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第132話〜ノラネコの企み…?

 




【部活時間:部室】



「どうも〜、『発明部』さんですね?お忙しいところ申し訳ありませんが、アンケートにご協力いただけませんか?」


「アンケート…ですか?」


「はい。簡単なモノなのですぐに終わりますから♪」




アンケート…ねぇ。


こんな、ほとんど何もしてない部活に何のアンケートをするんだか…


…あ、何もしてないのは俺と澪だけか。



……それよりもさぁ…






「…スイレン、お前にその話し方は似合わない。」


「そう?ならいつも通りでいっか。」


「そしてなぜお前がアンケートなんかやっている?」


「あ、やっぱり気になる?」




当たり前だ!!


最近ではお前がいつもとは違う行動をするだけで何か裏があると疑うようになってるからな!?


頼むからこれ以上俺を疑心暗鬼にさせないでくれ!!




「心配しなくても、これは自分のためにやってることだから大丈夫だよ。キミたちには一切不利益を与えない。…まぁ、ボクの気分次第じゃ利益をもたらすことはあるかもしれないけどね♪」




…俺たちに利益が?


どういうことだ…?




「スイレンさん…?それは一体どういうことですか?」


「…その様子だとキミたちはまだ知らないようだね?彼がいるからもう知ってるかと思ってたんだけど。」


「…キョーヤ、何か知ってるの?」


「いや、全く…」




でもさぁ、俺が知ってる可能性があるってことはさぁ……




「…なぁ、もしかしてノラネコが何か企んでるのか?」


「うん、そういうこと。」




あの野郎!!


俺に内緒で何を企んでやがる!!




「……スイレンさんのアンケートもそれに関係あるの…?」


「まぁね。…と言っても、キミたちに関してはあまり調査する必要が無いんだけどね。」


「…何を調査するつもりだったんだ?」


「部活に所属している人数、優秀な人材の有無、チームワーク…などなど。」


「なるほど、つまりノラネコさんが考えているのは部活単位の何かなんだな?」


「お、大地にしてはなかなか冴えてるな。」


「俺はいつも冴えているさ。」




…何だそのむかつく表情は?


あまりうざいと追い出すぞ?




「まぁ、細かい話は後にして、まずはアンケートに答えてくれない?えっと…ここの部長って誰だっけ?」


「あ、私です。」


「…カゲリちゃん?私のふりをするのやめてくれませんか?」


「…は〜い。」


「別にキミじゃなくてカゲリでもいいんだけどね。」


「部長の意味が無いじゃないですか!?」




…実質、この部の部長っていないようなものだからな。


始まりと終わりを告げるだけで、活動に関しては特に何もしてないし…



…チャイムみたいなもの…?




「…恭也さん?今なにか失礼なことを考えませんでしたか…?」




意外と勘が鋭い!?




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【アンケート開始】



「じゃあ、さっそく始めるよ?」


「うわぁ…思ったより本格的ですね。面接を思い出します。」


「ヒカリ、がんば!」




…カゲリ、アンケートに対して応援しても意味がないぞ?




「まず、一番大事な質問からいくよ?真剣に答えてね?」


「は、はい…!」




いきなり大事な質問か……


もしかしたらこれでノラネコの計画を知ることができるかも……?




 




 




 



「…キミたちは温泉旅行に行きたいと思う?」




ちょっと待て!?


何だその質問は!?


その質問の意図は!?




「お、温泉ですか?」


「そう、温泉。それも宿泊。」


「わ、私は行きたいですけど…みなさんはどうですか?」


「私も行きた〜い♪」


「……賛成…」


「女子が賛成なら俺も賛成する。」


「…どうでもいい。」


「…というわけで、『行きたい』ということでお願いします。」




…これ、本当に一番大事な質問だったのか?


部活と温泉旅行の関連性がわからん…




「なるほどねぇ…。人数もちょうど5人…。チームワークもいいし、頭いい人と運動神経高い人のバランスもなかなか…。敵になると手ごわいかも…?」


「…おい?何ブツブツ言ってるんだ?」


「あ、こっちの話だから気にしないで。」


「気にするなって言われても…そろそろノラネコの計画とお前の行動の意味を教えてくれないか?」 


「その前にもう一つだけ質問に答えてくれない?その後なら何でも教えてあげるから。」


「はい、私は別に構いませんけど…」




…本当に教えてくれるんだろうな?


謎にしたまま逃げ出すなよ?




「それじゃあ聞くよ?次の質問は……」




 




 




 



「…一時的にここに入部して、後で退部するのってあり?」


「は、はい…?」


「おい…?質問の意味がよくわかんないぞ?」


「だから、今だけキミたちの部に入部して、用が済んだらまた出てっていい?ってこと。」




何考えてんだお前!!


全国のマジメに部活やってる人たちに謝れ!!


俺たちはマジメにやってないから別にいいけどな!!




「そ、それは…どうなんでしょうか…?」


「……普通ならダメだと思う…」


「でも、スイレンと一緒の部活になるのって楽しそうだよね?」


「俺も女の子が増えるのは一向に構わないけど?」


「…とりあえず、納得のいく理由を聞かせてもらわないとな。」


「ん〜…、まぁ、どうせすぐに知られるから別にいいかな。」




それなら最初から言えよ!!


わざわざ後回しにするな!!




 




「理由は単純、ボクも温泉旅行に行きたいのさ。」




…は?




「…すまん、意味がよくわからん。事の顛末から詳細に話してくれないか?」


「えぇ、めんどくさいなぁ…」




いや、だってお前が一時的にここに入部することと温泉旅行の関係が全くわかんないだもん!!


てか、さっきから何で『温泉旅行』って単語が出てくるんだよ!?






「…実はノラネコさんが面白いイベントを企画したみたいでね。まだ詳しいことは決まってないんだけど、部活毎に対決させようとしてるみたいなんだ。そして、そのイベントの上位に入った部は温泉旅行に招待されるという話が!!もちろん、ボクも温泉旅行には行きたい!…でも、どうやら5人以上いる部活じゃないと参加できないみたいなんだよ。残念ながらボクの部活の部員はボクを含めてたった2人…、このままじゃ参加すらできない…。それならいっそ、一時的に他の部活に入れさせてもらおうかなぁ…と。」




そんな理由かよ!?


いや、気持ちはわかるけどさ!?


ていうか、ノラネコも何でそんな変なことを企画しちゃってんの!?


これ、俺に話したら絶対阻止されると思って内緒にしてただろ!?


アイツめ!

帰ったら説教だ!!




「ど、どうしましょうか…?」


「……もしそれが本当ならスイレンさんの情報収集能力と運動神経は武器になると思う…」


「そうだよね。それに、スイレンと一緒に温泉行くのも楽しそう♪」


「女の子が増えるのは大歓迎!!」




大地は無視するとして……


確かに対決の内容によってはスイレンがいた方が有利になるかもしれない…


…というより、コイツが敵になったらとんでもなく厄介なことになるだろうな。




「…俺もスイレンを仲間にした方がいいと思う。」


「お、満場一致だね?一番反対しそうなキミが賛成してくれて嬉しいよ♪」 




敵になった時のお前は怖いもん。


それならいっそ味方にしちゃった方がいいに決まってる。




「というわけで、ボクは今からここの部員だね。短い間だけど、よろしく♪」


「今からですか!?」


「ダメなの?」


「い、いえ…!よ、よろしくお願いします…」


「よろしくね、スイレン♪」


「大・歓・迎!!」


「……さっそく歓迎のコスプレの準備を…」


「ちょっとキミ!?それは歓迎じゃないよ!?」




…いつそのイベントをやるか知らないけど、それまではここも騒がしくなりそうだな…


いつものことと言えばその通りなんだけど…






「…あれ?そういえば、お前の所のもう1人の部員はどうするんだ?」


「え?もちろんここに来るに決まってるじゃん?」


「決まってるんですか!?」


「…ダメだった?」


「い、いえ…ダメではないですけど…」




…ヒカリ、お前頼まれたら断れないタイプなんだな…




「大丈夫だよ。別に足手まといになるわけじゃないし。それに、キミとカゲリの知ってる人だから。」


「…?私とカゲリちゃんの知り合いですか?」


「誰だろう?」


「それは後でのお楽しみってことで♪」




…おい?


変なヤツじゃないだろうな?


もしそうなら俺は関わりたくないぞ?


変人の知り合いはもう十分だぞ?






「…さて、それじゃボクは引き続き他の部にアンケート(戦力調査)しに行くよ。」


「…お前、ここの部員になったはずなのに勝手な行動するのか?」


「ここって基本的に自由な部活なんだからいいじゃん。それに、戦いの前に敵のことを知るのは重要だよ?」




…温泉旅行のためなら仕方ないか。


それに、敵の戦力は知っておいた方がいいのも確かだし…


まぁ、このメンバーならなんとかなりそうな気もするけど…


敵になりそうな部なんてあまり無いんじゃ……



…………。




「…ってちょっと待て!!そういえばコレ、部活対抗だよな!?」


「ん?そうだけど?」


「つまり、陸上部の悠希は俺たちの敵か!?」


「え!?ユーキが敵になるの!?」




アイツを敵に回すのはマズいだろ…!!


どんな手を使ってくるかもわかんないし…!




「……それを言うなら剣道部も危ない…」


「あっ!?赤樹と千秋も敵になるのか!?」




アイツら、成績もいいし、運動神経バツグンだし…!


アイツらも結構ヤバいじゃん!!


普段サボってるんだから参加資格剥奪してくれない!?




「心配しなくても大丈夫だよ。だってボクがいるんだから♪」




その自信はどこから来る!?




「…一応聞くけど、対策あるのか?」


「無いけど…何とかなるんじゃない?とりあえず上位に入っとけば温泉旅行に行けるんだからさ。」




…もしトーナメント式で、一回戦でアイツらと対戦することになったらどうする気?




「それに、キミが頼めばノラネコさんが特例として連れて行ってくれるかもしれないじゃん?」




考えが卑怯なんだよ!!


コネに頼るな!!






「…まぁ、ボクだって何とか正攻法で行きたいからこうして調査してるんだけどね。……あ、もうこんな時間か…。時間が惜しいからボクはもう行くよ。それじゃ、またね♪」


「え…?あ、あぁ…。またな…」



《…ガラッ》



「………。」




…いつもなら遊んでいくのに、本当に行っちゃったな…


アイツはアイツなりに本気なのか…


あそこまでやる気のあるスイレンも珍しいかもな…






「……残念、スイレンさんにコスプレさせれなかった…」




…もしかしたらただ逃げただけなのかもしれないけど。




「…スイレンさんが頑張ってるんですから、私たちも頑張らなきゃダメですね!!」


「よ〜し!その日のために、最高の兵器を用意しなきゃ♪」




カゲリ!?


兵器じゃなくて発明品だよ!?


あながち間違ってない表現だけど、一応発明品って言ってくれ!!


兵器じゃ物騒すぎる!!






「……こうして考えると、この部ってそう簡単に負けない気がする…」


「…そうだな。」




テスト勝負になったら澪やヒカリ、ついでに大地もいるし、運動系の勝負ならカゲリとスイレンがいる…


…スイレンの所のもう1人の部員に関してはまだ謎だけど…


バランスもけっこういいし、いざとなったら発明品もあるしな……


これなら何とかなるかもしれないな…





 





…あれ?


もしかして俺、足手まとい…!?




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【夜:恭也宅】



「…ノラネコ、お前今日夕飯抜きな。」


「何故っ!?」

ノラネコが暇つぶしにとんでもないことを企んでしまったようですね…


実はこの話、大分前から考えていたものです。


ただ、この話は校長が登場しないと書けなかったため、先延ばしにされていました。


ノラネコが登場してすぐに校長だと発覚させるわけにもいかなかったので、余計に時間がかかっちゃいましたね…


最近ネタ切れにもなってきたので、せっかくだから書いてみました。


この間にネタが溜まればいいんですけどね…



では、ここから少し今後の話をしていきたいと思います。


まず、今回書く『部活対抗勝負編』とその後の『温泉旅行編』は相当長いシリーズになるかもしれません。


私が諦めたり、いつもの話に戻ってほしいという意見があれば多少は短くなるかもしれませんが、それでも長くなる可能性がありますのでご注意ください。


そして、このシリーズの間は使い捨てキャラ(没キャラ)がたくさん出ると思います。


一応名前なども出ると思いますが、基本的に2度目の登場は無いと思っていただいて結構です。


気に入ったキャラは再登場するかもしれませんが、その時はいつも通り(第〜話)とつけておくので容赦なく忘れてください。



…とりあえず今のところの計画はこんな感じですかね?


またあとがきが長くなってしまって申し訳ありません!


今後も長くなることが多々あるかと思いますが、それでも付き合っていただけたら幸いです!



それでは今回はこの辺で失礼します!!


ネタはあっても、書くのは遅いので次話も気長にお待ちください。

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