味を込めてやってあげて!!




成島:

「せめて一言だけでも…!」




絶対やだっ!!




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【校舎2F北側】


《ヒカリ視点》



ヒカリ:

「…意外とすんなり行けましたね。」


澪:

「……予想通り…」




最初のあの騒ぎでみんなとはぐれた時はどうなることかと思ったけど…


意外と簡単に屋上まで行けそうですね。




ヒカリ:

「さすが澪さんですね。ここまで読むとは…」


澪:

「……それほどでもない…」




最初の予定ではスタート地点に一番近いこのルートには罠があると予想していたため、別のルートを使うはずでした。


ですが、『他の人がここを突破した後なら罠が無くなっているのではないか?』という澪さんの予想から、私たちはこのルートを使うことにしました。


そして結果は澪さんの予想通り。


なんとか無事に2階までたどり着くことができました。




澪:

「……問題は私たちの他にもこのルートを通っている人が何人もいること…」


ヒカリ:

「何人か罠に引っかかっている人もいましたが…それでも突破できた人も数名いるみたいですからね。」




私と澪さんは争い事に向いてませんからね…


もし今この状況で誰かに襲われたらひとたまりもありません……


せめてこの場に大地さんがいてくれたら…



…って何考えてるんですか私!?


私たちはまだそういう関係じゃありませんってば!!


…そりゃあ、時々みんなに内緒で遊んだりしてますけど…



…はっ!?


だから今はそんなこと考えてる場合じゃありませんってば!!


どうしたら他の人に見つからないように進めるかを考えないと…!




 




 




 



???:

「…ちょうどよさそうな獲物、見〜つけた♪」


澪&ヒカリ:

「!?」




えっ!?


まさか本当に敵…!?




澪:

「……誰…!?」


???:

「別に教える必要無いよね?どうせあなた達はすぐに再起不能になっちゃうんだからさ♪」




こ、これは本当にマズいかも…?


好戦的な人のようですし、私や澪さんじゃ逃げ切るなんて無理っぽいですし…




???:

「悪いけど、ライバルはできるだけ多く潰しておかないとね。そういうわけで大人しくやられちゃってくれない?」


ヒカリ:

「つ、潰すなんて物騒なこと言わないで協力していきませんか!?仲間は多い方がいいですよ!?」


???:

「そんなこと言われてもねぇ…。もしそれであなた達が勝っちゃったら困るからなぁ…。…うん、やっぱり今のうちに潰しておかないと!そう、全ては我が《放送部》のために!!」




あなた、放送部の人だったんですか!?


好戦的でしたから運動系の部の人かと思っちゃいましたよ!?



…でも司会やってた人のことを考えると納得できちゃいますね。




澪:

「……どうしても私たちを見逃してくれる気はないの…?」


放送部部員:

「もちろん♪」


澪:

「……仕方ない…相手になってあげる…」




ち、ちょっと澪さん!?


何言ってるんですか!?


私たちなんかが他の人と争えるわけないじゃないですか!!



…それともまさか秘策が…!?




 




澪:

「……というわけでヒカリさん、何かいい発明品無い…?」


ヒカリ:

「発明品頼り!?」




確かに私たちにはそれくらいしか対抗手段はありませんが…




ヒカリ:

「…残念ながら使えそうな発明品は全部カゲリちゃんに渡しちゃって…今使えそうなのは無いんですよ…」


澪:

「……何でカゲリさんに…?」


ヒカリ:

「カゲリちゃんが襲われてケガしたら大変じゃないですか!」


澪:

「……姉バカ…」




うっ…!?


わ、わかってますよ!


でもやっぱりカゲリちゃんのことが心配なんだから仕方ないじゃないですか!!




放送部部員:

「…お〜い、そろそろいいかな?」


澪:

「……都合が悪くなったからまた今度…」




ダメに決まってるじゃないですか!?


せめて何か時間稼ぎになるようなこと言ってくださいよ!!




放送部部員:

「むぅ〜…、何か抵抗してくれるかと思ったのになぁ…。つまんない。さっさと潰して先に進んじゃおっと。」




マ、マズいです…!


このままじゃ私たちは…!!




放送部部員:

「まずはあなたから。覚悟してね♪」


澪:

「……!…ヒカリさん…!!」


ヒカリ:

「え…?」




気がついたら目の前にあの人の姿…


あ、これはもうダメかも……?




放送部部員:

「バイバイ♪」




《………ガッ!!》




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【現在地:???】


《恭也視点》



恭也:

「………?」


九條:

「ん…?どうかしましたか?」


恭也:

「あ、いや…、多分気のせいだと思う…」 




なんだかイヤな予感がしたような…


…みんな大丈夫なんだろうな…?




九條:

「悪寒でもしたんですか?…それってもしかしたらさっきから私たちの後をこそこそついてきてる人のせいですかね?」


恭也:

「…は?」




…今なんつった?


俺たちの後をついてきてるヤツがいる…?




恭也:

「ちょっと待て!?なんでそれを早く言わない!?敵だったらどうすんだよ!?」


九條:

「わわわっ!?落ち着いてください!大丈夫ですって!私のカンがそう言ってます!」




そんなの当てになるわけがないだろうが!!


もし敵だったらあんたが責任持って対処してくれよ!?




九條:

「そういうわけなので、そこにいる方、早く出てきてくれません?あなたに敵意がないことを証明していただかないと私の信用問題に関わりますので。」




もうすでにあんたへの信用度はマイナスだから安心しろ。


これ以上いくら下がっても変わらん。




???:

「………。」



《…スッ》



九條:

「ほら、出てきましたよ。」


恭也:

「なっ…!?お、お前は…!」




 




 




 



コノミ:

「まさかお前と最初に合流するなんてな…。あ〜、カゲリンと一緒に行動したかった…」




女川さん!?


一番合流したくない人と合流しちゃった!?


多分女川さんも合流したくなかったからこそこそしてたんだろうなぁ…


…放っとけばよかったかも。




九條:

「ほら、確かあの人ってあなたの友だちですよね?よかったじゃないですか。」


コノミ:

「よくない!!それに私とその男は『仲間』であって『友だち』なんかじゃない!!『仲間』という表現でさえ虫唾が走る…!!」


恭也:

「…ということ。」


九條:

「…相性最悪なんですね。」




俺は仲良くしようと努力してるんだよ?


でも女川さん、全然仲良くなろうとしてくれないんだもん…


さすがに諦めたよ…




九條:

「…で、あなたは一緒に行動してくれるんですか?」


コノミ:

「絶対やだ!!…と言いたいところなんだけど、この男のせいで負けたらカゲリンがかわいそうだし…。仕方ないから私も協力してやるよ。ありがたく思いな。」




…いや、あんたが仲間になった方が不安なんだけど。


敵が女だからって裏切ったりしないよね…?




 




 




コノミ:

「…で、何でお前らはこっちに進んでるの?」


恭也:

「ん?なんとなくカンでこっちに進んでるだけ。」


コノミ:

「カンねぇ…。本当に大丈夫なんだろうな?」


九條:

「大丈夫ですよ。私のカンもこっちだって言ってますから♪そういうアナタだってカンでこっちに進んで来て私たちを見つけたんでしょう?」


コノミ:

「…まぁね。」




それなら大丈夫だろ。


俺1人なら不安だったけど、3人ともこっちに進もうとしてたんだ。


きっと安全なルートに決まってるさ。




恭也:

「それじゃ、このまま《東側ルート》で進んでいくとするか!」


コノミ:

「ふんっ!お前が仕切るんじゃねぇよ!!」


恭也:

「………。」


九條:

「よしよし。落ち込まないでくださいね。」




…やっぱり女川さんとは別行動になりたかったなぁ。




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【現在地】


スイレン組→1F西側


ヒカリ組→2F北側


恭也組→1F東側




《つづく…》

更新遅くなってすみませんでした!


活動報告でも言いましたが、これからも遅くなることが多々あると思います。


それでも見捨てないでいただけると幸いです。




今回の内容について


まさかの成島君再登場…!


本当はもう少し後に出る予定だったんですけどね。


でも後に出ても結局は同じような扱いなので最初の方に登場してもらいました。


ヒカリ組は早くも2Fに到着。


いきなりピンチになってますが…


一体どうなっちゃうんでしょう…?


恭也組は全員の進行方向が一緒で安心しているようですが、実は一番危険なルートへ…


やっぱり恭也は不幸体質なんですね。



とりあえず今回はこれくらいで。


次回も遅くなるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします。


それでは。

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