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第100話〜合宿という名の宴会

 




【放課後:部室】



黒城:

「…というわけで、合宿を行うぞ。」




…どういうわけで?


いきなり部室に来てそんな事言われても…


ってか、お前がこの部の顧問だった事すっかり忘れてたよ。




カゲリ:

「わ〜い♪合宿合宿〜♪」


ヒカリ:

「えっと…何でいきなりそんな事を…?」


黒城:

「理由なんか無い。やりたいからやるんだ。…というわけで、今日の夜にここに集合な。」




ちょっと待てや!?


理由も無しにやるのかよ!?


それに今日!?


いくら何でも急すぎるだろ!?




澪:

「……合宿というより学校に泊まるだけ…?」


カゲリ:

「え〜?どうせならどっかの温泉旅館にでも行こうよ〜?」


黒城:

「そんな金は無い。行きたかったらスポンサーを見つけてこい。」


大地:

「お、女の子のためなら借金してでも…!」


恭也:

「お前の場合、最終的に内臓を売ることになりそうだからやめとけ。」


黒城:

「あと、お菓子と飲み物は持参な。何か質問あるか?」




…合宿にお菓子っているの?


ただのお泊まり会じゃないのそれ?




スイレン:

「はい!ボクも参加してもいいですか!」


恭也:

「うわっ!?お前いつからここにいた!?てか、お前は部員じゃないからダメに決まってるだろ!」


黒城:

「ん?別にいいんじゃねぇの?」


スイレン:

「やった〜♪」




アバウトだなオイ!?


楽しければいいのか!?




スイレン:

「じゃ他の人も呼んでいいですか〜?」


黒城:

「ああ、好きにしろ。ただし、お菓子等は持参させろよ?」


スイレン:

「了解!ふふふ…これは面白くなりそうだね〜♪」




…俺としては、お前が関わると怖くなるんだけど……















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【夜:部室】



スイレン:

「やった〜♪いっちばんのり〜♪……って……あれ?」


恭也:

「…残念ながらお前は二番だ。」




来てそうそうテンション高すぎるんだよ。


そんなんじゃ後半には疲れ切ってるぞ?




スイレン:

「…あれ?キミがこんなに早く来るなんて予想外だね?集合時間ギリギリまで来ないかと思ってたよ。」


恭也:

「もし俺が遅刻したらドッキリでも仕掛けるつもりだったんだろ?」


スイレン:

「あ、バレた♪」




少しは否定しやがれ!!




スイレン:

「で・も♪他の人が来るまでは2人きりだね♪何して遊ぶ?」




今からお前と遊んでたら体力無くなるわ!!




恭也:

「遊びたかったら『そいつ』と遊んでろ。」


スイレン:

「…?どいつ?」


恭也:

「そこのガラクタ。」


KYO-YA:

『ちょっと待てや!?ガラクタって俺のことか!?上等だ!かかってきやがれ!』


スイレン:

「…あ〜、そういえばこんなのあったね。」


KYO-YA:

『俺をモノ扱いするな!!俺にだって人格あるんだぞ!?』


恭也:

「もともと俺の人格だろ。ほらスイレン、声を変化させるなり、顔に落書きするなり、好きにしていいぞ。」


スイレン:

「どっちかというと本物にやりたい♪」




俺!?




恭也:

「ふざけんな!たまにはそっちをイジメろ!!」


KYO-YA:

『いいぞ!やっちまえ!』


スイレン:

「ほら、彼もこんなこと言ってるし♪」




お前はKYO-YAの味方かよ!?


くそっ!!


俺の味方はいないのか…!?


もうすぐ時間だからそろそろ誰か来るはず…!


早く誰か来て〜っ!!








澪:

「……恭也君には執事の服が似合うと思う…」




明らかに味方になってくれなさそうなヤツが来ちゃったーっ!?


ってか、来ていきなりの発言がそれ!?




スイレン:

「いや、彼には面白い格好をさせなくちゃ。」


澪:

「……格好いい方がいい…」


恭也:

「…KYO-YA、今までの事謝るから助けてくれない?」


KYO-YA:

『…いや、さすがにかわいそうだから助けてやりたいけど、俺じゃどうしようもないし…』




少しは努力しろよ!


そうしたら対象がお前に移るかもしれないのに…!



…あ、対象が移る可能性があるから頑張ってくれないのか?






《ドドドドド…!》



スイレン:

「…ん?」


澪:

「……誰か来た…?」






カゲリ:

「…ハァハァ…ゴッメ〜ン!遅刻しちゃった〜!」


ヒカリ:

「カ…カゲリちゃ…ゼェゼェ…ま…待って…ゼェ…ま…まだ時間じゃないですから…」


スイレン:

「…あ〜あ、カゲリはともかく、ヒカリまで来ちゃったらダメだね。」


澪:

「……残念…」




助かった!!


ヒカリありがとう!!


感謝するぜ!!


別に何もしてないけどね!




カゲリ:

「あれ…?でもヒカリが早くって言うから…」


ヒカリ:

「ま…待ち合わせには早く行くのが常識ですが……な…何もここまで急ぐ必要は……」


恭也:

「…おい?死にかけてないか?」


ヒカリ:

「だ、大丈夫です…。す…少しだけ休ませてください…」


悠希:

「全く…アンタも少しは体力つけた方がいいわよ?」


恭也:

「…お?悠希も緋乃姉妹と一緒に来たのか?」


悠希:

「別に。走ってたカゲリを見つけたから競争しようとしてたのよ。…でも、ヒカリを置いていくのもかわいそうだから2人の中間くらいを走ってきたのよ。」


スイレン:

「ま、まさかキミにそんな優しさがあったなんて…!」


悠希:

「よし、今すぐ私の前に歯を食いしばって立ちなさい。」


スイレン:

「ごめんなさい。」


澪:

(……言わなくてよかった…)




…なんかすでに騒がしくなってるんだけど…


これ、全員そろったらどうなるの?


俺、ツッコむ余裕あるかな…?


てか、後来てないのは大地と黒城だけか…?




恭也:

「…そういえば、他に誰か呼んだヤツいる?」


カゲリ:

「私たちは誰も呼んでないよ?」


悠希:

「私もよ。」


スイレン:

「ボクは悠希と…あ、いや!悠希だけだよ!」




ちょっと待てお前!


絶対に悠希以外も呼んだろ!?


誰だ!?

誰を呼んだ!?




澪:

「……私は被害者役をもう一人…」




澪!?


お前も誰か呼んだの!?


しかも被害者役って…


…一応聞いておくけど、俺も被害者役の内の一人なのか?




悠希:

「へぇ…アンタが誰かを呼ぶなんて珍しいわね。誰を呼んだのよ?」


澪:

「……クラスメートA君…」




クラスメートA!?


いや、アイツは呼ばなくてもいいだろ!?




悠希:

「クラスメートA?あんなヤツ呼ばなくてもいいじゃない。」


スイレン:

「別に仲良しってわけじゃないからね。」


カゲリ:

「なんか…話しかけにくいし…」


澪:

「……でも……………………………もう来てるよ……?」


みんな:

『…へっ?』


クラスメートA:

「…………。」




…あ、本当だ。


ドアの所に立ってた。




クラスメートA:

「あ…そ、その…お、俺邪魔みたいだから帰るわ!」


恭也:

「あ!ク、クラスメートA!」



《…ダッ!》



スイレン:

「…あ、行っちゃった。」


悠希:

「ま、行っちゃったものは仕方ないわね。」




いや、他人事のように話してるけど、アイツが帰ったのはお前らの発言が原因だからな?


少しは罪悪感を感じろよ…






大地:

「みんなお待たせ!俺が最後だったのかな?」


悠希:

「誰もアンタなんか待ってないわよ。」


大地:

「ひどっ!?…ところで、今クラスメートAが『俺の名前はクラスメートAじゃなーい!!』とか言って走っていったけど…何かあったのか?」


恭也:

「…気にするな。」 




…まだ名前で呼ばれない事気にしてたんだな。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



黒城:

「…お?全員そろってるな?」


ヒカリ:

「やっと先生が来ましたね。」


カゲリ:

「先生、遅いよ〜。」


黒城:

「文句なら教頭に言え。あのヅラ野郎、こんな時にまで説教しやがって…!」




説教されるようなことをしている方が悪いと思う。




悠希:

「他の先生方もまだ残ってるんですか?」


黒城:

「ん?イグアナ女もいたのか?まぁ、何人かはまだ残ってたが……一応言っておくけど、アイツらを呼びに行くなよ?邪魔だから。」


悠希:

「…は〜い…」




何だその『ちっ』って顔!?


もしかして呼びに行く気だった!?




恭也:

「…あのなぁ、他の先生方まで呼んだら大変なことになるぞ?」


悠希:

「その方が面白いじゃない。」




面白くねぇよ!!




???:

「そうそう、何事も面白いのが一番よね♪」


恭也:

「!?」




こ…この声は…!?






加賀:

「…というわけで遊びに来たわよ〜♪」


恭也:

「か…加賀先生…!?」


ヒカリ:

「な、何で…!?」


黒城:

「…帰れ。」


加賀:

「あら?私は呼ばれたからここに来たのよ?それなのにすぐに追い出すの?ひどい人ね〜…」


黒城:

「…あ?」




…呼ばれた?


誰に…?



…………。




恭也:

(…チラッ)


スイレン:

「〜♪」




アイツだ!!


絶対にスイレンの仕業だ!!




加賀:

「それに呼ばれたのは私だけじゃないわよ?」


佐村:

「そう!拙者も呼ばれたのだ!!」


小松:

「私も〜♪」


ジョームズ:

「HAHAHA〜!!ワタシもですヨ!」


教頭:

「…招待されたからには来なくてはいけないので…」


黒城:

「おい!!コイツら呼んだヤツ名乗り出ろっ!!」


スイレン:

「彼です!!」


大地:

「え!?俺!?」


黒城:

「テメェかぁーっ!!」


大地:

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっっ!!!!?」




…ひでぇ…


自分の罪を人になすりつけやがった…




恭也:

「…お前最低だな。」


スイレン:

「そんなことないよ?先生方を呼ぶ前に彼に聞いてみたら『呼んでもいいんじゃない?』って言ってたんだから。彼がそう言ったから呼んだんだよ。だから間接的に彼が呼んだみたいなもんだよ。それに、女の子の身代わりになれたんだから彼も本望に違いないよ。」




…トラウマになるかもな。


これで少しはマトモになってくれるといいんだけど…




カゲリ:

「さすがスイレン!ずる賢い!」


スイレン:

「はっはっはっ!どんなもんだい!」


恭也:

「いや、ほめられてないから。」


カゲリ:

「そんなスイレンに教えてほしいことがあるんだけど…ちょっと隣の教室に来てくれない?」


スイレン:

「うん、いいよ♪」


恭也:

「…おい?変なこと教えるなよ?」


スイレン:

「大丈夫、大丈夫♪心配しなくてもいいよ♪」




信用できねぇ…




澪:

「……行かせちゃってよかったの…?」


恭也:

「どうせ俺には止めれないもん。…ところで、大地はどうなった?」


澪:

「……チョークが額に直撃…」


恭也:

「…まぁ、アイツなら女子が声をかければ復活するから大丈夫か。」


カゲリ:

「ねぇねぇ、今レイが言った『《チョーク》が《ちょく》撃』ってダジャレ?」


恭也:

「そんなわけないだろ。ただの偶然……」




…あれ?




恭也:

「カゲリ…?あれ?お前スイレンと隣の教室に行ったんじゃないの?」


カゲリ:

「いや?私、ずっとここにいたよ?ヒカリじゃないの?」




ヒカリ…?


いや、でも話し方が…


まさかカゲリのふりして…?


…ってことは…?








スイレン(?):

『に゛ゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっっ!!!?』


カゲリ:

「な、何!?変な叫び声が…!?」


恭也:

「…アイツはもう戻ってこれないかもな。」




スイレン…安らかに眠ってくれ。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



黒城:

「…あ〜、すでに相当騒がしいが、これから合宿と言う名の宴会を行う。各自持ってきたものを出せ。」



澪:

(……ついに合宿じゃないことを公言しちゃった…)


恭也:

(…てか、他の先生方も参加すること認めたのか?)


悠希:

(加賀先生がこっそりお酒を持ってきてたみたいよ。それで参加を認めたんじゃない?)


カゲリ:

(え〜!酔っ払いヤダ〜…)




酔っ払いにからまれないように気をつけないとな…



…それより…






恭也:

「…大丈夫か?」


スイレン:

「……ぐすっ……ひっく…」




泣いちゃってる!?


ヒカリに何されたの!?




恭也:

「…ヒカリ?コイツに何したの?」


ヒカリ:

「ちょっとお仕置きを…。詳しい事は聞かない方がいいですよ?聞いたらきっと後悔しちゃいますから。…ね、スイレンさん?」


スイレン:

「ひぃっ!!?」




あ、あのスイレンにトラウマを植え付けるなんて…!?






恭也:

「…で、お前は何やってんの?」


大地:

「いや…目が覚めたらすでにこの状態で…」


ヒカリ:

「ほら、ケガしてるんですから動かないでください。」


大地:

「…というわけ。」




…ヒカリに動かないように言われたからそのままってか?


まぁ、確かにケガ人はあまり動かしちゃダメだけど…お前の場合は大丈夫なんじゃない?



それに……






恭也:

「…だからって膝枕してもらわなくても…」


ヒカリ:

「いいんですよ。大地さんはいつもヒドい目にあってますから、たまには労ってあげないと。」


大地:

「ヒカリ…」




…あれ?


ここにそいつ以上にヒドい目にあってる人がいるんだけど、労ってもらったこと無いよ?


おかしくない?




カゲリ:

「…後で肩揉んであげようか?」


恭也:

「カゲリは優しいなぁ…。」


スイレン:

「じゃボクはムネ揉ませてあげようか♪キャー!エッチー!…なんちゃって♪」




うぜぇ…!


お前さっきまで泣いてただろ!!


まだ元気にならなくていいから泣いてろ!!






黒城:

「…おーい?そこ、うるさいぞ?チョーク投げられたくなかったら黙っとけ。」


佐村:

「まぁまぁ、こういう時くらいはいいではないか。」


加賀:

「そうよ。さっさと始めないアナタが悪いのよ。私は早くお酒飲みたいんだからさっさとしなさいよ。」


教頭:

「お、お酒…!?」


加賀:

「…あ、ヤバッ!バレちゃった!」


黒城:

「このバカ!!」


教頭:

「あなた達は何を考えてるんですか!?生徒たちの前でお酒を飲もうだなんて!!そんなんだから……ごぷっ!!?」


小松:

「は〜い♪無礼講、無礼講♪細かい事は飲んで忘れちゃいましょ〜♪」


黒城:

「よくやった!とりあえずヅラを潰すぞ!!酒持って来い!」


ジョームズ:

「了解デ〜ス!」 




…なんかヤバい状況になってきてない?


教頭が酔いつぶれたら誰も先生方を止めれないし…



…今の内に逃げた方がいいのか?




恭也:

「…俺、ちょっとトイレ行ってくる。」


澪:

「……逃げる気…?」


恭也:

「そ、そんなことない!ちゃんと戻ってくるよ!」




…しばらくしてからだけどね。




澪:

「……私も行く…」


恭也:

「え゛っ!?」


澪:

「……ダメ…?」


恭也:

「い、いや…そういうわけじゃないけど…」


澪:

「……じゃ行こ…」




いや…澪が一緒に来たら逃げれないじゃん…!


お前も酔っ払いにからまれたくないだろ?


だったら見逃してくれない?



…あ、それとも一緒に逃げるつもり?




澪:

「……悠希さん、すぐ戻ってくるからそれまでミョージンをお願い…」


悠希:

「仕方ないわね。まぁ、イグの遊び相手になるからいいけどね。」




戻ってくるの!?


俺はやだよ!?


戻るなら一人で戻ってきてね!?




スイレン:

「…ん?二人でどこかに行くの?じゃボクも…♪」


ヒカリ:

「…また何か企んでるんですか?」


スイレン:

「ひっ!?な、何も企んでないよ!?」


ヒカリ:

「あなたは何をするかわかりませんからね…。カゲリちゃん、スイレンさんを見張っててくれませんか?」


カゲリ:

「リョ〜カイ♪」


スイレン:

「ボクの自由が…」




…次からスイレンにイジメられたらヒカリに相談することにしよう。















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



【トイレ前】


スイレン:

「…な〜んだ、ただのトイレか。つまんないの…」


恭也:

「つまんないなら帰れ。」


スイレン:

「…みんなボクに対して冷たい…」


澪:

「……悪い事ばかりしてるからじゃ…?」


スイレン:

「うぐっ!?ひ、否定できない!?」


カゲリ:

「イタズラも程々にしないとね。」


スイレン:

「…じゃほんの少しだけガマンしようっと。」




ほんの少しだけじゃなく、もっとガマンしろ!!




恭也:

「…それじゃ俺行くけど、待つのがイヤなら先に戻ってていいから。ってか、戻っててくれ。」


カゲリ:

「待ってる♪」


スイレン:

「仕方ないから待っててあげるよ。」


澪:

「……待つのが当たり前…」




…逃がしてくれるつもりは無いか…


本人たちにとっては親切にしてやってるつもりなんだろうけど、今はその優しさはいらないな…


また今度優しくしてくれない?









============



…さて、どれくらい時間が稼げるかな…?


酔っ払いたちの所には帰りたくないからな…


せめて酔いつぶれてくれるまでここにいれたらいいんだけど……



…どう考えても無理だよな。



う〜ん…


とりあえず、アイツらが声をかけてくるまではここにいても大丈夫かな…?


まさか男子トイレの個室の中を覗きに来るわけないだろうし……








《ジ〜〜〜〜…》



覗くわけ…ないよな?


でも…上から誰かの視線を感じるような…?


まさか…ね…?




《…チラッ》




???:

『…あっ、やっと気づいてくれた♪』


恭也:

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!?」


???:

『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっ!!?』




ま、まま…まさか本当に誰かいるなんて…!?


の…覗き!?


男子トイレを覗きなんて聞いたこと無いぞ!?




???:

『な、何!?ビックリした…!?』


恭也:

「…ん?その声は…」




この声…割と最近聞いたことがあるような…



…あれ?


いつの間にかいなくなってる…?




???:

『え?私のこと、もう声でわかるようになったの?嬉しいなぁ♪』


恭也:

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!?か、壁から顔がっ!!?」


???:

『…な〜んだ、聞き覚えがある程度か…。まぁ、それでも忘れてるよりはいいけどね。…それより、また2人でゆっくりとおしゃべりしない?』




おしゃべり…?


そしてこの非現実的な現象……



…まさか…




恭也:

「…もしかして、1−Fの幽霊?」


幽霊:

『正〜解♪…いい加減に名前くれない?』




それは俺に言うな!


澪に頼んだんだから澪に言え!




恭也:

「な、何でお前が男子トイレに…?」


幽霊:

『さっきあなたがトイレに入っていくのを見たからついてきたの♪2人でゆっくりおしゃべりするのに、他の人がいたら邪魔になるもん。ここなら邪魔な人は来ないでしょ?』


恭也:

「トイレでおしゃべりかよ…」


幽霊:

『だって全然遊びに来てくれないんだもん…。私、寂しかったんだよ…?』


恭也:

「いや…だって…その……よ、夜の学校に来るのは…やっぱり怖いというか…」


幽霊:

『…幽霊と普通に会話してるのに?』


恭也:

「お前はいい幽霊だけど、この学校には変な幽霊が多いだろ?」


幽霊:

『あ〜、確かにそうかもね。…それなら、私があなたの家に行けばいいのかな?』


恭也:

「それはやめてくれ。…てか、お前この学校から出れるの!?」


幽霊:

『もちろん♪私は別にこの学校に未練があるわけじゃないからね。どこにでも自由に行動できるよ。ただ、あまりしつこくつきまとったら嫌われるでしょ?…だからあなたが来てくれるのをずっと待ってたのに…』


恭也:

「…ゴメン。」


幽霊:

『いや、別にいいんだけどね。それより、今日もおしゃべりしてくれる?』




いや、今日はお前とおしゃべりする余裕は……



……………。



…そうだ!


またコイツに捕まったことにしたら戻らなくてもいいんじゃ…!




恭也:

「そうだな…。またあの教室でならゆっくりとおしゃべりできるな。」


幽霊:

『あ〜…、今はあの教室使えないの。ゴメンね。』


恭也:

「え!?何で!?」


幽霊:

『説明すると長くなるけど……あの教室はもともと私とは別の幽霊なの。つまり、教室自体が1体の幽霊ってこと。何の未練があってそんな幽霊になったのか知らないけどね。…幽霊ってよりは妖怪なのかな?まぁ、同じようなモノだから幽霊ってことにしておくね?…で、《1−F教室の女の子》ってのはもともと私とその教室の2体の幽霊の怪談なの。私はただその場所を借りてただけなの。普通の人はそんなこと知らないからそういう怪談になっても仕方ないんだけどね。そして、何で今日その教室が使えないかと言うと…黒板に落書きしてたら怒られて追い出されちゃった♪』




相変わらず話が長ぇ!!


そして理由がくだらねぇ!!




恭也:

「…えぇい!なら屋上でどうだ!?」


幽霊:

『あ、やっぱり2人で話すよりみんなで話した方が楽しいかな?今、あなた方の部室にみんな集まって何かやってるんでしょ?私頑張って姿見えるようにするからそこでみんなで楽しくおしゃべりしましょ?』




人の話を聞けっ!!


それに俺はあんな所に戻るのは絶対にイヤだ!!




恭也:

「あそこに行くのはやめた方がいいぞ?酔っ払いがいるからマトモにおしゃべりできるような場所じゃないぞ?」


幽霊:

『大丈夫!見た目は高校生でも、死んでからの年数も含めて20歳は過ぎてるから♪』


恭也:

「そういう問題じゃねぇ!!てか、飲む気かお前!?飲めるの!?」


幽霊:

『飲めるよ。お酒は飲んだこと無いけどね。』




…幽霊もお酒飲んだら酔っ払うのかな…?


少し気になるけど、飲ませたら厄介なことになりそうだから飲ませないようにしないと…








スイレン:

『…お〜い?さっきから声が聞こえるけど誰かいるの?』


幽霊:

『…あっ、あなたの友達の声じゃない?』


恭也:

「…そうだな。」




…さすがにここまで騒いでたら廊下まで聞こえるよな…


時間稼ぎもこれ以上はムリかな…… 




恭也:

「そろそろ戻らないと…。本当にお前も来るのか?」


幽霊:

『もちろん♪たくさんおしゃべりできそうだもん♪』


恭也:

「…どうなっても知らないからな?」


幽霊:

『大丈夫!いざとなったら姿を消せばいいだけだから!』




…俺みたいに見えるヤツがいたらどうするんだよ?




幽霊:

『それに澪ちゃんもいるんでしょ?澪ちゃんならきっと名前考えてきてくれてるよね?楽しみ〜♪どんな名前かな〜♪かわいい名前ならいいな〜♪』


恭也:

「澪ならすぐそこの廊下にいるけど?」


幽霊:

『ホント!?それなら早く行こうよ!先に行ってるね♪』


恭也:

「あっ!ちょっと待て!幽霊が苦手なヤツもいるから、姿を見せる時はそっと…!」











スイレン:

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっっ!!?』




…手遅れだったか。


まぁ、スイレンだから別にいいけどね。



…さて、そろそろ俺も行くか…














============


【トイレ前】



スイレン:

「あ、悪霊退散!成仏して〜!」


幽霊:

『いや…あの…私、悪霊じゃないし…』


スイレン:

「何でもいいからこっちに来ないでよーっ!!」




…この前、普通に幽霊と話してたから少しは慣れたのかと思ったら…どうやらあの時はただヤケクソになってただけみたいだな…


相変わらず幽霊は苦手か……




幽霊:

『私、嫌われてるのかな…?』


恭也:

「いや、単純に怖がってるだけだから気にするな。」


幽霊:

『怖がらなくてもいいのに…』


スイレン:

「幽霊を見て怖がらないはずが無いじゃん!」


カゲリ:

「私は怖くないよ?他のユーレイは怖いけど、このユーレイは普通だもん♪」


澪:

「……少し怖いけど、そこまで怖がる程じゃない…」


スイレン:

「みんなおかしくない!?」




俺の場合、幽霊よりお前らの方が怖いと思うんだけど?


お前らを基準にしたら幽霊なんか怖くない。




幽霊:

『ところで澪ちゃん、私の名前考えてきてくれた?』


澪:

「……まだ…今はたくさんの候補の中から5つの最終候補に絞ってるところ…」


幽霊:

『け、結構マジメに考えてくれてたんだ?』


澪:

「……名前は大事なモノなんだから簡単に決めちゃダメ…」




確かにそうかもしれないけど、名前が決まるまでコイツの名前は『幽霊』のままなんだぞ?


早く決めないと『クラスメートA』みたいに固定しちゃうかもしれないから気をつけろよ?




カゲリ:

「ユーレイさんも一緒に来るんでしょ?」


幽霊:

『もちろん♪参加してもいいんでしょ?』


カゲリ:

「いいんじゃない?関係ない人も結構参加してるし。騒ぐなら人が多い方がいいもんね♪」




参加人数が多くなれば被害者も増える事を忘れるなよ?




幽霊:

『え?多い方がいいの?それなら呼んできてあげようか?』


恭也:

「待て待て待て!?誰を呼ぶつもりだ!?幽霊は呼ぶなよ!?」


スイレン:

「幽霊反対!!絶対反対!!断固反対!!」


幽霊:

『大丈夫、さっき見かけた普通の人間だから。あの人たちも誘ってあげたら?』




…幽霊じゃないならいいけど、この時間に用も無く学校にいるヤツが普通だと思うか?


一体どこの誰だよ?


…まさかクラスメートAとか言わないよな?




澪:

「……その人はどこにいたの…?」


幽霊:

『屋上で木刀振り回してたよ。ちなみに2人いたね。』


恭也:

「…そいつら呼ぶのやめない?」


澪:

「……賛成…」


幽霊:

『え!?何で!?知り合いなの!?』




まず間違いなく赤樹と千秋だろ!!


アイツら、この時間まで修行してんの!?


せめて帰ってからにしろよ!




スイレン:

「あの2人がいたとは…面白いことになりそうだね♪」


恭也:

「…おい?お前、何を考えてる?」


スイレン:

「あの2人を呼んだら面白いことになりそうじゃない?」


恭也:

「赤樹と黒城が仲悪いの知ってるだろ!?教室が破壊されるぞ!?」


カゲリ:

「教室が破壊されたら学校休みになるのかなぁ…?」


恭也:

「…止めはしないけどね。」


スイレン:

「じゃ、呼んでくるね〜♪」



《タタタタ…》



幽霊:

『あっ、本当に行っちゃった…。幽霊は怖いのに、夜の学校を1人で行動するのは怖くないのかな…?』




いや、今は恐怖心より好奇心の方が強いだけじゃないか?


冷静になると怖がると思う。




澪:

「……行かせてもよかったの…?」




どうせ止められないからいいんじゃない?


決して『休み』って言葉に反応したわけじゃないからね。


そこの所は勘違いしないように。




恭也:

「…じゃ俺たちは先に教室に戻ってるか。」


カゲリ:

「ここにいてもしょうがないもんね。」


幽霊:

『楽しみ〜♪みんなとたくさんおしゃべりできるかな?』




俺の予想では、幽霊が出たことによって教室の中がパニック状態になると思うんだけど…



…大丈夫なのかな?















〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


【部室】



黒城:

「テメェ!それは俺の酒だぞ!」


加賀:

「別にいいじゃない。お酒はまだまだたくさんあるんだし。」


佐村:

「せ…拙者はもう飲めん…!」


教頭:

「…………。」


小松:

「教頭先生〜?寝てるんですか〜?それとも死んでるんですか〜?」


ジョームズ:

「HAHAHAHAHA!HA〜HAHAHAHAHA!!HAHA…!」


黒城&加賀:

『そこのうるさいヤツ!!黙れ!!』


ジョームズ:

「GYAAAAAAAAAーーー!!?」




……………。


何この酔っ払い集団?


俺たちがトイレに行ったのって数分前だよ?


あの時はまだ飲んでなかったよね?


どんなペースで飲んだらこの短時間でこんな風になるんだよ…? 




ヒカリ:

「…あ、戻ってきたんですね?」


恭也:

「…戻って来たくなかったけどね。」


カゲリ:

「うわぁ〜…みんな酔っぱらってる…」


澪:

「……お酒臭い…」


幽霊:

『酔っぱらってたらマトモにおしゃべりできないよ…。これは私も酔っぱらって仲間に加わるべき?』


恭也:

「やめろって。あっちのグループに加わるのは危険だぞ?」




…まぁ、スイレンが赤樹たちと一緒に戻ってきたらこの教室自体が危なくなるんだけどな。




幽霊:

『じゃ酔っぱらってない人たちと一緒におしゃべりしよ♪』


大地:

「…ところで恭也?この人は誰なんだ?俺が知らない女の子はいないはずなんだけど…?色白というか…透けてるようにも見えるような…?」


ヒカリ:

「…というか浮いてませんか?」




あっ、ヒカリと大地は初対面か。




幽霊:

『はじめまして♪私はこの学校にいる幽霊なの。名前は今澪ちゃんに考えてもらってるから、決まるまでは好きに呼んでもいいよ。好きなことはおしゃべり♪飽きるまでずっと話し続けるよ。飽きることなんて無いと思うけどね♪嫌いなことはあまり無いかな?また前みたいに孤独になること以外は無いと思う。そうそう、私は昼間も行動できるからあなたたちのことは知ってるよ。大地君とヒカリちゃんでしょ?あれから何か進展あった?』


ヒカリ:

「え!?え!?幽霊!?し、進展って…!?もしかして見てたんですか!?」


恭也:

「…ん?何かあったのか?」


ヒカリ:

「な、何も無いですよ!!そうですよね!?大地さん!?」


大地:

「いくら女の子とはいえ幽霊はちょっと…いや、幽霊の女の子とも仲良くしなくちゃ真の『女性の味方』には…!」


幽霊:

『聞いてないみたいだけど?』


ヒカリ:

「と、とにかく!私たちはただの友達です!」


澪:

「……今はね…」


ヒカリ:

「余計なことは言わないでください!」




…澪も知ってるの?


なんか俺だけ仲間外れにされてるみたい……








???:

「恭也っ!!」



《ガバッ!》



恭也:

「うぉっ!?」




な、何だよ急に!?


危ないから後ろからいきなり飛びかかってくるなって…!


…ってあれ?




恭也:

「ゆ、悠希!?」


悠希:

「何驚いてんのよ?アンタ、これと同じこといつもカゲリにやられてるじゃない。」




確かにそうだけど、お前にやられたことは無いぞ!?


お前がこんなことをするなんて…!?



…………。



…もしかして……




恭也:

「…悠希、ちょっと息をはいてみろ。」


悠希:

「いいわよ。ハー…」


恭也:

「…!?酒臭いぞ!?もしかしてお前お酒飲んだのか!?」


悠希:

「お酒ぇ?そんなの飲むわけないじゃない。私が飲んだのは加賀先生に勧められたジュースだけよ。」




それがお酒だ!!


あの先生に勧められたモノを飲むな!!


危険だと思わなかったのか!?




悠希:

「ほら、アンタにも分けてあげるわよ。」


恭也:

「いらん!てか、これ以上飲むな!そしていい加減に俺から離れろ!」


悠希:

「む…。何よ。たまにはこうしてくっついてたっていいじゃない。普段はこんなことできないんだし…」




普段こんなことしてないから怖いんだよ!




恭也:

「だ、誰か…!」


カゲリ:

「さ、さてと…KYO-YAで遊ぼうかな?」


澪:

「……ミョージンの様子でも見に行こう…」


幽霊:

『それでね、その時に……』


ヒカリ:

「へぇ…そんなことがあったんですか?」


大地:

「ふんふん、なるほど……」




お前ら!!


俺を見捨てるな!!


確かに酔っ払った悠希に立ち向かうのは怖いけど、少しは助けようとする素振りを見せてくれてもいいんじゃない!?


てか、後半の3人打ち解けるの早ぇよ!




悠希:

「恭也…」


恭也:

「ひぃ!?」




な、なんかさっきより密着してきてませんか!?


せ、背中に何か柔らかいモノが…!?


もうこれ完全に抱きついてきてるよね!?


悠希に抱きつかれると怖いんだけど…!


ま、まさか絞め殺されたりしないよな…!? 






スイレン:

「…そこの2人、何やってるの?」


恭也:

「…ス、スイレン!?」




もう戻ってきたのか!?


ちょうどいい!


悠希を引き剥がすのを手伝ってくれ!




悠希:

「…あら?スイレンじゃない。アンタもジュース飲む?」


恭也:

「だからそれはジュースじゃないって!!」


スイレン:

「う〜ん…。赤樹と千秋を連れてこなくても面白い展開になってたのか…」


恭也:

「面白くねぇ!!…ってあれ?その2人の姿が見えないけど…?連れてきたんじゃないのか?」


スイレン:

「ん?赤樹がボクたちの所に来ると思う?」




あ、断られたの?


それはそれでいいんだけど……






スイレン:

「まっすぐ黒城先生の所にケンカ売りに行ったよ。」




来てるんじゃねぇか!!


俺たちと関わる気が無いだけかよ!?


それならそうとちゃんと説明しろ!!






赤樹:

「黒城!!今日こそテメェを消してやる!!」


千秋:

「いざ正々堂々と勝負ッス!!」




…うわ、本当にいた。


酔っ払いにケンカ売るなよ…




黒城:

「…ん?ああ、誰かと思ったらお前らか。お前らも飲むか?」


赤樹:

「ふざけんな!さっさと表に出ろ!!」


千秋:

「酔っ払ってても容赦しないッスよ!」


黒城:

「…まぁ、お前とケンカするのもいいが、今は金欠でな。武器チョーク持ってないぞ?それでもケンカすんのか?武器も持ってない相手に勝って嬉しいか?」


赤樹:

「…ちっ!クズ教師め…!」




スイレン:

「…あれ?ケンカしないの?つまんないの…」


恭也:

「え!?それじゃ、『教室が破壊されて学校が休みになる』という計画は!?」


スイレン:

「…キミ、そんなこと考えてたの?」




はっ…!?


つい本音が…!?


い、いいじゃん!


学校が休みになればいいのになぁ…って思うのは全国の学生の共通の願いだぞ!?




スイレン:

「仕方ないなぁ…。せっかくだから千秋をからかって遊ぼうかな?いや、赤樹が近くにいるから危ないか…。でも、そのスリルを味わいながらっていうのも……」


恭也:

「…変な計画を練らなくていいから、この酔っ払い引き剥がしてくれない?」




このまま放っておいたらずっとくっついてそうだし…




悠希:

「…何?恭也は私のこと嫌いなの?」


恭也:

「い、いや…!そういうわけじゃないんだけど…!何というか…いつまでもこのままじゃ恥ずかしいというか…!」




いつ絞め殺されるかわからないというか…




スイレン:

「せっかくだから写真撮っておく?」


恭也:

「やめろ!!酔いが覚めたら殺されるぞ!?」


澪:

「……脅しになると思ったけど…確かに危ないから削除しておこう…」


恭也:

「澪!?もしかして撮ってたの!?いつの間に!?」


悠希:

「…もし削除してなかったら死ぬより辛い目にあわせてあげるわ。」


スイレン:

「怖っ!?」


澪:

「……ちゃんと削除したからそんなに怒らないで…」


悠希:

「よし…それじゃ、もうしばらくこのままでもいいわね。」


恭也:

「は!?な、何で…」


悠希:

「文句あるの?」


恭也:

「ありません!!」




怖ぇよ!?


悪霊にとり憑かれてるような気分なんだけど!?






千秋:

「…そっちはそっちで何やってるんスか?」


恭也:

「…コイツに聞いてくれ。てか、助けてくれない?」


赤樹:

「千秋、そんなヤツらほっとけ。さっさと行くぞ。」


千秋:

「あ、はいッス!」




見捨てんな!!


お前らは黒城とケンカする以外に俺たちと関わる気無いのか!?


千秋だけでもいいから少しは仲良くしようぜ!?


赤樹はいらん!




スイレン:

「あれ?もう行っちゃうの?一緒に盛り上がろうよ。ほら、お菓子もあるよ?」


赤樹:

「黒城の野郎がいる教室になんかいたくねぇよ。」


千秋:

「あ、お菓子だけはもらっていくッスね。」



《…ゴンッ!!》



千秋:

「……〜〜っっ!!?」




…千秋って意外とおちゃめ?


やっぱりお前もこっちに来いよ。


俺と一緒に被害者になろうぜ?



…来るわけないか。




赤樹:

「とりあえず俺たちは帰る。もう呼ぶんじゃねぇぞ。」


スイレン:

「わかったよ。『今日は』もう呼ばない。」


赤樹:

「今後一切俺たちに関わるなって言ってんだよ!」




スイレンにそんなこと言ってもムダだぞ?


どんなに無視してもしつこくつきまとってくるから。 




赤樹:

「千秋!これ以上このクズ共に関わるな!行くぞ!」


千秋:

「り、了解ッス!!」


スイレン:

「う〜ん…せっかく呼んだのに…」


恭也:

「…黒城とケンカできなかったから怒ってんじゃないのか?」


赤樹:

「…なんならお前と戦ってもいいんだぞ?」




いや、俺は結構です。


いいから早く帰れよ。


もう俺たちと関わる気無いんじゃなかったのかよ?








悠希:

「…恭也に手を出すんなら私が相手になるわよ?」


赤樹:

「…あ?」


恭也:

「ゆ、悠希!?」




まさか俺を助けるために…!?



…いや、でもまだケンカになるような会話じゃなかったよね?


何もこっちからケンカ売るような事を言わなくても……



…まぁ、やっと俺から離れてくれたからいいんだけどね。


でもこれ以上ケンカを売るような事は……




赤樹:

「お前が俺と…?お前なんかが俺と対等に戦えると思ってんのか?」


悠希:

「そうね。アンタの方が私より格下だったわね。」




だからやめろって!!


確かに教室が壊れたらいいなぁとは思ったけど、この位置で戦われたら確実に俺も巻き込まれるから!




赤樹:

「…上等だ!女だからって手加減はしないからな!」


悠希:

「望む所よ!!」




…え!?


いや、ちょっと!?


冗談じゃなくて本気で戦う気!?




恭也:

「千秋!赤樹を止めろ!俺は悠希を止めるから!」


千秋:

「…こうなったら兄貴は止まらないッスよ。それに、神堂もその人を止める事ができないんじゃないッスか?」


スイレン:

「無駄に足掻くヒマがあったら逃げた方がいいよ〜?」


恭也:

「ってお前は逃げんの早ぇよ!?いつの間にそっち(教室の外)に行った!?」




それに教室の中にはまだ他の人がいるんだぞ!?


コイツらを置いて逃げるなんて…!!






大地:

「安心しろ!俺とヒカリはすでに逃げる準備できてるから!!」


ヒカリ:

「ほら、カゲリちゃんも早くこっちに!!」


カゲリ:

「う、うん!一応KYO-YAも連れてくね!」


KYO-YA:

『は、初めてマトモに扱われた…!』




自分たちだけ逃げる準備してんじゃねぇ!!


心配した意味ねぇだろうが!!


てか、幽霊はどこに行った!?




澪:

「……私たち、ちょうど2人にはさまれてるような…」


千秋:

「そうッスね…」


恭也:

「…これ、いつ動き始めてもおかしくないよね?」


澪:

「……私の体力なら巻き込まれたら死んじゃうかも…」


千秋:

「大丈夫ッスよ。澪さんは軽いッスから千秋が抱えて逃げてあげるッス。千秋のスピードなら多分巻き込まれないで逃げれるッスから。」




ちょっと待てや!?


つまり逃げられないのは俺だけってことか!?




澪:

「……イグやミョージンも助けてくれる…?」


千秋:

「うっ…!?は、は虫類はちょっと…!澪さんが触るんならいいッスけど…」


澪:

「……わかった…」


恭也:

「いや…あの…?俺は助けてくれないの?」


千秋:

「神堂なら何とか生き延びられるんじゃないッスか?」


澪:

「……そもそも悠希さんは恭也君を守るために戦うんだから大丈夫なんじゃない…?」




生き延びられてもケガしてちゃ意味ないだろうが!!


それに、今の悠希は酔っ払ってるんだぞ!?


絶対、俺を巻き込んでも関係なく戦い続けると思うぞ!?




スイレン:

「話してるヒマがあるなら早く逃げたら?戦い始める前なら危なくないでしょ?」


恭也:

「うるせぇ!!それを早く言え!!」


スイレン:

「ほら、そうこう言ってる間に…」


恭也:

「…へ?」






赤樹:

「…消え失せろ!」



《…ブォンッ!》



恭也:

「うぉぉっ!!?」




ちょ…!?


い、今木刀がかすって…!




悠希:

「そんなの当たらないわよ!!はぁぁぁっ!!」


恭也:

「ちょ…!?ストップ…!?あぶなっ…!?」


千秋:

「早く伏せるッス!!」


恭也:

「ひぃっ!?」



《ガッ!!》



赤樹:

「甘いんだよ!」


悠希:

「…私の蹴りを受け止めるなんてやるわね。面白いじゃない!」




面白くねぇよ!!


やっぱり俺を助けるために戦ってること忘れてるだろ!?


千秋に言われて伏せてなかったら確実に俺に当たってたからね!?




千秋:

「今の内ッス!!」


恭也:

「あっ!?置いてかないでくれ!!ここにいたら確実に死ぬって!」


千秋:

「神堂も隙を見て逃げればいいじゃないッスか!」


恭也:

「怖くて動けねぇんだよ!!」




情けないなんて言われても関係ない!!


大事なのは自分の命!


そのためならプライドなんか捨ててやる!!




千秋:

「とりあえず教室の中は危ないッスから、千秋たちは教室の外に逃げてるッスよ。」


澪:

「……頑張って生き延びてね…」


恭也:

「薄情者ーっ!!」




えぇい!


まだ希望を捨てちゃダメだ!


教室の中にはまだ先生方がいる!


先生方ならきっと…!








黒城:

「…この教室も騒がしくなってきたな。場所を変えるか?」


小松:

「いいですね〜♪二次会ですね♪」


加賀:

「酔いつぶれた人はめんどくさいから置いていきましょ。」




待てや!!


お前ら教師だろ!?


生徒が争ってるのに見て見ぬふりかよ!?


しかもそいつら(佐村・ジョームズ・教頭)置いていくな!


そいつらと心中なんかゴメンだぞ!?



えぇい!


他に助けてくれそうなヤツは…!?








幽霊:

『…あれあれ?ちょっと見ない間に大変なことになってる?』


恭也:

「あっ!お前、今までどこに行ってた!?」


幽霊:

『話せば長くなるんだけど……』


恭也:

「あ、やっぱりいいです。」




今はお前の長い話を聞いてるヒマなんて無いんだよ!




恭也:

「とりあえずこの2人を止めてくれ!」


幽霊:

『ごめんね。今は省エネモードだからアナタ以外の人に姿を見せることができないの。』




省エネモードって何!?


姿を見せたまま長々と話すからそんなことになるんだろうが!




幽霊:

『でも安心して。』


恭也:

「おっ!?もしかして何か策が…!?」










幽霊:

『もし死んじゃっても私が一緒にいてあげるから♪』


恭也:

「そういう問題じゃ…ゴフッ!!?」


赤樹:

「邪魔だっ!!」


幽霊:

『うわ…木刀がお腹に…!…痛い?』




痛いに決まってるだろうが!!


見てわかるだろ!!




幽霊:

『あっ、そのままそこにうずくまってたら危ないよ?』


恭也:

「…え?」




…あれ?


ゆ、悠希…さん?


何で俺のすぐ近くにいるんですか…?


いや、それより……






…それってサッカーでシュートする時のポーズに似てませんか…?




悠希:

「食らえっ!!禁断の秘技!『恭也シュート』っ!!」



《ベキィッ!!》



恭也:

「ゴファッ!?」


赤樹:

「そんな攻撃、叩き落としてやる!!」



《バキィッ!!》



恭也:

「がはっ…!!?」




…あ、これ確実にダメだわ。


視界がグラグラしてるし、意識が無くなりそうだもん…


体中痛くて動けそうにないし……




幽霊:

『…大丈夫?』




これが大丈夫に見えるならお前の目はおかしいぞ?


どう見ても瀕死だからね?






…次に目が覚めた時、目の前にきれいなお花畑と川が無ければいいなぁ……














〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



…後になって聞いた話だが、悠希と赤樹の争いは朝まで続き、教室の中は使い物にならないぐらいに破壊されていたらしい…


まぁ、それでも学校は休みにならなかったので俺の思惑は外れてしまったということになる。


ちなみに、騒ぎの張本人である悠希と赤樹はかすり傷だけで、2人とも普通に学校に通っているらしい。






…さて、最終的に教室に取り残された俺はと言うと…













看護婦:

「はーい。神堂さん、そろそろ包帯を変える時間ですよー。」


恭也:

「あ、はい。」




…病院にいます。



まぁ、結局は学校に通わなくてもいいって事になったからいいんだけどね。


アハハハハハハハ……












…っていいわけねぇだろうが!!

ついに100話まで行きました。


ここまで来れたのも読んでくださった皆様方のおかげです。


本当にありがとうございます。


これからも応援していただいたら嬉しいです。

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