幕間①~北条咲樹~
「どうでぇ、アイツ変わった奴だろう?」
帰りの車の中で豪快に笑う米山を見ながら咲樹はため息しか出なかった。
探偵と言うからには髭が生えていてかわいい娘がいて居候の小学生が居るイメージが強かったのだが、見た目は自分より少し上で生活能力は無いような印象を初見で受けた。
その話を米山に言うと「変なモン読みすぎだ」と笑われた。
「だがな北条」
真面目なトーンで米山は咥えていた禁煙パイプを握り締めた。
「“失しモンを探す”事と“何かあったときの判断力”は出雲のヤツぁ大したモンだ。お前ぇさんと同じくな」
咲樹がハンドルを握る手に自然と力が籠る。
「まぁ後は北条、お前がアイツを見極めろ。そっから切り捨てるなり何なりとすりゃいい」
そう言って米山はシートを倒し目を瞑った。
しばらくの間、咲樹は咲樹なりに考えることにした。
「(行方不明になった菊池桃花は五月の十一日までは学校内で目撃されたのを最後に突然姿を消した。御両親の話では毎晩その日の出来事を報告する約束をしていたが二日経っても連絡がないことを不審に思い警察へ連絡した………………今日米山さんと一緒に零祭学院に行ったけど監視カメラには変な所はなかった)」
気になるのはそんなものだろう、と咲樹はその他は明日にでもと思っていたがふと聴き込みをしたときに“とある噂”を耳にした。
「“ひそひそ様”ーーーーーーーーーーーーーーか」
この科学が発達した現代に非科学的を持ち込むのはどうなのかとは思うが、咲樹にはその言葉が耳から離れなかった。
胸にモヤモヤとしたものが残るまま車を署まで進めるのだった。




