第76話 宝物庫
2階に踏み込むとそこは宝物庫だった。
なぜに宝物庫。
「見て見て綺麗な宝石」
小前田が宝石に手を触れようとした時、待ったが掛かる。
「それ、呪いが掛かっている」
和銅さんが忠告したが、時既に遅し。
「寒気がして死にそう。やだ、指先から紫に……」
御花畑は宝石に手を触れて呻いていた。
しょうがない奴だな。
他にも何人かのクラスメイトが宝物に触っていた。
「『女神の涙』だ、飲め」
『女神の涙』を飲ますが一向に症状は改善しない。
辺りを見回すと宝物には一つ一つ説明書きがあった。
しめた。
呪いを解くには。
これだな『浄化の杖』の偽物。
治癒神が地上に降りた時に足を置いた所に木が生えた。
そして、その木から作ったと説明書きにはある。
杖は神々しい光を纏っていた。
俺は説明書きを触り『浄化の杖』に手を置いて。
「カタログスペック100%」
一瞬悪寒がして指が紫に染まる。
そして杖は神々しい光を放ち、指先の紫は消えた。
「今治してやるからな」
肘まで紫色に染まった小前田に杖を押し当てる。
光が小前田を包み、紫は綺麗になくなった。
そして、クラスメイト達も治療。
「良美はどじっ子ね。手に入れるアイテムはまずは鑑定よ。使ったら忍者にクラスチェンジする恐ろしいアイテムだってあるんだから」
御花畑が小前田に言った。
「未依子ちゃん言わないで」
「そうだぞ。怪しい所にきたら疑ってかからないと。今回は治療できる物が近くにあったから良かったけど。こんな幸運あるもんじゃない」
「私、あの宝石持って帰りたい」
「こりない奴だな」
「だって幸せを呼ぶ宝石だよ。運勢向上だよ」
「いい所に目をつけたわね。運のパラメーターは上がらないゲームも多いわ。レアアイテムね」
「しょうがないな待ってろ」
辺りを見回し、よくこんなキラキラのお宝を集めたなと思った。
レプリカを作るのだって大変だろう。
ふと幻影じゃないだろうなと思い立った。
『真実印』を組むと小前田が触った宝石はどす黒いオーラが立ち上る石ころに姿を変える。
そういう仕組みか。
それでもカタログスペック100%の前では役に立たないんだけど。
いや本物の宝物になってもらおう。
偽の宝物の数々を見て思った。
これはお宝の山だな。
よし、魔王との戦いに向けてパワーアップしよう。
手始めに呪いを消すか。
偽の宝物を『浄化の杖』で叩いて回る。
そして、説明書きに手を置いてカタログスペック100%をしまくった。
「宝石を本物にしてくれたのね。これで私もシンデレラよ」
小前田は呪われる事になった幸せを呼ぶ宝石を手に入れご満悦だ。
「私はその腕輪が良いわ」
「えっと、『弟子の腕輪』か。なんか地味な名前だな」
「説明書きには魔法神に弟子入りした大魔導師が授かったと書いてあるわよ」
「まあ良いだろ」
御花畑もウキウキと魔法の制御が上がる腕輪を手に取った。
武器の大半はクラスメイトに配り余りは根こそぎアイテム鞄に。
そして上の階に俺達は進んだ。




