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「少し、落ち着いた?」


推しがようやく顔を上げた。

アイドルのキラキラさはなく、子供のように幼く見える。


こっちも、イイ!!

推しはどんなことになっても推せる!


「なんか、みちる。違う人みたい。」


ドキッ!!!!!


そりゃそうよ。

見た目は子ども、頭脳は大人。

中身おばちゃんでごめんよぉ〜


「ママ…」


!!

複雑…

推しとどうこうなろうなんておこがましい事、思ってませんよ。おばちゃんですし。でもさぁ…

の気持ち半分、推しのママになれたらなんて素敵。

と思ってる自分もいる。

ママになろう!推しが望んでいるのなら!


「晴の本当のママは?」

「…いない」


しまった!推しの心を抉る質問をしてしまった!


晴は出産直後に施設の前に捨てられていた。

臍の緒がついたままだったという。

それから、その施設で育ち、中学を卒業と同時に芸能事務所に入ったとネットに載ってた。


「じゃあ、今から私が晴のママになるね。」

「違うよ。みちるは俺の奥さんでしょ?」


ん〜〜〜

心のメモリー、鍵付き保存で!


「あー、ほら、奥さんちょっとお休みって言うか、奥さんでいようとしたから上手くいかなかったんだよね。だから、ママになろうかな。はははは…」


我ながら言ってることが無茶苦茶だ。

晴が怒り出したり、暴れ出したらどうしよう…


「みちるがママになってくれるの?俺にもママができるの?」


キラキラした笑顔。

予想に反して受け入れてくれてる。


「じゃあ、今から晴のママね。手錠外して。」


途端に顔が曇る。


「そうやって、逃げるんだ。本当のママだって俺の事捨てたし。」


やばい、やばい。


「違うよ〜。これじゃ、片手でしかハグ出来ないし、晴に色んな料理作ってあげたいし、洗濯も出来ないでしょ?」


まだ、納得はしていない表情だったが、手錠を解いてくれた。


「じゃあ、ママは今日ソファーで寝るね。おやすみ」


強い力で手首を掴まれる。


「やっぱり逃げるじゃん。」

「や、やだなぁ〜。リビングに行くだけじゃん。」

「たっくんのママはたっくんと一緒に寝てくれるのに。」

「へ?たっくん?」

「同じ施設にいた子。月一回ママの所に泊まりに行ってた。その話、すげー羨ましくて…」


もしかしたら、晴の心は成長しないまま来てしまったのかもしれない。

愛情も与えられなかったから、愛し方もわからないのかな…。


きゅん。


私の母性がないた。


「もう〜晴は甘えん坊さんだな〜。しょうがないな〜一緒に寝ようか。」

「やったー!手も繋いでね。」


推しの押しがやばい。

手を繋いで、5分も経たないうちに寝息が聞こえてくる。


私は、手汗大丈夫か?とか、一応あっちの世界に旦那いるのに不倫にならないのか?とか、息子と変わらん歳の子と同じベットって倫理観崩壊しそうで、なかなか寝付けなかった。



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