十話
僕とレイを心配してくれたのかお姉さんは僕とレイをソファに座らせてお姉さんも遅れて対面に座った。
「私は冒険者組合職員のフローラです。あなた方は」
「ロアです。こっちは妹のレイです」
「二人はどうしてここに来たのかな。ここは冒険者が来るところなんだけど」
「はい。冒険者になりたくて来たんです。僕達は田舎の村からやって来たので冒険者についても全く知識がなくて出来れば一から教えてくれると嬉しいのですが」
「分かりました。大きく分けて冒険者の仕事は二つ。クエストと迷宮の調査。ですが迷宮はそもそもが珍しいので大概がクエストですね」
「クエスト」
レイが反応した。
「クエストっていうのは......ほら、あそこに貼ってある紙のことであそこに書いてある任務をこなすと報酬がもらえるんです」
フローラさんは壁に貼られた紙を指差していった。紙の右上に書いてあるAやBといった記号が気になる。
「右上の記号は」
フローラさんはかなり驚いた顔を見せた。
「あれ見えるんですか」
「はい」
「目がいいんですね。......それはクエストのレベルを表していて受ける冒険者にも資格が必要なんです。クエストの難易度は下からD、C、B、A、Sの順で冒険者にも同様のレベルが付いています。A級クエストはA級以上の冒険者でなければ受けることが出来ません」
位は多分クエストをこなせば上がるのだろう。
「位はクエストを完了することで徐々に上がっていきます」
分かりやすいし、格上相手に挑んで敗北する冒険者を減らすいいシステムだ。
「一番冒険者が多い位はどれですか」
「それはCだね。一年くらい冒険者として生きれば誰でもなれると思うよ」
「B級は珍しいんですか」
「探せばいるって感じかな。でもB級の壁はかなり厚いんだよ」
「フローラさんは説明が上手だね」
レイが笑いかける。
「ありがとう。あんまり褒められたことないから嬉しいな」
一通りの説明は聞けた。次は角の売り場だな。
「そういえば魔物から取ったアイテムはどこで売れるんですか」
「今は閉まっちゃったけどあそこの窓口でクエスト達成の認証と同時に売れるし、他にも売れるところはあるにはあるけど」
「一番近いところ教えてくれませんか」
「うーん。あそこはちょっとお勧めできないんだけど」
「お願いします」
すぐにでもお金が欲しい。若干言い淀んでいるようだが聞き出すことに成功し、ミラさんが書いてくれた小さな地図を受け取ってその場を後にした。