はち
「そっかー。ママも大変だったね。」
話しを真剣に聞いてくれた。
推しはなんていい子なんだ。
たまに溢れ出るダークオーラがなければね…。
「みちる…俺の事嫌いになって別世界にいっちゃったのかな…」
寂しそうにつぶやく推し。
「嫌いになったとか、嫌になったとかで別世界に行けるなら、人類の8割、9割は入れ替わっちゃうから。そんなわけないじゃん。私だって元の世界が嫌だからってここに来たわけじゃないからね。」
「そっか。でも俺、酷いことしたから…」
酷いことだって自覚はあるんだ。
「そうだね。人としてやっちゃいけないことだと思うよ。晴も誰かに手錠かけられて監禁まがいのことされたら嫌でしょ?」
「うん。でも、みちるも俺の事捨てるかもって思ったら、怖くて。自分のこと止められなくて。なんか意地にもなってて。やっぱり俺は捨てられて当然なんだ。」
ぎゅっ。
身体が勝手に動いてた。
晴がとっても苦しんでる…ように見えた。
「みちるは逃げなかったよ?」
「何でわかるの?」
私は手首を見せた。
「普通、逃げようとしたら、手首傷だらけになると思うんだ。その傷がないってことは。
多分だけど、みちるは晴を助ける方法を考えてたのかなーって思った。」
「みちるが助かる方法じゃなくて?
俺が助かる方法?」
これは、私のカンだ。
みちると私は違う。でも、何となく…みちるの考えてたことがわかる気がする。
「好きな人を助けたいって思うのは不思議なことじゃないと思うけど。」
「好きな人…今でもみちるは俺の事好きなのかな。
俺、馬鹿だな。すっげーみちるに会いたい。」
目の前におるけど。
「今はまだダメだと思う。」
「何で?」
「晴が変わらなきゃ。
今のままじゃ、きっと晴もみちるも壊れちゃう。」
「正直、私やみちるが元に戻れるか?いつ戻れるか?全然わかんないけど、みちるが戻ってくるまで晴も頑張って変わろう。たぶん、みちるも頑張ってる。晴も頑張ってみよう。」
「変わる?」
「さっき、自分の事 責めてたでしょ?もうみちるに悲しい思いをさせないためと、晴も自分を責めない人になって欲しい。もっといい旦那さんになるって事。」
「いい旦那さんか。
そうだね。俺、自分しか見えてなかったかも。
もっとみちるを大切に出来る人になりたい。」
やっぱり、別世界の推しでも、推しはいい子だわ。
どこの世界でも晴を押すよ!




