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午前6時。冒険者専用の携帯に一通のメールが届く。
メールの内容はダンジョンゲートの場所と時間、冒険者の人数が書かれていた。冒険者の最初の仕事はメールのチェックから始まる。俺は携帯電話をナイトテーブルに置き、右手をぼんやりと見ていた。
実は、昨日の出来事は全部夢で、本当は右手にはなにも寄生していなかった。だが次第に、手のひらに顔が滲み出てきた。どうやら夢じゃなく現実だった。
今回一緒にダンジョンゲートを潜るのは、俺を含めた6人の冒険者だ。
予定の時間より15分前にダンジョンゲートに着いたが、もうすでに俺以外冒険者達が全員集まっていた。
そこには『一般人』と呼ばれる冒険者じゃない日雇い労働者もいたが、何人かが重傷を負っていた。彼ら一般人の主な役割は、ダンジョンゲート手前の雑魚モンスターを倒すこと。
しかし、彼ら一般人は冒険者とは違い、冒険者が受ける些細な傷も、彼ら一般人からすれば重症化する可能性は高い。
すると、今回のリーダーと思われる人が口を開いた。
「今回、ここのリーダーを務める柏原だ。冒険者歴は5年だ。よろしく頼む」
冒険者の死亡率は、上級者、中級者、初心者関わらず。年間3割と言われている。
それぞれ人番に挨拶を済ませて、最後に俺も挨拶をした。
「今日は新人が2名だ。特に神壱周くん。君は一番後ろにいなさい。絶対に単独で前に出ないこと、いいね」
「はい……」
そう言ってもらえるだけで、俺は無理に前に行く必要がなくなった。初日から……、いや、今はやめておこう。
初めてのダンジョンーー正直、行かなくていいなら、行きたくもない。誰が望んで戦場に行きたがる奴がいる。そんな奴は単なる死にたがりか、よっぽど金に困っているか奴らだ。
それか「俺つえ」ぐらい強ければ、俺も自然とダンジョンに足に運ぶのか?それもこれも全部はサルビルに掛かっている。
ただこいつが、本当に敵じゃなければの話だが。




