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 案の定早起き所か夜更かしした分いつもより起きるのが遅くなり、すっかり昇りきった朝日を浴びながら朝食を食べに出掛けた。


「屋台・・・は買い過ぎるから止めとこう・・・・・」


 昨日の失敗を生かして町中を歩き回って一軒の食堂に入った。

 朝食の時間を過ぎていたからか店内は空いていたのでカウンター席に座って注文をした。


「・・・え~っとこの海鮮パスタをお願いします」


 パスタは王都にもあるが、ここはやはり魚貝類だろうと海鮮パスタを頼んだ。

 どんな具が乗っているのかワクワクしながら待つ事十分。全体的に白っぽい見た目のパスタが目の前に置かれた。


 う~ん、全く何なのか解らない・・・が今までの経験から不味い訳がない。

 取り敢えず白くて四角い何かの切り身にフォークを刺して口に運ぶ。


「・・・・・なんだこれ?くにゅくにゅしてて中々噛み切れない・・・すみませんこれなんですか?」


「何だ兄ちゃんイカは初めてか?」


「イカ・・・あの~すみません、王都から昨日着いたばかりで海産物に詳しくないんで色々教えて貰っていいですか?」


「あ~そうかそうか。一段落した事だし、説明してやるよ」


「ありがとうございます」


 イカとかエビとかホタテとか具材を一つ一つ丁寧に教えて貰いながら口に運ぶ。

 全体的にバターと胡椒が効いていて美味しかったです。


 食事を終えて宿へと帰り店員さんに裏で洗車をしてもいいか聞くと快く許可してくれた。


「帰りも頼むよスレイプ・・・・・ん~・・・『ラストワン』なんだし名前を付けようかな」


 僕だけの最後の一台なんだし、他の人と同じ名前よりも特別感が出て良いだろうと考えながら洗車を続けた。


「スレイじゃ短くしただけだし・・・型番のRS-01から取るかな・・・でもRSって何の略なんだろう?」


 ゴタードで販売している二輪は車種を問わず全部RSで、四輪は確かAGだった筈。

 AGのGはゴタードだと思うから解かるんだけどRSって何から取ったんだろう。


「まぁいいか・・・ん~、Rか・・・ラ、いやSとからめて・・・リサ、リサがいいな。よし、今日から君はリサだ、よろしくなリサ」


 魔導具に名前を付けるなんて縫いぐるみに名前を付ける女の子みたいだなと笑みを零し、恥ずかしくて人前で口にする事は出来ないだろうけど許してくれと洗車を続けていると




 ―――さ―――――




 何故か呼ばれたような気がして頭を上げて左右を見渡した。


「お兄さ~ん!こっちですよ~!」


 誰かと思えば途中で寄った牧場の女の子だった。


「あ、どうもこんにちわ~」


「こんにちわ。ここに泊まってたんですね、私は配達に来たんですよ~」


 配達に来たと言う彼女は魔導四輪に乗っていて・・・って運転席?って事は十八歳以上って事?下手したら僕よりも年上?!


「・・・あ、あの・・・失礼だとは思うんですけど、その・・・お幾つですか?」


「あっ!私の事未成年だと思ってたんでしょ!」


 ええ、十二、三歳の女の子がおうちの手伝いしてて偉いな~とか思ってました。


「すみません!てっきり年下だとばかり・・・・・」


「も~、いつもの事だけど落ち込むわ~」


 あ、やっぱりよく間違われるんだ・・・・・


「ほんとすみません。お詫びに奢りますからお昼食べに・・・あ、お仕事中でしたね」


「配達ならここで最後だから構いませんよ~」


 良かった、断られたら帰りにお土産買いに行った時にちょっと気まずい感じになっちゃうし。


 宿屋の食堂で食べる事になり、洗車をして汚れた服を着替えに部屋へと戻り着替えてから下へ降りると一階で彼女が待っていた。


「お待たせしました」


「いいえ~大丈夫ですよ~」


 開いている席に座ると店員の女性がやって来て僕と彼女を交互に見てから彼女に話し掛けた。


「なによ、アリサったら彼氏いるんじゃない!」


「はぁ?」


 店員さんの言葉に変な声が出た。

 年頃の男女が同じ席で食事をしたらそう見えるのが普通か。

 正直彼女には悪いけど年上らしいがそう言う風には見られないんだよなぁ・・・・・


「違うわよ、この人は・・・そう言えば名前を聞いてなかったわね、私はアリサ、アリサ・モルクレイですよ~」


「僕はオルト・フィールズって言います。彼女の言う通り彼氏とかじゃなくてですね、この町に来る前に彼女の牧場によりまして、帰りにお土産を買う約束をしたんです」


「ふ~ん・・・じゃあ、私なんてどう?アリサと違って跡継ぎじゃないから王都でも何処でも行っちゃうわよ?」


「ぶっ?!」


 突然何言ってんだこの人?!


「ちょっ!ちょっとケリー!何言ってんのよ!」


 そうだそうだ、もっと言ってやれ。って言うか仕事しろよ。


「え~っと、注文いいですか?」


「グハッ!軽く流された?!」


「あ、私は何時もの奴ね~」


「じゃあ僕もそれで」


「・・・はぁい・・・・・」


 項垂れながら厨房へと入って行くケリーさんの背中を見送り、アリサさんと目を合わせて笑みを零した。


 あ、何時もの奴はご飯の上に魚貝類の乗った海鮮丼でとても美味しかったです。

ここまで読んで頂き有難う御座います。

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