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第129話〜校長先生、絶好調♪

 




【全校集会】



『…というわけで、今日から校長として復帰させてもらう皇 凰華だ。これからよろしく。』



《…ザワザワ…!》




…やっぱりみんな相当驚いてるな。


いきなりすぎるから当然か…


教師たちも未だに戸惑ってるみたいだし…


…教頭先生なんかいつもよりやつれてるように見えるよ…




「……恭也君、あの人が例のノラネコさんなの…?」


「ん?あぁ、そうだよ。」


「……ジャージじゃないよ…?」




さすがにこういう時までジャージでいるわけないだろ!?


…まぁ、アイツならやりかねなかったけど。



アイツの今の服装はスーツ。


…なんでスーツなんか持ってたのか疑問だったけど、こういう時のためだったんだな…




「……あの人と同棲してるの…?」




澪!?


そういうことをこんな所で言わないでくれ!!


騒ぎになるから!!




「いいなぁ〜…。…私もキョーヤの家に居候してもいい?」


「カ、カゲリちゃん!?それはさすがにダメですよ!?」


「ぶ〜!ヒカリのケチ!!」




いや、ヒカリが正しいから…


そもそもアイツは家が無いから居候させてやってるわけなんだから…




「恭也!!俺はお前を見損なった!!こんなかわいい子たちに囲まれている上にあんな美しい人と同棲しているなんて…!!なんてうらやま…!!」


「大地さん…?」


「あ…いや…その…と、とにかく俺はお前を見損なった!!」


「うるさいぞ。クラスメートB。」


「クラスメートB!?」


「……クラスメートBさん、周りの迷惑…」


「ちょ…!?澪ちゃんまで…!?」


「クラスメートB。あまりうるさいと殴るわよ?」


「ご、ごめんなさい!謝るから名前で呼んでください!!クラスメートAと同じ扱いにしないでくれっ!!」




…そんなにイヤ?


なんか向こうでクラスメートAが同情の視線を送ってるんだけど…


…無視しておこう。




 




『…さて、本来ならば私はここで校長らしいことを言わなければならないのだが…みんなはそんな話など聞きたくないだろう?私も話すのは面倒だ。よって今日の集会はこれで終わりにする。』




おい!?


それを無くしたら校長の存在意義が無くなるだろ!?




『それでは各自教室に戻るように。解散。』


「…なんていうか、校長に戻っても相変わらずね。」


「…だな。」




確かに悠希の言うとおり、アイツは相変わらず自分の好きなように行動しているな…


…まぁ、たしかに校長の長い話なんか聞きたくないしな。


…今までは教頭の長い話だったけど。


その教頭は今にも倒れそうな感じなんだけど…




「…それじゃ、さっさと教室に戻るか。」


「そうね。」




さっさと教室に戻って、授業が始まるまでだらけるとするか…


今日は天気もいいから気持ちよさそうだし…


窓際の席サイコー!!





 





『…あ、そうそう。言い忘れていた。1年B組の神堂 恭也、後で校長室に来るように。』




呼び出された!?




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【校長室】



「…で、何の用で呼び出したんだ?」




せっかくのだらだらタイムが台無しになったじゃないか。


俺の唯一の和みの時間なのに…



…てか、いつジャージに着替えた?




「どうだった少年?私はなかなかかっこよかっただろう?」


「…校長らしからぬ発言をしなければかっこよかったな。」




実際、スーツ姿のお前を見た時は目を疑ったし……


意外と似合うもんなんだな。




「…で、俺を呼びだした理由は?」


「まぁ、そう急くな。とりあえずそこのソファーに座って…そうだ、お茶でも飲むか?」


「いや、別にいいけど…」


「そうか。とりあえず今せんべいでも出すから待ってくれ。」


「…だから用件を聞いてるんだけど?」


「まぁ待て。このせんべいはなかなか……」


「用・件・は…?」


「…あ〜……その…だな…」





 





「…ヒマなんだ。」




暇つぶしに俺を呼び出してんじゃねぇ!!




「お前なぁ…!!」


「まぁ待て少年!私としては激務に追われるのではないかと思っていたのだ!私がいなかった分の仕事が山積みになっていると思っていたのだ!…しかし、教頭が予想以上に頑張ってくれていたようで…私の仕事が無くて…」




…教頭、頑張りすぎ。




「そこで私の暇つぶしに付き合ってもらいたいのだが……」


「…学生の本分は勉強なんだけど?」


「高校の勉強などどうせ将来的に役に立たないではないか。」




お前、仮にも指導者である立場なんだからそういうこと言っちゃダメだろうが!!




「それに勉強なら私が教えてやろう。一応、そこらの教師と同等レベルの教え方ができると自負してるぞ?」


「…確かに教えるのはうまいけどさぁ…」




宿題を教えてもらった時とか、すごくわかりやすかったもんな…




「…でもなんだか特別扱いみたいでやだな…」


「…それもそうか。」




やっぱりみんなと一緒に勉強したいっていうか……



…あれ?

俺ってここまで勉強熱心だったっけ?




「…仕方ない。わざわざ呼び出して悪かった。もう教室に戻ってもいいぞ。」


「え…?あ、うん…。…で、でも…お前はいいのか…?」


「心配するな。私は大丈夫だ。」




 




 




 



「私も少年と一緒に授業を受けるからな。」




ふざけんなっ!! 




「お前、何考えてんだ!!」


「久しぶりに戻ってきたんだ。学校の下見も必要だろう?」




もっともらしいこと言ってるけど、ただの暇つぶしだろうがっ!!




「お前がいたら気が散るだろっ!!」


「参観日に親が来たような感覚か?」




あ、似てるかも…


…じゃなくて!




「あのなぁ…!ただでさえいきなり呼び出されて目立ってんのに…!俺たちの関係を聞かれたら厄介だろうがっ!!」


「…厄介?私はノラネコだったのだから飼い主とペットという関係なんか普通ではないか。」




お前のその発言が厄介になるってのがわかんないのかっ!!




「それは絶対に人前で言うなっ!!できれば居候ってことも隠せ!!知り合いってことにしておくのがベスト!!」


「…別にバレても問題ないと思うのだがな。」




…どう考えたらそんな結論に達するんだよ…




「…まぁいい。少年がヒミツにしたいというなら黙っておこう。…ではさっそく教室に行こうではないか。」


「だからお前が教室に来たらいろいろ厄介に…!」



 



《…コンコン》



「…っ!?」


「…む?」




ノック…!?


もしかして今の話を聞かれてた…!?




「誰だか知らんが入ってもいいぞ。」


「ちょっと待て!?俺、ここにいていいの!?来賓の人とかだったら…!」


「気にするな。」




気にするわっ!!


すごく気まずい雰囲気になるじゃないか!!






『…失礼します。』



《…カチャ》




…あ〜、もう手遅れか……


もし気まずい雰囲気になったら隙を見て抜け出すかな…




 




《キィ…》


《…パタン》



『…………。』



《…スタスタスタ…》


《…ボフッ!》





 





「…あ〜♪思った通り校長室のソファーは気持ちい……」


《…ゴンッ!!》


「…ぃ゛っ!!?」




誰かと思ったらスイレンじゃねぇか!!


無言で入ってきて寝ようとしてんじゃねぇ!!




「あた〜…!…もう!!そんなに強く叩かなくてもいいじゃん!!おかげで目が覚めたじゃん!!ありがとう!!」


「え…!?あ、どういたしまして…」




…じゃねぇ!!




「何やってんだお前!!ここは校長室だぞ!!」


「校長室だから静かで寝心地いいのに…」


「校長室はそういう場所じゃねぇ!!」


「まぁまぁ、少年よ、そんなに叱らなくてもいいではないか。」




本当ならお前が叱る立場なんだよ!!




「ていうか、授業はどうした!?もうそろそろ始まってる時間だろ!?」


「眠かったから逃げてきた♪」




校長の前で堂々とサボリ宣言すんなっ!!




「そういうキミだって授業サボってんじゃないの?」


「…俺はノラネコに呼び出されたからいいんだよ。」


「…む?私はさっき少年に『戻っていい』と言ったはずだぞ?」




あれ!?

まさかの裏切り!?




「ほら、キミも人のこと言えないじゃん!」


「ノラネコ…!」


「安心しろ。私と一緒ならばサボリということにはならん。」


「…それはつまりお前の暇つぶしに付き合えということか?」


「そういうことだな。まぁ、一度くらいいいではないか。」




まぁ、確かに一回くらいならいいかもしれないけどさ…


…今後も似たようなことをやりかねないから心配なんだよ!! 




「なに?遊ぶの?」


「まさか。私の立場上、授業時間中に生徒と遊ぶわけにはいかないだろう?だからお茶でも飲みながらこの学校について聞かせてもらったり、校内の案内でもしてもらおうか。」




…変なところでマジメだな。




「ん〜…。まっ、授業サボれるならいっか。」


「…それじゃ後は任せた。俺は今からでも教室に戻る。」




まだ始まったばかりだろうから大して怒られないだろうし…




「む?戻るのか?ならばまずは少年の教室の視察から始めるか。」


「…お前、そんなに俺のこと気になるの?」


「うむ。」




うわ…

断言しやがった…




「私は少年といると退屈しないのだ。」


「あ、わかるわかる。ボクも彼といると楽しいし♪」


「…俺はお前らの暇つぶしの道具じゃないからな?」


「じゃあ遊び道具?」


「ならば私の場合、『ねこじゃらし』か?」


「…とりあえずお前らには説教が必要みたいだな?」




ていうか、ノラネコにまでそう見られていたのはショックだ…


お前は変人だけど俺の味方だと思っていたのに……






 




《…コンコン》



「あ、ノックだ。」


「…今度は誰だ?」




『…校長、白秋ですが……』




…誰?




「…誰だっけ?」


「確か教頭先生じゃなかった?」




あぁ、そういえばあの人そういう名前だったっけ。


すっかり忘れてた…




「教頭?私に何の用だ?」


『その…校長に書いてもらわないといけない書類がありまして…』


「…えっ?」




…チャンス!!




「よかったなノラネコ!暇つぶしにちょうどいいじゃないか!」


「あ…いや…これは別に暇つぶしには…」


「それじゃ俺たちは邪魔になるから帰るよ!またな!」


「…え?ちょ、ちょっと待って!?ボ、ボクは関係な…引っ張らないで〜!!」


「し、少年…!?」



《ガチャ》


《タッタッタッ…》



「に、逃げられた…」


「…?あ、あの…校長…?」




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【廊下】



「…よし!脱出成功!しかも仕事があるからしばらくはこっちに来れないだろ!!」


「ボクは関係ないのに〜!!」




お前があのまま残ってたら余計な入れ知恵しそうだからダメ。


お前もおとなしく教室に戻れ。




「…このまま保健室で寝ようかな?」


「…目が覚めたんじゃなかったのか?」


「知らないの?王子様のキスがないとちゃんと目が覚めないんだよ?」


「…ゲンコツじゃダメなのかどうか試してみようか?」


「…わぁ、なんか急に眠気が吹っ飛んじゃった〜…」




…いつもこんなんだったら楽なのに…




「…仕方ない、ボクも教室に戻るかな。」


「お?珍しく諦めが早いな?」


「…だって最近のキミってすぐボクのこと叩くんだもん。」




ただのツッコミです。


バカなことを言うから叩かれるんだよ。




「たまには撫でて♪」


「…グーで?」


「それは撫でるって言わないよ!?」


「いいからさっさと教室に戻るぞ。」




こんなところを他の先生に見られたら言い訳が面倒だ。



…黒城だったら問答無用で襲ってきそうだし…




「…つまんないの…」


「そうだな。少年は女心を全くわかっていない。」


「…………。」




…あれ?


なんだか今ここにいるはずのない人の声が聞こえたような…?




「ではさっそく授業見学といこうではないか。なぁ、少年♪」


「ノ、ノラネコっ!!?な、何でお前がこんなところに!?仕事は!?」


「教頭に押しつけてきた。」




だから教頭に押しつけんな!!


お前、校長として戻ってきた意味ないだろ!!




「ノラネコさん、ボクお腹痛いな〜…」


「そうか。では保健室でゆっくり休むがいい。先生には私から言っておこう。」


「は〜い♪」




ちょっと待てや!?




「待て待て待て!?あれのどこが腹痛だ!?」


「まぁまぁ、1日くらいいいではないか。」




お前は甘すぎるんだよっ!!




「それより、早く行こうではないか。」



《グイッ》



「あっ…ちょっ…引っ張んなって…!」


「ほら、早く早く♪」




…お前は遊園地に来た子どもか?



…でも本当に嬉しそうな顔してるし…




…………




…仕方ない、俺が折れるか。




「…わかったよ。その代わり、絶対に授業の邪魔は……」


「うむ。わかった。」




いや、即答って…


…本当にわかってんのか?



…まぁ、別にいっか。


あまりしつこく言うのもかわいそうだし…




…………。




…俺も甘いのかな…?




 




 




 



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【教室:国語の授業】



「…あらら?神堂君…だっけ?戻ってきたんだ?…あっ、校長も一緒なんですか♪今は古文の小テスト中なんだけど…神堂君、途中参加する?…というか、してもらいま〜す♪」




…スイレンと一緒にサボればよかった…

久しぶりに楽しく書けました。


…その分テンションがおかしいかもしれませんが…



というか、凰華の名字である『皇』って携帯では『すめらぎ』で変換できないんですね…


いちいち『こう』で変換するのって文字数的には楽なんですが違和感あります…


違う名字にすればよかったかな…?


原案では『鳳』(おおとり)だったんですけど……


…はい、名前の由来は『鳳凰』です。


ちなみに『鳳凰 龍華』という名前も候補にありました。(というより、最初に思いついたのがコレでした。)


これを少し変えたのが今の凰華です。


…以上、凰華に関する(ちょっとした)裏話でした。



…あ、それともう一つ言っておきますが、現段階では凰華を恋愛に絡めるつもりは全くありません。


凰華は恋に悩む女の子たちをサポートする立場にしたいなぁと思っています。


『お前が元凶か!?』みたいなノリですね。


…まぁ、もしかしたら方針転換するかもしれませんが…



…さて、とりあえずは今回はこれくらいで。


あとがきが段々長くなってる気がしますが、そこはスルーの方向でお願いします。



それでは。

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