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無職の俺は追放されてもへっちゃらカタログスペック100%があるから【旧作】~現実を強引に俺の真実で塗り替える~  作者: 喰寝丸太
ダンジョン奮闘編

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第32話 即死回避

 ダンジョンをショートカットしようと壁に穴を開けた瞬間、何かがきらめいた。

 カキーンっと硬質的な音がしてバラバラと首飾りのガラス玉が床に落ちる。

 俺は喉に衝撃を感じて息ができなくなった。


「バインド」


 横では御花畑が魔法を行使している。

 小前田が爆弾を投げ、爆音が響いたところで俺は意識を失った。




「死んじゃいや。死なないで」

「こんな結末は認めない」


 俺は身体を揺すぶられ意識を取り戻した。


「二人共大げさだな。ちょっと気を失っただけだ」

「良美がエリクサーかけたから心配してないわよ」

「びっくりしたぁ。いきなり倒れるんだもん」


「でもちょっと危なかった。お守りの首飾りは即死防止の為にあるんだ」

「首飾りが切れたって事は即死攻撃だったって事なの」

「そうだな。ところで敵は」




 魔物は既に魔石になって落ちている。

 魔石の横には短刀が落ちていた。


「短刀は鑑定したか」

「やってみる、鑑定。一回だけもの凄い攻撃力を出せるアイテムみたい」


 小前田が鑑定してくれた。


「この階層は即死か。急いで首飾り作らないと」




「どんな材料で作るの」

「乙女の髪の毛を首飾りに編みこむだけだ」


 小前田の疑問に俺は答えた。


「えっじゃあさっき切れたのと私達がしているのは……気持ちわるっ」


 御花畑はゴキブリを見るような目で自分の首飾りを持ち上げて見ていた。


「ねえ、ねえ、誰の髪の毛なの」

「もちろん二人のだ」


 小前田が興味深げに聞いてきたのでそれに俺は淡々と答えた。


「勝手に私達の髪の毛を使うなんて、ひどいじゃない」


 御花畑は少し怒りながら抗議してきた。


「しょうがないだろ。頼んだら髪の毛くれるのか」

「いやよ、呪いのアイテムみたいじゃない」

「私は別に良いよ。どうせ少女が恋人の為に作ったとかの物語があるんでしょ。ロマンチックよね」

「よし、髪の毛は小前田のを使うとして、御花畑は首飾りをやめるのか」

「いやだけど、死ぬのはもっといや」


 俺は糸を二本より合わせ髪の毛も一緒により合わせた。

 ガラス玉に糸を通し、首飾りは出来た。




「よし出来た。カタログスペック100%」


 本を片手にスキルを掛け、首飾りは光に包まれた。

 この本は『タイラン戦国記』、ある武将が婚約者から首飾りを貰い活躍する物語だ。

 それに出てくる首飾りが髪の毛を編みこんであるという訳だ。

 武将は何度も窮地に陥りその度に首飾りを切った。

 そして、婚約者に頭を下げて直してもらい何度も戦いに赴くという事が書いてあった。




 危険は少ない方が良いので透明になるハチマキも装備してダンジョンを進んだ。

 ダンジョンの壁を壊すと、キラリと光った。

 カキーンと音が響く。

 首飾りが切れ、ガラス玉が落ちる。

 またか、今度は額に衝撃を受けた。

 魔物を見ると、黒装束を身に纏い俺達の居場所を睨んでいる。


 素早い敵に手が出ないと思うなよ。

 俺は魔物がまばたきした瞬間に死角から近づき爆弾を背中に放り込んでやった。

 魔物は爆散した。

 どんなもんだ。なめるなよと言いたい。




「ハチマキは効果が薄いみたいだからやめよう」

「あんたが臭いから狙われるんじゃ」

「くん、くん、みんな臭くないよ」

「じゃあ、ハチマキして次に御花畑が狙われたらそういう事だな」


 俺達はダンジョンの壁を壊しながら進む。

 魔物出ないなと思ったら、隣でカキーンと音がした。


「この腐れ魔物がぁ。私は臭くない。ファイヤープリズン」


 炎の檻が出来あがり範囲を狭めて行き、最後は魔物を焼き殺した。




 この後も何度も魔物の攻撃を俺達は喰らったが、不思議と小前田は被害にあわなかった。


「御花畑、音なんじゃないか。音だという事にしておこうよ。そうでないとブーメランになるぞ」

「そうね、私達は臭くない足音が大きいだけ」


 こうして少しぐだぐだになりながら6階層を突破した。


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