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アリサさんの見た目が先祖返りだとかご先祖様が奴隷だったとか聞かされて困惑したが、それが如何障害になるのかが解らない。
「奴隷の子は奴隷。過酷な鉱山での生活をご先祖様は生を繋ぎ続けて来た・・・・・そして最初の運命の日がやって来た」
最初の?って事は何度も運命の転換期が有ったって事?
「ご先祖様達が隔離されていた鉱山近くの奴隷区画にけたたましい音と共に一人の男が現れ、見張りの衛兵達を薙ぎ倒して奴隷達を解放した」
「そ、それってもしかして天空城が破壊された時の・・・・・」
「ああ、一般的に知られている魔導具の乗り物に乗って旅商人をしていた男の方だ」
あの話っておとぎ話じゃなかったんだ・・・・・
「その時ご先祖様はその男を天空城に一番近い崖まで案内してな、男が魔導具の乗り物で崖から飛び上がって天空城まで届いたのをその目で見たと伝えられている・・・赤くて車輪が二つ付いた乗り物・・・・・おめえさんが乗ってるあれってそいつの模倣なんじゃねぇのか?」
「あ、だとしたら当時の事を伝えられてる人がゴタードにも居るって事ですよね?」
「そうかもな。でだ、流石に遠過ぎてはっきりとは見えなかったんだが天空神と男が少し見えたらしい。崖からでも見えた位だから〝巨人〟だろうってな。その後天空城が崩れて行き黒髪の男と赤髪の女を乗せた魔導具が城下町に飛び降りて行ったのも見たそうだ」
ん?あれ?その話し方からするともしかして・・・・・
「あの、もしかしてそのお伽話を広めたのってご先祖様なんですか?」
「ああ、ご先祖様達は自分達の身を護るため西へと向かいつつ話を広めて行ったんだ。天神教の象徴である天空神は倒されて天空城は壊されたってな」
やっぱりそうか・・・天神教衰退の一番の理由はこっちなんだろうな。
「ご先祖様達から『天罰を下す者はもういない天神教はもう終わりだ』と聞かされた町や村から教会に反旗を翻し、天神教は衰退して行ったって訳だ。なにしろ天神教から虐げられてた元奴隷達の証言だ、何処へ行っても簡単に信じて貰えたそうだぜ、天神教がそれだけ嫌われていたってものあるけどな」
天神教ってそんなに嫌われてたのか・・・僕は教義とか良く知らないんだよなぁ・・・・・
「さて、少し時は戻って聖皇国から脱出する時の話だ。ご先祖様達ドワーフと獣人は逃亡生活を選んだ。大陸西側迄逃げ切れば奴隷だった過去も消せる筈だと。だが聖皇国に残る道を選んだ者達が居る・・・それがエルフ達だった」
それで仲違いしたのか・・・何方から見てもお互いが裏切り者に見えたんだろうな。
「エルフは数が少なかったてのも有るが、その見目の良さと魔力の多さや弓の腕で天神教では徴用されてたんだ。身分が奴隷でも一人で街を出歩く事も許されていたし、少なくても給金を貰っていたから過酷な旅に出る理由なんて無かったんだ」
「それは・・・まぁ仕方ないと言うかなんと言うか・・・・・」
「西へと向かうご先祖様達も一枚岩ではなかった。途中倒れた者とその場に残る者、南の森へと向かう獣人達。そして漸く聖皇国の勢力圏を抜けたご先祖様達は冒険者となり更にちりじりになった」
「冒険者?あ、当時は魔物の討伐が兵士の仕事じゃなかったんですね?」
「東側じゃ今でも主流だぞ。ハビラ王国位だろ、魔物の討伐が兵士の仕事なのは」
実際ハビラ王国の冒険者組合は開店休業状態で登録者はほぼいない。何故なら商業組合の方が割のいい仕事が多いからだ。
「冒険者として生活が安定してきて世代を超えて鍛冶屋としてドワーフの力を活かせるようになった頃に自分達、東から流れてきたドワーフや獣人を探している者が居ると噂を聞いて定住を諦めて更に西へと向かった」
追手が掛かったのか・・・聖皇国も再建のための労働者が必要だったのかな・・・・・
「そして隣のマハン王国とマモン王国の国境近くの町に着いた時に『マモン王国で鍛冶師を募集している』と言う噂を聞いてマモン王国へと向かった。これが二度目の運命の転機で・・・大きな間違いだった」
「マモンはジュイダがハビラ王国に改名した時に編入した国ですよね?何が有ったんです?」
「その認識も正確じゃない。マモンはジュイダが改名、もっと正確に言うと革命が起こる前に王家は一人を残して全て殺されてる」
「は?ジュイダが革命でハビラ王国に?マモンもですか?」
「ハビラ王国の王家のアルバハンはマモン王国の公爵家だったんだよ。詳しい経緯は解らねぇがジュイダで革命が起こってアルバハンが国王になりマモンが編入する形で従属した」
なんだよそれ・・・全然意味が解らない・・・・・
頭の中で情報の整理が追い付かず困惑する僕をよそにゴードンさんは真実の歴史を語り続けた。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




