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竜騎士様のお通りだ!  作者: 闇砂糖
最初の草原編
9/41

9.監視

「グギャッ!!」


ゴブリンは驚いた。何故こんな奴がここにいるのか?まぁニンゲン(今日の晩飯)がここにいることも相当珍しいことなのだが。だがそんなことは今となってはどうでもいいのだ。


どうして、こんな"忌み種(化物)"がこんな所にいる⁉︎


てめぇらはてめぇらで生きてろよ!!


お前らはこの世界全て(・・)から嫌われた存在、こっちに干渉してくるんじゃねぇ!


憎むなら俺らじゃなく先祖様でも憎め!なんてったってアイツらは世界を……



残念ながら、ゴブリンの思考はここまでしか辿り着けなかった……


◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌


────我が主様に何をしてくれた?下賤の生物共よ────────


────力無き者よ、憎むなら己の力の無さを憎め。恨むなら己の生まれを恨め。(ひが)むなら己の運命を僻め────────


────今の景色を見よ、踏んでいる大地に感謝せよ、己を包む空を見上げよ、この森を見納めよ────────






もう貴様らに、残された道はないのだから






"還りゆく者達ビギニング・イズ・オーバー"



ドラゴンが口を開く。

全てを包む圧倒的な何かが収束される。

それは、ドラゴンの咆哮と同時に口から放たれ、周りにある木、草、土を巻き込みながら、逃げ出したゴブリン達を永遠の闇へと連れ去った。



◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌



気がつくと、見たことのある景色が広がっていた。


「ん…?ここは……っ!痛たたた!」


全身が痛い。見れば傷だらけである。


えーと、周りはっと……木、木、木。上を見れば空が広がり、下を見ると地面がはるか下に。


そして、気付いた。ここは"最初に転生した時の景色である"と。


つまりここは、ドラゴンの巣であるということ。


「待てっ!ということはまたドラゴンに追いかけられるということじゃねえかっ!」

「落ち着け、我が主よ」

「ひぎぁぁぁぁ!!!?」

「そんなに大きな声を出すな。こちらが驚くではないか」

「ギャァァァァァア!!!!」

「あの〜、話聞いてます?我が主様?」

「ドドドドドラゴンが、しゎべっっはぅた⁉︎」

「我が主よ。頼むから我の話を聞いてくれ」

「なんで⁉︎どうして⁉︎食べられると思ってたのに⁉︎本当になんで⁉︎」

「だから説明すると言っておろうに、全く我が主は人の話が聞けない性格のようだな」

「この状況で人の話聞けるほど精神育ってねえんだよぉ!」

「わがあるじちゃま〜!」

「ウワァ⁉︎な、なんだ?こいつ?…可愛い」

「わがあるじちゃまはわがあるじ。わたちはどらごんのまちゅー。おとなになったらちゅよくなるの!」

「なんだこいつは……可愛すぎるっ!」

「ようやく落ち着いてくれたか、主よ」

「おう、バッチリ落ち着いたぞ。もうどんな現実でも受け止められるぞ」

「うけとめりゅ!」

「そうか、なら良い。まず自己紹介からさせて貰おう。我はロドリゲス。見た目通り、勿論ドラゴンだ。因みに言うとバハムートだ」

「バハムートっ⁉︎それって、すげぇやつなんじゃねえのかっ⁉︎」

「さぁ?そんなことは知らん。まぁ一応この世界では我らの種族は忌み種とされているようだがな」

「忌み種⁉︎やっぱりやばいじゃねぇか!」

「そして…この子は我が娘のマシュー。見た目は幼いがもう立派に一竜前だから安心してくだされ」

「一竜前ってなにっ⁉︎」

「よろちく、ごちゅじんちゃま!」

「おう、よろしくな!」

「主様はわかりやすい方なのだな…」

「そんなことどうでもいいだろ?それより、あのゴブリンから助けてくれたのはお前だろ?なんで助けてくれたんだ?その前はめっちゃ怒って追いかけてきたくせに…」

「怒った?一体いつの話をしている?我が貴方様に怒りという感情を持ったことは一度もないのだが…」

「へ?だって、あの時、卵割ったから怒ったのだとばかり……」

「あれは我の卵ではない。我が夕食用に狙っていたものだ。従って、食事こそ妨害されたものの、そんな怒るほどのことではない」

「え、そうなの?じゃあなんで追いかけてきたんだよ?」

「そりゃ、追いかけるに決まっているだろう?だって我は貴方様の"監視役"なのだから」

「監視役……?…あ、あー、あ…」


俺は糞天使の言っていたことを思い出した。


『神木空…第8世界での貴方には監視役1名をつけさせて頂きます』


『第8世界で最初に会った者を監視役とします。そのおつもりで』


最初に会った者…あぁぁぁ!!


「理解して頂けたようで幸いだ。と言うわけで我は監視役なのだが、それと同時に貴方様に忠誠を誓う謂わば下僕、下僕が主を助けるのは当然のことであろう?」

「すげぇ下僕手に入れたなおい!」

「まちゅーはパパといっちょがいいの!だからあるじちゃまともいっちょなの!」

「そぉかぁ、俺と一緒が良いのかぁ、よしよし可愛いなぁ」

「ふふ、マシューも主様を気に入られたみたいで良かった。それではこれから宜しくお願いする」

「よろちくおねがいもうちあげまちゅ!」

「ああ、よろしくな。ロドリゲス、マシュー!」


こうして、俺の異世界での冒険は始まったのでした。



おまけ


「あ、因みに我は忌み種であるが故、あまり町などには寄りたくないのだが…」

「アレ⁉︎グレン王国無理じゃん!もう予定変えなきゃダメ⁉︎」

「やはり寄るつもりだったよな、そうだよな…」

「しょうがねぇだろ?なんとかして寄るんだよ」

「まちゅーもあんまりよりたくないよ?」

「よし、スルーしてくか!」

「主様っ⁉︎」

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