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第10話〜追跡!

 

【校内西側】(ヒカリ&カゲリ) 


[カゲリ視点]



「…うぅ〜…キョーヤと一緒がよかったのにぃ〜…」


本当に残念だ…

きっと今頃はレイちゃんと二人きりになってるんだろうなぁ…

レイちゃんがうらやましい!!


「…まぁ、その気持ちはわかるけどいい加減元気だしてよ。この暗い中でカゲリちゃんまで暗くなってどうするの?」


「だってさぁ…ヒカリは残念じゃないの?」


ヒカリだってキョーヤと一緒に行動したがってたしさ…


「…それは……私も少しは残念だけど…でも恭也さんの言うことも正しいし……」


「でしょ?」


「…でもこれってチャンスだと思わない?」


「…え?」 


これがチャンス?

う〜ん…全然意味わかんないんだけど…


「これのどこがチャンスなの?」


「いい?きっと私たちがアイツを捕まえたら恭也さんは私たちのことを褒めてくれるはず!そのときに私たちが何かお願いしたら多少ならそのお願いも聞いてくれると思わない?」 


なるほど、そういう考え方もあるか!さすがヒカリ!冴えてるぅ〜♪


…よし、そうと決まったら……


「ヒカリ、そうと決まったら早くアイツを探そうよ!」


「…いや、その必要はないかもよ?」


…え?


「ほら、カゲリちゃん。周りをよく見て。何か違和感を感じない?」


違和感?

いや、そんなこと言われても…


「…別に何も……」


「もっとよく見て!」


もっとって言われてもなぁ…

違和感なんか全然感じないし…


「…全然わかんないけど……一体何なの?その違和感って?」


「…わかんないならそのままでいっか♪」


オイ!?

ヒカリってそんなキャラだっけ!?


「そのままでいい訳ないだろ!?ちゃんと教えてやれよ!!」


…あれ?

このツッコミ…もしかして…


「引っかかりましたね?ニセ恭也さん!ツッコミキャラであるあなたならきっとツッコミすると思いましたよ!」


「しまった!?」


さすがヒカリ!

そこまで考えていたなんて! 


「さぁ、おとなしく捕まってください!」


「私たちからは逃げられないんだから!」


私たちはニセキョーヤと向かい合う形で少しずつ距離を詰めていく。

すると不意にニセキョーヤが…


「ふん、逃げられないだと?どのくらい足に自信があるかは知らんが俺について来れるのか?」


あっ…逃げた。

…じゃなくて早く追わないと!!


「ヒカリ!先に行ってるよ!」


ヒカリは頭いいけど運動神経はほとんど無いからなぁ…

悪いけどここは先に行かせてもらおう!


「待てぇーー!」


「あ!ちょっとカゲリちゃん!!待って!」










 

…キョーヤも意外と足速いのね。

でも私ほどじゃないみたい。本気を出さなくても徐々に差は縮んできてるし…


「くそっ…!予想以上に足速ぇな!だがな…」


…え?


「こんなことされたらどうなるかな!?」


「なっ!?」


きゅ…急ブレーキ!?

やばい!止まらな…


「ほれっ♪」


「のわぁぁ!!」


《ズデンッ!》


「…ふぇぇ……」


イテテテ…まさか足を引っかけてくるなんて…


「俺を甘く見るなよ、カゲリ。それじゃ俺はこの辺で退散させてもらうぜ。」 


くそぉ〜!

せっかく追い詰めたと思ったのに…!


「じゃあな…」


「逃がしませんよ!」


…え?

この声は…ヒカリ!?


「ちっ…もう追いついたのか?ヒカリも意外と足速いんだな。」


いやいや…有り得ないって!

私たち結構走ったし、ヒカリはそんなに…ていうか全く運動神経無いんだからこんなに早く追いつくなんて…


「ふふ…こんなこともあろうかとちゃんと発明品を持ってきておいてよかったみたいですね。」


あっ…!そうか!

あれを使ったのか!


「…発明品?別に何も持ってないじゃないか?…まぁいい、どんな発明品が知らんが逃げ切らせてもらうぜ。」


あ…また逃げた。

キョーヤ逃げすぎだよ!!


「逃がしませんよ!」


「な…何!?」


おぉ〜!一気に差が無くなったねぇ!

…ってそんなペースで走られたら私から見えなくなっちゃ……

あ〜あ…見えなくなっちゃった。

…あれ?でもあの発明品は何か欠陥があったような気が…










[ヒカリ視点]


私とニセ恭也さんの距離はだんだん縮んで、あと少しの所まで追いつきました。 


…こんなことならコイツに『疲れ』もプログラムしておいたらもっと速く捕まえれたかもしれなかったなぁ…


「バカな!ヒカリ、お前運動神経悪いんじゃなかったのか!?」


「…えぇ、普段の私はかなり運動神経は悪いですよ。」


「じゃ何でそんなに足速いんだよ!?」


それじゃタネ明かししましょうか。


「私が今履いてるクツのおかげですよ。」


「…クツ?」


「このクツの名前は『スーパーシューズ』、これを履いてると微弱な電流が流れて足の筋力をUPしてくれるんです。もともとは足の不自由な人が歩けるようにするために造ったんですが、結局はこういう使い方をすることになっちゃったんです。」


「お前らの発明品は何でもアリか!?」


いや、別に何でもアリじゃないんですけどね。

いくら私たちでも不可能なことだってありますし…

「それにしても…」


ん?


「名前ダサッ(笑)」


「う…うるさーい!!」


とにかく話している内に距離もかなり縮んできたし…そろそろ……


「おいおい、そんなにスピード出して大丈夫か?」


…え?


「もうすぐ曲がり角だぜ。そのスピードで曲がれるのか?」


あっ…!しまった! 

このクツ…確か……


「あの〜…お願いがあるんですが…」


「ん?お願い?」


「実はこのクツ…一旦スピード上げすぎると自分じゃ止まれないし曲がれもしないんですよ…」


「…使えねぇじゃねぇか。」


この欠陥のことすっかり忘れてたんだから仕方ないじゃないですか!?


「とりあえずお願いですから…このままじゃ壁に…」


「いや〜、普段の俺ならそのお願いは聞いてやれるんだが今は状況が状況だからな。ま、諦めてくれ。」


「そ…そんな…!」


いや〜!だんだん壁が近くなってきた〜!!


「それじゃ逝ってらっしゃ〜い♪」


そう言ってニセ恭也さんはそのまま曲がり角を曲がっていっちゃいました。


「イヤァァァァーーーーーー!!」










[カゲリ視点]


「ヒカリィー!!」


そうだった!あの発明品は止まることも曲がることもできない不良品だった!


このままじゃヒカリが…!!


《ドーーーン!!》


「キャア!」


急に大きな音と振動が響いてきた。

…あ〜あ、間に合わなかったか…

ま、今まで製作段階で散々痛い目に遭ってきたんだから多分大丈夫かな…? 

…とりあえずこの状態じゃしばらくはニセキョーヤを追いかけることもできないか……

ここは他の人に頼るしかないか…


「あ〜…こちらカゲリ、みんな聞こえてる?」


『こちら恭也、聞こえてるぞ。どうした?何かあったのか?』


『こっちは悠希だよ♪何かあったの?』


「校舎西側でニセキョーヤを発見したけど逃げられちゃった。その際にヒカリが負傷しちゃったから私たちは少し休んでからまたアイツを追いかけるから。」


『おい!負傷って…大丈夫なのか!?』


「大丈夫だよ。私たち今まで失敗作で痛い目に遭ってきて慣れてるから。」


あんまり慣れたくないけどね…


『無理はしないでね。後は私たちが何とかアイツを捕まえるから。』


「ありがとうユーキ。それと多分アイツは校舎北側に逃げたと思う。」


走ってった方向がそうだったしね。 


『わかった!俺達の方だな?後は任せとけ!』


『私たちも手伝いに行くから安心してね、恭也♪』


『カゲリ、お前らはゆっくり休んでろ。ちゃんと後でいい知らせを持ってってやるから。』


「…うん♪待ってるよ、キョーヤ♪」


『それじゃまた後でね〜♪』


「うん♪」


《プチッ》


そこで私は通信を切った。


…やっぱり、キョーヤ…いや、みんないい人たちばっかりだな…

私たちが原因でこんなことになったのに、誰も私たちを責めなかったし、それどころか私たちのことを本気で心配してくれた…


「少し…ヒカリがうらやましいかな…」


…あっ!そうだ!

早くヒカリの所に行かないと!


そして私は再び走り出した。




……それにしても…ユーキって…どこかで聞いたことがあるような気がする…


ま、深く考えても仕方ないか♪

もし顔見知りなら向こうも気づいているだろうし、ヒカリも気づくだろうし。




…あ、ヒカリ発見!!


「ちょっと!ヒカリ!?大丈夫!?」


「う…うぅ……」


…これくらいなら少し休めば大丈夫かな?

どっちにしろ私たちはしばらく戦線離脱ね… 




みんな、頑張ってね…

出来ることならケガの無いように…



せっかく出会えた最高の友達にケガはさせたくないしね。

読んでいただいて本当にありがとうございます。  さて、最近更新ペースがランダムになってきていますが、今回は私もビックリの速さでした。  本当はこのくらいのペースで更新すべきだとは思いますが、やる気が出な…いやいや、何でもありません!  次の更新は今回早いかわりに遅くなるかも知れません。(どういう理屈?)  まぁ、あまり期待せずに待っていてください。(期待している人がいるかは知りませんが…)   それでは今回はこの辺で。

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