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無職の俺は追放されてもへっちゃらカタログスペック100%があるから【旧作】~現実を強引に俺の真実で塗り替える~  作者: 喰寝丸太
魔族暗闘編

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第72話 王女さらわれる

 俺達は街道で昼食を摂る為に一休みしていた。

 前方から村人が駆け込んで来る。


「大変だ。魔物に女房と子供が襲われて」

「みんな行くわよ」


 桜沢さんが号令を掛け俺達は現場に急行した。

 現場に行くと村人の奥さんと思われる人と子供が狼の魔物に取り囲まれている。

 うん、少しおかしいぞ。

 俺達が駆けつける間に怪我ぐらいするだろう。

 そして、俺達を案内した村人の態度が豹変した。




「ふははは、まんまと罠に掛かったな」

「みんな全力でいくわよ」


 桜沢さんが命令を下し、クラスメイトは戦闘モードに入る。

 近接職が先手とばかりに狼の魔物に攻撃を加える。

 すると、狼の魔物はするりと避けた。


「援護お願い」

「「「ファイヤーランス」」」


 魔法が魔物に向かって飛んでいくがひらりとかわされる。

 おかしい、さっきから魔物の反撃がない。


「やばい、時間稼ぎをされてるぞ。残して来た生産職と王女が危ない」

「魔物の弱点は唐辛子だよ」


 和銅(わどう)さんが『知識の冠』を慌てて被りアドバイスをくれた。

 魔法使いがウォーターランスに唐辛子を混ぜて撃つ。

 魔物が避ける事に集中しているため中々当たらない。


 俺は樽一つの唐辛子の粉をアイテム鞄から出し御花畑に声を掛ける。

 いつカタログスペックの材料が必要になるか分からないから用意しておいたが役に立つもんだ。




「やっちゃって」

「はいよ。トルネード」


 3メートルぐらいの竜巻が唐辛子の粉を巻き上げ辺りに撒き散らす。

 狼の魔物の鼻面に粉がかかり、魔物の苦鳴が聞こえた。

 狼の魔物は鼻面を盛んに擦っている。

 クラスメイトの攻撃が魔物に当たり始めた。

 程なくして狼の魔物は退治された。

 村人に扮していた魔物はいつの間にか居なくなっている。

 俺は『アミオンの目』で残されたクラスメイトと王女を確認した。


 よかった無事みたいだ。

 だが、王女の御付の侍女の様子がおかしい。

 馬車の中を覗いたが王女の姿は無い。

 護衛の騎士も居なかった。


 嫌な予感がする。

 急いで戻ろう。




 生産職と合流すると日野さんが言う。


「魔物が来てさ、魔物よけの柵が役に立たなかったよ」

「みんなに怪我がないようで良かった。強そうな魔物だったか」

「魔王みたいな奴だった。王女の護衛の騎士が奮戦したのだけど王女がさらわれちまって」

「そうみたいだな」


 俺は侍女に声を掛ける。


「王女を探す手掛かりはないか」

「魔物が手紙を残していきました」


 手紙をみると『勇者よ。王女を返してほしくば魔王城まで来い』とある。

 丁寧に魔王城までの地図もあるが。

 あれ、前に『アミオンの目』で見た場所と違う。


 第二魔王城なのかな。

 『アミオンの目』でそこを見るとどうやら廃城を改造したらしい。

 最上階の王座の間には魔王に似た魔物が座っていた。

 その脇には檻があり王女が閉じ込められていた。

 良かった無事だ。

 早く助け出さないと。


 今回は完全に油断だな。

 食事中で和銅(わどう)さんが『知識の冠』を外していたのも痛かった。

 村人の正体を早々に見抜けていればな。

 今度から戦闘には全員連れていくように桜沢さんに進言しておこう。


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