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僕は今人生初となる徹夜に挑戦している。
王立学園の入学試験の前ですらした事無いけど、まぁなんとかなるだろ。
なんて思ってたけど大きな間違いでした。
普段寝ている時間を過ぎると急に眠気に襲われ始め、座っていた椅子ごと倒れかけてしまい、椅子から立ち上がって部屋の中をうろうろ歩き回ったりした。
「・・・・・まずいぞこれ・・・・・どうしても眠気が取れない・・・・・」
普段の習慣とは恐ろしいもので、身体が強制的に眠ろうとして来るのを感じて徹夜は無理だと判断してベッドに潜り込んだ。
「・・・残念だけど・・・日の出を見るのは、諦めよう・・・・・」
目が覚めて日が昇ってたら・・・スレイプニールを掃除してあげよぅ・・・・・
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開拓地の視察を終えてツォアルに帰って開拓地の前倒しの件で招集した部門長会議はそりゃあもう紛糾した。
「ちょっ、ちょっと待って下さいニールさん。現状工事部門は全員出払ってるのは知ってますよね?それらを後回しにしてでも南の宿泊所の開拓を優先しろっていくら何でも横暴じゃないですか!」
「そうですよ!あんたが会長の次に偉いのは解ってますけど納得出来ません!」
「それに資材がマモン領から送られてくるって何です?!聞いてませんけど?!」
解るよ、でも急がないと手遅れになると思うんだよね・・・・・
「いやまぁ、横暴なのは解った上で言ってるんだ」
「じゃあせめて理由を教えて下さいよ!納得出来るだけの理由を!」
理由かぁ・・・アルビエル聖皇国と戦争になるとか言わない方がいいよなぁ・・・・・
「それは言えないって言うか・・・聞かない方がいいと思うんだよね」
「なんですそれ?!そんなんで納得出来る訳無いでしょ!」
ですよねぇ~・・・ああ、拙いな・・・アマンダの機嫌がどんどん悪くなっていく・・・・・
「はぁ・・・・・解かった。必要な資材だけ運んでくれたら後は俺一人でやるから重機も含めて撤退してくれ」
「「「「「はぁ?!」」」」」
「いや、元々俺とデクスの趣味みたいなもんの施設だし?ゴタード商会を動かす事が出来ないなら俺一人でやるしかねぇだろ?」
納得してくれそうも無いし、流石に暴力を振るう事は無いとは思うけどアマンダの限界が近いし仕方ないから一人でやろう。
「ほ、本気で言ってるんですか?」
「重機も撤退って・・・・・」
「あんた何考えてんだ!」
「あ、街道の拡張はアンモン様からの依頼だからそっちは予定通り続けてくれると助かる」
「いや、そうじゃなくてですね・・・・・」
「一人でとか無茶が過ぎるって話なんですけど・・・・・」
ああ、そう言う事か・・・ん~、まぁ少しくらい俺の事話しとくか。
偶には力を誇示しとかないとこの先舐められっぱなしになるかもしれないしな。
「は?お前等俺の事舐めてんの?今でこそ監査なんてやってるけど、王都南北の衛星都市の基礎工事とそこに繋がる橋掛けたの俺一人でやったんだぞ」
「「「「「・・・・・」」」」」
「何だよその顔は・・・信じらんねぇならアルバハン・・・陛下に問い合わせてみろよ、嘘じゃねぇって解るからよ」
「はぁ・・・ニール、もうゴタードに拘るの止めましょう、この商会は大きくなり過ぎたのよ。何も知らない連中なんてほっといて資産全部引き上げて新しく商会立ち上げた方が早いわ」
「は?アマンダさん何言ってるんですか?」
「ゴタード抜けるってのは早計過ぎじゃないですか?」
「そうですよ、私達だって何が何でも嫌だって話じゃないんですから」
「説明出来ないと言う事が如何言う事か理解出来ない人達の相手をするなんて時間の無駄だってだけよ。貴方達勘違いしているみたいだから教えてあげるわ、ゴタード商会の総資産の八十五パーセント以上がニール個人の物なのよ。現在主力の魔導車関連の権利は勿論、アバタ領にマモン領、そして王都とその衛星都市も例外じゃないわ。いい事、ハビラ王国そのものをニールが握っていると知りなさい」
「うわあああぁぁぁああぁぁぁあああ!!」
「「「「「え・・・・・」」」」」
「き、聞こえちゃった?」
「・・・・・いっ!いえ!何も聞こえませんでした!!」
「申し訳ありません!直ぐに仰せの通りに致します!!」
「い、行くぞお前等!各地の作業員を緊急招集だ!!」
「「「「「おう!!」」」」」
結局アマンダの我慢の限界が来ていらん事暴露されてしまった。
「・・・・・アマンダぁ~・・・勘弁してくれ、何でばらしちゃうんだよ・・・これから先やりにくくなっちゃうじゃん」
「なんでよ、皆言う事聞いてくれたんだからいいじゃないの」
結果オーライってか?冗談じゃないっての。
「・・・・・はぁ・・・いや、もういいや・・・・・」
もう何千年も人間社会で暮らしてるんだからいい加減常識とか心の機微とか学んでくれませんかねぇ・・・俺は暴君とかになりたい訳じゃねぇんだよ・・・・・
ここまで読んで頂き有難う御座います。




