第46話 オーラ回復
俺達は一旦街に戻りお題の解決方法を話し合う。
「オーラって気って事だよな。どうやったら増えるんだ」
「そうね、拳法家の訓練なんかはどう」
御花畑が言った。
「魔力を使うってのはあるけど、気はないな」
「この世界は魔力があるから、そういうふうになるのね」
「体操とかでなんとかならないかな」
小前田も話に加わる。
「オーラアップ体操とかはないな」
「街に出たら何かヒントが見つかるかも」
小前田の勧めにしたがい街に繰り出した。
露店で買い食いしながら歩くが、一向にヒントは降りてこない。
ふと辻で大道芸をやっているのが目に入る。
そうだ、芸能人だ。
オーラがあるとか言っていたはずだ。
書店をはしごして芸能人になる為の本を探す。
その中に『これでオーラアップ間違いなし。明日から出来る芸能人の心得』を見つけた。
俺達は約束の日に森で聖獣を待った。
いつもは早く来ている野上達の姿がない。
あいつら解決策が見つからなかったのかな。
聖獣が現れるとほぼ同時に野上達がやって来た。
「人の子よ、道を示すがいい」
「俺のはこれだ」
野上は巻物を出して来た。
聖獣は巻物を口で受け取ると器用に前足で開いた。
「仙人になる為の奥義書か。すまぬ、これに書いてある事は既に実践しておる」
えーと、仙人になるには食物を断ちましょうだって。
聖獣はご飯たべないのか。
自然と一体になるだって。
既に一体なんだろう。
今回は勝てそうだ。
「俺達はこれだ。では失礼して、カタログスペック100%」
聖獣に触りスキルを発動させる手には『芸能人の心得』。
「今から言う事を実践してくれ。常に見られている事を意識。売りとなる特技と個性。絶対有名になると信じる心とプロ意識」
「なんだそんな事か簡単だな。ぬっ、オーラが徐々に回復しておる。信じがたい」
聖獣の燐光が幾分強くなった気がした。
「この勝負、ハグレチームの勝ちとします」
「くそっ、呪いは解けずか」
「そこの二人よ、我についてまいれ」
聖獣が鼻で俺と野上を指す。
俺達二人は聖獣について森の奥に入っていった。
森の奥には石でできた台座があり剣が一本刺さっている。
こりゃ、聖剣という奴じゃないかな。
「二人とも抜けるかやってみるのだ」
「じゃ俺から」
俺は聖剣に手を掛けて引き抜こうとした。
うわ、動いたよ。
抜いたら不味いよな。
矢面にたつのは勘弁してほしい。
「抜けなかったよ」
俺は嘘をついた。
「今度は俺の番だな。抜けるぞ。やっぱり俺が勇者って事だな」
抜かれた聖剣は燐光を放つ。
野上は何回か素振りした後、剣の刃に布を巻いた。
「決めたぞ俺は王になる。転職してこの忌々しい呪いを解いてやる」
野上は王を目指すのか。
当然、魔王は討伐するよな。
やる気を出すのなら聖剣を譲ったのも悪くない。
「我の目が曇っておったか。二人共、剣に認められそうだと思っておったが」
盛んに不思議がる聖獣を後にして俺は森を後にした。
こうなれば残すは待ちに待った転職の儀だ。
何日か旅をして転職の神殿に到着した俺は儀式に挑んだ。
「神よ、この者に職を授けたまえ」
「何も変わりないけど」
「頭の中に問い掛けてくる声がありませんでしたか」
「ないよ」
「では失敗ですね」
どうもそんな事になる気はしてたんだ。
聖剣が抜けたから、もしかしてという気持ちはあったけど。
なれないものは仕方ない。
あきらめよう。
さて次はどうするかな。
そういえばクラスメイトは男子と女子に別れたのだったな。
女子の方と連絡を取ってみるか。




