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天才・木下くんの隣にいます。  作者: ボンボン
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木下くんという天才。

「じゃあ早速だけど、今から自己紹介をしてもらう。

 んー、まぁ名前の後に何か言えばいいか。名前と趣味とか、名前と中学の時の部活とか。

 まぁそんな感じでノリで自己紹介いっちゃえ。はい、じゃあ安西から」


桐生先生は間の伸びた口調でそう言うと、突然出席番号1番の安西さんを指名した。

きっと1番から2番へと順に後ろにいくのだろう。


僕の出席番号は15番だ。前の席にいる木下くんの後。


「えっと、安西 美香です。んー、部活はバスケしてました。よろしくお願いします」


体育会系らしいハキハキとした口調で1番の安西美香さんがペコリと頭を下げた。

桐生先生の雑なフリにもほんの少ししか動揺せず、しっかりと自己紹介を終えた安西美香さんを、僕は尊敬した。


僕が安西さんならしどろもどろになりすぎて、もう高校生活一発目のスタートダッシュは失敗しまくりだっただろう。


「飯島 龍斗ですーーー」


どんどん自己紹介が始まっていき、あっという間に出席番号14番の木下くんの番になった。

正直僕は出席番号10番の尾山くん辺りから緊張しすぎて記憶がない。


「・・・あれ? 次、木下だぞ」


13番の木嶋さんが自己紹介を終えても、全然立ち上がらない木下くんの様子を見て、桐生先生が声をかける。

木下くんは声をかけられると、頷いて立ち上がる。


何だ、この人も緊張してるんだ! 緊張して普通じゃなくなってるのは僕だけじゃなかった!

この木下くんもきっと僕と同じタイプだ!


・・・なんて思えたのはわずか数秒だけだ。



木下くんは桐生先生に声をかけられると、机に両手をついてゆっくりと立ち上がる。

そしてそのまま自己紹介は始めず、何故か黒板に向かう。


立ち上がると彼の身長は意外と高いことに気づいた。目測でたぶん身長は180cmくらいだ。

きっと足が長いから身長168cmの僕の座高と同じくらいで座っている状態では低く見えたのだろう。


「え? どうした?」


気怠げながらも落ち着いていた桐生先生が初めて軽く動揺するそぶりを見せた。

木下くんは声を発する桐生先生を左手で制し、教卓後ろのポジションを奪い取った。


木下くんが振り向く。初めて彼の顔を見た。

王子様のようなクリクリとした瞳に整った鼻筋。顔に何の欠点もない、かっこいいし可愛いし美しい、と言う言葉がハッキリ当てはまる。そして顔の大きさは昔街中にいた人気俳優を見かけた時くらい衝撃を受ける小ささ。


「この俺の名前は、木下 光太郎です。まさに天才です。皆よろしく」

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