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「さて、話を戻すぞ、マモン王国でご先祖様達を待っていたのは鍛冶師としての仕事ではなく鉱山での奴隷としての強制労働だった」


「そ、そんな・・・・・」


「奴隷の子は奴隷だと半ば諦めかけていた時、三度目の転機が訪れた・・・・・黒目黒髪の男と赤目赤髪の女が車輪が二つ付いた真っ黒い魔導具に乗って現れて奴隷達を解放し、マモン王家を一人とアルバハン公爵家を残して王家に阿る者全てを蹴散らした」


「ちょっ!ちょっと待って下さい!その男女ってまさか!」


「ああ、魔導具の色や形は違っていたかもしれねぇ・・・が、そんな奇妙なもんが当時二つとあると思うか?ある訳ねぇんだよ・・・それにな、あの物語の最後はなんて締めくくられている?」


「え・・・魔導具の乗り物で何処かに立ち去ったですよね?」


「そこじゃねぇ。その少し前にこう綴られている『天空神を倒した男は神へと至り』ってな。要するにその男女は今でも神である事を隠してこの世界の何処かに・・・いや、今はゴタード商会で魔導車なんかの知識でも授けてんじゃねぇの?」


 あの物語が真実だった上にハビラ王国の建国にも係わっていて、更にゴタードに知識を与えているかもしれないと聞かされ困惑を通り超えて混乱した。


「男はマモン王国を制圧した後、マモン王国に残る者に正当な報酬を払う事を確約して鉱山労働者としての地位を与えアルバハン公爵を連れてジュイダ王国へと向かった。その際二十人の元奴隷を連れて行った。その中の一人が俺の爺さんだ」


 当事者からの証言と聞いて信憑性が増してその後の展開が気になった。


「ジュイダ王国は当時王侯貴族が好き放題やっててな、一部の商人以外の一般市民は貧困に喘いでいて奴隷だった自分達よりも酷い生活をしていた者が殆どだったそうだ」


「・・・奴隷より酷い生活って・・・・・」


「東の衛星都市から乗り込んで行った二人はあっと言う間に中央都市を制圧し、殆どの貴族と癒着していた商人達を潰してアルバハンを国王に据えてハビラ王国を名乗るとマモンを編入した」


 展開が早くて頭が付いて来ない・・・そんな簡単に二ヶ国の制圧と統合なんて出来るものなのか?いや、実際にやったから今が有るんだよな・・・・・


「男は何処からともなく物資や資金を出しては復興に注ぎ込みアルバハン国王は民衆からの支持を得て国が一つに纏まって行き安定し始めると南で戦争を始めたハルハ王国とタイラ王国へ乗り込み戦争を止めた上にタイラ王国を潰してハルハ王国を買い取り、纏めてアバタ領へと改名してハビラ王国に編入し、ハルハの国王をアンモン家に改名して領主に据えた」


「・・・・・なんか、もうなんて言ったらいいか解らない位凄いですね・・・・・」


 国を買い取ったとか訳が解からないよ・・・・・


「文字通り『激動の時代』だったと思うぜ。俺の爺さんと数人はハルハ王国の南部、現在のゲベルまで付いて来てここに根を下ろしたって訳だ」


 と言う事は周辺の農家とかにも当時を知る人の子孫が居るかもしれないのか・・・・・


「ゲベルの町が出来上がった頃だ、突然ゴタード商会が設立されたと思ったら次々と他の商会を飲み込んでツォアルとゲベルの経済を掌握しちまった」


「それって『彼等』の仕業ですよね?」


「おそらくな。そして百二十年前、東のダビラ王国が発展してきたゲベルに目を付けて攻め込んで来た。が、国軍の投入無しで、アバタ領軍だけで追い返した上に国境を東に10kmも押し広げた。これにもゴタードが係わっているのは有名だな」


「はい、剣と弓や魔法の戦から魔導具中心の戦に変えたと習いました」


「それもおそらく『彼等』の仕業だと爺さんも言ってたな。でだ、当時はまだ迫害とまではいかないが偏見とかあってな、爺さんは先ず見た目から変えようと人族の女性と結婚し、親父にも人族と結婚させて俺が生まれた訳だ」


「成程・・・でもアリサさんは先祖返りしてしまったと」


「ああ、俺も爺さんに習って人族とと思ってた所にミザリーが現れてな・・・まぁなんだ・・・・・一目惚れしちまったんだがそれは置いといてだ、俺が結婚して三ヶ月後に爺さんと親父がお袋を連れて出て行っちまった」


「ええっ?!な、なんで・・・・・」


「ドワーフが三百から五百年近く生きる長命種だからだ。言ったろ当時はまだ偏見とか有ったって」


「あ、そうか見た目が変わらないままだと不審に思われて・・・・・」


「そうだ。爺さんはドワーフで親父は半分血を引いてるからな・・・二人とも今でも何処かで生きているとは思うが・・・・・まぁ二度と会う事はねぇだろ。俺達の事は死んだ事にしとけって言われたしな・・・もうそんな時代じゃなくなったのによ・・・・・」


「・・・そうですね、何時か帰って来てくれるといいですね・・・・・」

「私そんな話知らなかったんだけど・・・・・」


「悪いな、結婚するまでは知らない方がいいと思ったんだわ。でだ、俺もアリサもおそらくはそれなりに寿命が長いと思うんだが・・・それでもいいのか?と聞くつもりだったんだが、お前さんもエルフの混血みたいだし?その辺の懸念は無くなったんだが・・・両親にきっちり聞いとけよ?と言うか両親の歳とか聞いた事あるか?」


「すみません・・・聞いた事と言うか気にした事も無かったです・・・帰ったらアリサさんの事も含めて両親と話し合って直ぐに手紙を出します」


「おう、頼むわ。でな、もう一つ気になる事が有るんだが良いか?」


「なんでしょうか?」


「お前さんモテるだろ?自分の娘の事を悪く言いたかないが何でアリサなんだ?王都に住んでんなら選り取り見取りだろ」


「は?僕がモテる?いやいや、今まで女性から言い寄られた事なんて有りませんけど?」


 僕の答えに訝しげな顔をするゴードンさんとミザリーさん。

 そして僕の横で不満げな顔をしたアリサさんに上目遣いで睨まれて・・・いや、怖くない所か可愛いから。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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