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第119話〜おしゃべりしましょ♪

 




【休み時間】



「…おーい、神堂、お前を呼んでる人がいるぞ。」


「…俺を?」




…前にもこういうの無かった?


ってことはまた千秋か…?


まったく、今度は一体何の用だよ?




「…おい千秋、俺に相談したいことがあるならわざわざ呼び出さないで直接……あれ?」










「おはよう♪今日はいい天気だね♪」




…誰だお前?


いや、見たことはあるよ?


というか、ほぼ毎日のように見る顔だもん。






「スイレン…?お前がこんな時間に起きてるなんて珍しいな?」


「えへへ♪」




…というか、何だかおかしくないか?


スイレンがこんな時間からこんなに元気よく行動なんかするのも不自然だし、わざわざ他の人を使って俺を呼び出すのもおかしい…


…誰かが変装でもしてんのか?


緋乃姉妹なら変装するための道具くらい簡単に造れそうだし…




「ちょっと別の教室まで来てもらってもいいかな?話したいことがあるの♪」


「え…?あ、うん…」




…そこで正体を明かすつもりか?


それなら行こうじゃないか。


どうせカゲリの変装だろうけど…


騙されたふりくらいはしてやるか。










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【空き教室】



「…で?わざわざここまで呼んだ意味は?」




休み時間とは言え、時間はあまり無いんだから簡潔に終わらせてほしいんだけど…




「その前に質問♪私は一体誰でしょう?」


「…スイレンじゃないのか?」


「ブブ〜♪ざ〜んねん♪」




…うわぁ、騙されるふりってすごくムカつく。


あとでデコピンしてもいいよね?


というか、する!




「じゃあ、お前は一体誰なんだ?」


「本当はわかってるんじゃないの〜?」




…確かにわかってるけどさ。


でも自分の口から正体を明かすまでは黙っていよう。




「それじゃあ発表しま〜す♪私の正体は…♪」




だから溜めなくていいって。


いい加減飽きてくるからさっさと言ってくれ。





 





 





「超キュートな女の子♪『1−F教室の女の子』こと、『ユリ』ちゃんでした〜♪」


「へぇ、そうなん…ってちょっと待てぇ!?ユリだとっ!?」


「あ、気づいてなかったんだ?」




当たり前だっ!!


な、何でユリがこんな時間に…!?


というか、何で見た目がスイレン…!?



…………。



ま、まさか…!?




「い、いろいろ聞きたいことはあるけど…とりあえず一つ質問していいか?」


「いいよ♪」


「お前のその姿…もしかしてスイレンに乗り移ったのか…?」


「うん♪」




何やってんのお前!?


というか、そんなことできたの!?




「ほら、この子って午前中ずっと寝てるじゃない?それだったら少しくらい代わってもらってもいいかなぁって…。悪いかなって思ったんだけど、最近おしゃべりしてないからさみしくて…。今まで人に乗り移ったことは無かったからやり方わかんなかったんだけど、試しにやってみたらできちゃった♪私とこの子って相性がいいのかな?」




…そんなことをスイレンに言ったら、多分明日からお札持ってくるようになるぞ?


アイツ、ただでさえ怖いの苦手なんだから…




「これでいつでもおしゃべりできるね♪」


「…スイレンの許可は?」


「寝てるんだからバレないって♪」


「普段寝てばっかりのスイレンが午前中でも起きるようになったら噂になるんじゃないか?もしそれがスイレンの耳に入ったら…」


「夢遊病ってことにしておけば大丈夫♪」




そんなんでごまかせると思ってんのか!!




「そんなことより…♪早くおしゃべりしようよ〜♪」


「そんなことって…。というより、もうすでにおしゃべりしてるじゃないか。」


「こういうのじゃなくて、もっと友達同士でするようなのがいいの!例えば…好きな人の話とか♪」




それは修学旅行の時に同性同士でする話だ!!


少なくともここでこうして話すような話じゃねぇ!!




「アナタはどんな子が好きなの?かわいい子?キレイな子?もしかして性格がよければ見た目は気にしないタイプ?だとしたら好きな性格は?明るい子?おとなしい子?優しい子?ツンデレ?年齢はどのくらいがいいの?年上?年下?それとも同年代?芸能人で例えるなら誰?…あ、そういえば今の芸能人ほとんど知らないんだった…。アナタの友達で言えば誰が一番理想のタイプに近いの?それともまさかあの中の誰かがアナタの好きな人…!?キャ〜ッ♪誰?誰が好きなの?」


「うるせぇ!!黙れっ!!止まれっ!!勝手に決めんなっ!!」




相変わらず一度話し始めたら長い…!!


会話というより、一方的にしゃべり続けてるだけじゃねぇか!!




「いいじゃない♪教えてよ〜♪」 


「…なんだか今日のお前、テンション高すぎじゃないか?」


「まぁね♪だってまだこんなに明るい内からおしゃべりできるようになったんだよ?テンション上がらない方がおかしいよ♪」




それだけの理由でそこまでテンション上がるのはお前だけだ!




「…まぁ、お前がおしゃべり大好きなのはわかった。というか、わかってた。でもさぁ…今は休み時間だぞ?」




本当ならこの時間はトイレに行ったり次の授業の準備をしたりするための時間。


おしゃべりするのもいいけど、そんなに時間は多くないから注意してくれよ?




「でも昼休みになる頃にはこの子起きちゃうもん。それなら少しでもおしゃべりしておかないと!」


「…そこまでしておしゃべりしたいか?」


「うん♪だって私、今までマトモに会話したことなかったんだよ?その分もたくさんおしゃべりしないと損でしょ?いっそのこと授業もサボってずっとおしゃべりしてようかな?どうせこの子いつも授業中寝てるんだから問題ないよね?アナタもどうせ授業聞いても理解できないんだからサボってもいいよね?」




いいわけねぇだろうがっ!!


てか、さり気なくヒドいこと言うな!!


一応理解する努力はしてるつもりだ!!




「ね♪ね♪いいでしょ?2人でずっとおしゃべりしてようよ♪」


「あのなぁ…」


「もしおしゃべりに付き合ってくれたら、テストの時に協力してあげる♪ヒカリちゃんや澪ちゃん程じゃないけど、私だってそれなりに頭いいんだから♪」


「…………。」




…そういえばユリってモノを動かすことくらいはできるんだったな。


それならテストの時に代わりに解いてもらうことも…




……………。










「…よし、たまにはサボってもいいか。」


「わーい♪」




ズルくないよ?


これでテスト勉強やらなくても大丈夫だなんて考えてないよ?


ただ、コイツが協力してくれるって言うから手伝ってもらうだけだからね?


決して不正行為なんかじゃないからね?




「どうせこの教室使ってないし…ここでおしゃべりしてても問題ないだろ。」


「うん♪」




それにコイツだってゆっくり話したいだろうし……


真夜中にわざわざ学校に来ておしゃべりするよりはこっちの方が楽だもんな…






「さて、そうと決まったら何から話そうかなぁ〜♪…そうだ!あのはに゛ゃ…!」




……『はに゛ゃ』?




「はうぅ〜…」


「ど、どうした…?」


「し…舌噛んだ〜…!幽霊の時は噛んでも痛くなかったのに〜…!」




…バカだ。


てか、幽霊って舌噛むことあるの?




「痛いよぉ〜…」


「慌ててしゃべろうとするからだよ。ゆっくり落ち着いてから話せ。」


「…うん。……………………………ところでさぁ……」


「…ん?どうした?」




 




 




 



「…どうしてボクはこんな所にいるの?」


「!?」




え…!?


そ、その一人称はまさか…!?




「お、お前…!もしかしてスイレンか!?」


「…?そうだよ?」




もしかして舌を噛んだ痛みで目が覚めた!?


ユ、ユリは!?


昼間じゃ姿が見えないからわからん…!




「教室で寝てたはずなのにいつの間にかキミと二人きり…しかも舌が痛い…これは一体どういうことなの?」


「い、いや…その…それは…!」




こ、これは話してもいいのか!?


他に言い訳も考えつかないし、正直に話した方が楽なんだけど…


…でもそうなったらユリが機嫌悪くなってテストの時に協力してくれなくなるかもしれない…!


う〜ん、悩む…!




「…どうしたの?教えてくれないの?もしかしてキミ…意識のないボクに変なことしてたんじゃ…!?」




んなわけあるかっ!!


変なことしてたのは俺じゃなくてユリだ!!




「でもボクに言えないようなことしてたんでしょ?」


「言えないというか…お前にとっては聞かない方がいい話かもしれないぞ?」


「…何それ?」




幽霊に乗り移られてたなんて、そんなこと知ったら気絶しちゃうんじゃない?


そうなったらまたユリに乗り移られるぞ?




「…まぁいいや。どうせこの教室にも隠しカメラは設置してあるから…後で確認させてもらうよ。」




さらっととんでもないこと言ってねぇか!?


それ、犯罪じゃね!?




「ほら、どうせバレるんだからさっさと白状しちゃった方がいいんじゃない?」


「…わかったよ。そのかわり、叫んだり気絶したりするなよ?」


「…?」




…一応警告はしたからな?


後で後悔するなよ?






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    説明中…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「…というわけだ。」




…あらかた説明し終えたけど……



…気絶するに一票…








「…なるほどねぇ。ユリさんがボクにねぇ…」




…あれ?


意外と冷静?




「意外と冷静なんだな。てっきり気絶すると思ってたんだけど…」


「どうせ夢だもん。…それにしても、夢の中とはいえそんなこともあるんだねぇ……」




…あ、現実逃避してただけか。




「…スイレン、夢だと思うなら自分のほっぺをつねってみろ。」


「…やだ!そんなことしなくてもここは夢の中だってわかってるからいいの!!こんなの現実にあっていいわけないんだから!!」


「…認めたくないのはわかるけど、これは現実で…お前は実際にユリに……」


「それ以上は言わないでぇーーっ!!」



《…ダッ!!》




…あ、逃げた。


まぁ、自分が幽霊に乗り移られたなんて認めたくないよな…



…………。



…自暴自棄にならなきゃいいんだけど… 




「…さて、これ以上ここにいてもしょうがないし、俺も教室に戻るかな…」




…授業をサボる口実も無くなっ…あ、いや…なんでもないよ?


気にしないでくれ。










〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【教室】



「よぉ恭也。今までどこに行ってたんだ?」


「ん…?あぁ…」




…大地か…


スイレン(ユリ)に呼び出されたなんて言ったらうるさそうだな…


適当にごまかしておくか。


どうせ大地だし、いいだろ。



…よい子のみんなはこうやって差別するのはダメだからね?


決して真似しないように。




「…ちょっとトイレにな。」


「そうか…。そんなことより、お前に言わなくちゃいけないことがあるんだ。」




『そんなことより』って言うくらいなら聞くなよ…




「なんだよ?もうすぐ授業が始まるんだから手短に……」


「悠希がお前を捜してたぞ。」




それを早く言えっ!!


アイツが短気なの知ってるだろ!!


俺がどうなってもいいと言うのか!?


俺たちは親友じゃなかったのか!?



…さっきの対応?


そんなの知らん!




「や、やばい…!早く謝りに行かないと…!大地っ!悠希はどこに行った!?」


「悠希なら……」


「…あぁ、こんな所にいたのね?」


「!?」




こ、この声は…!!




「ゆ、悠希…!?ち、違うんだ!何が違うかは知らないけど、とにかく違うんだ!とりあえず落ち着いてくれ!」


「…何慌てるの?私は十分落ち着いてるわ。そんなことより、言いたいことがあるの……」




…あ、ダメだこれ。


『無駄な手間をかけさせないでよっ!!』とか言われて殴られるパターンだ……


今回は俺のせいじゃ無いのになぁ……


せめて昼休みくらいまでは元気な状態で過ごしたかった…



そういうわけでみなさん、また次回……




 




 




 



「…今度はこの子の体に乗り移ったの♪これで授業中もこっそりおしゃべりできるね♪」




ユリ再臨!?

今回、ユリさんが人に乗り移ることを覚えたようです。


これってどんどん悪霊に近づいていってるような…?


あ、補足ですが最後に乗り移られていた悠希は教室で寝ていたためユリに乗り移られました。



とりあえず今回はこの辺で。


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