千文字転生悪役令嬢
千文字できっちり落としてみせますわ~~~~~~~~!!!!
短編が書いてみたかったのですわ~~~~~~~~~~!!!!
気がつくと絢爛豪華なパーティー会場の真ん中に私はいた。
「メアリ・バートン公爵令嬢! 貴様との婚約を破棄させてもらう!」
会場奥の大階段から高らかに言い放つ男。
自分のものではない質感の記憶から、この国の第一王子のミハエル殿下だと思い出す。
彼の横にいる可愛らしい女の子はキャサリン子爵令嬢だったか。
「おぁ……断罪シーンだ……」
喋り慣れない繊細な声帯のせいで変な声が混じってしまった。
どうやら私はたった今読んでいた小説の、婚約破棄されたメアリに転生してしまったらしい。
どよめく貴族達。
都合よく助けてくれるヒーローはこの世界にはいないようだ。
頼りはメアリの記憶と自分の口車だけ。
「婚約破棄、承りましたわ。 エレノイア公領は即時返還くださいね」
私が思案を巡らせている間、
真実の愛がどうのとのたまっていたミハエルの顔が青ざめる。
「待て、エレノイア公領は私のものになったはず!」
「いいえ。 あれは結婚が無事に執り行われた場合の条件付きの契約ですわ」
エレノイア公領は代々バートンの最も優秀な子孫に受け継がれてきた。
肥沃な大地に希少な鉱物が産出される、国内でも有数の重要な領地。
財政が火の車になりつつある王家には相当な痛手になるだろう。
ミハエル殿下の株は急落必至である。
「今後は契約書くらいきちんと読むことね」
どういうことよ! と、
先程の愛らしさは見る影もない悲壮さでキャサリン嬢が喚く。
キャサリン嬢のお父上は紳士達の賭場で大変結構なご成績だったと噂に聞く。
彼女なりに必死に食いつなごうとしたのだろう。
身体に染み付いた完璧なカテーシーを披露する。
わけのわからないことを怒鳴り続けるミハエルとキャサリン嬢に背を向け、
あの子も大変ね、とぼそりと呟いた、その時。
「どうして恋敵にそんな言葉を?」
気づかない間に近づいてきた男性に声をかけられる。
漆黒の見慣れない装束を身にまとった精悍な顔立ちの青年に、思わず見惚れてしまう。
「ああ……父親に婚約者、2つも大きなお荷物を抱えては誰だって溺れてしまうわ」
ひとしきり笑った後丁寧に名乗った彼が
最近立太子された隣国の皇太子で、まさか新たな婚約者になるとは、
この時の私は知らなかったのである。
余談だが、エレノイア公領は隣国のものとなった。
国防的にも国策的にも大変不味い事態に、
廃嫡寸前のミっちゃんは平謝りしてきたが、
真実の愛で乗り越えなさい! と煽ったら夫が笑いを堪えていた。
当然領地は渡さなかった。
千文字できっちり落としましたわ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!




