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無職の俺は追放されてもへっちゃらカタログスペック100%があるから【旧作】~現実を強引に俺の真実で塗り替える~  作者: 喰寝丸太
偽魔王編

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第75話 魔法勝負

 扉を開けて一階の広間に踏み入れるとやはり扉がばたんと閉まる。

 何が出てくるのかと期待していたら、杖を持ったゴブリン。

 ゴブリンメイジという奴かな。

 それよりもさっきから体がいやに重たい。

 特に腰に吊るした剣がずっしりくる。


 弱体化の呪いでも掛かったか。


「筋力を低下させてゴブリンを強化しているよ」


 和銅(わどう)さんがまたヒントを出した。


 コブリンメイジがファイヤーランスを撃つ。

 ランスというか丸太ほどの太さがある。

 御花畑がファイヤーランスを撃つと部屋の中央でぶつかり合い爆発。

 相殺したかと思ったら撃ち負けていた。

 弱体化したゴブリンメイジのファイヤーランスがよたよたと進んで来る。

 クラスメイトがファイヤーランスを撃ち三人がかりで相殺した。




「さっきの飲み物をちょうだい」


 息も絶え絶えな桜沢さんが要求した。

 鎧の重さとメイスの重さで相当まいっているな。

 俺が『戦士の咆哮』を出すと一気飲み。


「ぷはぁ不味いもう飲めない」


 と桜沢さん。

 状況が改善したかと思いきやへばっている様子は変わりない。


 ゴブリンメイジがまたもファイヤーランスを撃つ。

 今度のは三百年物の丸太だ。

 なんだかパワーアップしてないか。


「ファイヤーランス、ファイヤーランス……ファイヤーランス」


 御花畑が魔法をつるべ撃ちする。

 それでも押し負けている。

 クラスメイトも加わりなんとか相殺できた。


「どうなっているのよ」


 桜沢さんがわめいた。


「さっき『戦士の咆哮』の分が相手に吸収された」


 冷静な和銅(わどう)さんの声。


 矢継ぎ早に撃たれる相手の魔法。

 相殺しきれなくなって、和銅(わどう)さんがエクストニウム製の盾で受け止める場面も出てきた。


 業を煮やした御花畑が特大魔法を放つ。


「ファイヤーハリケーン」


 ゴブリンメイジは水で竜巻を作り相殺した。

 辺りに水蒸気が立ち込める。

 御花畑は見えない敵に苛立ち、ファイヤーランスを撃ちまくる。

 お返しとばかりにゴブリンメイジからも魔法が飛んでくる。

 和銅(わどう)さんがクラスメイトに当たりそうな流れ弾をカバーした。


 水蒸気が晴れるまでは当たらないだろう。

 俺は柱の影に避難して考えを巡らした。




 ふむ、庭では筋力勝負して、そのパワーをここに持ち込むとそれを使いパワーアップか。

 中々いやらしい罠だ。

 これを打開するにはこれだ。

 俺は街の骨董市で買った3センチの石を鑑定書と共に取り出した。

 これは『魔法神の石』。

 なんでも魔法を増幅する効果があるのだそうだ。

 何人か魔法使いが試したが、俺には石を使っても威力が上がっているようには見えなかった。

 売り子も石を使って魔法を撃つたびに魔法使いをよいしょしたが、プラシーボ効果にしか思えない。

 買い手がつかなかったので見ていた俺が安値で買い取った。


 無用の長物の出番だ。

 『魔法神の石』と鑑定書を持ち。


「カタログスペック100%」


 石は七色に光を放つ。


「ほれパワーアップの時間だ」


 俺は石を御花畑に投げた。

 既に水蒸気は晴れている。

 御花畑は石を受け取ると。


「ファイヤーランス」


 直径10メートルほど極太レーザーが発射された。

 ゴブリンメイジは必死に魔法を撃ちまくるが、レーザーをはね返すにはいたらない。

 光に飲み込まれ後にはぽつんと魔石が残された。


 御花畑が手の石に目をやると、それは砂になって手からこぼれた。


「効力切れたんだけど、お替り」

「それ一個しかないんだ」

「使えないわね」

「また何か探してきてやるよ」

「絶対よ。約束だからね」


 危なかったが俺達は危機を乗り越え2階へと上がった。


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