表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/20

16.温泉にて①

「いやあ、温泉へ向かう電車内と言えば、これでしょ」


そう言うと、さくらは、僕としおりに缶ビールを配り出した。さらにカバンから、チーズ鱈、柿ピー等、オヤジ定番のおつまみを次々と取り出す。


僕は昭和の社内旅行って、こんな感じだったんだろうと、想像していた。


ゴールデンウイークの真っただ中、僕とさくらとしおりは、電車で熱海に向かっていた。

僕たち3人は、熱海に向かう普通電車のグリーン車に陣取っていた。


さくらは、ジュリエッタを持っているのに「電車でGo!」とか、一昔前に流行ったゲームみたいに言ったのは、これが目的だった。


「しかし、さくらさん、よくホテルの予約取れましたね」

「ホテルと言うか、会社の保養所なんだけどね。ちょっと、会社の福利厚生担当にワイロ渡してね」

「流石です。尊敬します。さくらさん!」


さくらがドヤ顔でこちらを見ている。


「はいはい。いい子いい子」


そう言って、僕はさくらの頭を撫でる。


「ああっ、さくらさんだけズルい。涼ちゃん私にもいい子して!」

「しおりは、何もしてないじゃん」


僕の抗議も空しく、隣の席のしおりが、頭を僕に向けてくるので、しょうがなく適当にしおりの頭も撫でておいた。


「では、3人での初旅行にカンパーイ」

「カンパーイ」


こうして、車内での宴会が幕を開けた。


「遠慮しないで、ジャンジャン飲んでね!おかわりは一杯あるから!」


そう言って、さくらは、クーラーバッグの中を見せる。

中にはビールと、ハイボールの缶が所狭しと、並んでいた。


「さくら、、、それ、全部飲む気?」


真剣な顔で考えるさくら。


「うーーーん。さすがに1時間ちょっとで、これ全部は無理かな」

「さくらさん、私やればできる子です!」

「しおり、こんなところで頑張らなくて良いから!」


そんなやり取りをしている間にさくらは、すでにビールを飲み干し、ハイボールを飲もうとしていた。

もちろん、ロックアイスも持参しており、プラスチック製のコップに氷3個程入れた後、ハイボールを注いでいた。


「こういうところには、マメなんだな」

「いやあ、ハイボールには多めの氷がマストでしょ。CMでも、キレイな女優さんが言ってるじゃない」

「さくらさんの方が、全然キレイですよ」

「しーちゃんも可愛いよ」


こんなバカな話が延々と続き、1時間ちょっとが過ぎ、電車は熱海駅のホームに到着した。


ゴミ袋と化したコンビニ袋には、ビールとハイボールの空き缶が、溢れんばかりに詰め込まれていた。


「さあ、しーちゃん行くよ!」

「はい、お義姉さん!」


そう言って、さくらとしおりの二人は、電車を降りていく。自分たちのバッグだけを持って。


僕はゴミ袋と、クーラーバッグと自分の荷物を担ぎ、電車を降りることになった。


改めて、今日は大変な一日になりそうだと、認識するのであった。

またまた、コロナが流行ってきましたが、頑張って投稿します。

評価の☆、ブックマークいただければ、嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ