第120話〜散歩と喫茶店
【休日:恭也の家】
「ふぁ〜…」
あ〜…、やっぱり休日っていいね。
時間も気にしないでゆっくり寝てられるし…
なにより学校にいる時より平和に過ごせる!
…多分!
「…む?少年よ、今頃起きたのか?」
「…ノラネコ、もう起きてたのか?」
コイツがここに住み着くようになってから、朝食を作ってもらっていたけど……
まさか休日もこんなに早起きだとは……
…あ、コイツの場合は毎日が休日か?
…うらやましい。
「どれ、少し遅いが朝食を作って……」
「あ、いいよ。それより、お前いつも何時から起きてるんだ?」
「いつも五時には起きて散歩に行っている。健康的だろう?」
…老人を思い浮かべたのは俺だけか?
「…じゃあ、俺が学校に行ってる間は何をしてるんだ?」
「ネコはコタツで丸くなるのだぞ?」
お前はネコじゃねぇし、コタツなんかねぇよ!!
というか、それは冬の話だ!!
「…言いたくないのか?」
「そういうわけではないのだが…。時にはジョークをだな……」
ジョークはいいが、空気くらい読め!!
しかもそんなに面白くないんだよ!!
「そうだな…。気になるなら見てみるか?」
「…は?」
「今日は休日なのだろう?ならば私と一緒に行動してみないか?」
…ノラネコと一緒にねぇ。
まぁ、どうせ暇だからいいか。
「そうだな。お前のことを知るいい機会だもんな。」
「…とは言ってもただの散歩だが。」
…はい?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…お前、本当に毎日散歩してんの?マジで散歩だけなの?」
「どうした?もう飽きたのか?」
…正直飽きた。
…というか、疲れた。
だってもう三時間くらい歩きっぱなしだよ?
朝食、ちゃんと食べてくればよかった…
「…お前、確か早朝も散歩してたよな?」
「うむ。朝は朝で清々しいぞ?」
「…飽きないの?」
「…少年、風景というのは毎日同じというわけではないのだぞ?毎日違うものを見る…。それなのに飽きるはずが無いだろう?」
あぁ、コイツ完全に年寄りだ…
いや、体力もあるから年寄りよりたちが悪いかも…?
「…まぁ、退屈に感じるのも今だけだから安心しろ。もう少し歩いたら賑やかな場所に着く。」
「…賑やかな場所?どこだそれ?」
「少年もよく行く場所だ。」
…まさか学校とか言わないよね?
休日にまであんな所行くのやだよ?
「…帰ろうかな?」
「…どこを想像しているかは知らんが、そんなに悪い場所ではないから安心しろ。…ほら、もう見えてきたぞ?」
「…え?」
こ、ここは…!
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【商店街】
《…ガヤガヤ…》
「…なるほど。確かに俺がよく行く場所で、賑やかな場所だな。」
「だろう?たまにはこういう場所を散歩するのも悪くはないと思うぞ。もしかしたら新たな発見があるかもしれないからな。」
「新たな発見ねぇ…。いつも買い物してる店より安売りしてる店とか…?」
「…少年、それではまるで主婦のようだぞ?」
まるで年寄りみたいなお前に言われたくない。
「実際、ここら辺は買い物する時以外は来ないからなぁ…」
「…む?ではここらの喫茶店にも入ったことが無いのか?」
「あぁ。」
「そうか。では私がいい店を紹介してやろうではないか。」
…は?
お前が…?
「…お前、ここら辺の喫茶店知ってるの?」
「うむ。一軒だけだがな。コーヒーもうまく、値段も安いからオススメだぞ?」
「お前そんな金あったの…?」
「まさか。私がお金を持っているわけが無いだろう?」
あ、やっぱり?
…って、ちょっと待てっ!?
なに当たり前のように言ってんだよ!?
「お前そこの代金はどうしてんだよ!?まさか無銭飲食…!?」
「落ち着け少年。私がそんなことをするはずが無いだろう。」
「それじゃあどうやって…!?」
「なに。この前散歩して出会った者がたまたまその店でアルバイトしていてな。その者の頼みを聞いてやる代わりにコーヒーをおごってもらっている、というわけだ。」
…それいいのか?
とりあえず無銭飲食じゃなかったからよかったけど…
「お前に頼み事ねぇ…。珍しいヤツもいたもんだ。」
「ちょっと助言をしただけなのだがな。どうやらその助言が役立ったらしく、そのお礼にってことでな。今日は休日だし、おそらくその若者も店にいるだろう。」
「若者ねぇ…。どんなヤツなんだ?」
「そうだな…。一言で言うならば、『かわいい女の子』だ。」
へぇ…
大地ならまず間違いなく反応しそうだな。
「…念のため言っておくが、これ以上ハーレムを望んではいけないぞ?他の女の子たちがかわいそうだからな。」
だからハーレムなんかじゃねぇつってんだろうがっ!!
いい加減にその認識を改めろ!!
「ではさっそくその喫茶店に案内するとしよう。」
「…ちなみに金は?」
「…男たるもの、コーヒーの一杯くらいおごれる器量がないとダメだぞ?」
…やっぱりそうなるよね…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【喫茶店前】
「ここがその喫茶店だ。」
「…『Sweet×Sweet』…?聞いたことない店だな…」
…まぁ、聞いたことがないのも当然かもな。
だってここ、裏通りだもん。
さっきまでの場所と違って周りに人がいないもん。
さらに言うならこの店、営業してるかどうかわからないくらいボロボロだもん。
…一応『OPEN』の札はあるけどさぁ…
「…本当にここ?」
「うむ。」
「…営業してんの?」
「うむ。」
「…マジで?」
「うむ。」
…なんか怪しい感じがするんだけど…
…本当に大丈夫なのかここ?
ぼったくられたりしない?
不良のたまり場だったりしない?
ヤクザなんかいたら即刻逃げ出すからね?
「では入るぞ。」
《…カチャ》
…え!?
ちょっと待って!?
まだ覚悟が…!
《カランカラン…》
「…えっ!?あっ…!お、お客さん…!?あ、あの…えっと…い、いらっしゃいませ!!」
…客が来て店員が驚いてる…
…ここ、どんだけ客が来ないんだよ?
「少女よ、そんなに慌てなくてもいいぞ?」
「え…?あ…ノラネコさん?」
「うむ。またここのコーヒーを飲みにきたのだ。今日はもう1人いるがな。」
「もう1人…?」
「あ、はじめまして。神堂恭也です。」
…あれ?
この子…………
…どこかで見たことあるような…?
「…!?し、神堂!?神堂ってもしかして…!?」
「…ん?やっぱり俺の知り合い…?」
「い…いやいやいや!し、知り合いなんかじゃありません!と、とりあえず席に案内……!」
「少女よ、どうせ他に客はいないのだ。私たちは勝手に座っているからいつものコーヒーを淹れてくれないか?」
「え…あ、はい!わ、わかりました!」
《タッタッタッ…》
…行っちゃった…
うーん…
あの子、どこかで会ったことあるような気がするんだけどなぁ…
「…ノラネコ、あの子の名前知ってるか?」
「む…?なんだ?一目惚れか?」
違うわっ!!
「いや、見覚えがあるような気がして…」
「ほう?少年はずいぶんかわいい子の知り合いが多いな?」
だからその言い方やめろって!!
偶然知り合いになっただけで不純な動機なんて無いから!
「まぁ、そんなことより…どうだ?こういったクラシックな雰囲気の店もいいと思わないか?」
「…クラシック?」
そういえばまだ店内の様子を観察してないけど……
床も壁も木造、テーブルもイスも木製、照明も薄暗く、落ち着いた雰囲気を感じさせる…
…でも、あっちにあるテーブル、埃まみれの気がするんだけど…?
あそこの天井の隅にクモの巣がある気がするんだけど…?
…これってクラシックとは違うんじゃないか?
「…第一印象としては、廃墟…?」
「ほほう。なかなか的確だが…ここの店長の目の前でそんなことを言うなんて、すごい勇気ではないか?」
「…へ?」
「店長、そこに隠れているのだろう?あいさつに来てはどうだ?」
隠れるも何も…
ノラネコの視線の先にあるのは埃まみれの木の箱だけ…
なんでそんなものが店内に置かれているのかはこの際無視しておこう。
でもまさか…その中に隠れてるなんて、そんなわけ……
「……ネコ…私、こっち……」
「お?そっちだったか?」
って正反対の方向じゃねぇか!!
しかも普通にイスに座って新聞読んでるだろ!!
いや、気づかなかった俺も悪いけどさ!
でもそこ、客用の場所じゃないの!?
なんで店長が普通にそこにいるんだよ!?
てか新聞紙邪魔!
顔見えないと紹介できないじゃん!
声だけだと女性だってわかるけど…
「……新客…はじめまして……」
「あ、どうも…。俺は……」
「……名前…さっき聞いてた…私…店長でいい……」
「え、えっと…?」
「店長と呼べということだ。」
「え!?いや、本名は…?」
「……一期一会…必要ない……」
「………?」
「どうせもう会うことはないのだから教える必要もないだろう…ということだな。」
…ノラネコ、ナイス通訳!
てか、この人もややこしいな!!
まるで澪とノラネコを足したみたいで…!
この街には変なヤツしかいないのか!?
とりあえず一言言わせてもらおう!
人と話す時は新聞から目を離して、相手と目を合わせて話そう!
「いや、あの…もしかしたら今後もここに来るかもしれないし…」
「……客増える…うるさい…忙しい…自由無くなる……」
…なんでこんな場所で経営してるのかがわかった気がする…
てか、遠回しに『もう来るな』って言われてないか!?
「少年よ、気を悪くするな。店長も本当は嬉しいのだ。」
「……ネコ…余計…黙れ……」
「…黙れとか言ってるけど?」
「ツンデレというやつだ。よく見ろ。新聞紙が逆さまではないか。」
…あ、ホントだ。
「……逆さまで読む練習……」
いや、なんのための練習だよ!?
「店長もバイトも恥ずかしがり屋でな。なかなか面白い店だろう?」
「…面白いか?」
「からかってみるとなかなかに面白いぞ?特にバイトの方がな。」
…バイトの子、かわいそうだな…
コイツを店に連れてきたのは間違いだったね…
「あ、あの…コーヒーお持ちしました!」
…噂をしてたらタイミングよく来たな。
…ん?
「…あれ?なんで四人分?」
「え?え?あ、その…これは…」
「どうせ他に客が来ることは無いからな。いつもみんなで一緒に飲んでいるのだ。」
なんて自由な…!
そんなんでいいのか、この店…!?
「ほら、店長も早くこっちに来るがいい。」
「……いらない……」
「…あ〜、きっと新しい人が来たから…店長、人見知り激しいですから……」
「……ちあ…うるさい……」
「あ…ご、ごめんなさい…」
…なんでそんなに人見知り激しいヤツが喫茶店なんて経営しだしたんだよ…?
…あれ?
ちょっと待て…
今、店長…
『ちあ』って…
…バイトさんの名前?
ちあ…ちあ…ちあ……
「…ってお前、もしかして千秋か!?」
「(ぎくっ!!)い、いや…!ち、違いますよ…?人違いじゃ……」
「……その子…春日千秋…望壮高校一年A組……」
「て、店長!?」
やっぱり千秋か!!
帽子を脱いでる所は見慣れてないから気づかなかった…
「お前、こんなところでバイトしてたのか!?」
「えと…その……」
「えぇい!話にならん!帽子かぶってこい!」
「い、今はバイト中だから…!」
「……許可……」
「て、店長〜…」
「…ふむ。なんだか面白くなってきたな。」
「お、面白くないですよ〜…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…別に千秋がどこでバイトしてようと、神堂には関係ないじゃないッスか。」
いきなり開き直りやがった!?
てか、相変わらず性格の変化が激しいな!?
「確かに関係ないけど…なんでこんな所で?」
「ここなら知り合いに会う可能性が低いじゃないッスか。…なぜか会っちゃったッスけど…」
「私のおかげだな。」
…『おかげ』じゃなくて『所為』だろ。
「…ノラネコ、さっき言ってた助言ってもしかして……」
「剣術だ。」
…お前、相変わらず万能だな。
「早朝散歩の時にたまたま素振りしている少女に出会ったのでな。」
「…いきなり素手で勝負を挑まれた時は驚いたッスよ。」
素手!?
何やってんだお前!?
「実戦に勝る修行は無い。」
「だからって素手で勝負挑むなよ!?」
「安心しろ。私はケガなどしない。」
「…確かにそんな気はするけど。」
「その後、今の少女に足りない部分を助言したらこの店に招待してくれてな。それ以来この店の常連となったわけだ。」
「…代金は千秋に払わせてるくせに。」
「少年よ、それは気にするな。」
「まぁ、ノラネコさんが来るようになったおかげで店長も暇つぶしの相手ができたみたいッスからね。」
「……別に……」
「む?私とやったチェスは面白くなかったのか?ならば次からは……」
「……決着…まだついてない……」
…店長も素直じゃないタイプ…?
「…ところで、神堂とノラネコさんってどんな関係なんスか?」
「えっ…!?そ、それは…!?」
その質問はできればスルーしてほしかったんだけど…
なんて説明したらいいだろう…?
「この少年は私の飼い主だ。」
「!?」
さらりととんでもないこと言ってんじゃねぇ!!
というかいい加減にその認識やめろ!!
せめて居候と言え!!
「し、神堂!?何を考えてるんスか!?見損なったッスよ!」
「……最低……」
「誤解だ!!コイツ、家が無いらしいから俺のところに住まわせているだけだ!」
「む?家ならあると言っただろう?」
それはダンボールのことだろうがっ!!
とりあえずお前は黙ってろ!!
「とりあえずお前らが考えていることは誤解だ!コイツはただの居候で……」
「……ネコ…ここ…住む……?」
「そうッスね。神堂のところよりはここに住んだ方がいいッスよ。」
俺ってそんなに疑わしい!?
心外だよ!?
…あ、でもそうしてくれた方がいいかも。
疑われることも無くなるし…
「ふむ。私のことを心配してくれるとは嬉しいな。…だが、申し訳ないがそれは断らせてもらおう。」
断る!?
え!?
なんで!?
「なんでッスか?異性と暮らすよりはこっちの方がいいじゃないッスか。」
「……ネコ…ここ…嫌い……?」
「そんなことはない。むしろここは私のお気に入りの場所だ。だが今はこの少年に興味があるのだ。」
「興味…ッスか?」
「……恋……?」
「そんなわけがないだろう?ただの好奇心だ。見ず知らずの人間を気遣うような者は今の世の中では珍しいからな。」
…そうか?
俺としては普通だと思うけど…
…って、まさか俺を観察するためだけに居候してんの!?
「そんな少年なのだから心配しなくても大丈夫だ。」
「…まぁ、ノラネコさんがそう言うならいいんスけど…」
「……ネコ…男…信用しない方がいい…」
「だから大丈夫だと言っているだろう?この少年は信用に値する人間だ。」
…な、なんだかそういうことを言われると恥ずかしいな…
「…多分な。」
信用してねぇじゃねぇか!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…さて、ではそろそろ帰宅するか?」
「あれ?もう帰っちゃうんスか?」
…いや、あれからけっこう経つからね?
三人でチェスやってたからあっという間な気がするだろうけど、実際は長い時間ここにいるからね?
1人でぼーっとしてた俺が言うんだから間違いない!
…俺もチェス覚えようかな?
「……勝敗……」
「このまま続けていてはいつまでたっても帰れなくなってしまう。今日はここまでにしてまた後日続きをしようではないか。」
「……仕方ない…今度こそ…決着……」
…え?
あんだけ長い時間やってまだ決着ついてないの…?
「…千秋、あの2人ってチェスうまいのか?」
「うまいなんてレベルじゃないッスよ。千秋なんかじゃ全く歯が立たないッス。」
…やっぱり覚えなくていいや。
覚えたところで勝てそうにないもん…
「少年よ、待たせて悪かったな。」
「いや別に。たまにはこうしてのんびりするのもいいさ…。不満があるとしたら、店員がコーヒーのおかわりを拒否したことかな?」
「…熱い勝負だったからそれどころじゃなかったんスよ。」
どこまで自由な喫茶店なんだよ!?
客を優先しろ!!
…もしかして客としてみなされてない?
「……ネコ…次…いつ来る……?」
「そうだな…。どうせ明日もヒマだから、明日また来るとするか。」
「……そう……」
「なんだ?そんなに私とチェスするのが楽しみなのか?」
「……うるさい……」
…店長、素直じゃないなぁ…
素直に明日も来てほしいって言えばいいのに…
「……男…ちょっと…こっち……」
え!?
もしかして考えてることバレた…!?
「え、えっと…?な、なんですか…?」
「……ネコ…大切に……」
…あ、そっちか。
ノラネコの心配するなんて…店長、意外と優しい人だな。
てっきり怖いこと言われるかと……
「……もし…悲しませたら…………………」
最後の無言なに!?
すごく怖いんだけど!?
「は、はい!悲しませるようなことはしないようにします!!」
「……約束……」
「え…?あ、はい。約束します。」
「……誓約書……」
そこまでする!?
やりすぎじゃね!?
「ノラネコさんは店長にとって大切な人ッスからね。少しでも変なことしたら……」
…今まで以上にノラネコの取り扱いが大変になったな。
てか、コイツのどこがそんなにいいんだよ…?
「少年、そろそろ行くぞ。別れのあいさつは済んだか?」
「え?あ、あぁ…」
…今のを別れのあいさつと言うなら終わったけど?
「それでは、また明日来るからな。」
「……待ってる……」
「さよならッス。」
「俺もそのうち…」
「……男…いらない……」
店長!?
そういうこと言わないで!?
傷つくから!!
「…店長、男嫌いでもあるッスから気にしない方がいいッスよ。」
「あ、あぁ…。なるべく気にしないようにするよ…。それじゃ、また学校で会おうな。」
「そうッスね。バイバイッス。」
…最後に痛いダメージを受けたような…
…またここに来るのが楽しみのような怖いような…
…一応楽しみってことにしておくか。
…一応ね。
============
「…少年よ、あの喫茶店はどうだった?なかなかいい場所だったと思わないか?」
…まぁ確かにいい場所だったな。
他に客がいないおかげで静かで落ち着ける雰囲気だったもんな。
…それでいいのかどうかは知らないけど。
それに、ノラネコの言うとおり、コーヒーもおいしかったな…
…おかわりさせてくれなかったけど。
「どうだ?いつも行く商店街にあのような場所があるのは知らなかっただろう?たまにゆっくり散歩しないとわからないことだってあるのだ。」
…散歩のおかげというか、偶然会った千秋に教えてもらっただけのような…
…まぁ、でも千秋に会ったのは散歩のおかげなんだから結局は散歩がよかったってことになるのか?
「…確かに、たまになら散歩するのもいいかもな。」
「そうだろう?」
ただ散歩するだけっていうのは最近やってないもんな…
健康にもいいし、次からは機会があったら散歩するようにしようかな…
さすがに今日みたいに長距離を散歩するのはキツいけどね。
「では、明日から早朝散歩も一緒に行こうではないか。」
それはパスで!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
【その頃…】
「……ちあ…コーヒー代…給料から引いておくね……」
「…えっ!?」
※喫茶店の名前は架空のものです。
もし実在していても、実際のものとは全く関係ありませんのでご了承ください。
今回の話に出てきた店長なんですが、ここだけの話、澪の元になったキャラです。
名前など、細かい設定もあるのですが、再登場するかどうかわからないので今回は書きませんでした。
一回しか出ないキャラの名前を書いてしまうとまぎらわしくなってしまいますからね。
それでは今回はこの辺で。
更新が遅くなっていますが、今後もこの作品を見ていただけると幸いです!